#4.
肝実質の障害?胆道系の障害?血流障害? 肝障害の原因は多岐にわたるが、日常臨床ではCommonな疾患を しっかり鑑別する 鑑別リストは項目が多すぎて 日常臨床ではあまり役に立たない… 肝臓クリニカルアップデート2022 より転載
#5.
肝実質の障害?胆道系の障害?血流障害? 肝障害の原因は多岐にわたるが、日常臨床ではCommonな疾患を しっかり鑑別する 肝実質 ・ウイルス ・アルコール ・NASH ・薬剤 ・自己免疫性肝炎 ・代謝 ・腫瘍 ・原発性胆汁性胆管炎(PBC) ・結石 ・腫瘍 胆道系 三重大学肝胆膵・移植外科Home page より転載 ・うっ血肝 ・ショック肝 血流障害
#6.
血流障害による肝障害の特徴 心不全(うっ血肝)やショック(ショック肝)などの病歴 多臓器障害を反映してLDH>AST>ALT となることが多い LDH 中央値 AIH Cardiac Drug Virus 477 IU/L 13448 IU/L 6289 IU/L 918 IU/L ALT AST 中央値 AIH Cardiac Drug Virus 870 IU/L 10240 IU/L 7674 IU/L 2695 IU/L 中央値 AIH Cardiac Drug Virus 827 IU/L 4517 IU/L 8652 IU/L 3300 IU/L
#7.
血流障害による肝障害の一例(心不全によるうっ血肝) Peripheral blood WBC RBC Hb Plt Blood chemistry 20200/ml 396×104/ml 12.3g/dl 13.1×104/ml Virus markers HBs抗原/CLIA 抗HCV抗体 (-) (-) Autoantibody 抗核抗体 40倍未満 抗ミトコンドリア抗体定量 20倍未満 抗ミトコンドリアM2定量 0.6 TP Alb UA BUN Cr T-Bil AST ALT ALP γ-GT LAP LDH CPK Ig-G 6 3.4 14.4 74.4 1.21 1.9 2020 1563 252 306 141 2295 118 1033 g/dl g/dl mg/dl mg/dl mg/dl mg/dl IU/l IU/l IU/l IU/l U/l U/l U/l mg/dl
#8.
1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 31日 32日 33日 34日 血流障害による肝障害の一例(心不全) 3000 2500 2000 1500 AST(GOT) AT(GPT) LDH 1000 500 0 心不全の改善とともに肝障害も改善
#9.
胆道系による肝障害の特徴 多くは γGTP>AST, ALT 胆道系酵素優位の上昇(絶対ではない) ビリルビン上昇を伴う 結石の場合は有症状(腹痛、発熱等)のことが多い 腫瘍の場合は無症状の黄疸で受診することも多い 上記の特徴があれば胆道系異常による肝障害を疑い 画像検査を優先 まずは超音波エコー検査、poor studyであればCTを MRCPをやれば大抵の結石はわかるが、小結石や胆泥は同定できない こともある →専門医にEUSやERCPを相談
#10.
胆道系による肝障害の特徴(passing stone) 発作性の症状(心窩部痛・右季肋部痛)があったが数時間で改善 受診時はほぼ無症状もしくは改善傾向 AST, ALTが3桁~4桁に上昇 ビリルビンやALP, γGTPは軽度上昇 炎症反応も軽度上昇か正常範囲内 画像検査をしても明らかな総胆管結石を指摘できない 総胆管結石落石後(passing stone)として無治療経過観察 経過フォローで肝障害が比較的速やかに改善していれば問題なし γGTPは半減期が2週間程度なので改善はゆっくり 再発に注意
#11.
