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【症例提示あり】高血糖高浸透圧症候群等について

  • 救急科

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  • 薬剤耐性菌
  • SGLT2阻害薬
  • 糖尿病性ケトアシドーシス
  • 高血糖高浸透圧症候群
  • ESBL産生菌
  • 高血糖緊急症

6,757

12

2022/8/22

内容

 当院の救急症例検討会で使用したスライドを、個人情報保護のため一部加工して共有しています。また一部のスライドで動画ファイルを使用していますが、Antaa Slideにアップロードしたところ再生できなくなりました。何卒ご容赦下さい。

 このスライドのトピックは主に①高血糖高浸透圧症候群・糖尿病性ケトアシドーシスの診断や定義, ②敗血症性ショックの輸液, ③ESBL産生菌の治療 の3つです。

 著作権や個人情報保護の観点から、これらスライドは閲覧のみに留めて下さいますようお願い申し上げます(≒SNSへのシェア等はご遠慮下さい)。

えびけん

S会 MK病院


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【症例提示あり】高血糖高浸透圧症候群等について

  1. 高血糖&ショックの原因鑑別に難渋した症例 救急症例検討会2022年8月分

  2. 【症例】70歳代男性 【現病歴】某年X月Y日に脳梗塞(左MCA閉塞)のため当院脳神経外科に入院して、抗凝固療法等 の保存的加療を開始。同月Y+12日〜シロスタゾール開始され, X+1月初頭からクロピドグレルに変更。 経過は安定していたが、左片麻痺・失語・嚥下障害残存あり、家族・医療スタッフ間で相談し、 回復期リハビリ病棟転院の方針となっていた。X+1月中旬某日の昼ごろ、リハビリ開始時にsBP 60 mmHgを認めた。 【既往・併存疾患】60歳:脳出血(左片麻痺の後遺症あり), 糖尿病, 脂質異常症 【内服薬】カルベジロール25mg 2T1x朝, クロピドグレル25mg 2T1x朝, デベルザ2.5mg 2T1x朝,  アムロジピン5mg 1T1x朝, ロスバスタチン2.5mg 2T1x朝, ゾニサミド100mg 2t2x朝夕 etc. 【身体所見】sBP 80 mmHg程度, JCS 3(GCS E4V1M5), 顔色不良と全身皮膚湿潤あり, 左片麻痺

  3. 入院時のperfusionと3DCTA

  4. X+1月初頭のMRI 左上: DWI 左下: T2* 右上: FLAIR

  5. ※ Anion Gap=Na-(Cl+HCO3) =151-(113+27)=11 急変直後の採血

  6. Problem List #1急性循環不全 #1-1: 敗血症性ショックの疑い #2高血糖緊急症(高血糖高浸透圧症候群) #3高Na血症 #4急性腎傷害 #5肝機能障害

  7. 高血糖緊急症とは 糖尿病の合併症である糖尿病ケトアシドーシス(DKA: diabetic  ketoacidosis)と高血糖高浸透圧症候群(HHS: hyperosmolar  hyperglysemic state)の総称。 インスリン不足, 侵襲, 感染を契機に発症することが多い。 高血糖による浸透圧利尿→水分と電解質の喪失 DKAとHHSが複合することも稀ではない。 『救急診療指針 改訂第5版』より 適宜抜粋・改編

  8. 『救急診療指針 改訂第5版』より 適宜抜粋・改編

  9. 経過① インスリン持続点滴 MEPM VCM 頭部CT: 左脳出血 →クロピドグレル中止 体幹部単純CT:  有意病変指摘できず * 3号液 尿グラム染色 * 体幹部造影CT: 病変指摘できず デベルザ(SGLT2阻害薬)中止 Cre 1.28 Na 155→148 CVC挿入 Cre 0.79 Na 148 Cre 0.71 Na 145 ※ 血培2個共に  陰性と判明 AF指摘される ※ 尿培判明:  ESBL産生E. coli ヘパリン持続点滴 ランジオロール点滴 血培・痰培・尿培採取 ビソプロロール 経皮薬 BS: Hi~294 BS: 204 BS: 226 BS: 290 BS: 283 BS: 259 BS: 218 A line挿入 5% Glu 1号液

