#4.
TASK:「救急×IVR」のフィールド確立 2024年4月、IVR -CT/HERS稼働に向け、絶賛増築工事中! • Hybrid ER system • • IVR-CTを初療室として使用 • 画像検査に移動が不要 • 根本治療に移動が不要 診療自体のパラダイムシフト • 通常診療では使い熟せない • 新たな診療様式が必要
#5.
外傷診療、好きですか?
#6.
外傷IVRのイメージは?
#7.
どこ怪我してっかわかんねーし、 来たらショックだったりするし、 怖ぇっす。。。 友情出演:2023年卒・H先生
#8.
やる事決まってますし、バイタル 悪くてもやることやっていくだけ なんで。救急っぽくて好きっす! 友情出演:2023年卒・H先生
#9.
外傷診療の特徴 外傷診療は一見複雑に見えるが、実は系統立っている • 最終目標=「心身共に受傷前に近い状態での社会復帰」 • 必要条件1:確実な救命 • 必要条件2:機能障害の最小化 → 「防ぎ得た外傷死」を回避 「防ぎ得た外傷後遺障害」を回避 • • 必要条件3:整容的障害の最小化 病態が刻一刻と変わり、損傷は通常多発している • 複数の職種、チームが同じ方向を向かなければならない(JPTEC/JNTEC/JATEC etc.) • 生理学的兆候の安定化→解剖学的異常の治療の順に進む
#10.
IVRチームとカテ待機呼び出して! 外科とOPE待機も一報しといて! RSIで挿管するからもう準備して! 左右大腿動静脈シースもね! 輸血何単位院内にあるか確認! 輸液温めておいてねー! 5分後ブリーフィング するよ! 重症外傷受け入れ決定 あれこれ同時進行で準備中
#11.
(松田が)重症外傷を受け入れる場合の考え方 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する チームマネージメント (CSCATTT&C-COA SYSTEM) 外傷蘇生 (ABCDE安定化+外傷死の四兆回避) 外傷IVR (何処から先に何で詰めるか)
#12.
(松田が)重症外傷を受け入れる場合の考え方 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する チームマネージメント (CSCATTT&C-COA SYSTEM) 外傷蘇生 (ABCDE安定化+外傷死の四兆回避) 外傷IVR (何処から先に何で詰めるか)
#13.
重症外傷の対応は「局所災害対応」に似ている 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する 1. 共通認識を作る 2. ERを整理する 3. ブリーフィング
#14.
重症外傷の対応は「局所災害対応」に似ている 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する 1. 共通認識を作る 1. 重症宣言 2. コマンダー宣言 3. 関係各所の連絡
#15.
重症外傷の対応は「局所災害対応」に似ている 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する 2. ERを整理する 1. 他患者情報収集 2. 早期方針決定 *早期にERを空っぽにする
#16.
重症外傷の対応は「局所災害対応」に似ている 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する 3. ブリーフィング 1. 情報共有MIST 2. 役割分担 M:受傷機転 I:損傷部位 S:バイタルサイン T:応急処置 3. 情報収集(各部署)
#17.
C-COA SYSTEMで有機的な連携を図る 関連部署が多く、治療も多岐に渡るので、整理が必要 Commander 蘇生リーダー 輸血 管理 処置 担当 Conductor 治療リーダー Operator 術者 Assistant 助手 Ope/IVR担当 全身 管理 気道 管理 薬剤 担当
#18.
(松田が)重症外傷を受け入れる場合の考え方 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する チームマネージメント (CSCATTT&C-COA SYSTEM) 外傷蘇生 (ABCDE安定化+外傷死の四兆回避) 外傷IVR (何処から先に何で詰めるか)
#19.
時系列に沿った評価様式=救急診療のUNIVERSAL DESIGN 共通した根幹を成す救急初期診療と外傷学の考え方 ① ② ③ ④ ①第一印象 :蘇生的介入判断(死んでる or 死にそう) ②初期評価 :生理学的な評価(ABCDEアプローチ) ③二次評価 :解剖学的な評価(隅々触ってみる) ④三次評価 :見逃しがないか確認
#20.
