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心肺蘇生スペシャル ALS編:二次救命処置の基本と2025年ガイドラインの変更点

投稿者プロフィール
三谷雄己
Award 2023 受賞者

広島大学病院

58

1

投稿した先生からのメッセージ

KASUMIシンパイソセイPROJECT presents「心肺蘇生スペシャル」のALS編です。

書籍『みんなの救命救急科』(中外医学社)の心肺蘇生の章をもとに、2025年のガイドライン改定で変わった点(アドレナリンの早期投与、末梢静脈路2回で骨髄路、カルシウム・メイロンはルーチンで使わない、DSD、ECPRなど)を加えました。研修医・専攻医のみなさんの復習や、ALSのレクチャーにお使いください。

KASUMIシンパイソセイPROJECT は、ダンスと音楽に乗せて心肺蘇生法を全国へ届けるクラウドファンディングに挑戦しています(11月27日(金)23:00まで)。応援していただけるとうれしいです。

▼READYFOR

https://readyfor.jp/projects/kasumi-cpr

救急の勉強をもっと深めたい方へ。心肺蘇生のレクチャーをはじめ、救急の無料セミナーを Qラボで配信しています。医療従事者はもちろん、一般の方にも役立つ内容です。

▼Qラボ公式LINE

https://lin.ee/cFNFoeg

概要

書籍『みんなの救命救急科』の心肺蘇生の章をもとに、ALSの流れ、波形、薬剤、除細動、原因検索、ROSC後の対応、チームの役割を整理しました。2025年のガイドライン改定で変わった点には「2025 アップデート」の印を付けています。

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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テキスト全文

KASUMIシンパイソセイPROJECTの概要と支援方法

#1.

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#2.

KASUMIシンパイソセイPROJECT とは ダンスと音楽に乗せて、 心肺蘇生法を全国へ。 広島大学 救急集中治療医学が医学的に監修し、 学生ダンスサークル・BLS啓発サークルと一緒に、 楽曲『心肺蘇生法』とダンスで 「強く・速く・絶え間なく」を届けています。 1000万回 学祭ダンス動画・関連動画 総再生回数 300万回 健康ハートの日 ダンスチャレンジ総再生回数 65名以上 参画学生メンバー 300人以上 イベントでの 心肺蘇生体験者数

#3.

クラウドファンディングに挑戦しています 学校や地域で、だれもが心肺蘇生をためらわずにできるように。 活動を続けるためのご支援を、READYFOR で募っています。 目標金額 300万円 締め切り 11月27日(金)23:00まで 寄付金控除 対象です https://readyfor.jp/projects/kasumi-cpr 詳細・ご支援はURLをタップ QRコードからも開けます

心停止の波形とALSの流れ

#4.

今日の内容 ALS編 1 ALSの流れと心停止の4つの波形 モニターで波形を見て、治療を決める 2 静脈路と骨髄路 薬を入れる道を、すばやく確保する 3 薬剤 アドレナリンとアミオダロン 量とタイミングを押さえる 4 除細動 モニター付き除細動器 3つの「ど」と、パドルとパッド 5 気道管理と原因検索 高度な気道確保と、4つの「か」 6 心拍再開後の治療、チーム、ECPR 役割を分けて、情報を集める

#5.

症例の続き 救急外来へ BLS編で倒れた中年男性 ✓ 目の前で突然倒れ、すぐにCPR開始 ✓ AEDで2回除細動、心拍は戻らない ✓ CPRを続けながら救急外来へ 除細動の適応がある心停止だね。

ここからはALSで続けよう!

#6.

ALSの全体像 波形で2つに分かれる 2025 アップデート CPR開始 酸素投与 モニター/除細動器を装着 → 2分ごとにリズムチェック ショック適応 VF/pVT ショック CPR 2分 静脈路/骨髄路 ショック CPR 2分 アドレナリン1mg 3〜5分ごと 高度な気道確保 カプノグラフィ ショック CPR 2分 アミオダロン 原因の治療 ショック非適応 PEA/心静止 CPR 2分 アドレナリン1mg できるだけ早く CPR 2分 アドレナリン3〜5分ごと 原因の治療 波形が変われば 上の流れへ JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成

心停止の判断基準と薬剤の使用法

#7.

心停止の波形は4つ ショック適応 VF(心室細動)・pVT(無脈性VT) → すぐに除細動 ショック非適応 PEA(無脈性電気活動)・心静止 → CPRとアドレナリン ポイント ・リズムチェックとパルスチェックは  ほぼ同時に行う ・pVTとPEAは、脈を触れないと  診断できない

#8.

心停止の判断が遅れやすい3つの要因 2025 アップデート 1 異常な呼吸を「呼吸あり」と誤る 死戦期呼吸は「異常な呼吸」。迷ったら胸骨圧迫を始める 2 脈がわかりにくい 自分の脈と勘違いすることも。迷ったら圧迫をためらわない 3 PEAを見逃す モニターに波形があっても、反応がなければ必ず脈を触れる 迷ったときは、

まず胸骨圧迫

ですね

#9.

