#4.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 喘息の病態 正常な気道 気管支喘息患者の気道 平滑筋肥大 気道上皮細胞の 破壊・剥離 気管支 拡張 気道粘液の 分泌亢進 平滑筋(筋層) Ep: 気道上皮 ASM: 気管支平滑筋 SBM: 上皮下基底膜 MG: 粘液腺 粘膜下腺 過形成 抗炎症 上皮下線維増生 気流閉塞(気流制限)/気道過敏性の亢進 病気がみえる vol.4 呼吸器 第1版: p5, 124, 2007 Am J Respir Crit Care Med 2003;167:1360
#5.
喘息の診断 1 2 3 4 5 6 問診(臨床経過)や 診察(身体所見・理学所見)が重要! 発作性の呼吸困難・喘鳴・胸苦しさ・反復する咳 可逆性の気流制限 →可逆性検査・ピークフローの日内変動 気道過敏性の亢進 →過敏性検査 気道炎症の存在 →喀痰細胞分画(好酸球チェック)・呼気NO アトピー素因の存在 →血液検査(特異的IgE) 他の疾患の除外
#6.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 治療 喘息予防・管理ガイドライン2021 治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4 ICS(低用量) ICS(低~中用量) ICS(中~高用量) ICS(高用量) 上記が使用できない場合、 上記で不十分な場合に以下の 上記に下記のいずれか1剤、 以下のいずれかを用いる いずれか1剤を併用 あるいは複数を併用 長 期 管 理 薬 基本 治療 LTRA テオフィリン徐放製剤 LABA(配合剤使用可) LAMA LTRA テオフィリン徐放製剤 LABA(配合剤使用可) LAMA(配合剤使用可) LTRA テオフィリン徐放製剤 抗IL-4Rα抗体 症状が稀なら必要なし 追加 治療 発作治療 上記に下記の複数を併用 LABA(配合剤使用可) LAMA LTRA テオフィリン徐放製剤 抗IgE抗体 抗IL-5抗体 抗IL-5Rα抗体 抗IL-4Rα抗体 経口ステロイド薬 気管支熱形成術 アレルゲン免疫療法(LTRA以外の抗アレルギー薬) SABA SABA SABA SABA
#7.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 難治性喘息とは 症状のコントロールに… -高用量吸入ステロイド(ICS) -気管支拡張薬(β刺激薬・抗コリン薬・テオフィリン製剤) -経口ステロイド(OCS) -各生物学的製剤 を要する喘息。またこの治療でもコントロール不良な喘息。 難治性喘息 診断と治療の手引き 2019 一部改編
#8.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 難治例対応のためのフローチャート 難治性喘息 生物学的製剤は、 併存症に対する適応を含む各 薬剤の特徴、患者の社会経済 的背景などから総合的に判断 して選択する。 2型炎症 非2型炎症 生物学的製剤 抗IgE抗体 抗IL-5抗体 抗IL-5Rα抗体 マクロライド系抗菌薬 抗IL-4Rα抗体 生物学的製剤の選択は 現場判断に任されている 気管支熱形成術 喘息予防・管理ガイドライン2021 マクロライド:喘息に対して本邦未承認
#9.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 難治性喘息に対する生物学的製剤 抗IgE抗体 抗IL-5抗体 抗IL-5 受容体α抗体 抗IL-4 受容体α抗体 抗TSLP抗体 一般名 (商品名) オマリズマブ (ゾレア®) メポリズマブ (ヌーカラ®) ベンラリズマブ (ファセンラ®) デュピルマブ (デュピクセント®) テゼペルマブ (テゼスパイア®) 投与対象 アトピー型 IgE 30-1500 Eos ≧150-300 Eos ≧150-300 Eos >150 FeNO >25ppb 重症喘息 バイオ マーカー - 血中Eos 血中Eos 血中Eos・FeNO 血中Eos・FeNO 併存症 適応 特発性慢性蕁麻疹 季節性アレルギー性鼻炎 好酸球性 多発血管炎性肉芽腫症 - アトピー性皮膚炎 慢性副鼻腔炎 結節性痒疹 - 投与方法 体重・総IgE値 →投与量・間隔 成人100mg 4w 小児 40mg 30mg 4w 3回 →以降8w 自己注射 〇 〇 初回 600mg →以降300mg 2w 210mg 4w 〇 アレルギー総合診療のための分子標的治療の手引き 一部改編
