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広島大学病院
・この傷に破傷風予防は必要かな…?
・トキソイドとグロブリン製剤、どっちが必要になるんだっけ…?
・破傷風のワクチン定期接種っていつからいつまで、何回だっけ?
救急外来で対応する外傷の患者さんでいつも悩んでは、調べている方々へ向けたスライドです。
ここだけ押さえておきたい情報をミニマムにまとめました。
忘れがちな
・予防接種を受けていない世代は何年生まれなのか
・定期接種後、追加摂取しなくても初期免疫が維持されているのは何歳までなのか?
といったワクチン接種に関する情報もまとめています。
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破傷風予防…必要でしょうか…? こけてアスファルトで擦っちゃったんよ スライド画像)オンライングラフィックツール『Canva』より
破傷風予防…必要でしょうか…? 作業しよったら釘を踏んでしまったんよ スライド画像)オンライングラフィックツール『Canva』より
破傷風予防…必要でしょうか…? 子供同士でケンカしよったみたいです スライド画像)オンライングラフィックツール『Canva』より
破傷風とは ●原因菌:破傷風菌(Clostridium tetani) 土壌や動物の口腔内に存在 ●刺創(特に錆びたくぎ・木片など)による 外傷後に発症しやすい ●神経毒素(tetanospasmin)が 神経系障害・強直性けいれんを引き起こす ➡呼吸不全に関連し死亡する場合も スライド画像)オンライングラフィックツール『Canva』より ●わが国では破傷風の抗体価が低い中高齢者に多く発症 1968年より前に生まれワクチン接種していない方に多い ●年間100例程度が発症 5-9例が死亡 ワクチンによる予防効果が大きい感染症 創傷発生後の早期発症予防が非常に大切 参考) NIID国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/466-tetanis-info.html
創傷を見たらまずは予防の必要性を想起する スライド画像)広島大学病院 演者作成 ●外傷初期診療 Secondary survey 合言葉”FIXES”で思い出す! F:すべての穴に指と管を I:輸液・輸血・抗生剤・破傷風予防 X:X-p 必要に応じてCT施行 E:12誘導心電図 S:シーネ固定
破傷風予防がいる創傷とは…? スライド画像)広島大学病院 演者作成 発症リスクが高い創(Tetanus prone wound) ①受傷後6時間以上 ②深さ1cm以上 ③傷の性状:挫滅創 ④受傷機転:銃創・挫滅・熱傷・凍傷・刺傷 動物咬傷・使用済みの釘による傷 ⑤すでに感染兆候がある ⑥土・砂・糞便・唾液などの汚染がある ⑦神経損傷・虚血がある ●汚染がひどくない創からの感染も報告あり 伊藤史英ら 明らかな外傷を認めなかった破傷風の2例, 日本耳鼻咽喉科学会会報 2014; 117(1): 41-5. ●あらゆる創傷においてリスクを考慮する必要がある C Prevaldi, et al. World J Emerg Surg. 2016 Jun 18;11:30.
破傷風予防…必要でしょうか…? 創部の所見だけでは必要性を判断できない ➡参考にしつつ、ワクチン接種歴の確認を スライド画像)オンライングラフィックツール『Canva』より
破傷風予防のまとめ 破傷風トキソイド:沈降破傷風トキソイド 0.5mL 筋注 破傷風免疫グロブリン:テタダムP 250IU筋注 テタノブリンIH250IU静注(重症外傷では1,500IU) 参考) Liang JL, et alRecomm Rep 2018; 67:1. Havers FP, et al.. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020; 69:77. ●破傷風トキソイド:能動免疫 ●抗破傷風ヒト免疫グロブリン(HTIG):受動免疫 ※生物製剤なので同意取得を忘れずに! ●受傷後速やかに投与する(診断が遅れても投与) ・潜伏期は3-21日(中央値8日)
引用) C Prevaldi, et al. World J Emerg Surg. 2016 Jun 18;11:30. Prophylaxis Against Tetanus in Wound Management. American College of Surgeons Committee on Trauma 1995 清潔な傷と汚染創の違い
破傷風のワクチン接種 参考) NIID国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/466-tetanis-info.html ●破傷風トキソイド:能動免疫 【トキソイド 定期接種】初期免疫が確立➡10年間は免疫力維持 ・DPT-IPVワクチン生後3ヶ月以上90ヶ月未満に3+1回接種(1期) ・10-13歳に1回の追加接種(2期) ※上記を受けていない場合 2回以上の初回接種と1回の追加接種で同様免疫を獲得 20-23歳であれば基本的に初期免疫が維持されている
Take home message ●破傷風は死亡率が高いが予防接種が有効な感染症 ●創部で感染のリスク評価をしつつ、予防の適応は ワクチン接種歴の確認が必要 ●定期予防接種をされていない1968年生まれ (2022年現在54歳)以前は未接種の人が多いので注意
医学の学び・医学書レビューを発信させていただいています 公式LINEアカウント(定期記事配信+セミナー情報) https://line.me/R/ti/p/%40339dxpov ブログ(勉強ノート・医学書レビュー) https://dancing-doctor.com/antaa