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急性硬膜下血腫の症例と経過
#1. 一宮西病院 総合内科リウマチ膠原病内科 〜症例から学ぶ腹部膨満〜 若山 裕人 〜病態生理で紐解く/脱キーワード診断〜
#2. 【主訴】腹部膨満感
【既往歴】なし
【内服歴】なし
【現病歴】X/8/9までは健康で無症状。8/10から左側頭部痛出現。
徐々に右側にも広がり, 持続。8/17当院脳神経外科受診。頭部
CTで”急性硬膜下血腫”と診断され緊急入院となった。入院時体
重53.0kg。脳神経外科よりレベチラセタム1000mg/日, アムロジピン
5mg/日, アジルサルタン20mg/日, ロキソプロフェン 60mg/日投与
開始された。
【症例】
#4. 8/18, 8/19(入院後2日間)は頭痛が強く, 食事もとれない
ほどであった。8/20から頭痛が軽減。この頃からトイレ以
外にも病棟内を点滴棒を支えにして歩行・リハビリ可能と
なった。内血管造影をおこなったが血管奇形は見られなかった。 【入院後経過】
#5. 8/28から息が吸いづらく深吸気時や臥位で咳嗽が出現。
ベッドを起こして寝るようになった。この頃から腹部膨満感
あり。8/29からSPO2が92%であり、酸素投与2L開始。8/30
両下肢浮腫・尿量の減少に気づく。8/30から著しい全身倦
怠感あり、頭痛も増悪し終日ベッドで過ごすようになった。
9/1総合内科に転科となった。
【入院後経過】
身体診察と検査結果のまとめ
#6. 【生活歴】
三重県生まれ。父は長野県出身、母は三重県出身。海外旅
行は10年以上前行ったのみ。自宅で犬を飼育。
X年8月初旬に九頭竜湖でカヤックをした。ダニ、蚊など虫刺
されなし。外傷なし。
乾燥症状はなく、涙や唾液はよく出る。
【症例】47歳, 女性
#7. BT 36.7℃, BP 148/93 mmHg, HR 78 回/分
SpO2 98%(room air), RR 20回/分 身長 164 cm 体重 63.7 kg
眼球結膜: 黄染なし、充血なし。
左鎖骨上に0.5cm程度の可動性良好で圧痛のないリンパ節
頸静脈拍動は胸骨角より4cm上 心音: リズム整, 心雑音なし
呼吸音:胸部で第8肋間以下で打診濁音、同部で清音振盪減弱し呼吸音低下
腹部: 軽度膨満, 軟, 軽度の圧痛あり, 打診時に疼痛あり
背部・両臀部・両下肢マットレスの硬さの圧痕性浮腫あり
【身体診察】内科専攻医が診察
#8. 脳神経:Ⅰ〜Ⅻ正
感覚:触覚正 痛覚正 位置覚正
運動:MMT5/5 筋トーヌス正 容積正 不随意運動なし
高次機能:見当識正 記憶正
反射(R/L):下顎- 上腕二頭筋+/+ 橈骨+/+
上腕三頭筋+/+ 尺骨+/+ 膝-/- 踵+/+
髄膜刺激兆候なし 【身体診察】内科専攻医が診察
#10. 【血液検査 X/9/1】内科転科日 APTT 49.3 秒 PT-INR 1.06 FDP 27.1 μg/ml Dダイマー 6.3 μg/ml HIV-Ab 陰性 アスペルギルス抗原陰性 βdグルカン陰性 血液培養2/2陰性
画像検査とその所見の解釈
#11. 【尿検査 X/9/1】 PH 5.0 蛋白 + 糖 - ウロビリノゲン +- ビリルビン - 尿比重 1.017 赤血球 1-4/HPF 白血球 1-4/HPF 扁平上皮 1-4/HPF 尿細管上皮<1/HPF 上皮円柱1-9/HPF 顆粒円柱1-9/HPF Na 20 mEq/dL Cl 15 mEq/dL Cr 168.2 mg/dL UA 28.2 mg/dL 尿蛋白/Cre 0.4 g/gCr FeNa 0.16 %
