学べるポイント
1) 定義と全体像がスッと入る
「びまん性肺疾患」と「間質性肺疾患」の関係を、胸部X線/CTの概念から整理。感染症や心不全でも“びまん性”になり得る落とし穴を強調。
2) “疑うべき状況”を背景別に体系化
若年・中年以降・免疫不全の3群で頻度の高い鑑別を網羅(急性/慢性好酸球性肺炎、非線維性過敏性肺炎、器質化肺炎、NSIP、IPF急性増悪、ARDS、放射線肺炎、肺胞出血、心不全など)。臨床の“まず考える順”が明確に。
3) CT読影のコア
区域性=細菌性を示唆/非区域性=間質性で目立ちやすいという思考の出発点、スリガラス・牽引性気管支拡張・蜂巣肺の時間軸の意味付けを実例で理解。
4) “取る検査・取らない検査”の線引き
HRCTの必要性、尿検査が血管炎や膠原病の糸口になる理由、**KL-6/SPA/SPDの位置づけ(海外では標準利用でない点も含む)**を明確化。
5) 気管支鏡(BAL/TBLB)の“勝ち筋”とリスク
急性びまん肺で感染症除外が最重要。優先度は「BAL ≫ TBLB」。酸素需要別の施行タイミング、合併症、DNIや呼吸状態で“やらない勇気”の判断基準まで。
6) 初期治療のリアル
夜間帯は心不全除外+適切な抗菌薬で開始し、非定型カバーをどう組むか(例:CTRX+AZM/LVFX)。ステロイド開始は原則“気管支鏡後”、ただしMDA5や肺胞出血などは緊急対応…という“現場の線引き”。効果判定の日数感も共有。