総合病院
意外と知らない?保湿剤、基本の“キ”
#脂漏性湿疹 #モイスチャライザー #プロペト #ニキビ #FTU #保湿剤 #保湿指導 #尿素 #ワセリン
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最終更新:2023年2月9日
論文抄読会: 活動性ループス腎炎寛解導入療法におけるタクロリムスの有効性(無作為化非盲検第三相試験)
#研修医 #論文 #シクロホスファミド #SLE #免疫抑制剤 #専攻医 #膠原病 #抄読会
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最終更新:2023年2月2日
線維筋痛症
#膠原病内科 #膠原病 #リウマチ膠原病 #線維筋痛症
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最終更新:2022年11月11日
ループス腎炎患者における寛解達成後の免疫抑制療法の中止について
#論文 #膠原病内科 #SLE #免疫抑制剤 #膠原病 #抄読会 #リウマチ膠原病
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最終更新:2022年11月11日
歴史から学ぶ関節リウマチ診療
#関節リウマチ #間質性肺炎 #皮膚筋炎 #リウマチ膠原病
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最終更新:2022年8月5日
膠原病におけるステロイドの使い方
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最終更新:2022年4月30日
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ふり返れ︕︕ 地獄の総合内科専⾨医試験 〜アレルギー編〜 チラ先 呼吸器内科医 twitter︓@mdchin_chiiiira 2022 イラスト提供 いらすとや(フリー素材) twitter︓@vivi_ha_usagiNS
はじめに 祝!合格 こんにちは、チラ先です︕ 掲載中の「地獄の総合内科専⾨医試験2022年度」シリーズ︕ アップが遅れてごめんなさい…と同時に、私同試験に無事合格しました︕︕︕ 引き続きこれから受験される皆様に情報提供をさせて頂きます。今回はそんなこんなでアレルギーです︕ ※あくまで復元は⾃分の記憶や他の受験された先⽣⽅等の知識の集合体から成り⽴ってます。 実際と異なる可能性がありますが、どうか⼈間の記憶⼒の限界ということでご容赦ください。
⽬次 ❶ 2022年度総合内科専⾨医試験 アレルギー分野 ❷ 出題問題(類題)と、その疾患の簡単なレビュー ❸ 最後に 印象と感想
❶ 印象と感想 割と定番でした ︕︕ 真新しい問題は、分野も分野だけにあまりないですね。 プール問題をチョコチョコ問い⽅を変えてくるような感じでした。
❶ 印象・感想 Ø 出題範囲が狭い分野で、真新しい問題は少なかった Ø 範囲が狭い分、問われる内容が細かい問題もあった 次スライドから問題(類題) の掲載になります 他の分野と⽐較すると⾮常に出題範囲が限られており、⽐較的解きやすいと思います。しか し、範囲が狭い分細かいところや、問い⽅が微妙に異なる⾯もあります。しっかり深くみて 対策をしておくこと、またアップデートされたところも対応することが⼤事です。とはいえ、 毎年複数必ず出題される、本試験の重要な得点源ではないでしょうか︕
❷ 問題 Q︓アレルギー性⿐炎の治療のうち、正しいのはどれ︖ a 点⿐⾎管収縮薬を過剰に使⽤すると、⿐閉症状が増悪する b 治療としては第⼀世代抗ヒスタミン薬が第⼀選択である c ステロイドの点⿐は即効性がある A︓a アレルギー性⿐炎 点⿐⾎管収縮薬は名前の通り⾎管収縮︕ 即効性があり⿐閉症状の改善を認めます。しかし、過剰使⽤によって効果が徐々に減少します。これには受容 体のダウンレギュレーションが推測されております。また、過剰に⾎管収縮を起こすことにより粘膜炎症を引 き起こし、浮腫から⿐閉症状がかえって悪化することがあります。 点⿐⾎管収縮薬は効果的ではありますが、使⽤にはしっかりとした説明や注意が必要ですよ︕ また、 ・即効性のある・・・・抗ヒスタミン薬、⾎管収縮薬 ・即効性の乏しい・・・ステロイド点⿐薬 という点もおさえておきましょう