静脈路が取れなければ、骨髄路 2025 アップデート 1 まず末梢静脈路 2回試みてだめなら次へ 2 骨髄路を確保 時間がかかりにくく成功率が高い 3 部位は3か所 脛骨近位・上腕骨近位・脛骨遠位 4 生理食塩水でフラッシュ 抵抗があれば位置を見直す オーソドックスなのは脛骨近位(皮下組織が少なく平ら)

#10.

薬剤は2つ アドレナリンとアミオダロン 2025 アップデート アドレナリン アミオダロン 量 1mg 初回300mg(2A) 2回目150mg PEA・心静止 できるだけ早く 使わない VF・pVT 2回目の除細動の後 3回目の除細動の後 繰り返し 3〜5分ごと (目安は4分) 2回目 150mg 2025年 アドレナリンは「できるだけ早く」がより明確に 原則使わない カルシウム  低Ca血症を除く 炭酸水素Na(メイロン)  高K血症、三環系  抗うつ薬中毒などを除く JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成

除細動の手順と気道管理の重要性

#11.

除細動の前に、3つの「ど」 2025 アップデート リード・感度・誘導 どれかがずれると VFでも心静止に 見えてしまう 2025年 ・前胸部叩打は記載なし  ショック適応なら、早く除細動を ・DSD(ダブルシーケンシャル除細動)は  例外的な選択肢

#12.

パドルとパッド 基本はパッド パドル 除細動器に はじめから付いている メリット ○ 除細動までが速い(付け替え不要) ○ コストがかからない デメリット △ 周囲への感電リスクがある △ 専用ジェル・パッドが必要 パッド AEDと同じく 心臓を挟むように貼る メリット ○ 周囲への感電リスクが少ない ○ 繰り返す除細動が楽 デメリット △ 貼るまでに時間がかかる △ 使い捨てでコストがかかる 結局どちら? 安全性と、繰り返す除細動への備えでパッドが基本 エネルギー 二相性で初回150J〜(機種の推奨に従う)

#13.

気道管理 挿管より、絶え間ない胸骨圧迫 1 まずはBVMで、30:2 の質の高いCPRを続ける 2 挿管のための中断は最小限にする 3 挿管後は胸骨圧迫を止めず、6秒に1回の非同期換気 4 チューブの確認はEtCO2(波形)と5点聴診 ポイント BVMで換気できていれば、挿管に固執しない 焦ると換気は過剰になりがち。6秒に1回で十分

#14.

原因を探す 4つの「か」 1 患者(かんじゃ) 診察で手がかりを探す(シャント、下血) 2 家族(かぞく) 家族・目撃者から聴く(窒息、内服薬) 3 カルテ(かるて) 既往と治療歴(術後、長期臥床) 4 簡単な検査(かんたんなけんさ) 血液ガス、エコー アルゴリズムを回しながら、常に原因を探す

心停止時の原因特定と役割分担

#15.

6H6T 原因と主な対応 6H 原因 主な対応 低酸素 Hypoxemia 原因の解除・酸素投与 気管挿管 脱水・出血 Hypovolemia 急速輸液や輸血 外科的止血術 低/高カリウム Hypo/Hyperkalemia グルコン酸カルシウム GI療法・緊急透析 アシドーシス H+ (acidosis) 原因への治療介入 重炭酸(メイロン)投与 低体温 Hypothermia 保温 温かい輸液投与 低血糖 Hypoglycemia ブドウ糖投与 6T 原因 主な対応 心タンポナーデ Tamponade 心嚢穿刺 心嚢ドレナージ 肺塞栓 Thrombosis pulmonary 血栓溶解 VA-ECMO挿入 心筋梗塞 Thrombosis coronary 心臓カテーテル VA-ECMO挿入 緊張性気胸 Tension pneumothorax 緊急脱気 胸腔ドレナージ 外傷 Trauma 止血術・輸血・胸腔ドレナージ 心嚢ドレナージ 中毒 Toxins 胃洗浄・薬剤投与 VA-ECMO挿入 原因が分かれば、専門科やメディカルスタッフを巻き込める JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025、書籍『みんなの救命救急科』をもとに作成

#16.

心停止時のエコー 10秒以内で3つを見る 1 心タンポナーデの所見はないか 心嚢水の貯留 10秒以内 2分間 CPR 継続 2 右心拡大はないか 肺塞栓を想起 10秒以内 2分間 CPR 継続 3 心収縮は見られるか PEAでもROSCの可能性が高い 10秒以内 ポイント リズム・パルスチェックに合わせて評価 エコーのためにCPRの中断を延ばさない 必要に応じて、CPR中に 肺エコー lung sliding の有無  → 消失なら緊張性気胸 腹部エコー 腹腔内出血の評価 胸骨圧迫中は、心窩部からの 心エコーは見づらい JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成

#17.

