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間質性肺炎の緩和ケア

  • 呼吸器内科

  • 緩和ケア科

  • 緩和ケア
  • 間質性肺炎

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内容

本スライドの対象者

研修医/専攻医
番場祐基

新潟大学医歯学総合病院 高次救命災害治療センター


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その他(279)


間質性肺炎の緩和ケア

  • 1.

    間質性肺炎の緩和ケア 佐渡総合病院 内科 番場祐基

  • 2.

    2013年卒 2019年4月〜佐渡総合病院 内科(呼吸器) Special interests・感染症 ・感染管理 ・漢方・診断学 ・研修医教育 Infection control doctor ブロガー医「内科医のジレンマ」Facebook, Twitter <自己紹介>

  • 3.

    INDEX 間質性肺炎とは なぜ、呼吸困難/低酸素血症になるのか 間質性肺炎の急性増悪 間質性肺炎の終末期/緩和ケア

  • 4.

    間質性肺炎(ILD) 特発性間質性肺炎 膠原病関連間質性肺炎 過敏性肺炎 職業性肺疾患 薬剤性肺炎 好酸球性肺炎 急性呼吸窮迫症候群(ARDS) 感染症 その他の稀な肺疾患(アミロイドーシス、肺胞蛋白症, ランゲルハンス細胞組織球症, リンパ脈管筋腫症)

  • 5.

    分類 特発性間質性肺炎(IIPs) 特発性肺線維症(IPF) 非特異的間質性肺炎(NSIP:c-NSIP, f-NSIP) 剥離性間質性肺炎(DIP) 呼吸細気管支炎間質性肺疾患(RB-ILD) 特発性器質化肺炎(COP) 急性間質性肺炎(AIP) Travis WD, et al. AJRCCM, 2013 major 線維化が主体 喫煙関連 急性/亜急性 IPF:最も多い 通常緩徐進行 症状:乾性咳嗽、労作時呼吸困難

  • 6.

    IPF(特発性肺線維症) IPFの診断 MDD* :専門医による集学的検討 Raghu G, et al. AJRCCM, 2018.

  • 7.

    IPF(特発性肺線維症) IPFの治療 抗線維化薬 ピレスパ®️  695.7円/錠 1日3錠       オフェブ®️  6574.4円/カプセル 1日2カプセル ・患者により進行が異なる:無治療経過観察も多い  ・IPF以外の間質性肺炎ではステロイドを用いることが多い 18万7839円/月 39万4464円/月 ●肺癌の合併も多い

  • 8.

    急性増悪 IPFの平均生存期間:約3-5年 (20%程度は10年以上生存) 急性増悪をきたした場合:2ヶ月程度 急激な咳嗽、呼吸困難感、低酸素血症の進行 間質性肺炎の急性増悪 間質性肺炎患者+肺炎 or 心不全 難しい 治療:ステロイドパルス(メチルプレドニゾロン 500-1000mg 3日間)    効果不十分のとき       ・エンドキサンパルス      ・PMX- DHP(エンドトキシン吸着)      ・肺血栓塞栓症合併:抗凝固薬 どれも予後改善のエビデンスに乏しいが、 救命のためにはやるしかない

  • 9.

    間質?なぜ苦しい? 間質 肺の「屋台骨」 ガスの通り道 肺が固くなる(伸縮力がなくなる) →肺活量が低下 (拘束性換気障害) O2の拡散が低下する →血中への酸素の取り込みが低下 (拡散障害) O2 CO2は拡散しやすく障害されない CO2 心拍数を上げない!

  • 10.

    O2 CO2 O2 O2 O2 O2 O2 O2 O2 酸素投与 いくら酸素を投与しても 労作時は低下してしまう ⇨動かなくなる 廃用進行 低栄養 フレイル/サルコペニア 精神疾患 ・うつ ・せん妄

  • 11.

    非がん患者の緩和ケア 最近になってようやくスポットライトが当たるようになってきたが、まだまだエビデンスが乏しい 中でも末期心不全のデータは増えているが、 呼吸器疾患に関してはほとんどない。 慢性疾患のケア 緩和ケア 看取り 境界があいまい PCC4U, Queensland University

  • 12.

    呼吸困難の治療ガイドライン 基礎疾患の治療 精神・社会的因子の治療 呼吸リハビリ 抗不安薬 麻薬 NIV Am J Respir Crit Care Med 2008: 177:912-27

  • 13.

    間質性肺炎の終末期 急性増悪→改善が乏しい 緩徐進行and/or 急性増悪後でHOT導入 BMC Palliat Care. 2016 Oct 12;15(1):85. 終末期に起こること  呼吸不全の進行に伴う廃用症候群 気胸/縦隔気腫 精神疾患の合併 誤嚥性肺炎や尿路感染症(いわゆる老衰の経過で起こる事象) IPF患者の意思決定は遅れがちで 不必要に検査・治療されやすい 間質性肺炎患者が上記で入院したときには、終末期であることを理解し 不必要な身体侵襲を避けること、支持療法に努める必要がある 慢性呼吸不全患者の終末期に 関するエビデンスは乏しい 乏しいエビデンスの中でも豊富なのはCOPDでIPFはさらに乏しい

  • 14.

