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心肺蘇生スペシャル BLS編:一次救命処置の基本と2025年ガイドラインの変更点

投稿者プロフィール
三谷雄己
Award 2023 受賞者

広島大学病院

40

1

投稿した先生からのメッセージ

KASUMIシンパイソセイPROJECT presents「心肺蘇生スペシャル」のBLS編です。

書籍『みんなの救命救急科』(中外医学社)の心肺蘇生の章をもとに、2025年のガイドライン改定で変わった点(「異常な呼吸」、中断は「できる限り短く」、前胸部―背部のパッド位置など)を加えました。医学生・研修医・看護師のみなさんの復習や、院内のBLSレクチャーにお使いください。

KASUMIシンパイソセイPROJECT は、ダンスと音楽に乗せて心肺蘇生法を全国へ届けるクラウドファンディングに挑戦しています(11月27日(金)23:00まで)。応援していただけるとうれしいです。

▼READYFOR

https://readyfor.jp/projects/kasumi-cpr

救急の勉強をもっと深めたい方へ。心肺蘇生のレクチャーをはじめ、救急の無料セミナーを Qラボで配信しています。医療従事者はもちろん、一般の方にも役立つ内容です。

▼Qラボ公式LINE

https://lin.ee/cFNFoeg

概要

書籍『みんなの救命救急科』の心肺蘇生の章をもとに、BLSの流れ、胸骨圧迫、人工呼吸、AEDを整理しました。2025年のガイドライン改定で変わった点には「2025 アップデート」の印を付けています。

本スライドの対象者

医学生/研修医

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テキスト全文

KASUMIシンパイソセイPROJECTの概要と目的

#1.

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#2.

KASUMIシンパイソセイPROJECT とは ダンスと音楽に乗せて、 心肺蘇生法を全国へ。 広島大学 救急集中治療医学が医学的に監修し、 学生ダンスサークル・BLS啓発サークルと一緒に、 楽曲『心肺蘇生法』とダンスで 「強く・速く・絶え間なく」を届けています。 1000万回 学祭ダンス動画・関連動画 総再生回数 300万回 健康ハートの日 ダンスチャレンジ総再生回数 65名以上 参画学生メンバー 300人以上 イベントでの 心肺蘇生体験者数

#3.

クラウドファンディングに挑戦しています 学校や地域で、だれもが心肺蘇生をためらわずにできるように。 活動を続けるためのご支援を、READYFOR で募っています。 目標金額 300万円 締め切り 11月27日(金)23:00まで 寄付金控除 対象です https://readyfor.jp/projects/kasumi-cpr 詳細・ご支援はURLをタップ QRコードからも開けます

心肺蘇生の基本と重要性

#4.

今日の内容 1 目の前で人が倒れたら 症例と数字で見る心肺蘇生 2 BLSの目的と流れ 脳と心臓に酸素を届け続ける 3 観察と協力の要請 安全・反応・呼吸と脈の確認 4 胸骨圧迫・人工呼吸・AED 質の高いCPRと除細動 5 2025年に変わったこと JRC2025のポイント

#5.

症例 目の前で、人が倒れた 救急外来の休憩中。 はやて先生とひかり先生は、 自動販売機でジュースを買おうとしていました。 すると、顔色の悪い中年男性が 目の前で突然倒れました。 ……あ! 倒れた! あなたなら、最初に何をしますか?

#6.

数字で見る、市民による心肺蘇生 27,769人 市民が目撃した 心原性心停止(令和6年) 60.2% そのうち市民が 心肺蘇生を行った割合 1か月後の社会復帰率 心肺蘇生なし 3.7% 心肺蘇生あり 10.4% 市民がAEDで除細動した人の1か月後社会復帰率 44.4% 心肺蘇生とAEDで、社会復帰できる人は大きく増えます 出典:総務省消防庁『令和7年版 救急・救助の現況』(令和6年の数値)

BLSの流れと手順の詳細

#7.

時間との勝負 1分ごとに救命の可能性は下がる 約7〜10% 心停止から1分遅れるごとに 下がる救命の可能性 約10分 119番通報から救急車が 到着するまで(全国平均) この約10分をつなぐのは、その場にいる人 心停止(0分) 救急車到着(約10分) 救急車を待つあいだに、胸骨圧迫とAEDを始める。 BLSは、救急隊や院内の蘇生チームに命をつなぐための処置です 出典:総務省消防庁『救急・救助の現況』ほか

#8.