Passing stone による肝障害の一例(受診時) 受診前日の晩に右季肋部・背部痛あり。受診時は症状改善 Peripheral blood WBC RBC Hb Plt 5400/ml 456×104/ml 13.1g/dl 19.7×104/ml Virus markers HBs抗原/CLIA 抗HCV抗体 (-) (-) Blood chemistry TP Alb UA BUN Cr T-Bil AST ALT ALP γ-GT LDH CPK CRP 6.6 4.1 3.1 13.2 0.65 2.1 1212 739 312 412 183 35 0.98 画像検査では明らかな総胆管結石・胆管結石なし g/dl g/dl mg/dl mg/dl mg/dl mg/dl IU/l IU/l IU/l IU/l U/l U/l
#12.
Passing stone による肝障害の一例(2日後) 症状は特に増悪なく経過 Peripheral blood WBC RBC Hb Plt 4800/ml 454×104/ml 13.1g/dl 19.5×104/ml Virus markers HBs抗原/CLIA 抗HCV抗体 (-) (-) Blood chemistry TP Alb UA BUN Cr T-Bil AST ALT ALP γ-GT LDH CPK CRP 症状・経過からpassing stoneと診断 6.7 4.2 3.3 11.2 0.61 1.2 181 431 233 219 173 24 0.67 g/dl g/dl mg/dl mg/dl mg/dl mg/dl IU/l IU/l IU/l IU/l U/l U/l
#13.
肝実質の障害(本日の本題) 急性?慢性? 急性の肝障害なのか、慢性の肝障害なのか 過去データを見直し問診を追加する 以前から同程度の肝機能障害を指摘 以前から肝機能障害あるがやや増悪傾向 健診でいつも肝機能障害指摘されていた 慢性 以前に肝障害の指摘なし 以前から肝機能障害あるが突然増悪 体調が悪く採血したら肝障害指摘 入院中の採血フォローで肝障害出現 急性
#14.
肝実質の障害(慢性の場合) あわてる必要なし(大抵はAST, ALT<250) 現状評価と成因の検索を 現状評価 →肝線維化評価(下図参照) 腫瘍はないか(画像検査 USが一般的) 肝硬変診療ガイドライン2020 改訂第3版より転載
#15.
肝線維化の評価方法 M2BPGi (Mac-2 binding protein glycoslation isomer) →生化学検査 長崎医療センター Home page https://nagasaki-mc.hosp.go.jp/about/kan_news20161025.html より転載
#16.
肝線維化の評価方法 FIB-4 index →年齢, AST, ALT, 血小板から算出されるスコア (age × AST IU/L) / (platelet 109/L) × √(ALT IU/L) 成因により基準値が異なる 計算が煩雑なのでアプリ等使用 超音波 elastography →剪断波等で肝硬度を測定する メーカーにより測定方法・名称が異なる (FibroScan, ShearWave Elastography) Philips homepageより転載
#17.
慢性肝障害(慢性肝炎)の成因検索 ウイルス HCV HBV 飲酒量(エタノール換算 男性 60g/day、女性40g/day以上) アルコール 自己免疫 NASH AIH(自己免疫性肝炎) IgG, ANA PBC(原発性胆汁性胆管炎) IgM, AMA, AMA-M2 (非アルコール性脂肪肝炎) 既往歴(DM・DLp等)、脂肪肝 薬剤歴、健康食品、サプリなど 薬剤 代謝 HCV-Ab →HCV RNA(RT-PCR) 注射の回し打ちなど HBsAg, (HBsAb, HBcAb) →HBV DNA(RT-PCR) Wilson病など 家族歴、若年者 AIH・PBCおよび診断がつかない時は肝生検を考慮(専門医コンサルト)
#18.
肝実質の障害(急性の場合) 少しドキドキしながら 現状評価と成因の検索を 現状評価 →AST, ALTの値は?(私見) <250 それほど心配ない(外来フォロー可) 250~1000 少し心配(close follow up) >1000 入院を検討 肝不全になっていないか?(PT活性) >80% 正常 60~80% やや低下 40~60% 肝不全が心配 <40% 肝不全 画像検査(US, CT)肝萎縮・肝腫大、線維化評価 PT活性が低下している症例は肝臓チームのある高次医療機関へ相談
#19.