❷ 問題 Q︓20代の⼥性、アレルギー性⿐炎があり、⿐閉感が強い。コナヒョウダニアレルギーを認める。治 療⽅針として不適切なものはどれ︖ a 抗ヒスタミン薬 b ロイコトリエン受容体拮抗薬 c 減感作療法 d オマリズマブ e 点⿐ステロイド薬︖(記憶曖昧です) A︓d アレルギー性⿐炎 アレルギー性⿐炎に対してオマリズマブを使⽤できるのは、重症季節性花粉症です。コナヒョウダニに対しては使⽤ できないため不正解となります。その他選択肢は実際に使⽤されます。 ダニの除去が⼤事ですが、⿐アレルギー診療ガイドラインでは以下のような対策を明記しています。 ・掃除機は吸引部をゆっくり動かし、1畳あたり30秒以上時間をかけ、週2回⾏う ・布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる ・布団は週2回以上⼲す ・部屋の湿度を50%、室温を20-25℃に保つ ・シーツ、布団カバーは週に1回以上洗濯する 1)⿐アレルギー診療ガイドライン2016
❷ 問題 アレルギー性⿐炎 通年性アレルギー性⿐炎の治療について、ガイドラインの表を載せてお きます。⼀度はしっかり⽬にしておきましょう。 また、アレルゲンが明確である場合には、当然抗原除去・回避を⽬指す ことが⼤事です。 よく問われる⾆下免疫療法をおさえておこう!! 適応:スギ、ダニ いつやるの?:アレルギーのシーズンになる前 治療期間:3-5年 <適応除外基準> ・β阻害薬を使⽤ ・治療開始時に妊娠している ・不安定な重症喘息がある ・全⾝的に重症な疾患を有する ・全⾝ステロイドや抗がん剤を使⽤している ・急性感染症に罹患している 1)⿐アレルギー診療ガイドライン2016
❷ 問題 Q︓〇〇代男性。救急外来へ搬送され、アナフィラキシーショックと診断した。アドレナリンの筋注 を2度施⾏したが反応が乏しく、βブロッカーを服⽤していることが判明した。次の対応として正 しいのは︖ a アドレナリン0.3mgを筋注する b グルカゴンを静注する c アドレナリン0.3mgを静注する d 抗アレルギー薬を使⽤する A︓b アナフィラキシーショック アナフィラキシーショックでおさえておくこと︕︕ ・第⼀選択はアドレナリン筋注︕︕ ※成⼈は最⼤0.5mg/回投与︕ ⼩児は最⼤0.3mg/回です︕ ・βブロッカー使⽤中でアドレナリンに抵抗性の場合はグルカゴンの投与を︕ アドレナリンはβ受容体に働きかけてcAMPを産⽣し、β1(陽性変⼒作⽤)・β2(気管⽀拡張・⾎管透過性低下作⽤)受容 を刺激します。初期のアドレナリン筋注で反応が乏しい場合にはアドレナリンの追加投与を⾏いますが、βブロッカー 内服している場合は、β受容体を介さずにcAMPを上昇させるグルカゴンの使⽤を考慮します。 2)アナフィラキシーガイドライン2022
❷ 問題 アップデートをみておく! アナフィラキシーショック ・アナフィラキシー治療の第⼀選択薬は︖ →アドレナリンを推奨する。 ・アドレナリンの最適な投与タイミングは︖ →アナフィラキシー症状を認めた・疑われた場合に早期に投与されるべきである。 ・アドレナリン投与の最適経路は︖ →初回は筋⾁内投与が推奨。静脈投与は熟練者が使⽤する周術期を除いて推奨しない。 ・アドレナリン筋⾁内投与の⾄適量は︖ →12歳以上では0.5mg、6-12歳では0.3mgで⾏うべきである。また国際的なガイドラインでは、 ⼩児の投与量は0.01mg/kgを臨床的な反応に応じて投与する。 ・アドレナリンによる初期治療抵抗性のアナフィラキシーに対して、アドレナリンの追加投与は有効か︖ →5分おきにアドレナリンを投与すべきである。2回投与しても反応が乏しい場合には、静脈投与 を⾏うべく緊急に専⾨医に応援を求める。 2)アナフィラキシーガイドライン2022
❷ 問題 Q︓ラテックス・フルーツ症候群について正しくないものはどれ︖ a 天然ゴムに対するⅠ型アレルギーである b ラテックスに対する特異的IgE抗体の陽性率は⾼くない c 診断にはプリックテストが有⽤である d バナナと交差反応をする e 加硫促進剤によるⅣ型アレルギーが関与している A︓b?e? ラテックスフルーツ症候群 ラテックスアレルギーは即時型反応で、a)、c)は正しいです。また、交差反応のハイリスクな⾷品は「バナ ナ、クリ、アボカド、キウイフルーツ」があげられます(d)は正しい)。 b)ラテックス特異的IgE抗体の測定は保険収載されております。感度特異度はわからないですが、偽陰性偽陽 性もあるようです。 e)ラテックスでは細胞性免疫で起こるⅣ型アレルギーも引き起こし、特に加硫促進剤による接触性⽪膚炎が提 起されております。その観点からいえば正しいかもしれませんが、ラテックスフルーツ症候群の説明として正 解なのかはわからないです。