BLSの目的 脳と心臓に酸素を届け続ける BLS(Basic Life Support)= 一次救命処置 専門の器具や薬がなくても、正しい知識と手順があれば誰でもできます 心臓が止まる 全身への血流が途絶える 脳と心臓に 酸素が届かなくなる 数分で脳の ダメージが始まる BLSでは 胸骨圧迫と人工呼吸で、酸素を運び続ける 除細動(AED)で、心臓の拍動の再開をめざす ABCDアプローチと 目標は同じです

#9.

BLSの流れ 2025 アップデート 1 安全確認 3つの「S」 2 反応の確認 肩を叩き大声で 3 119番通報とAED 院内は救急コール 4 呼吸の確認 10秒以内 異常な呼吸は心停止 呼吸がない・迷う → 心停止 5 胸骨圧迫 30:2 強く・速く・絶え間なく 6 AED装着・解析 解析中は体から離れる 7 ショック後ただちに 胸骨圧迫を再開 2分ごとに解析 反応あり:観察と評価へ 普段どおりの呼吸あり:気道を確保し、必要なら回復体位で応援を待つ JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成

反応確認と協力要請の方法

#10.

安全確認は3つの「S」 S Self 自分自身 まず自分の身を守る 感染防護も忘れずに S Scene 現場 近づいてよい状況か 2人以上倒れていたら距離をおく S Survivor 傷病者 SelfとSceneの安全を 確かめてから救助にあたる 傷病者の優先順位は、最後

#11.

反応の確認 肩を叩いて、大声で ✓ 軽く肩を叩きながら呼びかける ✓ 「大丈夫ですか!」と大きな声で ✓ 開眼・返答・目的のあるしぐさを見る ✓ どれもなければ反応なし ✓ 強く揺さぶらない(頸髄損傷のおそれ) 反応があれば 受け答えができる → 楽な体勢に 唸る程度 → 回復体位へ 反応なし・迷う → すぐ協力の要請 安全確認と感染対策のあと、まず反応を確かめます

#12.

反応がなければ、まず人を呼ぶ 院外 「あなたは119番を」 「あなたはAEDを」 院内 「あなたは救急コールを」 「AED・除細動器と  救急カートを」 ポイント 「誰か」ではなく「あなたは〜を」と名指しで頼む。焦っても、呼吸の確認より先に応援を呼ぶ

胸骨圧迫と人工呼吸の実施方法

#13.

迷ったら、胸骨圧迫 2025 アップデート 呼吸と脈の確認は10秒以内 ✓ 口元と胸・腹の動きを見る ✓ 頸動脈は甲状軟骨の正中から手前にずらして触れる ✓ 普段どおりの呼吸がない・脈がない・迷う → 心停止 2025年の変更 「死戦期呼吸」→「異常な呼吸」 しゃくり上げるような呼吸も、心停止のサイン 判断に迷ったら、ためらわず胸骨圧迫を始める

#14.

胸骨圧迫 強く・速く・絶え間なく 2025 アップデート ✓ 位置 胸骨の下半分(胸の真ん中) ✓ 強く 約5cm(6cmを超えない) ✓ 速く 100〜120回/分 ✓ 絶え間なく 中断はできる限り短く ✓ リコイル 圧迫のたびに胸を元に戻す 2025年の変更 中断の「10秒以内」は削除 →「できる限り短く」 肋骨骨折などは「偶発的な身体障害」に → ためらわず押す 図の「10秒以内」は2025年版で数値が削除

#15.

100〜120回/分は、楽曲『心肺蘇生法』のテンポ 胸骨圧迫のテンポ 100〜120 回/分 KASUMIシンパイソセイPROJECT 楽曲『心肺蘇生法』 ✓ 作曲 KAYLLY ✓ 100〜120回/分のテンポで作られた曲 ✓ 歌詞に「強く・速く・絶え間なく」 ✓ 「AEDを持ってくる」も歌詞に入っています 学祭ステージの動画は SNSで累計 約1,000万回 再生

AEDの使用法と注意点

#16.

30:2で人工呼吸、感染対策も忘れずに 2025 アップデート 人工呼吸 ✓ 胸骨圧迫30回:人工呼吸2回(挿管前) ✓ 1回の送気は約1秒。中断は最小限に ✓ BVMはEC法。小指を下顎角に掛けて持ち上げる ✓ 器具がなく口対口が難しければ、胸骨圧迫のみ 院内の感染対策 ✓ 手袋・ガウンなど標準予防策をもれなく ✓ エアロゾルのおそれ → N95マスクとゴーグル ✓ 交代は遅くとも2分(5サイクル)ごと 2025年の変更 人工呼吸の重要性を再強調 PPE着用時は疲れやすい → 交代を早めに → 人を増やす

#17.