急性肝障害(急性肝炎)の成因検索 薬剤 薬剤歴、健康食品、サプリなど アルコール 飲酒歴 ウイルス HBV HAV HEV (HCV) EBV CMV 自己免疫 IgM-HBcAb, HBsAg, HBV-DNA 性交渉歴、再活性化の可能性? IgM-HA抗体 摂食歴(牡蠣などの2枚貝) IgA-HEV抗体 摂食歴(豚・イノシシなど) HCV抗体, HCV-RNA 注射の回し打ちなど VCA IgG, VCA IgM, EBNA CMV IgG, CMV IgM 自己免疫性肝炎(肝炎様発症) IgG, ANA, 肝生検 HAV, HEVの潜伏期間は4-8週間程度ある HAV, HEVの多くは不顕性感染で終わるが、時に強い急性肝障害を起こす
#20.
薬剤性肝障害をどうやって診断するか? 被疑薬がある場合は中止して経過をみる 被疑薬がはっきりしない場合は除外診断 肝障害が出現するタイミングは、薬剤投与(内服)後すぐに出現 することもあれば、2年以上内服してから出現することもある DSLT(薬物によるリンパ球刺激テスト)を行うこともあるが、 結果が陰性であっても否定はできない(保険適応外) どうしても中止できない薬剤の場合は、慎重に経過観察しながら AST, ALT <150程度であれば継続は可能と思われる(背景肝が正常の場合) 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害 厚生労働省
#21.
HBV再活性化を見逃さない(なぜなら医原性だから) 免疫抑制剤の使用や抗がん剤(特にリツキシマブ)の 使用歴がないかを確認 HBV-DNA陰性→HBV-DNA陽性化→HBsAg陽性化→肝炎(再活性化) →劇症化すると救命困難 B型肝炎治療ガイドライン 2022年5月 第4版より転載
#22.
閑話休題 劇症肝炎って何? 肝炎による急性肝不全昏睡型とほぼ同義 急性肝不全 非昏睡型 昏睡型 →PT活性が保たれてた肝臓がPT活性<40% →意識清明もしくは肝性脳症1度まで →肝性脳症2度以上 写真はイメージです・・・
#23.
肝性脳症のおさらい
#24.
肝性脳症のおさらい はばたき振戦 短時間の筋緊張消失をみている GILEAD社homepageより https://www.hcvcanbecured.jp/kankohen/decompensation/
#25.
本日のメニュー ①肝障害に出会ったらやること(診断) ②肝障害をマネジメントする(治療)
#26.
慢性肝障害(慢性肝炎)の治療目標 肝硬変まで進行させない(炎症を抑える) 肝癌を見逃さない(定期画像フォロー)
#27.
慢性肝障害(慢性肝炎)の治療 ウイルス HCV HCV RNA陽性であればDAAでの治療適応 HBV HBV DNA陽性であれば核酸アナログ製剤での治療適応 (慢性肝炎の場合はALT>30, DNA>3.3logIU/ml) 断酒、精神科コンサルト 節酒によるharm reductionの有用性も報告されている アルコール 自己免疫 AIH 軽症→UDCA、中等症以上→ステロイド PBC UDCA、(治療抵抗性の場合はベザフィブラート) NASH 生活習慣病の治療、減量、ユベラ(ビタミンE) 薬剤 薬剤中止
#28.
慢性C型肝炎に対する治療 SOF/LDV:ソホスブビル/レジパスビル(ハーボニー配合錠) GLE/PIB:グレカプレビル/ビブレンタスビル(マヴィレット配合錠) SOF/VEL:ソホスビル/ベルパタスビル(エプクルーサ配合錠) C型肝炎治療ガイドライン 2022年5月 第8.1版より転載
#29.
慢性B型肝炎に対する治療 ETV:エンテカビル(バラクルード) TDF:テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(テノゼット) TAF:テノホビル・アラフェナミド(ベムリディ) B型肝炎治療ガイドライン 2022年5月 第4版より転載
#30.
