#4.
肺炎球菌ワクチンをお勧めする方 ① 全ての乳幼児 ② 肺炎球菌感染症で重篤化するリスクのある方 ③ 高齢者 ・免疫の異常(免疫不全、脾摘後、抗癌剤など) ・心臓や肺などに慢性的な基礎疾患がある方 ・髄液漏や人工内耳のある方など (65歳未満でも)
#5.
肺炎球菌ワクチン、お勧めしてみませんか? 私はひどい喘息が あるから、打って おこうかな。 いつもの あの患者さんに、 勧めよう! そういえば、 うちの母親は 打ってないな
#6.
プレベナー ポリサッカライド 肺炎球菌ワクチン、 PCVややこしいなあ。 PPSV バクニュバンス ニューモバックス コンジュゲート キャップバックス
#7.
今、使える肺炎球菌ワクチン ※ 2025年11月 時点 ワクチンの種類 備考 ニューモバックス NP ポリサッカライド 23価(PPSV 23) プレベナー 20 コンジュゲート 20価(PCV 20) バクニュバンス コンジュゲート 15価(PCV 15) キャップバックス コンジュゲート 21価(PCV 21)
#8.
肺炎球菌ワクチンの基礎知識 古くは、ホルマリンで不活化した肺炎球菌そのものを ワクチンとして使っていた 現代のワクチンは、肺炎球菌が人に悪さをするのために 重要な、「莢膜多糖体(ポリサッカライド)」を抗原として 使ったワクチンが主流になっている
#9.
肺炎球菌のやっかいさ ・莢膜多糖体(ポリサッカライド)にたくさんの種類があり、 それによって「血清型」として分類している 100種類 以上! ・ヒトにとって、特に侵襲性の強い血清型も複数ある ・「すべての血清型に効く」ワクチンはまだない ・特に侵襲性の強い、または流行している血清型を選び、 ワクチンにしている 1 2 3 6A 6B 7F 8 9V ...
#10.
■ ニューモバックス ~昔からある肺炎球菌ワクチン~ 高齢者で、自治体の 補助が出るのは通常 このワクチンのみ • 莢膜多糖体を抗原として用いている → ポリサッカライドワクチン(PPSV)と称される • 免疫原性が弱い(ワクチンの効果がやや弱い) • 乳幼児などでは、十分な効果が得られない → 小児では用いられない • ブースター効果も少なく、効果が減弱していく → 患者によっては5年ごとの再接種が必要
#11.
コンジュゲートワクチンの登場 ~肺炎球菌ワクチンの改良~ • 莢膜多糖体にキャリア蛋白を結合(コンジュゲート)して、 免疫原性を高めた「コンジュゲートワクチン」。 → 小児にもOK。長期間効果が持続する • 小児の定期接種にも組み込まれた 肺炎球菌由来の 莢膜多糖体抗原 • 最近は改良されたワクチンが 一気に増えてきている ワクチンの効果を高めるため 結合させた、キャリア蛋白
#12.
■ プレベナー ~小児に絶大な影響を与えたワクチン~ • 小児への定期接種が始まり(当初は7価のプレベナー)、 その後小児のIPDが劇的に減少した。 • その後、7価でカバーできない 血清型の肺炎球菌に対応するため、 13価、20価と改良されていった。 こどもの髄膜炎、 最近はぜんぜん 見なくなった!
#13.
やっかいな肺炎球菌 ~続~ ・近年、ワクチンがカバーする血清型の肺炎球菌による IPDが減少してきて、カバーしない血清型によるIPDが 増えてきてしまっている(血清型置換) 24F 15A 19A
#14.
■ キャップバックス ~最近の「流行り」を抑えたワクチン~ • 近年見られなくなってきた 血清型を敢えて外して、 近年主流となってきている 血清型を選んでいる。 最近の報告で、肺炎球菌性肺炎やIPDを起こした菌の血清型の 統計では、プレベナー20をはるかに上回るカバー率だった
#15.