#12. 【12誘導心電図】X/8/17(脳外科入院時)
#14. 【頭部・胸腹部単純CT】左8/17 右9/1
入院後の経過と治療方針
#16. 【画像所見まとめ】 新規に胸腹水貯留(20HU) 門脈周囲にびまん性に低吸収あり 硬膜下血腫は縮小傾向 軟部組織に脂肪識濃度上昇あり 左鎖骨上に造影効果のある1cm程度のリンパ節
#17. 【入院後経過】 9/1からメロぺネム(MEPM)、ドキシサイクリン(DOXY)を
開始。9/1 経胸壁心エコー(TTE)施行。9/2 右胸腔穿刺
(850ml)、9/3 腹水穿刺(2000ml)を施行。腹水排液直後に、
呼吸苦と腹部膨満感は消失。翌日から毎日1kg程度の体
重増加を認め、呼吸苦と腹部膨満感も再度出現した。
#18. 【検査結果】 【胸水穿刺】X/9/2 淡黄色透明 臭無 TP 2.9(血 5.2) Alb 1.3(血 2.1) LD 87(血 252) 【TTE】X/9/1 WBC 89 ADA 6.9 細菌・抗酸菌培養陰性 セルブロック陰性 【腹水穿刺】X/9/3 淡黄色透明 無臭 TP 2.4 Alb 1.3 LD 80 WBC 65 細菌・抗酸菌培養陰性 セルブロックで異型細胞なし LVIDd 41 mm LVIDs 26 mm EF 66% 弁膜症なし TRPG 24.3 mmHg 疣贅を認めない IVC 6/7mmHg 呼吸性変動なし
#19. 【検査結果】 【骨髄穿刺】X/9/2 NCC 89000, 巨核球数 13, M/E 10.9, 芽球 3.5% フローサイトメトリー クローナリティのある細胞集団なし 【リンパ節生検】X/9/2 リンパ濾胞は萎縮し、濾胞間が開大。胚中心には
tingible body macrophageあり。濾胞構造は正。濾胞間
には形質細胞が多数浸潤。 骨髄穿刺液の抗酸菌培養陰性
#20. 既往歴のない47歳女性の突然の頭痛で発症した急性硬膜下血腫。
血腫は消退傾向にも関わらず、全身倦怠感、胸腹水貯留・浮腫が進行し緩徐にCrが上昇。
胸腹水穿刺で一時症状は改善するが再度胸腹水は貯留。
左頸部に1cm程度の造影効果のあるリンパ節を認める。 【ここまでの簡単なまとめ】
鑑別診断と診断方法の考察
#22. 【血液検査】X/9/7 APTT 49.6 秒 PT-INR 1.15 FDP 27.1 μg/ml Dダイマー 6.3 μg/ml
#23. 【検査結果】 MPO-ANCA<1.0 PR3-ANCA<1.0 ツツガムシIgM/IgG陰性 抗SS-A抗体 16倍 抗SS-B抗体 陰性 TSPOT 陰性 【血液検査】 第2, 8, 9, 10 因子活性>100% 第13因子活性 28% 【骨髄生検】 鍍銀染色で細網線維増加。
軽度の骨髄線維化。異型細胞なし
#24. 9/11-プレドニゾロン(PSL) 50mg静注開始。9/14-シクロス
ポリン 200mg/日で内服開始した。体重が徐々に減少し, 腹
部の膨満感も改善。9/20 体動で悪化する右腰痛が出現。
リハビリ中止。9/21 腹部造影CTで右腸腰筋内に5cm大の血腫
を認めた。
【入院後経過】
#26. 【事象】 47歳女性の非外傷性の硬膜下血腫 進行性の体液貯留と浮腫 緩徐進行性の血小板減少 鎖骨上のリンパ節腫脹 第13因子活性低下 高Cr血症