肝癌のスクリーニング 超危険群(B型/C型肝硬変) 3~4ヶ月毎の超音波検査+腫瘍マーカー測定 6-12ヶ月毎のdynamic CT/MRI検査(option) 高危険群(B型/C型慢性肝炎、非ウイルス性肝硬変) 6ヶ月毎の超音波検査+6ヶ月毎の腫瘍マーカー測定 腫瘍マーカー:AFP, PIVKA II, AFP-L3分画 肝癌診療ガイドライン 2021年版 より転載
#31.
急性肝障害(急性肝炎)の治療 肝不全にならないかclose follow up 肝不全になったら(なりそうなら)治療介入 AIH(自己免疫性肝炎)を疑う場合は早めにコンサルトを 肝不全昏睡型なら肝移植適応を検討
#32.
急性肝障害(急性肝炎)の治療 薬剤 薬剤中止 アルコール 禁酒、入院時は離脱せん妄注意 ウイルス HBV HAV HEV 肝不全でなければ肝安静で経過観察 (HCV) EBV CMV 自己免疫 AIH 肝生検後、ステロイド投与検討 強力ネオミノファーゲンシー(SNMC)は使いますか? →肝障害の改善が緩徐な時は使用してもいいかも(はっきりとしたエビデンスなし)
#33.
急性肝不全になったら・・・(なりそうなら) 基本的には専門医にコンサルト そして治療介入! 炎症を抑える→ステロイドパルス (mPSL1g 3日間→漸減が一般的) HBV急性肝炎の場合は核酸アナログ併用 昏睡型の場合は 血液浄化療法(HDF/CHDF) 人工肝補助療法(血漿交換) 肝移植を検討
#34.
症例提示(3例)
#35.
薬剤性肝障害の1例 45歳 女性 【主訴】 黄疸、肝機能障害 【現病歴】 20XX年9月19日に発熱等で前医受診、血液検査で肝機能 障害指摘され、造影CT施行されたが明らかな異常所見 なくUDCA内服開始となった。その後、肝機能障害は改 善傾向となったためUDCA継続し経過観察となった。 10月28日頃より眼球黄染あり10月30日に前医受診、T-Bil 8.2mg/dL, AST 1677 IU/L, ALT 2679 IU/Lと著明な黄疸・ 肝機能障害を認め当科紹介 【既往歴】 うつ病、高血圧症、便秘症、肝機能障害 急性膵炎、胆摘後
#36.
薬剤性肝障害の1例 【内服歴】 デュロキセチン、ロラゼパム、エチゾラム フルニトラゼパム、エビリファイ イルベサルタン、アムロジピン、ビソプロロール ミネブロ、ウルソ、ユベラ 防風通聖散(20XX年9月14日に新規処方) 【飲酒歴】 なし 【生活歴】 海外渡航歴なし 貝類の摂取なし 調理不十分な豚肉・ジビエ料理等の摂取なし 【輸血歴】 なし 【画像検査】CT 脂肪肝 MRCP 特記すべき異常所見なし
#37.
薬剤性肝障害の1例 初診時採血データ WBC 7100 /μl TP 6.9 g/dl RBC 456 ×104/μl Alb 3.9 g/dl Hb 14.3 g/dl Ig-G 1485 mg/dl Plt 22.9 ×104/μl Ig-A 173 mg/dl T-Bil 11.8 mg/dl Ig-M 54 mg/dl D-Bil 9.7 mg/dl CRP 0.70 mg/dl AST 1173 IU/l PT活性 ALT 2213 IU/l PT-INR LDH 461 IU/l HBV Ag - ALP 121 IU/l HCV Ab - γ-GTP 277 IU/l ANA BUN 5.5 mg/dl AMA Cre 0.67 mg/dl AMA-M2 79 % 1.14 40 倍 - 倍 <1.5 U/l
#38.