    間質性肺炎(ILD)の終末期肺がん患者さんとの比較(日本) Koyauchi T, et al. Thorax. 2020. Fig 3 「身体的・心理的苦痛の軽減」と 「予後の認識と意思決定への参加」 について、肺がん患者さんより低いスコア Fig 2 肺がんよりも呼吸困難感を訴える方が多い ILD患者は専門的な緩和ケアサービス(8.5%対54.3%、p<0.001)とオピオイド投与(58.2%対73.4%、p=0.003)を受ける割合が低かった。 検査や輸血・輸液、延命処置、IPPV、NPPVを受けている患者はILD患者の方が多かった。 ILD患者の過半数は急性増悪であり、より侵襲的な処置を受け、意思決定に参加しにくいという背景はあろうが ILD患者は肺がん患者に比べてQODD(quality of dying and death)が低く、緩和ケアや意思決定へのアクセスが悪かったことは事実

  • 15.

    間質性肺炎の緩和ケア 労作時呼吸困難、低酸素血症を避けるために 十分な酸素投与 苦痛を与えるだけのリハビリは行わない 排泄 オピオイド:質の高いエビデンスなし。ただしがん同様、予後悪化には繋がらないと考えられている。 基本的にはモルヒネ少量(経口、皮下、静脈) 代替品としてはヒドロモルフォンやオキシコンチン 抗不安薬:さらにエビデンスに乏しい。低用量のベンゾジアゼピン使用は問題ないかもしれないが、呼吸抑制に注意が必要 ERS. 2018 DOI: 10.1183/13993003.01278-2018 ハイフローネーザルカニューラは 大量酸素投与をしながらも口が解放されるため、食事などの動作を自分で行うことができる。 ただ、コストが問題 安静時呼吸困難、低酸素血症 十分な酸素投与 顔を冷やす

  • 16.

    間質性肺炎の緩和ケア 精神疾患に対するアプローチ ステロイドによる抑うつ:不必要に多いものは減量 薬物(抗不安薬、SSRI、抗精神病薬) 希死念慮は文字通りの訴えだけでなく、複数の訴えを含んでいる。必ずしも精神的なアプローチだけでなく、希望や苦痛の内容についてよく傾聴しなくてはならない。 酸素やオピオイドの導入による呼吸困難感の改善は、いくらかこうした訴えの減少につながるかもしれない →SpO2の数値だけでなく、本人の訴え次第で酸素投与量を考えて良いかもしれない。 うつ傾向 ・パロキセチン ・ミルタザピン ・トラゾドン ・アリピプラゾール) せん妄 ・トラゾドン ・アリピプラゾール ・リスペリドン ・クエチアピン ・抑肝散

  • 17.

    間質性肺炎の緩和ケア 家族に対するアプローチ 呼吸困難感を訴えている患者をみている家族の不安感は、もしかしたら疼痛を訴えているときよりも大きいかもしれない。 患者がやせていくことに対して不安を覚える家族も多い。ただ、いたずらに輸液を増やせば、低栄養の進行と相乗して浮腫を増悪させる。 せん妄状態になることも家族の不安感をさらに煽る これまで述べてきた対応により、「見た目」をよくすることは、 家族の不安感を改善するかもしれない。 栄養に関しては、積極的な投与は食事そのものによる苦痛を増やすため推奨されないが、好きなものを摂取してもらう、自宅から持ってきたものを食べてもらうなど、柔軟な対応は必要だろう

  • 18.

    レスパイト入院の提案 在宅酸素療法が導入されたIPF患者の予後は基本的に不良である。 また酸素投与のみで症状が安定する患者も少ない。 外来通院自体も苦痛を伴う。 かといって、いたずらに在院日数を増やすのも意味がなく、患者が自宅退院を希望しているのであれば、なるべく叶えてあげたい。 レスパイト入院の提案 オピオイドが使いやすい 頻回の外来通院が不要 家族の介護負担の軽減(呼吸器疾患は、吸引など含め負担が大きい上、前述した不安や呼吸困難感の訴えに家族が対応することの困難さがある)

  • 19.

    臨死期 がん患者/非がん患者ともに重要なことは 臨死期こそ、足繁くベッドサイドに訪問することだと思う そして、「てあて」が大事 家族の同意の元、鎮静薬も使用していく ①間欠的鎮静(夜だけなど)、浅い鎮静 ①でコントロール不良な場合 ②深い鎮静 いずれもミダゾラムが使用しやすい(呼吸抑制が気になるならハロペリドール持続投与を行うことも) 看取りに際しては、家族が選択した麻薬や鎮静によって 患者が楽に最後を迎えられたことを確認する。 (決して、その選択のせいで死期が早まったわけではない)

  • 20.

    急性増悪 Point of No Returnはどこ?  オピオイドの使用や、鎮静などをいつから開始するか? →決まりもなにもない。ただ、1週間以上連日高流量酸素を使用している患者は、改善したとしてもかなり厳しい状態だろう。 <シームレスな対応> 基本的な対応は終末期患者と同様でよいと思うが、 本人および家族の理解・受け入れの程度をみながら、 試行錯誤していくしかなかろう。 一人一人適切な対応は多分違う →「お試し」が大事 ・やってみて、続けられなさそうならやめる ・やってみて、楽なら続けてみる

  • 21.

    Take home Message 非がん患者の正確な予後予測は困難である患者さんによって進行スピードはまちまちであるが、間質性肺炎急性増悪を発症した場合の予後は非常に不良であり、しばしば対話のタイミングを逃してしまう 緩和ケアに重きを置くタイミング、薬物治療の内容など緩和ケア・治療のエビデンスは不足している 王道はない「寄り添い」「お試し」が大事

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