#28. 腔水症 血小板減少 高Cr血症 硬膜下血腫 【思考回路】 組み合わせで診断名を想起 その病気に当てはまる・当てはまらない推論 1つ1つの事象の分析が甘く、事実からかけ離れる
#29. 【思考回路】 野球ボールだとすると・・ テニスボールだとすると・・ 大きさ・形・重さ・硬さ等
この物質に関して分析
#30. 腔水症 血小板減少 高Cr血症 【思考回路】 1つ1つの事象の分析 毛細血管透過性 亢進 消費亢進性 硬膜下血腫 血小板減少 腎血流低下性 高Cr血症 易出血性 患者に何が起こっているか
診断の根拠と考察の整理
#31. 【診断とは】 ・診断は根拠事象を持って集合を右に進めていく作業。 血小板減少の集合の1例 ・集合は絶対的で互いに重複があってはならない。 ・集合はカテゴリーを意識して作成する。
#32. 【診断とは】 臨床内科学 診療講座 栗本 秀彦先生のホームページより
#33. 【診断とは】 臨床内科学 診療講座 栗本 秀彦先生のホームページより
#34. 【診断とは】 ・事実と解釈の分離を徹底的にする。 例1)胸部CTで2cm程度の腫瘍(解) 例2)骨髄穿刺で白血病細胞あり(解) ・解釈を事実として捉えているような記載の例。 2cm×2cmの境界明瞭・辺縁整・内部30HUの腫瘤(事) 細胞質が赤血球の2倍で薄い紫色で類縁形で核が細胞質の90%程度をしめ核小体が目立つ濃い紫色の細胞を認める(事)
#35. 【診断とは】 ・診断は病気を当てるゲームではない。 ・診断は患者の体に何が起こっているのかを正確に
把握すること。 ・原因に目が行きがちだが、結果として病気が人体
に何をきたしているのか考察が必要。
#36. #1 非外傷性硬膜下血腫
#2 急性腔水症
#a 高Cr血症
#b 血小板減少症
#c 大臀筋血腫 【プロブレムリスト】 ※プロブレムリストは疾患の開始順とする
#37. 【考察】#2に関して 腔水症 ⊃静水圧上昇 ⊃血管透過性亢進(Capillary leak)
⊃膠質浸透圧低下
#38. 【考察】#2に関して 腔水症 ⊃静水圧上昇 ⊃血管透過性亢進(Capillary leak)
⊃膠質浸透圧低下 ・TTE:IVC 6/7mm →静水圧上昇機序を否定
#39. 【考察】#2に関して 腔水症 ⊃静水圧上昇 ⊃血管透過性亢進(Capillary leak)
⊃膠質浸透圧低下 ・TTE:IVC 6/7mm →静水圧上昇機序を否定 ・Albの低下より先に胸水が存在(8/17時点で少量の胸水あり)
#40. 【考察】#2に関して 腔水症 ⊃静水圧上昇 ⊃血管透過性亢進(Capillary leak)
⊃膠質浸透圧低下 ・TTE:IVC 6/7mm →静水圧上昇機序を否定 ・胸腹水の性状(蛋白, Alb)→滲出性胸腹水 ・分布(全身の浮腫・胸腹水) ・Albの低下より先に胸水が存在(8/17時点で少量の胸水あり) ・急速に進行する浮腫
高Cr血症の原因と考察
#41. 【考察】 根拠事象 ・胸腹水の性状(蛋白, Alb)→血管透過性亢進を示唆 ・分布(全身の浮腫・胸腹水)→血管透過性亢進を示唆 ・Albの低下より先に胸水が存在→膠質浸透圧低下を否定 ・急速に進行する浮腫→血管透過性亢進を示唆 ・TTE:IVC 6/7mm →静水圧上昇機序を否定
#42. 【考察】 #2 急性腔水症 → #2 Capillary leak symdrome
#43. 【考察】 Capillary leak symdrome ⊃感染(細菌・ウイルス・真菌・結核) ⊃自己免疫(MCD/TAFRO/SJS/SLE) ⊃腫瘍(リンパ腫) ⊃薬剤