薬剤性肝障害の1例 入院後経過 AST/ALT (IU/l) 3000 ERCP T-Bil (mg/dL) SNMC60mg グリチロン配合錠内服 SNMC60mg 20 第7病日 AST 457, ALT 682 T-Bil 18.4 2800 2600 2400 18 16 2200 14 2000 1800 12 1600 T-Bil 1400 1200 1000 10 第17病日(退院) AST 152, ALT 238 T-Bil 7.8 ALT 8 6 800 600 4 AST 400 2 200 12/20 12/18 12/16 12/14 12/12 12/10 12/8 12/6 12/4 12/2 11/30 11/28 11/26 11/24 11/22 11/20 11/18 11/16 11/14 11/12 11/10 11/8 11/6 11/4 11/2 0 10/31 0
#39.
PMDA 医薬品副作用被害救済制度
#40.
A型急性肝炎の夫婦例 症例1 60歳 男性(夫) 【主訴】 倦怠感、発熱 【現病歴】 20XX年10月10日37.2℃の微熱が出現し、10月13日には 38℃の発熱を認め、倦怠感が出現したため10月14日救 急外来を受診。 【既往歴】 20歳:虫垂切除術、50歳代に検診でγGTP高値を指摘 【内服歴】 なし 【飲酒歴】 機会飲酒 【生活歴】 受診数ヶ月以内の海外渡航歴なし 受診5〜7週間前にホタテの刺身を3度食べた 調理不十分な豚肉・ジビエ料理等の摂取なし 【輸血歴】 なし
#41.
A型急性肝炎の夫婦例 初診時採血データ①(夫) WBC AT-ly 4620 /μl 4 % BUN 16 mg/dl Cre 0.97 mg/dl RBC 483 ×104/μl TP 6.4 g/dl Hb 15.4 g/dl Alb 4.1 g/dl Plt 14.5 ×104/μl Ig-G 800 mg/dl Ig-A 100 mg/dl T-Bil 1.5 mg/dl Ig-M 261 mg/dl D-Bil 0.7 mg/dl CRP 1.28 mg/dl AST 2086 IU/l ALT 1689 IU/l PT活性 LDH 2066 IU/l PT-INR ALP 633 IU/l γ-GTP 920 IU/l 68 % 1.18
#42.
A型急性肝炎の夫婦例 初診時採血データ②(夫) HAV IgM HAV IgG HBsAg HBV DNA HCVAb(3rd) HCV RNA IgA HEV CMV IgM CMV IgG VCA IgM VCA IgG EBNA 8.21 S/CO (-) 0.001 IU/ml <2.1 LogCp/ml 0.001 検出せず logIU/ml (-) 0.46 24.8 <10 倍 160 倍 160 倍 ANA AMA AMA-M2 <40 倍 20 倍 14.2 U/l
#43.
A型急性肝炎の夫婦例 入院後経過(夫) AST/ALT (IU/l) PT活性 (%) mPSL 1g→漸減 8000 第3病日 AST 6447, ALT 6767 PT活性 38.7% 7000 160 PT活性 140 6000 120 5000 100 4000 80 3000 60 ALT 第19病日(退院) AST 28, ALT 193 PT活性 121% 2000 AST 40 1000 20 0 0 10/14 10/16 10/18 10/20 10/22 10/24 10/26 10/28 10/30 11/1
#44.
A型急性肝炎の夫婦例 症例2 56歳 女性(妻) 【主訴】 発熱 【現病歴】 20XX年11月4日(夫の退院3日後)38.7℃の発熱が出現 し、発熱が持続するため11月7日(夫の退院6日後)救 急外来を受診。 【既往歴】 乳癌術後、子宮筋腫術後、高血圧、境界型糖尿病 【内服歴】 オルメサルタン、クラリスロマイシン、ロキソプロフェン 【飲酒歴】 機会飲酒 【生活歴】 受診数ヶ月以内の海外渡航歴なし 夫と同日にホタテの刺身を食べた 調理不十分な豚肉・ジビエ料理等の摂取なし 【輸血歴】 なし
#45.
