#2. せん妄とは せん妄とは、全身状態の悪化に伴って、一時的に意識状態が障害される状態です。炎症、電解質異常、ICU入院、脱水、疼痛、便秘、薬、環境変化などが原因になりえます。認知症などの基礎疾患があるとハイリスクです。
周囲から見ると、うとうとしたり、そわそわしたり、怒りっぽくなったり、暴れたり、幻覚が見えたりと、別人のように見えることがあります。
治療としては原疾患の治療、身体症状の緩和が重要です。薬物治療としては、ラメルテオン(ロゼレム®)、スボレキサント(ベルソムラ®)などの睡眠薬や抗精神病薬が用いられますが効果は限定的です。非薬物治療として見当識補助、家族面会、早期離床などが重要です。
COVID-19で重症化する方は高齢者・基礎疾患がある方が多く、そこにさらに炎症・ICU入院などが重なるため、せん妄を起こすリスクが高いです。また、感染予防のため、家族面会などの非薬物療法の多くが行えないのが現状です。
そのような中でも、できるだけ患者さんのためになるよう、工夫していきます。ご家族の皆様にもご理解・ご協力いただけると幸いです。 ご家族・スタッフ用