外傷死の三徴+低カルシウム血症 救急診療のUNIVERSAL DESIGNだけじゃない外傷蘇生の勘所 出血による消耗 輸液による希釈 凝固異常 低Ca血症 消耗・希釈 クエン酸キレート 低体温 アシドーシス 室温輸液を急速に1L投与 生理食塩水による高Cl血症 →0.25度体温下がる 循環不全による高Lactate血症
#21.
外傷蘇生中の全身管理の目安 救急診療のUNIVERSAL DESIGNだけじゃない外傷蘇生の勘所 • Vital signs:SBP 80〜90mmHg • 血液ガス分析:イオン化Ca≧0.9mEq/L • CBC:Hb 7〜9 g/dL, 血小板 5万/μL • 凝固:フィブリノゲン 150〜200mg/dL • 頭蓋内損傷あればMBP≧80mmHg & & 深部体温36度以上 採血は1時間毎にフォローアップ 血小板 10万/μL
#22.
低体温予防の方策 見逃され易い低体温から患者を守るために 輸液加温 輸血加温 電気毛布 湿った衣類 除去
#23.
(松田が)重症外傷を受け入れる場合の考え方 自分が何の仕事にCOMMITするのか、意識して行動する チームマネージメント (CSCATTT&C-COA SYSTEM) 外傷蘇生 (ABCDE安定化+外傷死の四兆回避) 外傷IVR (何処から先に何で詰めるか)
#24.
外傷IVRって、なんだ?
#25.
OPEなのかIVRなのか、それが問題だ 治療戦略をどう決めているのか? Ope IVR 共通したポイント 迅速性 DCSなら速い DCIRなら速い 治療にかけられる時間の判断が必要 確実性 選択した手技による 塞栓物質による 応急処置なのか根治なのか意識する 頭蓋内出血 後腹膜血腫 各手技の得意分野を組み合わせる 心嚢血腫 膵頭部領域 1つの方法にこだわらない 胸腔内血腫 腰動脈系 腹腔内出血 骨盤骨折 安定化した上でCT撮ってTAE 動脈以外でも戦える 動脈出血がターゲット 見極めに造影CTが必要 得意な損傷 得意な血管 ポイント Compartment syndromeに強い Compartment syndromeに弱い 例:腹腔内出血ショックで開腹して 腹腔内圧の意識を常に持つ
#26.
外傷IVR(≠ DCIR)は特殊領域 外傷診療を行う上で大事なキーコンセプト IVR • 多発外傷=死にそうな多部位からの出血が存在 → 後腹膜出血 • 骨盤 腹腔内出血 血胸 頭蓋内血腫 Ope 手術とIVRは外傷治療の両輪を成す噛み合う必要がある → • 短時間に複数の治療を行う必要性 途中で変更や損傷を見極めて併用が必要 DCIR:確実且つ迅速な止血 • >> 機能温存/低侵襲 具体的な戦術: • 塞栓物質:NBCA+Lipiodol®が多い • 時間基準:全体で1時間以内、1血管10分以内
#27.
DAMAGE CONTROLで死なせないようにする 外傷診療を行う上で大事なキーコンセプト ダメージコントロール蘇生 病院前診療 DC0 蘇生的手術 DC1 集中治療 DC2 計画的再手術 DC3 閉腹術・再建術 DC4 ダメージコントロール手術 低血圧を許容した輸液制限 + 凝固障害を抑制する輸血 DCIR ダメージコントロールとは? 元々は軍事用語。被弾した軍艦を直近基地まで 帰還させる対処方法。 →「死なないようにして次に繋げる」治療
#28.