A型急性肝炎の夫婦例 初診時採血データ①(妻) WBC 2080 /μl BUN 13.6 mg/dl 0.52 mg/dl RBC 475 ×104/μl Cre Hb 14.8 g/dl TP 6.1 g/dl Alb 3.8 g/dl Ig-G 689 mg/dl Plt 9.4 ×104/μl T-Bil 1.4 mg/dl Ig-A 75 mg/dl D-Bil 0.9 mg/dl Ig-M 206 mg/dl CRP 4.2 mg/dl AST 2097 IU/l ALT 1805 IU/l LDH 1307 IU/l PT活性 73.1 % ALP 1093 IU/l PT-INR 1.14 γ-GTP 489 IU/l
#46.
A型急性肝炎の夫婦例 初診時採血データ②(妻) HAV IgM HAV IgG 4.14 S/CO (-) HBsAg 0.001 HBc Ab 762.5 HBc IgM 1.4 HBV DNA <2.1 HCVAb(3rd) 0.001 検出せず HCV RNA IgA HEV (-) IU/ml S/CO S/CO LogCp/ml logIU/ml CMV IgM CMV IgG VCA IgM VCA IgG EBNA 0.46 24.8 <10 倍 160 倍 160 倍 ANA AMA AMA-M2 <40 倍 20 倍 14.2 U/l
#47.
A型急性肝炎の夫婦例 入院後経過(妻) AST/ALT (IU/l) 11000 PT活性 (%) CsA 0.7mg/kg/day mPSL 1g→漸減 110 第3病日 AST 8773, ALT 6973 PT活性 28.4% 10000 100 9000 90 8000 80 PT活性 7000 70 6000 60 5000 50 4000 40 3000 第25病日(退院) AST 65, ALT 166 PT活性 105% 第13病日 AST 393, ALT 1264 PT活性 52.7% ALT 2000 30 20 AST 1000 10 0 0 11/7 11/9 11/11 11/13 11/15 11/17 11/19 11/21 11/23 11/25 11/27 11/29 12/1
#48.
急速な転機をたどったB型急性肝不全昏睡型の1例 51歳 女性 【主訴】意識障害 【現病歴】 入院3日前より感冒症状・食思不振を訴え入院前日に近医受診。 対処療法で経過観察となっていたが入院当日の朝に自宅で意識障 害となり前医に救急搬送された。血液検査でAST 7652 IU/l, ALT 7000 IU/l, PT活性 <10%, NH3 >500μg/dl, BS 12 mg/dl, HBs 抗原陽性とB型急性肝不全昏睡型と考えられる所見を認め、集中治 療目的に同日当院に転院となった。 【入院時現症】 BT:36.8℃ HR:128 BP:58/30mmHg RR:30 SpO2:100%(4Lマスク) 意識 JCS200 身体所見に明らかな異常認めず
#49.
急速な転機をたどったB型急性肝不全昏睡型の1例 WBC RBC 20290 /μl 319 ×104/μl T-Bil 5.1 mg/dl TP 5.4 g/dl D-Bil 3.0 IU/l Alb 3.7 g/dl 10.5 g/dl AST 4923 IU/l Ig-G 833 mg/dl MCV 92 fl ALT 4586 IU/l Ig-A 77 mg/dl MCH 32.9 pg LDH 1764 IU/l Ig-M 185 mg/dl MCHC 10.3 % ALP 482 IU/l Fe 194 μg/ml 10.3 ×104/μl γ-GTP 157 IU/l フェリチン 9939 ng/ml Hb Plt 白血球分画 アミラーゼ 2034 IU/l 血糖 102 mg/dl アンモニア 373 μg/dl CRP 0.76 mg/dl 好中球 69.0 % リパーゼ リンパ球 21.0 % BUN 21.9 mg/dl 8.0 % Cre 4.16 mg/dl 好酸球 0.0 % 尿酸 16.5 mg/dl 好塩基球 0.0 % Na 1.0 % 2.0 % 単球 赤芽球 異形リンパ球 420 IU/l PT活性 <10 % 134 mEq/l APTT 74.6 sec K 5.8 mEq/l フィブリノーゲン 94 mg/dl Cl 90 mEq/l FDP 23 μg/ml
#50.
