テキスト全文
KASUMIシンパイソセイPROJECTの概要と目的
#2. KASUMIシンパイソセイPROJECT とは ダンスと音楽に乗せて、
心肺蘇生法を全国へ。
広島大学 救急集中治療医学が医学的に監修し、
学生ダンスサークル・BLS啓発サークルと一緒に、
楽曲『心肺蘇生法』とダンスで
「強く・速く・絶え間なく」を届けています。 1000万回 学祭ダンス動画・関連動画
総再生回数 300万回 健康ハートの日
ダンスチャレンジ総再生回数 65名以上 参画学生メンバー
300人以上 イベントでの
心肺蘇生体験者数
心肺蘇生の基本と重要性
#4. 今日の内容 1 目の前で人が倒れたら 症例と数字で見る心肺蘇生 2 BLSの目的と流れ 脳と心臓に酸素を届け続ける 3 観察と協力の要請 安全・反応・呼吸と脈の確認 4 胸骨圧迫・人工呼吸・AED 質の高いCPRと除細動 5 2025年に変わったこと JRC2025のポイント
#5. 症例 目の前で、人が倒れた 救急外来の休憩中。
はやて先生とひかり先生は、
自動販売機でジュースを買おうとしていました。
すると、顔色の悪い中年男性が
目の前で突然倒れました。 ……あ! 倒れた! あなたなら、最初に何をしますか?
#6. 数字で見る、市民による心肺蘇生 27,769人 市民が目撃した
心原性心停止(令和6年) 60.2% そのうち市民が
心肺蘇生を行った割合 1か月後の社会復帰率 心肺蘇生なし 3.7% 心肺蘇生あり 10.4% 市民がAEDで除細動した人の1か月後社会復帰率 44.4% 心肺蘇生とAEDで、社会復帰できる人は大きく増えます 出典:総務省消防庁『令和7年版 救急・救助の現況』(令和6年の数値)
BLSの流れと手順の詳細
#7. 時間との勝負 1分ごとに救命の可能性は下がる 約7〜10% 心停止から1分遅れるごとに
下がる救命の可能性 約10分 119番通報から救急車が
到着するまで(全国平均) この約10分をつなぐのは、その場にいる人 心停止(0分) 救急車到着(約10分) 救急車を待つあいだに、胸骨圧迫とAEDを始める。
BLSは、救急隊や院内の蘇生チームに命をつなぐための処置です 出典:総務省消防庁『救急・救助の現況』ほか
#8. BLSの目的 脳と心臓に酸素を届け続ける BLS(Basic Life Support)= 一次救命処置
専門の器具や薬がなくても、正しい知識と手順があれば誰でもできます 心臓が止まる
全身への血流が途絶える 脳と心臓に
酸素が届かなくなる 数分で脳の
ダメージが始まる BLSでは 胸骨圧迫と人工呼吸で、酸素を運び続ける
除細動(AED)で、心臓の拍動の再開をめざす ABCDアプローチと
目標は同じです
#9. BLSの流れ 2025 アップデート 1 安全確認
3つの「S」 2 反応の確認
肩を叩き大声で 3 119番通報とAED
院内は救急コール 4 呼吸の確認
10秒以内
異常な呼吸は心停止 呼吸がない・迷う → 心停止 5 胸骨圧迫 30:2
強く・速く・絶え間なく 6 AED装着・解析
解析中は体から離れる 7 ショック後ただちに
胸骨圧迫を再開
2分ごとに解析 反応あり:観察と評価へ 普段どおりの呼吸あり:気道を確保し、必要なら回復体位で応援を待つ JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成
反応確認と協力要請の方法
#10. 安全確認は3つの「S」 S Self 自分自身 まず自分の身を守る
感染防護も忘れずに S Scene 現場 近づいてよい状況か
2人以上倒れていたら距離をおく S Survivor 傷病者 SelfとSceneの安全を
確かめてから救助にあたる 傷病者の優先順位は、最後
#11. 反応の確認 肩を叩いて、大声で ✓ 軽く肩を叩きながら呼びかける ✓ 「大丈夫ですか!」と大きな声で ✓ 開眼・返答・目的のあるしぐさを見る ✓ どれもなければ反応なし ✓ 強く揺さぶらない(頸髄損傷のおそれ) 反応があれば 受け答えができる → 楽な体勢に
唸る程度 → 回復体位へ
反応なし・迷う → すぐ協力の要請 安全確認と感染対策のあと、まず反応を確かめます
#12. 反応がなければ、まず人を呼ぶ 院外 「あなたは119番を」
「あなたはAEDを」 院内 「あなたは救急コールを」
「AED・除細動器と
救急カートを」 ポイント 「誰か」ではなく「あなたは〜を」と名指しで頼む。焦っても、呼吸の確認より先に応援を呼ぶ
胸骨圧迫と人工呼吸の実施方法
#13. 迷ったら、胸骨圧迫 2025 アップデート 呼吸と脈の確認は10秒以内 ✓ 口元と胸・腹の動きを見る ✓ 頸動脈は甲状軟骨の正中から手前にずらして触れる ✓ 普段どおりの呼吸がない・脈がない・迷う → 心停止 2025年の変更 「死戦期呼吸」→「異常な呼吸」