65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方 (2025年9月、日本感染症学会・呼吸器学会・ワクチン学会合同委員会) PPSV23 未接種者 PPSV23 既接種者 1年以上あけて PPSV23(定期) PCV20(任意) PCV20(任意) PCV21(任意) PCV21(任意) PCV15(任意) 1~4年以内 PPSV23(任意) PPSV23 ニューモバックスNP PCV20 プレベナー20 PCV21 キャップバックス PCV15 バクニュバンス ・PPSV23の再接種(5年毎)は、原則として選択枝としない ・PCV接種後のPCVの再接種の時期は決定できていない(1年以上あければ可能)
#16.
ACIP 2024、肺炎球菌ワクチン接種の推奨 (ACIP:米国CDCの予防接種諮問委員会) ① 50歳以上の成人 過去のワクチン歴 なし、またはPCV 7のみ ② ① 2024年10月、 「65歳以上」から 引き下げられた ② 19 – 49歳の慢性疾患のある成人 推奨されるワクチン接種 PCV 21またはPCV 20の1回接種。またはPCV 15→PPSV 23(1年以上あけて ※) PPSV 23のみ 最後のPPSV 23から1年以上あけてPCV 21、PCV 20、PCV 15のいずれかを1回接種 PCV 13のみ PCV 13接種から1年以上あけてPCV 21またはPCV 20のいずれかを1回接種 PCV 13と65歳未満でのPPSV 23 最後の肺炎球菌ワクチンから5年以上あけてPCV 21またはPCV 20のいずれかを1回接種 PCV 13と65歳以上でのPPSV 23 ひとつ上の段と同じだが、臨床的判断を患者と共有し相談する ※免疫不全者、脳脊髄液漏、人工内耳がある患者は8週間後でも可
#17.
今後の肺炎球菌ワクチンの期待 ・コンジュゲートワクチンが高齢者の定期接種に 使えるようになってほしい (ニューモバックス以外にも補助が出てほしい) ・血清型に依存しない、ユニバーサルワクチンが 開発されてほしい ・肺炎球菌ワクチンを打った方が良いはずの人たちに 肺炎球菌ワクチンのことをもっと知ってほしい
#18.
各肺炎球菌ワクチンの適応等 ※ 2025年11月 時点 定期接種 ニューモ バックス NP (PPSV20) プレベナー 20 (PCV 20) バクニュバンス (PCV 15) キャップバックス (PCV 21) ・65歳以上 ・60-64歳の身障1級 (心・腎・肺・HIV) 保険適応 2歳以上の (※詳細は添付文書) 2歳以上の ・鎌状赤血球疾患、脾機能不全 ・基礎疾患のある者 脾摘後の患者 ・高齢者 ・免疫抑制治療予定 ・高齢者 ・肺炎球菌罹患リスクが高い人(※) 2か月–6歳未満の小児 (原則 PCV 20 を使用) なし 任意(自費)適応 なし ・高齢者 ・肺炎球菌罹患リスクが高い人(※) (15歳以上) ・高齢者 ・肺炎球菌罹患リスクが高い成人(※) ※ 「肺炎球菌リスクが高い者」の定義は、次ページ
#19.
※ PCVの適応となる「肺炎球菌リスクが高い者」 • 慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患または腎疾患 • 糖尿病 • 基礎疾患もしくは治療により免疫不全状態であるまたはその状態が疑われる者 • 先天的または後天的無脾症(無脾症候群、脾臓摘出術を受けたもの) • 鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症 • 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御機能が低下した者 • 上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者
#20.
自費なのに、なんで「適応」があるの? 自由診療じゃないの? この「適応」に沿った患者に接種することを推奨しているんじゃ。 「適応外」の接種は禁じられていると言うわけではないんじゃが、 もし有害事象などが起きた場合に救済制度を利用できない可能性 があるので注意が必要じゃ。 ただ、適応の詳細に書かれてある、「上記以外で医師が本剤の 接種を必要と認めた者」をどう解釈するかは、接種する医者しd