  10. 2日目単純CT

  11. 4日目造影CT

  12. 経過 ② ヘパリン持続点滴 CMZ(15日目まで継続) インスリン:8日目〜皮下注・1日4回測定へ変更 MEPM VCM A line抜去 MAP [mmHg] NAd [μg/kg/min.] メイン:細胞外液

  13. 経過 ③ X+2月中旬以後の経過 昼だけ経口摂取(全粥)→摂取量安定のため3食全粥に 頭部CTで血腫消退していたので、リクシアナ 60 mg/day開始

  14. 今回の問題点 敗血症を疑ったが、フォーカスが判然としなかった。 失語=主訴が聞けない, 画像でも分からない, 尿のGram染色が「空振り」etc. 放射線科医による読影+総合内科医・感染症専門医による評価があれば…? 培養で耐性菌が検出された。 他の患者でもESBL産生菌や緑膿菌が出ている。 抗菌薬適正使用は当院でも取り組んでいるようだが、実効性を伴っているのか? 循環管理と輸液反応性の評価 過剰なプラスバランスを回避したかったが… NAd投与が長期化してしまった:原因は? エコーでIVCを出しにくかった。IVC径変動の信頼性も微妙。

  15. 敗血症性ショックに関する最新論文

  16. 敗血症性ショックでの輸液量制限「あり」vs「なし」2022.6.17発表, Meyhoff TS. et al. DOI: 10.1056/NEJMoa2202707  2018/11/27~2021/11/16の間に欧州8カ国・31ヶ所で実施されたランダム化 臨床試験。 敗血症性ショック発症後12時間以内のICU入院中の18歳≦の患者が対象。 ↔︎妊婦, 発症から12時間超過, 重症熱傷, 治験参加同意撤回, 致死的出血は除外 輸液制限「あり」:「なし」=1:1に被験者を振り分けた。 制限あり群:ショック時は250~500 mLの等張晶質液ボーラス投与,  消化管が使えない場合には「1日1L」の水分摂取量を維持する etc. 制限なし群:輸液量の制限はなし。

  17. 1,554名の被験者が「制限あり」群764名, 「制限なし」群781名へ割り振られた。 ICU滞在期間中央値: 5日, 「制限あり」3~9日 vs 「制限なし」3~10日 累積輸液投与量中央値: 「制限あり」10,433 mL vs 「制限なし」12,747 mL 結果:90日後の死亡率, ないし 重症有害事象に  有意差はなし。 死亡: 「制限あり」764名中323名(42.3%)  vs 「制限なし」781名中329名(42.1%);  差 0.1 percentage point; 95%信頼区間 -4.7~4.9; P=0.96 有害事象1個以上:  「制限あり」751名中221名(29.7%)  vs 「制限なし」772名中238名(30.8%);  差 -1.7 percentage point; 99%信頼区間 -7.7~4.3 生存率 青:「制限なし」 黄:「制限あり」

  18. この論文の背景・考察など これまでの同様な観察研究とランダム化臨床試験では、輸液投与量増加が有害  事象(e.g., 腎傷害悪化, 呼吸不全, 死亡率上昇)と関連していると示していた。 但し最近では輸液量「制限」と「多め」の間で有意差がないことを示すデータ  も出ており、これに概ね一致する知見。 ※以下は私の個人的な考え とはいえ、患者ごと, ないし 時期により病態は異なるので、結局は  ケースバイケースの判断になるのだろう。 「臨床試験では輸液量制限『あり』と『なし』の片方の群で不利益が  有意に増えた(or 有意に効果が見られた)ということが無かった」  というだけのこと。