#44. 【考察】 Capillary leak symdrome ⊃感染(細菌・ウイルス・真菌・結核) ⊃自己免疫(キャッスルマン TAFRO シェーグレン SLE) ⊃腫瘍(リンパ腫) ⊃薬剤 ・MEPM, DOXY無効 ・TSPOT, 抗酸菌培養陰性 ・ウイルス抗体陰性
#45. 【考察】 Capillary leak symdrome ⊃感染(細菌・ウイルス・真菌・結核) ⊃自己免疫(キャッスルマン TAFRO シェーグレン SLE) ⊃腫瘍(リンパ腫) ⊃薬剤 ・MEPM, DOXY無効 ・補体正, 抗核抗体陰性 ・TSPOT, 抗酸菌培養陰性 ・ウイルス抗体陰性 ・乾燥症状なし ・骨髄生検で細網繊維
#46. 【考察】 Capillary leak symdrome ⊃感染(細菌・ウイルス・真菌・結核) ⊃自己免疫(キャッスルマン TAFRO シェーグレン SLE) ⊃腫瘍(リンパ腫) ⊃薬剤 ・MEPM, DOXY無効 ・補体正, 抗核抗体陰性 ・TSPOT, 抗酸菌培養陰性 ・リンパ節, 骨髄生検でリンパ腫細胞なし ・ウイルス抗体陰性 ・乾燥症状なし ・骨髄生検 ・薬剤内服なし
#47. 【考察】 ・MEPM, DOXY無効。→一般細菌, リケッチア, レプトスピラ否定。 ・補体正、抗核抗体陰性→SLE否定。 ・抗SSA抗体低力価、乾燥症状なし→SJS否定。 ・リンパ節, 骨髄生検で異型細胞なし→リンパ腫否定 ・骨髄生検→TAFRO症候群を支持。 ・T-SPOT陰性、各種抗酸菌培養陰性→結核否定 根拠事象
#48. 高Cr血症 ⊃糸球体 ⊃間質 ⊃尿細管 ⊃腎動脈-細動脈(腎前性) 【考察】 ⊃腎盂-膀胱(腎後性)
#49. 高Cr血症 【考察】 ・赤血球円柱なし, 尿蛋白<3.0g/日 ・腎盂拡張なし ・尿中白血球陰性 ⊃糸球体 ⊃間質 ⊃尿細管 ⊃腎動脈-細動脈(腎前性) ⊃腎盂-膀胱(腎後性)
#50. 高Cr血症 【考察】 ・赤血球円柱なし, 尿蛋白<3.0g/日 ・腎盂拡張なし ・尿中白血球陰性 ⊃糸球体 ⊃間質 ⊃尿細管 ⊃腎動脈-細動脈(腎前性) ⊃腎盂-膀胱(腎後性) ・上皮円柱, 顆粒円柱あり ・FeNa<1.0
血小板減少のメカニズムと考察
#51. 【考察】 根拠事象 ・赤血球円柱なし, 尿蛋白<3.0g/日→糸球体疾患を否定 ・腎盂拡張なし→腎後性は否定的。 ・上皮円柱, 顆粒円柱→尿細管の傷害を示唆 ・FeNa<1.0→腎血流低下を示唆
#52. 【考察】 腎血流低下 ⊃hypovolemia ⊃血管病⊃攣縮⊃薬
⊃運動
⊃血栓⊃解離
⊃炎症
⊃塞栓
#53. 【考察】 腎血流低下 ⊃hypovolemia ⊃血管病⊃攣縮⊃薬
⊃運動
⊃血栓⊃解離
⊃炎症
⊃塞栓 ・補液で改善, IVC径 ・NSAIDS, ACE-I 造影所見より否定
#54. 【考察】 尿細管傷害 ⊃炎症 ⊃虚血 ⊃薬剤
#55. 【考察】 尿細管傷害 ⊃炎症 ⊃虚血 ⊃薬剤 ・尿中白血球なし ・腎血流低下が背景にあり ・尿細管障害の頻度の多い薬剤使用なし
#56. 【考察】 Capillary leakによる腎血流低下+薬剤 尿細管障害(虚血>>薬剤・炎症) +
#57. 【考察】 血小板減少 ⊃骨髄産生低下 ⊃末梢血で消費亢進 ⊃脾臓での分布異常
#58. 【考察】
①血小板減少は本物か(偽性血小板減少症)
②血小板減少の起きた時期を確認
③血小板以外の血球の減少の有無
④脾腫の有無を確認
⑤凝固異常の有無を確認