#10.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 重症/難治性喘息 治療アルゴリズム 好酸球≧150 FeNO≧25 通年性吸入抗原 感作の有無 喘息診療実践ガイドライン2022 難治性喘息診断と治療の手引き2023
#11.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 血中好酸球数と喘息増悪発現リスク 血中好酸球数と翌年の喘息増悪率比 翌年の 喘息増悪率比[95%信頼区間] 血中好酸球数カットオフ値(cells/μL) 〔患者の割合〕 ≧150 〔62.5%〕 ≧200 〔48.7%〕 ≧300 〔30.1%〕 ≧400 〔18.3%〕 vs vs vs vs <150 1.01[0.85, 1.20] 〔37.5%〕 <200 1.07[0.91, 1.27] 〔51.3%〕 <300 1.16[0.97, 1.39] 〔69.9%〕 <400 1.31[1.07, 1.60] 〔81.7%〕 (n=2,392) 0.50 0.75 より低リスク 1.00 1.25 1.50 より高リスク 1.75 2.00 好酸球数が上がると 翌年の喘息増悪率↑ J Allergy Clin Immunol Pract 2014;2:741
#12.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 気道炎症の機序 気道内腔 吸入性感作 アレルゲン ムチン 産生 気管支 上皮細胞 上皮 傷害 eotaxin RANTES GM-CSF IL-33 IL-25 TSLP IL-8 Th2 IL-4 IL-13 好酸球 MBP IL-17 LTC4 PGD2 B細胞 IL-5 IL-13 ILC3 VCAM-1 血管 IL-8 LTB4 TNF-α IL-13 ILC2 IL-5 IL-4 IL-3 LTC4 IL-13 GM-CSF TGF-β マクロファージ Th17 DC IgE マスト細胞 ウイルス、真菌、各種の汚染・刺激物質など 好中球 MMPs エラスターゼ 活性酸素種 ICAM-1 気管支平滑筋 DC:dendritic cell, 樹状細胞 TSLP:thymic stromal lymphopoietin, 胸腺間質性リンパ球新生因子 IL:interleukin RANTES:regulated on activation, normal T cell expressed and secreted GM-CSF:granulocyte macrophage colony-stimulating factor, 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 LT:leukotriene PG:prostaglandin TGF:transforming growth factor, 形質転換増殖因子 MBP:major basic protein ILC:innate lymphoid cell, 自然リンパ球 TNF:tumor necrosis factor, 腫瘍壊死因子 ICAM:intercellular adhesion molecule, 細胞間接着分子 VCAM:vascular cell adhesion molecule, 血管細胞接着分子 MMP:matrix metalloproteinase 喘息予防・管理ガイドライン2021
#13.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 オマリズマブ 【作用機序】 血中遊離IgEのCε3に結合 高親和性IgE受容体とIgEの結合を阻害 I型アレルギー反応を抑制、IgE陽性細胞の減少 【投与方法】 6歳以上の小児・成人:75-600mg/回 2又は4週毎 皮下注 難治性喘息 診断と治療の手引き 2023 一部改編
#14.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 オマリズマブ 増悪抑制効果 8つのオマリズマブ vs プラセボを比較した臨床試験の メタアナリシス 喘息増悪 43%低下 Chest 2011;139:28
#15.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 メポリズマブ 【作用機序】 IL-5に特異的に結合 IL-5による好酸球の増殖抑制 末梢血・喀痰・気道粘膜内の好酸球数を減らす 【投与方法】 6-12歳:40mg/回 4週毎 皮下注 12歳以上:100mg/回 4週毎 皮下注 難治性喘息 診断と治療の手引き 2023 一部改編