外傷IVR、どうやって組み立てるか? 内因性ショックよりもロジックは複雑になりがち • D:デバイスは何が良いか? • I:何処からの出血か?動脈性か静脈性か? • R:処置後にバイタルサインは改善したか?他の損傷は? • E:実行可能な範囲で最良の手法を採っているか? • C:手法を変更する必要はあるか? • T:何分かかっているか?何処で終えるか?
#29.
外傷IVR、どうやって組み立てるか? 内因性ショックよりもロジックは複雑になりがち • D:デバイスは何が良いか? • I:何処からの出血か?動脈性か静脈性か? • R:処置後にバイタルサインは改善したか?他の損傷は? • 術前のIVR医は少しでも画像を検討して治療計画に時間を割きたい! E:実行可能な範囲で最良の手法を採っているか? • C:手法を変更する必要はあるか? • T:何分かかっているか?何処で終えるか? 塞栓はバイタルサイン安定化の手段 美しさの追求?欲張りは身を滅ぼす。 • • • • • • 術中バイタルサインと輸血の残量は常に意識 術中バイタルサインと輸血の残量次第で治療を変える。
#30.
根治的治療か?DAMAGE CONTROLか? 綺麗に治せる時と綺麗に治せない時とを見極める 切迫心停止 HR SBP DBP 根治的治療 DCIR 大動脈遮断
#31.
TAEはSENCEで考える 内因性ショックよりもロジックは複雑になりがち • S:Speed & Space →出血空間はFree>Loose>Tight • E:Easy to approach →何処からが到達し易い? • N:Number →何ヶ所TAEするのか? • S:Selectivity(vs Speed) →選択すべきか、速度優先か? • E:Extravasation/pseudo-aneurysm →回り込み血流に注意
#32.
TAEはSENCEで考える 内因性ショックよりもロジックは複雑になりがち • S:Speed & Space • E:Easy to approach • N:Number • S:Selectivity(vs Speed) • E:Extravasation/pseudo-aneurysm Free:胸腔内、腹腔内(空のカップ) Loose:後腹膜、脾臓(ゼリー) Tight:筋肉・肝臓(果物)
#33.
TAEはSENCEで考える 内因性ショックよりもロジックは複雑になりがち • S:Speed & Space • E:Easy to approach • N:Number • S:Selectivity(vs Speed) • E:Extravasation/pseudo-aneurysm
#34.
まとめ:救急IVR医としての外傷IVRの見方 チームマネージメント+蘇生+IVRの目線 • チームマネージメント • = 指揮命令系統と役割分担の明確化が必要 治療全体のコマンダーと役割内のコンダクターを置けるとベスト • 外傷蘇生の勘所 • 外傷IVRの勘所 = = ABCDEアプローチ+外傷死の三徴回避+低カルシウム血症回避 Opeで止め難い後腹膜系の出血を止血できる • 欠点:動脈性出血の制御しかできない、比較的時間がかかる • 注意:出血源が沢山あると、より時間がかかる
#35.
皆さんの施設で、 同じ事できそうですか?
#36.
「後腹膜血腫は対応するので開腹してくれませんか?」 本邦における外傷診療体制は未だ未だ貧弱です 麻酔科と交渉してみますね 麻酔科が何て言うか分からないですが… ただ直ぐに術場は開かなさそうです。 術場が開くか確認してみますケド … 先にTAEトライできますか? TAEで粘って よ
#37.
「昨日の緊急TAEだったんですけど……」 本邦における外傷診療体制は未だ未だ貧弱です 今日、SECOND LOOKするかい? どうして外科でオペじゃないんだ? この血管は再評価した方が良いね 何でコイル塞栓しなかったんだ? 結果次第で外科に改めて依頼しよう 何時間かかってんだよ…
#38.
皆さんの施設で、こんな声を聞きませんか? 本邦における外傷診療体制は未だ未だ貧弱です • 外傷診療の未成熟を示唆する「良く耳にするフレーズ」 • オペ室空かないから、何とかTAEで止められませんか? • どうしてもAngioでダメなら開けますから…… • 今日はAngioダメなんで開けて下さい • 血小板輸血、本当に要りますか? • 今日、ICU開けられないんですよねぇ……
#39.