⑥目視(大血小板、芽球、破砕赤血球の有無)
⑦骨髄中の巨核球の有無 血小板減少を見た時の確認事項 Up to dateから一部改変
#59. 【考察】 血小板産生増加の指標 骨髄穿刺での巨核球の数 末梢血血小板のサイズ +− MPV・幼若血小板比率 骨髄穿刺 World J Stem Cells 2019 September 26; 11(9): 565-721
TAFRO症候群の診断と経過
#61. 【考察】 血小板減少 ⊃骨髄産生低下 ⊃末梢血で消費亢進 ⊃脾臓での分布異常 ・他血球の減少なし、巨核球減少なし ・脾腫なし ・大血小板あり ・急速な減少 ・巨核球増加
#62. 【考察】 末梢血での血小板消費亢進 ⊃感染(細菌・ウイルス)
⊃物理的破壊(人工物・ TMA・DIC) ⊃中毒(トキシン、薬剤) ⊃免疫性(ITP・SLE・HIT・TAFRO)
#63. 【考察】 末梢血での血小板消費亢進 ⊃感染(細菌・ウイルス)
⊃物理的破壊(人工物・ TMA・DIC) ⊃中毒(トキシン、薬剤) ⊃免疫性(ITP・SLE・HIT・TAFRO) ・抗菌薬無効(上述) ・体内に人工物なし ・目視で破砕赤血球なし ・ヘパリン使用なし ・抗核抗体陰性 ・血小板減少をきたす薬剤内服なし
#64. 【考察】 本症例はTAFRO症候群による血小板減少と結論
#65. 【考察】 血腫 ⊃局所の解剖学的な問題 ⊃易出血性
#66. 【考察】 血腫 ⊃局所の解剖学的な問題 ⊃易出血性 ・出血部位が数箇所にわたる ・特定の部位での出血
#67. 【考察】 易出血性 ⊃血小板の異常 ⊃凝固の異常 ⊃血管壁の異常
#69. 13因子欠乏に対してインヒビターを測定。インヒビターの存在はなし。
血管壁脆弱症の検索のためRumpel Leede試験を施行したが陰性であった。
【考察】
#70. 【考察】 易出血性 ⊃血小板の異常 ⊃凝固の異常 ⊃血管壁の異常 ・血小板低下あるが出血をきたすほどではない ・PT, APTT正、第13因子欠乏あり ・Rumpel Leede試験陰性 ・血小板の質は未評価
症例の最終的な結論と発表内容
#71. 【考察】 根拠事象 ・血小板の質の異常は未評価 ・PT, APTTの異常はなし。 ・第13因子の欠乏あり ・血小板は出血をきたすほどの数の異常はなし。 ・TAFRO症候群による血管炎の報告あり
#72. 【考察】 本症例は第13因子欠乏(Etiology 不明)もしくはTAFRO症候群によるVasculopathyと結論
#73. #1 急性硬膜下血腫→急性硬膜下血腫(#3)
#2 急性腔水症→TAFRO症候群
#3 続発性第13因子欠乏症 or Vasculopathy(#2)
#a 高Cr血症→腎前性腎不全+ATN
#b 血小板減少症→免疫性血小板減少症(#2)
#c 大臀筋血腫→大臀筋血腫(#3)
【プロブレムリスト】 ※プロブレムリストは疾患の開始順とする
#74. 【その後の経過】 その後、全身倦怠感は消失。徐々に体重は減少し、胸腹水も
消失した。
10/26(プレドニン20m+タクロリムス200mg内服中)体重47.3kg,
Plt:16.4万/μL, Cre:0.73mg/dL、CRP:0.03mg/dL。同日、退院。
外来で緩徐にPSL減量行い、X+1年9月14日にPSL終了と
なった。X+1年10月19日に1週間前からの微熱、全身の浮
腫・体重増加を認め“TAFRO症候群”と診断した。
プレドニン増量も効果なく、トシリズマブ開始したところ著効し
退院となった。