しゃくり上げるような呼吸も、心停止のサイン
判断に迷ったら、ためらわず胸骨圧迫を始める
#14. 胸骨圧迫 強く・速く・絶え間なく 2025 アップデート ✓ 位置 胸骨の下半分(胸の真ん中) ✓ 強く 約5cm(6cmを超えない) ✓ 速く 100〜120回/分 ✓ 絶え間なく 中断はできる限り短く ✓ リコイル 圧迫のたびに胸を元に戻す 2025年の変更 中断の「10秒以内」は削除
→「できる限り短く」
肋骨骨折などは「偶発的な身体障害」に
→ ためらわず押す 図の「10秒以内」は2025年版で数値が削除
#15. 100〜120回/分は、楽曲『心肺蘇生法』のテンポ 胸骨圧迫のテンポ 100〜120 回/分 KASUMIシンパイソセイPROJECT 楽曲『心肺蘇生法』 ✓ 作曲 KAYLLY ✓ 100〜120回/分のテンポで作られた曲 ✓ 歌詞に「強く・速く・絶え間なく」 ✓ 「AEDを持ってくる」も歌詞に入っています 学祭ステージの動画は
SNSで累計
約1,000万回 再生
AEDの使用法と注意点
#16. 30:2で人工呼吸、感染対策も忘れずに 2025 アップデート 人工呼吸 ✓ 胸骨圧迫30回:人工呼吸2回(挿管前) ✓ 1回の送気は約1秒。中断は最小限に ✓ BVMはEC法。小指を下顎角に掛けて持ち上げる ✓ 器具がなく口対口が難しければ、胸骨圧迫のみ 院内の感染対策 ✓ 手袋・ガウンなど標準予防策をもれなく ✓ エアロゾルのおそれ → N95マスクとゴーグル ✓ 交代は遅くとも2分(5サイクル)ごと 2025年の変更 人工呼吸の重要性を再強調
PPE着用時は疲れやすい
→ 交代を早めに
→ 人を増やす
#17. AEDは、音声ガイドに従って使う 1 電源を入れる
音声ガイドが流れる 2 パッドを貼り、コネクターをつなぐ
胸をはだけて素肌に貼る 3 心電図の解析 体から離れる
AEDが自動で解析する 4 ショック
「自分よし、あなたよし、周りよし」 5 すぐに胸骨圧迫を再開
効果は確かめない。2分ごとに再解析
#18. パッドは心臓を挟み込むように 2025 アップデート ✓ 右の前胸部と左の側胸部 ✓ 左は背中側まで回り込む ✓ 濡れていたら拭く ✓ 貼付薬ははがして拭く ✓ ペースメーカーの直上は避ける ✓ 胸毛が濃ければ取り除く × 2枚とも胸の前面に貼る
→ 心臓を挟み込めない 2025年の変更 前胸部―背部に貼る方法も
選択肢に(AHA)
前と後ろから心臓を挟む
3回ショックしても心拍が
再開しなければ、貼る位置を
変えて電流の向きを変える
(アドバンスな内容)
2025年ガイドラインの変更点
#19. BLSで2025年に変わったこと 2025 アップデート 項目 これまで 2025年 呼吸の表現 死戦期呼吸 「異常な呼吸」
迷ったら胸骨圧迫 骨折など 合併症 「偶発的な身体障害」
ためらわず押す 中断時間 10秒以内 できる限り短く
(数値は削除) パッド位置 前胸部―側胸部 前胸部―背部の選択肢も
(AHA) 背板 ベッドでは挿入 基本はベッドのCPRモード
人手があれば背板 ヘッドアップCPR ― 現状は不要
従来のCPRでよい PPE着用時 ― 交代を早め、人を増やす
人工呼吸も改めて重視 変わらない大事なこと ✓ 安全確認は3つのS ✓ 肩を叩き大声で呼びかけ ✓ 呼吸と脈は10秒以内 ✓ 約5cm・100〜120回/分 ✓ 30:2、BVMはEC法 ✓ パッドは心臓を挟む ✓ ショック後すぐ再開 JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成
#20. まとめ ✓ BLSは、院内外を問わず誰もが身につける救命処置 ✓ 目的は、脳と心臓に酸素を届け続けること ✓ 「異常な呼吸」は心停止。迷ったら胸骨圧迫 ✓ 強く・速く・絶え間なく、リコイル。中断はできる限り短く ✓ パッドは心臓を挟み込むように。ショック後すぐ再開 その場にいる人のBLSが、命をつなぐ
さらなる学びと次回の予告
#22. 救急をもっと学びたい人へ Qラボのご案内 心肺蘇生のレクチャーをはじめ、
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#23. 次回は ALS編 救急外来に運ばれてきた後の、
チームで行う二次救命処置へ。 1 心停止の4つの波形と、ALSの流れ 2 静脈路と骨髄路、アドレナリンとアミオダロン 3 除細動と気道管理 4 原因を探す:4つの「か」と6H6T 5 ROSC後の対応、チームの役割とECPR