テキスト全文
症例提示と患者の経過について
#1. 症例で学ぶ! 「神経診療の基本を症例を通じてマスターする」
テーマ:パーキンソン病じゃない? Daisuke Yamamoto
Department of Neurology, Shonan Kamakura General Hospital
#3. 80歳
女性 10年前に振戦症状が出現した。
5年前に振戦症状を主訴に▲病院を受診。
パーキンソン病の可能性が考慮され、
レボドパ投与が開始された。
同院で通院継続していたが、自分がPDかどうか疑問に思い、
紹介状を依頼し、今回当院へ転医となった。
既往歴:高血圧症、白内障
内服薬:ドパコール 200mg/day
追加で聞くべき病歴の重要性
#5. 追加病歴 振戦の様式
進行性増悪の病歴
Pre-motor symptoms
便秘症
レム睡眠行動障害
家族歴
レボドパ反応性
パーキンソン病の病態と文献
#6. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2020;91:795–808. PDにおけるDisease trajectory
#7. mov disord. 2015;30:1591-1601 mov disord. 2015;30:1591-1601
#8. mov disord. 2015;30:1591-1601
振戦の特徴と評価方法
#9. 80歳
女性 レボドパ反応性はない。
便秘症はない。
レム睡眠行動障害はない。
ET OR PDの家族歴はない。
この経過で、症状の進行はない。
動作時に増悪する振戦である。
無動症状はない。
10年の経過で、振戦のみで、緩徐な悪化である。
#10. 渦巻描画をしてもらう、書字をしてもらう。
書字ができなくて困る、が主訴だったりする。
鑑別診断の考慮事項
#12. 鑑別診断の上位は? QUESTION パーキンソン病
パーキンソン症候群
本態性振戦
甲状腺機能亢進症
#13. アクションはどうしますか? QUESTION ダットスキャン
MIBG心筋シンチ
レボドパの中止
その他
振戦とパーキンソン病の関連性
#16. discusssion 「振戦のみ」でPDを疑っていいか? 高齢発症の振戦では、PDを想起する。
pill rolling tremorではまずPDを考慮する。
振戦のさまのみでは判定は難しい。PDの基本は安静時振戦>姿勢時振戦。
re-emergent tremorはヒント。
安静時振戦=>上肢挙上姿勢で振戦止まる=>数秒の潜伏期間の後に再出現する。
基本は、無動+Tremorであるべき。左右差があるとPDに支持的。
#17. discusssion 本態性振戦とPDの合併はあるか? ET患者が、のちにPD発症はありうる。ETとPDの関連性の議論もある。 ETではRBDの合併率が高いなど。
temor Other Hyperkinet. 2019;8:589.
ETもPDも高齢発症。ETは年齢とともに増加する。
ETだからといって、PDは絶対否定しないでおくのが良い。
変性疾患のポイントとまとめ
#19. 変性疾患のポイント:進行する、時間を味方につける。
PDであるべき、非運動症状を確認する。
PDらしくない条件について理解する。
本態性振戦 VS PD というテーマを理解する。