#4.
MATTERSとは? 過剰摂取における情報収集のためのゴロ Verhoeven AR, et al; Deadly Drug Ingestions. Physician Assist Clin. 2017; 2: 449-463.
#5.
アセトアミノフェン中毒のAction! アセチルシステインを使用するかどうか?
肝移植の相談をするか?
血液浄化療法を行うかどうか?
#6.
アセトアミノフェン中毒ではどのような症状がでるの? 過剰摂取の直後だと症状がほぼないこともある 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023.より抜粋・改変
Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
Med J Aust. 2020 Mar;212(4):175-183. PMID: 31786822 ステージⅠの段階では重症度がはっきりしないことが多いので 症状が軽いことを理由に経過観察してはならない!
#7.
アセチルシステインの適応はどうやって決めるの? 修正Rumack-Matthewノモグラム アセチルシステイン内用液17.6%「あゆみ」 添付文書より抜粋
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066031.pdf. Accessed on November 29, 2024. 縦軸には
血清濃度をプロット 横軸にはODからの
時間をプロット
#8.
アセチルシステインの適応はどうやって決めるの? 血清濃度と時間の交点がこの領域にプロットされたらアセチルシステインを開始 修正Rumack-Matthewノモグラム アセチルシステイン内用液17.6%「あゆみ」 添付文書より抜粋
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066031.pdf. Accessed on November 29, 2024.
#9.
ノモグラムを使用する前に… ノモグラムを通常通り使用できる状況かどうかを確かめる
#10.
ノモグラムを使用する前に… ノモグラムを通常通り使用できる状況かどうかを確かめる
#11.
マネジメントが変わる時間は? 4時間、8時間、24時間 Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484
#12.
ノモグラムは信頼できる? 治療の失敗は1~3%にしかおこらない 病歴が不確実な場合や8時間以後に来院した場合に失敗しうる Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484 AST/ALT上昇 or 血清濃度>10µg/mlがあれば アセチルシステイン開始
#13.
8時間以内にNACを開始できなさそうな場合はどうする? 血清濃度の結果を待たずに、取り急ぎNACを開始 血清濃度判明後、この領域にプロットされたら アセチルシステインを中止できる 8 Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484 アセトアミノフェン中毒の治療のGolden Hourは8時間と覚える
#14.
4時間以内に来院した場合は?① アセトアミノフェンの吸収は4時間以内に完了するため、4時間以降で血清濃度を測定する 血清濃度の測定を待つ Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484 4
#15.
4時間以内に来院した場合は?② 4時間以内に来院していても腸管蠕動を低下させる薬剤を併用している場合は アセチルシステインを吸着する可能性があるため、活性炭の投与は控える 活性炭の投与を検討する Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484
Med J Aust. 2020 Mar;212(4):175-183. PMID: 31786822
#16.
24時間以内に来院しなかった場合は? 摂取のパターンを確認する 24時間 48時間 いったんアセチルシステインを開始し、血清濃度とAST・ALTを測定する Repeated Supratherapeutic Ingestion (RSTI) としてマネジメントする ≦48時間で 150mg/kg/日 or 6g/日 のいずれか少ない方を超えた場合
>48時間で 100mg/kg/日 or 4g/日 のいずれか少ない方を超えた場合
→ 症状あり or 血清濃度≧20µg/ml or AST/ALT上昇があればアセチルシステイン投与 JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484 最初のODから24時間以内に複数回過剰摂取し、24時間以後に来院した場合 24時間 48時間 最初のODから24時間以後にも過剰摂取し、その後来院した場合
#17.
ノモグラムを使用する前に… ノモグラムを通常通り使用できる状況かどうかを確かめる
#18.
マネジメントが変わる摂取量は? 7.5gと30g JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484
上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023. g 7.5 30 ハイリスク摂取であり、ミトコンドリア機能障害 (後述) を発症する可能性あり 毒性が発現するリスクは低い 血清濃度が測定できない場合
推定摂取量≧7.5gであればアセチルシステインを開始する
#19.
30gを超える過剰摂取だとマネジメントはどう変わる? ノモグラムを使用せずに即時アセチルシステイン開始 JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484
上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023. g 7.5 30 ハイリスク症例であり、ミトコンドリア機能障害 (後述) を発症する可能性あり 血清濃度が測定できない場合
推定摂取量≧7.5gであればアセチルシステインを開始する 毒性が発現するリスクは低い
#20.
ノモグラムを使用する前に… ノモグラムを通常通り使用できる状況かどうかを確かめる
#21.
どんな薬に気を付けるべき? 抗コリン薬など腸菅蠕動を低下させる薬の併用 Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484 10 よくあるのは
ジフェンヒドラミン 血清濃度10ug/ml以上かつ治療ライン以下の場合は4-6時間後に血清濃度を再測定
再測定後に治療ラインを超えていればアセチルシステインを開始する 吸収が4時間以内に終わらずnomogram crossing が生じうる
#22.
ノモグラムを使用する前に… ノモグラムを通常通り使用できる状況かどうかを確かめる
#23.
8時間以内にアセチルシステインが投与できずに来院した患者はどうなるの? 急性肝不全のリスクが高まる 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023.より抜粋・改変
Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
Med J Aust. 2020 Mar;212(4):175-183. PMID: 31786822 肝移植の適応を検討する必要がある
#24.
肝移植が可能な施設への相談する基準は? 一概には決められない JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484
Med J Aust. 2020 Mar;212(4):175-183. PMID: 31786822 日本の方が移植の閾値が高く、できる限りの治療・処置を早期に始める必要があるので 相談の閾値は低くしておく方が良いと考えられる
#25.
典型的な臨床経過に当てはまらない注意すべき徴候は? ミトコンドリア機能障害 JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484
上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023 NAPQIではなく、アセトアミノフェン自体の毒性によるものとされる
#26.
ミトコンドリア機能障害を発症している場合の対応は? 30gを超える過剰摂取の高リスク症例では4時間以後でも活性炭投与を推奨する ガイドラインもあるがアセチルシステインを経静脈的に投与することが前提となっている
本邦では経口製剤しかなく、活性炭がアセチルシステインを吸着する恐れもある
高リスク症例であったとしても、4時間以後の活性炭の適用は慎重に判断した方が良い 血清濃度≧900µg/mlで血液浄化療法を検討する JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2327739. PMID: 37552484
Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al. New York, USA, McGraw Hill, 2017
#27.
アセトアミノフェン中毒の Action × MATTERS 【略語】 [APAP]:アセトアミノフェンの血清濃度、NAC:アセチルシステイン、OD:過剰摂取、RSTI:Repeated Supratherapeutic Ingestion Action!
①NAC ②肝移植 ③血液浄化療法