チームマネージメントは蘇生の場だけではない 普段の準備が蘇生の円滑さを作る • • 外傷診療は複数ユニットが連携しなければならない • 部署内/IVRチーム内の関係性やチームワーク • 他科やOpe室とのコラボレーション 外傷診療でOperatorが適切な治療をするための安全確保が必要 • 心理的安全性:不合理な批判を受けない • 全身管理の分担:手技に集中できる環境設定
#40.
C-COAって言うけど、 そもそも医者一人ですよ?
#41.
医者一人、看護師一人、技師一人のチームで戦う場合のコツ 当然、1番大事なのは、そもそも人を集めることです よくある介入 気道 経口気管挿管 呼吸 胸腔ドレナージ 小開胸 循環 神経 大量輸血 TAE/外科的止血 鎮静 脳外科的処置 体温 保温/加温 その他 カルシウム補充 トラネキサム酸投与 術前 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 術中 △ ○ ○ △ △ ◎ 術後 備考 △ ショックと診断した時点で挿管 術前に確実に終わらせておく ○ 呼吸切迫していれば早期ドレナージ 術中追加も可能 △ 術中輸血不足は大きなタイムロス MTP確立されていれば対応可 ○ 脳外科的処置行うなら最優先 鎮痛・鎮静も先に薬剤手配しておく ◎ 輸血は温めて投与 術中低体温回避は永遠の課題 ◎ トラネキサム酸は早期開始が良い カルチコール大量投与は宿命
#42.
医者一人、看護師一人、技師一人のチームで戦う場合のコツ 術野から降りずに治療し切る為の戦略を練る 気道 術前 入室直後 経口気管挿管 経鼻胃管挿入 先端位置確認 呼吸 術中 術後 術中は胃管開放 適宜ドレナージ 細胞外液調整 循環 大量輸血手配 両側大腿動静脈路確保 神経 鎮静薬準備 脳外科相談 目標RASS確認 体温 輸血加温装置 深部体温計挿入 体温測定開始 輸血は全て加温して投与 深部体温モニタリング継続 その他 トラネキサム酸投与 投薬内容確認 適宜カルチコール補充 瞳孔不同の確認 REBOA利用 鎮静深度調整 (必要あれば筋弛緩追加)
#43.
医者一人、看護師一人、技師一人のチームで戦う場合のコツ ABCDEに沿って起こってくる問題を解決する • 医者の手が2本しかないので、完全に分業できる工夫をする • 侵襲処置:気管挿管などは基本的には全てTAE前に完遂 • 輸血療法:事前に全てオーダー+残数管理は看護師に依頼 • 追加処置:追加ドレナージは透視とエコーで対応 • 物品配置:助手無しを前提として、物品台の位置を調整 • 全身管理:実際の投薬などは看護師に依頼する部分が大きい
#44.
医者一人、看護師一人、技師一人のチームで戦う場合のコツ ABCDEに沿って起こってくる問題を解決する ルーチン 自力介入 医師依頼 備考 閉塞の評価 サクション 先端位置確認 閉塞疑えば用手換気で評価 FiO2調整 胸部画像確認 気胸疑えばDrainage提案 循環 輸液・輸血速度調整 大動脈遮断時間管理 ポンピング REBOA調整 輸血残量の管理は必要不可欠 神経 薬剤調整 瞳孔評価 薬剤調整 CT確認 慣れていればCone beam CTは一手 体温 輸血温度管理 輸液加温 アミノ酸投与は一手 カルチコール投与 輸血追加オーダーは常に検討 気道 呼吸 その他 換気量、SpO2確認 EtCO2確認 1時間毎採血 (CBC, ABG, 凝固)
#45.
ご清聴ありがとうございました。