#4.
HBV再活性化 ⚫HBVキャリアからの再活性化 ⚫既往感染者からの再活性化 de novo B型肝炎: 既往感染者からの再活性化による肝炎
#5.
HBV感染の分類 慢性肝炎 非活動性キャリア 既往感染 活動性のある肝炎 持続感染しているが 活動性なし 過去の感染 HBV排除済 ALT 高値 正常 正常 HBs抗原 (+) (+) (–) HBc抗体 (+) (+) (+) HBs抗体 (–) (–) (±) HBV-DNA (+) まれに(+) 検出限界以下〜低値 (–)
#6.
HBVの感染、増殖 B型肝炎ウイルスが肝細胞内に感染 ↓ ウイルス遺伝子が核内に移行 ↓ rcDNA(不完全二本鎖DNA) ↓DNA修復 cccDNA(完全二本鎖DNA)を形成 • cccDNAは核内で安定に維持され、ウイルス複製や抗原産生の鋳型となる • HBV感染から回復した後でもcccDNAが長期間残存する 非活動性キャリアや既往感染者にHBV再活性化が起こる
#7.
免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン B型肝炎治療ガイドライン(第4版) 日本肝臓学会 補足:血液悪性疾患に対する強力な化学療法中あるいは終了後に、HBs抗原陽性あるいはHBs抗原陰性例の一部においてHBV再活性化によりB型肝炎が発症し、その中には劇症化する症例があり、注意が必要である。また、血液悪性疾患または固形癌に対する通常の化学療法およびリウマチ性疾患・膠原病などの自己免疫疾患に対する免疫抑制 療法においてもHBV再活性化のリスクを考慮して対応する必要がある。通常の化学療法および免疫抑制療法においては、HBV再活性化、肝炎の発症、劇症化の頻度は明らかでなく、ガイドラインに関するエビデンスは十分ではない。また、核酸アナログ投与による劇症化予防効果を完全に保証するものではない。 注1) 免疫抑制・化学療法前に、HBVキャリアおよび既往感染者をスクリーニングする。HBs抗原、HBc抗体およびHBs抗体を測定し、HBs抗原が陽性のキャリアか、HBs抗原が陰性でHBs抗体、HBc抗体のいずれか、あるいは両者が陽性の既往感染かを判断する。HBs抗原・HBc抗体およびHBs抗体の測定は、高感度の測定法を用いて検査することが 望ましい。また、HBs抗体単独陽性(HBs抗原陰性かつHBc抗体陰性)例においても、HBV再活性化は報告されており、ワクチン接種歴が明らかである場合を除き、ガイドラインに従った対応が望ましい。 注2) HBs抗原陽性例は肝臓専門医にコンサルトすること。また、すべての症例において核酸アナログの投与開始ならびに終了にあたって肝臓専門医にコンサルトするのが望ましい。 注3) 初回化学療法開始時にHBc抗体、HBs抗体未測定の再治療例および既に免疫抑制療法が開始されている例では、抗体価が低下している場合があり、HBV DNA定量検査などによる精査が望ましい。 注4) 既往感染者の場合は、リアルタイムPCR法によりHBV DNAをスクリーニングする。 注5) a. リツキシマブ・オビヌツズマブ(±ステロイド)、フルダラビンを用いる化学療法および造血幹細胞移植: 既往感染者からのHBV再活性化の高リスクであり、注意が必要である。治療中および治療終了後少なくとも12か月の間、HBV DNAを月1回モニタリングする。造血幹細胞移植例は、移植後長
#8.
免疫抑制・化学療法開始前に HBV治療が必要な症例 ① HBs抗原(+) ②以下を全て満たす場合 • HBs抗原(–) • HBs抗体(+)またはHBs抗体(+) • HBV DNA 20 IU/mL (1.3 LogIU/mL)以上 免疫抑制・化学療法開始前に 肝臓専門医と相談の上、核酸アナログを開始する
#9.
免疫抑制・化学療法治療中に HBVモニタリングが必要な症例 • HBs抗原(–) • HBs抗体(+)またはHBs抗体(+) • HBV DNA 20 IU/mL (1.3 LogIU/mL)未満 HBVモニタリング • HBV DNA 1–3ヶ月毎に1回 • AST, ALT 1–3ヶ月毎に1回 (治療内容によって間隔・期間を検討する) HBV DNA 20 IU/mL (1.3 LogIU/mL)以上 の場合、 核酸アナログ開始
#10.
HBV再活性化のリスク • ウイルスの感染状態:非活動性キャリア>既往感染 • HBs抗原陽性例ではHBe抗原陽性、HBV DNA量が高値 であることが高リスク
#11.
免疫抑制・化学療法によるリスク • リツキシマブ、オビヌツズマブなどを含む血液腫瘍に対す る化学療法はHBV再活性化のリスクが高い • 通常の化学療法や副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬でも HBV再活性化のリスクがある • 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)治療中のHBV再活性 化も報告されている (免疫関連有害事象に対するステロイド使用時も注意が必要)
#12.
核酸アナログの中止基準 核酸アナログは肝細胞の核内に存在するcccDNAを消失させること はできない 核酸アナログを中止するとcccDNAを鋳型としてウイルス複製が 行われる ※HBV DNAが陰性化したからといって、すぐに核酸アナログを中 止してはいけない!
#13.
核酸アナログの中止基準 ① HBs抗原陽性例: B型慢性肝炎における核酸アナログ終了基準を満たしている ② スクリーニング時HBc抗体/HBs抗体陽性例: 1. 2. 3. 4. 免疫抑制・化学療法後、少なくとも12ヶ月治療を継続 ALT値が正常化 HBV DNAが持続陰性化している HBs抗原、HBコア関連抗原も持続陰性化していることが望ましい
#14.
Take home message • HBV再活性化による肝炎は重篤化するリスクがある • 肝炎によって原疾患の治療に支障が出る恐れもある • 免疫抑制・化学療法開始前にHBs抗原、HBc抗体、HBs抗 体のチェックは必須 • 免疫抑制・化学療法を行う場合には、適切にHBVモニタリ ングや治療介入を行う • 安易に核酸アナログを中止してはいけない