  19. SGLT-2阻害薬と高血糖緊急症

  20. Ata F, Yousaf Z, Khan AA. et al. SGLT-2 inhibitors associated euglycemic and hyperglycemic DKA in a multicentric cohort. Sci Rep. (2021) 11:10293 より SGLT-2 (sodium-glucose co-transporter-2) 阻害薬は、Na+-グルコース  トランスポーター2に作用し, 腎尿細管からのグルコース再吸収を  阻害することで作用を発揮する。 他方、副作用として尿路感染症のほか, DKAが挙げられる。 SGLT-2阻害薬のDKAリスクは、その他経口糖尿病薬の2~3倍超と  言われている。 SGLT-2阻害薬内服中の患者では、インスリン欠乏状態にも関わらず  尿からの糖排泄が亢進しているので、DKAを来していても随時血糖  が正常になってしまうことがある。

  21. 結果 ①  SGLT-2阻害薬内服中の患者におけるDKAの有病率, リスクファクターに関する研究 カタール国内の3病院で行われた横断的多施設参加型後向き研究 2015年1月~2020年12月の間に、2型糖尿病でSGLT-2阻害薬内服中に  DKAで入院した患者全員が対象。 ↔︎1型糖尿病, 2型糖尿病だがSGLT-2阻害薬以外を使用中, Anion Gap<12でDKA  診断基準に合わない患者は除外。 合計9,940名の2型DM患者がSGLT-2阻害薬を服用していた。 そのうちDKAを発症したのは43名(有病率: 0.43%) この43名のうち25名が正常血糖DKAだった(有病率: 0.25%) 高血糖DKAは18名(有病率: 0.18%)だった。

  22. 結果 ② DKAの誘因は? 最多:感染症(32.6%) インスリンコンプライアンス不良:13.7% 膵炎:4.7% 手術:2.3% 正常血糖DKAと高血糖DKAで誘因は同様の傾向を示した。 ↔︎但し感染症は高血糖DKAの方で多かった。

  23. 考察 このカタールの研究にて、正常血糖DKAの点有病率は58.1 %  (43名のうち25名)だった。 ↔︎過去の1型, 2型DM患者を対象にした同様の研究における点有病率は69.8% 感染症, インスリンコンプライアンス不良が誘因というのは  過去の研究と同様。 なお過去の研究では、絶食が最も多い誘因とする報告もあり。

  24. 補足:ESBL産生菌感染症の治療について

  25. そもそも’ESBL’って何? Extended-spectrum beta-lactamaseの略。 βラクタム分解酵素(βラクタマーゼ)のうち、セファロスポリン系  抗菌薬まで分解できるようになったものの総称。 具体的には、 セフタジジム・セフトリアキソン等の第3世代セファロスポリン モノバクタム(アズトレオナム) を分解可能。 特に大腸菌とKlebsiella pneumoniaeで問題になる。 『抗菌薬の考え方、使い方 コロナの時代の差異 Version 5』 (岩田健太郎 著, 中外医学社, 2022年)より

  26. ESBL産生菌感染症の治療薬 最も歴史が長い治療薬:カルバペネム系(≒メロペネム)。 重症感染症, 臨床的にESBL産生菌を疑う場合は第1選択。 ピペラシリン・タゾバクタム, アンピシリン・スルバクタムも選択肢? 「カルバペネムを使わない戦略」① 海外で実施された耐性が想定される大腸菌・K. pneumoniae菌血症に対する  メロペネム vs ピペラシリン・タゾバクタムの臨床試験では、死亡率に関し、  メロぺネムが「勝利(≒効果あり)」との結果だった。 セフメタゾール:「カルバペネムを使わない戦略」② 複数の臨床試験でカルバペネムと同等の効果 特に尿路感染で選択肢? 『抗菌薬の考え方、使い方 コロナの時代の差異 Version 5』 (岩田健太郎 著, 中外医学社, 2022年)より

  27. 厚労省 院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)のデータ−2020年1~12月の福島県の年報より− セファロスポリン耐性大腸菌分離率(入院患者の全検体):2~3%くらい 入院患者尿検体からの分離菌:大腸菌>Enterococcus faecalis>緑膿菌>K. pneumoniae etc.

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