❷ 問題 Q︓10代の男性。パンを⾷べた後にサッカーをしたら蕁⿇疹が出現し呼吸苦となった。今まで運動し た際にこのようなことはなかった。今後の指導として正しいものはどれ︖ a 今後の運動を禁⽌する b 今後の⼩⻨摂取を禁⽌する c ⼩⻨摂取後の運動を控えるよう勧める dエピペンを持つように指導する A︓c 運動誘発性アナフィラキシー アレルゲン 摂取 運動 アナフィラ キシー 定番!!! と、反射で運動誘発性アナフィラキシーの診断に気付けるかと思います。試験頻出︕︕ ⼩⻨摂取のみではアレルギー症状は出ておらず、運動でも症状は出ておりません。よって⼩⻨摂取後の運動を控え るよう指導すれば良いです。特別追加解説はないですが、⼩⻨といえばω-5グリアジン(⼩⻨タンパクのコンポー ネント)を暗記しておきましょう。
❷ 問題 Q︓30代の⼥性。頭痛に対して鎮痛剤を内服した後に喘息発作が⽣じた。過去にも同様のエピソード がある。⽿⿐科で副⿐腔炎と診断され、篩⾻洞に液体貯留があると指摘されている。この疾患に ついて正しいのはどれ︖ a 強いアトピー体質を認める b コハク酸エステル型ステロイドを使⽤する c COX1阻害剤の使⽤を控える d 抗菌薬のみで⼗分な症状の予防ができる A︓c アスピリン不耐症 割と問われやすいアスピリン不耐症についてです。答えはCOX1阻害剤の使⽤を控えるc)でシンプルかと思います。 アスピリン喘息は、 ・成⼈喘息の10%ほどを占めるといわれ、⼥性に多い ・⿐茸、慢性副⿐腔炎、アレルギー様の慢性⿐炎の合併が多い ・好酸球性中⽿炎(30%)、好酸球性胃腸炎(10-20%)、好酸球性肺炎(10%)の合併 ・⾮アレルギー性の喘息である(※⼀部アレルギーを合併する例もある) ・コハク酸エステル型ステロイドは控え、リン酸エステル型ステロイドを使⽤する あたりは問われるので、おさらいしておきましょう︕ 3)⾕⼝正実, NSAID不耐症の病態と治療.⽇本内科学会誌 ,95;1;148-157.2006
❷ 問題 Q︓40代⼥性。近医で喘息の治療を受けているが、コントロール不良であった。次第に茶⾊の痰が出 るようになり受診した。CT画像を提⽰(気管⽀内に粘液栓を認める)。診断のために必要な検査は 次のうちどれ︖ a 喀痰での真菌培養 b アスペルギルス抗原検査 c 呼吸機能検査 d 喀痰好酸球数 A︓a アレルギー性気管⽀肺アスペルギルス症(ABPA) 難治性喘息で疑う疾患ですね。CT画像で粘液栓があるところからABPAの診断をする問題でした。 選択肢がいやらしいですね。答えは喀痰での真菌培養でのアスペルギルス菌の証明です。アスペルギルス「抗原検 査」でなく「抗体検査」であれば正解の選択肢になります。また、「喀痰好酸球数」ではなく「⾎中好酸球数」であ れば正解の選択肢になります。細かいところまで把握しておく必要がある、いやらしい問題でした。 治療はプレドニゾロン投与、難治性である場合には抗真菌薬投与も検討します。
❷ 問題 アレルギー性気管⽀肺アスペルギルス症(ABPA) 臨床診断基準を⾒て おさえておきましょう!! 4)浅野 浩⼀郎,アレルギー性気管⽀肺真菌症の診療の⼿引き .アレルギー,69;1;164-168.2020
❹ 最後に︓総合内科専⾨医試験 2022 Ø 出題範囲が狭い分野で、真新しい問題は少ない Ø 得点源にしたいので、アップデートされる内容を含めて細かい部分も覚えておく Ø 対策(過去出題内容も踏まえて) ・「過去問」「セルトレ」「問題集の解説」で⼗分 ・アナフィラキシーガイドラインが新しくなっているので⾒ておきましょう 最後まで読んでいただきありがとうございました。 少しでも受けた感想など今後受ける先⽣の参考になれば嬉しいです。 全問題は触れられず、また問題⽂や選択肢は本番と異なる点が多々あるかもしれません。 他で復元されているものと異なる箇所があれば、この場を借りてお詫び申し上げます。