#16.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 メポリズマブ 増悪抑制効果 高用量ICSや他のぜんそく治療 でも2回以上の増悪歴のある 好酸球性重症喘息 32週間での喘息増悪 発現頻度を低下 N Engl J Med 2014;371:1198
#17.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 ベンラリズマブ 【作用機序】 IL-5受容体α鎖に結合 高い抗体依存性細胞傷害活性を有する 好酸球のアポトーシス誘導、末梢血・骨髄・気道中の好酸球減少 【投与方法】 成人:30mg/回 初回・4週・8週後 皮下注 以降8週間隔 難治性喘息 診断と治療の手引き 2023 一部改編
#18.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 ベンラリズマブ 増悪抑制効果 中等量ICSや他のぜんそく治療 でも2回以上の増悪歴のある 好酸球性重症喘息 末梢血好酸球≧300/μL群で 56週間での喘息増悪 発現頻度を低下・症状スコア改善 Lancet 2016;388:2128
#19.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 デュピルマブ 【作用機序】 IL-4受容体α鎖に結合 IL-4、IL-13両方のシグナル伝達を阻害 IgE産生細胞への分化誘導を阻害、気道炎症やリモデリングも抑制 【投与方法】 12歳以上:初回600mg/回 以降300mg/回 2週毎 皮下注 難治性喘息 診断と治療の手引き 2023 一部改編
#20.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 デュピルマブ 増悪抑制効果 中等量~高用量ICSや他治療 でも1回以上の増悪のある喘息 52週間での喘息増悪 発現頻度を低下 N Engl J Med 2018;378:2486
#21.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 テゼペルマブ 【作用機序】 TSLPの中和抗体として作用を阻害 TSLPはグループ2自然リンパ球(ILC2)や好酸球の分化誘導に関係 喘息気道の広いサイトカインネットワークの上流から抑制的に作用 【投与方法】 12歳以上:210mg/回 4週毎 皮下注 難治性喘息 診断と治療の手引き 2023 一部改編
#22.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 テゼペルマブ 増悪抑制効果 中等量ICSや他のぜんそく治療 でも増悪歴のある喘息 好酸球数・FeNO値に関 わらず年間増悪率を有意 に改善 N Engl J Med 2021;384:1800
#23.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 難治性喘息に対する生物学的製剤 抗IgE抗体 抗IL-5抗体 抗IL-5 受容体α抗体 抗IL-4 受容体α抗体 抗TSLP抗体 一般名 (商品名) オマリズマブ (ゾレア®) メポリズマブ (ヌーカラ®) ベンラリズマブ (ファセンラ®) デュピルマブ (デュピクセント®) テゼペルマブ (テゼスパイア®) 血中好酸球数 と効果 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 好酸球低値例 に対する効果 △ × × × ○ FeNOと効果 ○ ○ - ○ ○ - ○ ○ - ◎ ○ - ◎ ○ ○ OCS減量効果 気道過敏性改善
#24.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 喘息に生物学的製剤を活用するために ▶定期的に採血(Eos・IgE含む)・肺機能・呼気NOチェック ▶過去のEos値を振り返る ▶ICS/LABA/LAMAが入る症例は… 一度はどの生物学的製剤が適応になるか考える。相談する。 ▶症状が残る喘息症例は治療の強化と共に… 生物学的製剤の説明書きを渡して読んできて頂く ▶医師だけでなく… 看護スタッフや薬剤師・医事課やMSWにも介入して頂く
#25.
Antaa 呼吸器勉強会 『難治性喘息診療 早わかり 生物学的製剤の実際』 Take Home Message ①難治性喘息に対して 5種類の生物学的製剤がある(2023年9月時点) ②好酸球数・FeNO値・通年性抗原感作の有無で 治療法を選択 ③導入前に喘息診療チームで介入する