ROSC後は、まずprimary survey ROSC 2分ごとのリズムチェックで脈が触れる A 気道 気道を確保 昏睡なら挿管を考慮 B 呼吸 SpO2 92〜98% PaCO2 35〜45mmHg C 循環 収縮期血圧>90mmHg 平均動脈圧>65mmHg 12誘導 12誘導心電図 STEMIなら緊急カテ D 意識 指示に従わなければ 体温管理 ROSCしたね!

まずは primary survey JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成

#18.

ALSで必要な6つの役割 1 コマンダー(指示者) 2 胸骨圧迫 3 気道呼吸管理 4 静脈路確保・薬剤管理 5 除細動 6 記録・タイムキーパー ポイント 人数が少なければ兼任する。記録とタイムキーパーは兼ねやすく、気道呼吸管理は専念したい 胸骨圧迫は固定せず、疲れる前に交代する

2025年ガイドラインの変更点とECPRの導入

#19.

クローズドループ・コミュニケーション 1 指示 「アドレナリン1mgを 投与してください」 2 復唱 「アドレナリン1mg、 投与します」 3 実施の報告 「アドレナリン1mg、 投与しました」 ポイント 単位や量を言い換えて確認する(「1筒」→「1mgを静注します」) 指示する側も、される側も、間違いに気づきやすくなる

#20.

EtCO2で、胸骨圧迫の質を見る 10 20 40 0 mmHg 不十分な圧迫 有効な圧迫 ROSC 10mmHg未満 不十分な胸骨圧迫 20mmHg程度 有効な胸骨圧迫 40mmHg程度へ急上昇 ROSCのサイン 数値は個人差が大きく、あくまで目安です 挿管チューブの位置確認にも、EtCO2の波形が役立ちます

#21.

ECPRという選択肢 2025 アップデート 導入基準の例 ・年齢 20〜75歳 ・初期波形が VF/無脈性VT ・標準的なCPRに反応しない 除外基準の例 ・初療室到着まで45分以上かかる ・医師の接触後15分以内にROSCした ・心停止前のADLが不良 ・家族の同意が得られない 2025年も 施設の体制が整っていれば検討 DSDと並ぶ、アドバンスな選択肢 専門科・臨床工学技士と連携 目的は、原因治療への橋渡し 早く導入するほど 予後がよいという報告も JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025、書籍『みんなの救命救急科』をもとに作成

#22.

ALSで2025年に変わったこと 2025 アップデート 項目 2025年の考え方 アドレナリン 早期投与がより明確に 投与経路 末梢静脈路を2回試みて、だめなら骨髄路 前胸部叩打 ガイドラインに記載なし Ca・メイロン ルーチンでは投与しない(特殊な状況を除く) DSD 例外的なオプション(JRCは限定的に検討可) ECPR 施設の体制が整っていれば検討 変わらない大事なこと 質の高いCPR 早い除細動 チームで動く JRC蘇生ガイドライン2025/AHA 2025 をもとに作成

心肺蘇生のまとめとさらなる学びの提案

#23.

まとめ ALSも、土台は質の高いCPR ✓ 処置中も、最優先は質の高いCPR ✓ リズムチェックはパルスチェックと同時に ✓ ショック適応なら除細動、非適応ならアドレナリン ✓ 4つの「か」と6H6Tで、原因を探す ✓ ROSC後はABCを安定させ、12誘導心電図へ ✓ 役割分担とクローズドループで、チームで動く

#24.

もっと詳しく学びたい人へ 参考書籍 『みんなの救命救急科』 三谷雄己 著/志馬伸朗 監修 中外医学社(2022年) 登場人物たちの会話を追いながら、 救急外来の症例を一緒に考えていく本です。 このスライドは「心肺蘇生」の章をもとに、 2025年ガイドラインの変更点を加えて作りました。 https://www.amazon.co.jp/dp/4498166442?tag=woockeym-22 詳細・試し読みはURLをタップ

#25.

救急をもっと学びたい人へ Qラボのご案内 心肺蘇生のレクチャーをはじめ、 救急の無料セミナーを配信しています。 医療従事者はもちろん、一般の方にも 役立つ内容のセミナーです。 登録は、下の Qラボ公式LINE からどうぞ。 https://lin.ee/cFNFoeg 登録はURLをタップ

#26.

最後までご覧いただき、ありがとうございました 今日学んだ心肺蘇生を、次はだれかに伝える番です。 KASUMIシンパイソセイPROJECT へのご支援もお願いします。 目標金額 300万円 締め切り 11月27日(金)23:00まで 寄付金控除 対象です https://readyfor.jp/projects/kasumi-cpr 詳細・ご支援はURLをタップ QRコードからも開けます


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