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飯塚病院
“鼻骨骨折” 顔面骨骨折NO.1 救外やるなら知っておきたいシリーズ Part3
#プライマリケア #外傷 #救急外来 #研修医 #形成外科 #鼻骨骨折 #顔面骨骨折 #鼻出血 #鼻篩骨骨折
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最終更新:2022年1月30日
こどもの診察〜救急外来で泣かれないコツ?〜 診察時の心構え!
#救急外来 #PALS #小児科 ##初期研修医 #乳児 #腸重積 #母子手帳 #PAT法
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最終更新:2022年3月29日
違法薬物使用を疑ったら
#救急外来 #ER #救急 #薬物中毒 #救急科 #大麻 #尿中薬物定性検査 #SIGNIFY™ ER #覚醒剤
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最終更新:2022年2月1日
クリスマスはサンタが来るから小児救急受診数少ないのでは?
#救急外来 #救急 #小児科 #Antaaクリスマス特集号2021
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最終更新:2022年12月27日
救急エコーはまず肺より始めよ 簡単ですぐに使えて コスパ最高
#エコー #救急外来 #医学生 #研修医 #救急科 #気胸 #肺エコー #初期研修医 #POCUS #B line #Lung slidingの消失 #A line #Lung sliding
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最終更新:2023年1月5日
【デキレジ】脳梗塞②梗塞部位を予測する方法
#初期研修医向け #救急外来 #ER #神経内科 #研修医 #脳梗塞 #MRI #脳神経内科 #デキレジ
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最終更新:2022年8月5日
NLP Practitionerと考える 医療現場でのコミュニケーションと心の保ち方
#コミュニケーション #患者説明 #終末期 #メンタルヘルス #Breaking Bad News
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最終更新:2023年1月23日
透析バイトで知りたい透析患者の除水について
#透析困難症 #除水 #ドライウェイト #DW #肺鬱血 #昇圧薬 #低アルブミン血症 #浮腫
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最終更新:2022年12月23日
5分でわかる 10秒で治せる あご 脱臼整復
#脱臼 #高齢者
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最終更新:2022年10月9日
がん疼痛に対する神経ブロックの普及を目指して ~飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 ペイン部門での取り組み~
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最終更新:2022年8月25日
そのがん患者さん、緩和ケア科に紹介してください〜患者紹介のメリットとタイミング〜
#消化器内科 #オピオイド #骨転移 #緩和ケア科 #抗がん剤治療 #局所的緩和放射線治療 #腫瘍内科
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最終更新:2022年3月6日
諦めないで、その痛み 緩和ケアに役立つ放射線治療
#緩和ケア #放射線科 #オピオイド #癌性疼痛 #骨転移 #緩和的放射線治療 #Oncologic Emergency #緩和照射 #ラジウム223
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最終更新:2022年2月26日
飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 柏木 秀行 急性期医療で緩和ケアを実践する光景救急!?なのに緩和ケア?いや、救急だから緩和ケアなんすよ〜
自己紹介 1981年生まれ 2001年 筑波大学医学専門学群 入学 2007年 飯塚病院 初期臨床研修 2009年 飯塚病院 総合診療科 後期研修医 2010年 頴田病院へ出向 2011年 飯塚病院 緩和ケア科 後期研修医 2016年 飯塚病院 緩和ケア科 部長2019年 連携医療・緩和ケア科に診療科名変更 緩和医療学会 緩和医療専門医/理事 PC連合学会 プライマリ・ケア認定医・指導医 日本内科学会 総合内科専門医
緩和ケアのイメージ 看取り 治療がなくなったら取り組む 痛みが専門 DNARなら緩和ケア 緩和ケア医が提供する 緩和ケア=麻薬使用 緩和ケアでは原疾患への治療をやめる 間違いではないけど、それだけじゃないよ
4.
Question1 A B ぶっちゃけ よくわからない 自分に任せろ! 救急の緩和ケアって何するの?
5.
症例 71歳男性 心停止蘇生後 特に既往なしADL自立した70歳男性 来院6日前から風邪気味 来院前日から動けない状況であったが病院へ行こうという妻の促しがあったが、受診したがらなかった 来院日 息切れ・頭痛・便失禁があった トイレから出た時に意識レベル低下あり救急要請 救急隊の指示で娘がbystander CPRを開始した。 救急隊接触時初期波形 心静止 Epi 1mg×2回投与 蘇生を継続しながら病院到着 病院到着時ROSC 蘇生まで30min
6.
症例 71歳男性 心停止蘇生後 瞳孔 5mm/5mm -/- 血液検査 低血糖 Glu 50 急性腎障害 Cre 2.3 BUN 69 高カリウム血症 K 8.5 炎症反応高値 CRP 50.5 頭部CT 皮髄境界・脳溝不明瞭化 胸部〜骨盤CT 両側肺浸潤影 診断:敗血症性ショック→心停止→低酸素脳症の疑い
7.
症例 71歳男性 心停止蘇生後 気管挿管/人工呼吸器装着 肺保護換気 FiO2 60% PEEP 12 動脈ライン挿入 CVC挿入 ノルアドレナリン持続投与 GI療法 ERでの医学的処置
8.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症 ER医師が家族へ説明 ・蘇生時間と頭部CT検査から神経学的予後は不良の可能性が高い ・本人は病院嫌いで侵襲的治療をしてまで長生きしたいと望む人じゃなかった(妻による推定意思) 緩和ケアを主体とした対応をする方針となった 内科当直 柏木 救急・集中治療医 東京ベイ出身 2年間の研修で在籍 緩和ケア当直 石上先生 救急担当医
9.