AEDは、音声ガイドに従って使う 1 電源を入れる 音声ガイドが流れる 2 パッドを貼り、コネクターをつなぐ 胸をはだけて素肌に貼る 3 心電図の解析 体から離れる AEDが自動で解析する 4 ショック 「自分よし、あなたよし、周りよし」 5 すぐに胸骨圧迫を再開 効果は確かめない。2分ごとに再解析

#18.

パッドは心臓を挟み込むように 2025 アップデート ✓ 右の前胸部と左の側胸部 ✓ 左は背中側まで回り込む ✓ 濡れていたら拭く ✓ 貼付薬ははがして拭く ✓ ペースメーカーの直上は避ける ✓ 胸毛が濃ければ取り除く × 2枚とも胸の前面に貼る → 心臓を挟み込めない 2025年の変更 前胸部―背部に貼る方法も 選択肢に(AHA) 前と後ろから心臓を挟む 3回ショックしても心拍が 再開しなければ、貼る位置を 変えて電流の向きを変える (アドバンスな内容)

2025年ガイドラインの変更点

#19.

BLSで2025年に変わったこと 2025 アップデート 項目 これまで 2025年 呼吸の表現 死戦期呼吸 「異常な呼吸」 迷ったら胸骨圧迫 骨折など 合併症 「偶発的な身体障害」 ためらわず押す 中断時間 10秒以内 できる限り短く (数値は削除) パッド位置 前胸部―側胸部 前胸部―背部の選択肢も (AHA) 背板 ベッドでは挿入 基本はベッドのCPRモード 人手があれば背板 ヘッドアップCPR ― 現状は不要 従来のCPRでよい PPE着用時 ― 交代を早め、人を増やす 人工呼吸も改めて重視 変わらない大事なこと ✓ 安全確認は3つのS ✓ 肩を叩き大声で呼びかけ ✓ 呼吸と脈は10秒以内 ✓ 約5cm・100〜120回/分 ✓ 30:2、BVMはEC法 ✓ パッドは心臓を挟む ✓ ショック後すぐ再開 JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成

#20.

まとめ ✓ BLSは、院内外を問わず誰もが身につける救命処置 ✓ 目的は、脳と心臓に酸素を届け続けること ✓ 「異常な呼吸」は心停止。迷ったら胸骨圧迫 ✓ 強く・速く・絶え間なく、リコイル。中断はできる限り短く ✓ パッドは心臓を挟み込むように。ショック後すぐ再開 その場にいる人のBLSが、命をつなぐ

さらなる学びと次回の予告

#21.

もっと詳しく学びたい人へ 参考書籍 『みんなの救命救急科』 三谷雄己 著/志馬伸朗 監修 中外医学社(2022年) 登場人物たちの会話を追いながら、 救急外来の症例を一緒に考えていく本です。 このスライドは「心肺蘇生」の章をもとに、 2025年ガイドラインの変更点を加えて作りました。 https://www.amazon.co.jp/dp/4498166442?tag=woockeym-22 詳細・試し読みはURLをタップ

#22.

救急をもっと学びたい人へ Qラボのご案内 心肺蘇生のレクチャーをはじめ、 救急の無料セミナーを配信しています。 医療従事者はもちろん、一般の方にも 役立つ内容のセミナーです。 登録は、下の Qラボ公式LINE からどうぞ。 https://lin.ee/cFNFoeg 登録はURLをタップ

#23.

次回は ALS編 救急外来に運ばれてきた後の、 チームで行う二次救命処置へ。 1 心停止の4つの波形と、ALSの流れ 2 静脈路と骨髄路、アドレナリンとアミオダロン 3 除細動と気道管理 4 原因を探す:4つの「か」と6H6T 5 ROSC後の対応、チームの役割とECPR

#24.

最後までご覧いただき、ありがとうございました 今日学んだ心肺蘇生を、次はだれかに伝える番です。 KASUMIシンパイソセイPROJECT へのご支援もお願いします。 目標金額 300万円 締め切り 11月27日(金)23:00まで 寄付金控除 対象です https://readyfor.jp/projects/kasumi-cpr 詳細・ご支援はURLをタップ QRコードからも開けます


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