急速な転機をたどったB型急性肝不全昏睡型の1例 HA-IgM (-) 0.12 S/CO VCA-IgG 80 倍 HBsAg (+) 633.5 IU/ml VCA-IgM <10 倍 HBsAb (-) <10.0 mIU/ml EBNA HBcAb (+) 7.18 S/CO CMV-IgG (-) 0.3 HBc-IgM (+) 30.4 S/CO CMV-IgM (-) 0.27 5.0 パルボB19-IgM (-) 0.17 0.3 S/CO HSV-IgG (+) 20.4 HSV-IgM (-) 0.23 HIV抗体 (-) HBc関連抗原 HBeAg (-) HBeAb (+) HBV-DNA 89.8 % 5.9 LC/ml HBV遺伝子型 C 80 倍 抗核抗体 <40 倍 HBVプレコア 変異型 抗平滑筋抗体 <20 倍 HBVコアプロモータ 野生型 AMA <20 倍 HCV抗体 (-) HCV-RNA (-) HEV-IgA (-) 0.003 - L・IU/ml AMA-M2 1.5 U/ml
#51.
mPSL 1000mg 500 mg 250 mg 125 mg ETV AST/ALT 5000 (IU/L) 60m 30m 15m 10m g g g g 25 T-Bil/D-Bil (mg/dl) 4500 4000 20 3500 3000 15 ALT(GPT) 2500 2000 10 1500 1000 500 0.58 0.40 0.36 0.28 0.33 0.33 0.32 0.32 0.34 0.33 0 T-Bil D-Bil D/T比 5 0 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21 10/22 10/23 10/24 10/25 10/26 HDF 血漿交換 FFP補充 AST(GOT)
#52.
アンモニア (μg/dl) 肝性脳症 Ⅳ度 400 40 350 35 300 30 250 25 200 20 PT活性値 (%) アンモニア PT活性値 150 15 100 10 50 5 0 0 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21 10/22 10/23 10/24 10/25 10/26 HDF 血漿交換 FFP補充
#53.
アンモニア (μg/dl) 肝性脳症 Ⅳ度 400 40 350 35 300 30 250 25 200 20 PT活性値 (%) アンモニア PT活性値 150 15 100 10 50 5 0 0 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21 10/22 10/23 10/24 10/25 10/26 HDF 血漿交換 FFP補充
#54.
アンモニア (μg/dl) PT活性値 (%) T-bil (mg/dl) 200 70 60 PT活性 150 50 40 100 アンモニア 30 20 50 家族を認識 T-Bil 従命可能 10 0 0 10/26 10/27 10/28 10/29 10/30 10/31 11/1 Online HDF CHF/CHDF 血漿交換 CHF 11/2 11/3 CHF 11/4 11/5 11/6 11/7 CHDF 11/8
#55.
ΒDグルカン (pg/ml) アスペルギルス抗原 (COI) 400 10 9 350 8 300 ΒDグルカン 7 250 6 200 150 100 5 4 第15病日 肺アスペルギルス症 第22病日 アスペルギルス抗原 アスペルギルス菌塊塞栓 第23病日 治療撤退3 2 50 1 0 0 10/26 10/27 10/28 10/29 10/30 10/31 11/1 11/2 MCFG VRCZ 11/3 11/4 11/5 11/6 AMPB 11/7 11/8
#56.
まとめ ・肝機能障害の診断・治療について概要を説明しました ・慢性肝障害は肝硬変にならないことを目標に 定期的な画像フォローを忘れなく ・急性肝障害(特に急性肝炎)は早めに専門家へ コンサルトを
#57.
肝臓についての参考図書 B型・C型肝炎などのガイドラインも充実しているのでご一読を (肝臓学会HPで無料配布されています)