Question2 A B こんな状態で相談されても、何もできることなんてないよ こんな時こそ 緩和ケア アプローチだ! 救急医から相談されたあなたはどうする?
10.
みなさんだったら・・・ 心配している同居の家族(妻・娘)に どのように対応しますか? 内科当直 柏木 緩和ケア当直 石上先生
11.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症 ・発見から救急搬送までの対応への労い ・患者のライフレビュー ・家族の想いを傾聴(妻から夫の語り) ・病状や見通しを共有、方針の再確認(誤解による判断がなかったか) ・症状緩和に寄与しない治療は中止・差し控え(呼吸器以外)とすることを提案 ・医師間では、もし病状が維持したら、朝7時に再評価することを打ち合わせ 内科当直/緩和ケア当直が行ったこと(15分@ER) 「どんなお父さんだったんですか?」 すごく優しい父でした。家族思いで・・・
12.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症 ・入院後の経過から、時間単位で無くなりそうであると判断 ・今後の見通しを詳しく家族に説明(死亡前変化) ・看取り(来院後5時間) ・グリーフケア (ビリーブメントケア) (娘はbystanderで複雑性悲嘆のハイリスク) 緩和ケア当直医師が行ったこと(入院後)
13.
悲嘆(グリーフ/ビリーブメント) とは 大切な人の死を含め、愛着を抱いていた人物や環境、身体機能などを失う 喪失に対する反応の総称であり、様々な心理社会的・身体的反応がみられます。 https://cancerawakens.com/death-loss-part-2-five-stages-of-grieving/ 否認 怒り 取引 抑うつ 需要
14.
ERは悲嘆が複雑化しやすい 社会的に認められない死・殺人 自殺 曖昧な死因 死の不確かさ(遺体が見つからない) 多くの死を同時に経験(災害) 死んだ人との関係 (愛が深いほど) 社会的要因 訴訟 幼少期の分離不安(虐待)
15.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症 生物学的なアウトカムに影響しなくても、 家族の感じる価値に影響するナラティブな思いをキャッチする あと30分で主人は誕生日だったんです。 仕方ないけど残念です。 妻
16.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症 自分一人でなんでもできる必要はない 緩和ケア領域のネットワークとリソースを活用する この家族の悲嘆をケアするためにできることってありますかね? 緩和ケア認定看護師 私たちよく、終末期でも誕生日はご家族と祝ったり、メッセージや手紙書いたりしますよ。
17.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症 自分一人でなんでもできる必要はない 緩和ケア領域のネットワークとリソースを活用する 「0時過ぎたらいつも通りお父さんに、 おめでとうって一緒に言いませんか?」
18.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症
19.
症例 71歳男性 心停止蘇生後・低酸素脳症 石上先生(救急医)で緩和ケア研修中の振り返り お父さんは死んだけど、飯塚病院に来てよかった。いい先生にこんなに頑張ってもらって。いろいろお父さんの話聞いてもらえて嬉しかった。 身体は救えなくても心は救えたのかもしれない
20.
救急当直御法度百例帖 第2版 患者を愛している家族もまた救急患者 家族を失う遺族の嘆きに共感できる姿勢 身体が救えなくても心を救えることがある 99: 救急車から2人の救急患者が降りてきた
21.
緩和ケアのトレーニングを始める前に、柏木が抱いた臨床疑問 この差を生み出す、一般化できるアプローチはないのだろうか 病気になった 亡くなった 辛いことばかりだった 病気になった 亡くなった 辛いことはあったけど、よくしてもらえた
22.
心停止患者の家族に伝えるコトバとは? ×全てやって欲しいですか? ×肋骨が折れてしまうので。 ×蘇生中止してもいいですか? ×もう少し早かったら。。 ×大往生ですよ。 ×救命できなくてすみませんでした。 ×気持ちはわかります。 ×辛いのはあなただけじゃないですよ。 ×時間が気持ちを癒してくれますよ。 ×あなたは若いからまた子供を作れば。 ×そんなに思いつめたらダメですよ。
23.
心停止患者の家族に伝えるコトバとは? ◎ご家族も救急隊も病院でもすごいスピードでみんなで一丸となって頑張って治療したのですけれど蘇生は難しい状態です。 ◎状況から即死(すぐに意識がなくなったと思われる)なので痛みを感じる暇はなかったと思います。 ◎自分を責めないでください。 ◎僕が家族だったとしても救命は難しかったかもしれません。
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心停止患者の家族に伝えるコトバとは? 医療者のスキル不足で 複雑性悲嘆を 作らない
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死別による悲嘆のケアが必要と思われる人数
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メッセージ 救急/急性期医療は緩和ケアっぽい話に触れる場面は多い 救急スタッフで緩和ケアの全てをやる必要はない 救急スタッフが緩和ケアを全くやらなくて良いわけではない できる範囲でできるだけの対応をするために、何を理解し身につけておく必要があるか考えてみる(インプット) 院内/院外のリソースを活用できる準備をしておく 救急医療の現場に身を置くあなたにしかできないことがあるはず このケースを通じて皆さんに理解してほしいこと