テキスト全文
たこつぼ型心筋症の概要と目的
#1. 全職種向け
病態から心筋梗塞との区別まで
説明します たこつぼ型心筋症 循環器内科医“うし先生”の
疾患解説シリーズ
#2. 注釈 【自己紹介】
某市中病院勤務の循環器内科医師のうしです。
だいたい中堅くらいです。
【動画のモットー】
細かいデータ<わかりやすさ
【ペット】
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#3. このシリーズでは
全職種向けに
疾患ごとの病態など解説します!
(実臨床を元に不要な所は解説しません)
医師・看護師国家試験! 内科病棟患者対応! 看護実習の病態生理! 生理検査・臨床検査技師のスキルアップ
たこつぼ型心筋症の病態と原因
#5. たこつぼ型心筋症 【どんな病気か】
しばらくの間
タコのような動きになる心筋症
#6. たこつぼ型心筋症 【病態】
あまりよくわかっていない
ストレスで心尖部の血管収縮→動かない
心室基部が無理する→過収縮
【原因】
ストレスなど
震災や入院中などで多い
たこつぼ型心筋症の症状と検査方法
#7. たこつぼ型心筋症 【症状】
胸痛(狭心痛?)
動悸(←不整脈)
息切れ(←心不全)
無症状者も多い
特徴的な症状はない
心筋梗塞と紛らわしい
#8. たこつぼ型心筋症 【検査】
①心電図…ST変化(特異的な変化なし)
②胸部レントゲン…心不全の有無
③採血検査…CK上昇の有無(多少上がることも)
③心エコー…たこの動き
(心尖部の壁運動障害+心室基部の過収縮)
④カテーテル検査…左室造影でたこの動き
(心尖部の壁運動障害+心室基部の過収縮)
+冠動脈造影で心筋梗塞除外が大切
心不全の原因
or
心筋梗塞との鑑別
心エコー検査とカテーテル検査の詳細
#9. たこつぼ型心筋症 【心エコー検査】 正常 たこつぼ型心筋症
#10. たこつぼ型心筋症 【カテーテル検査(左室造影)】 拡張期 収縮期
たこつぼ型心筋症の治療と管理方法
#11. たこつぼ型心筋症 【治療】
経過観察(2-4週で自然治癒)
対症療法(心不全→利尿薬)
(不整脈→対応)
抗凝固療法(ヘパリン点滴、ワーファリン内服)
β阻害薬(予後改善効果?)
心尖部に血栓→塞栓のおそれ ただし決して安全とは言い切れない
急性心筋梗塞との鑑別と重要性
#12. 急性心筋梗塞(AMI)とは 心臓を栄養する冠動脈が急性に閉塞する病気
→胸痛、致死性不整脈、心不全など 左冠動脈前下行枝(LAD)のAMIと
たこつぼ型心筋症が
非常に似ている!
#13. LADのAMIとたこつぼ型心筋症 LADの心筋梗塞 たこつぼ型心筋症 ✗ ✗ ✗ ✗ ✗ ✗ ✗ ✗ ✗
#14. LADのAMIとたこつぼ型心筋症 AMIが否定できなければ、リスク低ければ緊急カテ
カテが不適であれば、緊急カテの適応でない理由を探す
#15. たこつぼ型心筋症を担当時の流れ ・外来の心エコーなどでたこつぼ型心筋症を疑う
・心筋梗塞除外+確定診断のためカテーテル検査
・入院で経過観察
・ヘパリンでの点滴抗凝固療法
(ヘパリン1-1.5万単位+5%ブドウ糖250ml 10ml/hr APTT 3-4回/日目標 45-70 2回指示内で1日1回)
・βblocker併用(ビソプロロール1.25mg/日内服)
・1-2週間後心エコー再検
→心臓の動き改善傾向であればヘパリン中止し退院を考慮
(エコーの見た目の血栓リスク高ければワーファリンをしばらく併用) 例)急性の胸痛など
#16. まとめ(最低限これだけ) ・ストレスで起きる心臓の動きの異常
・自然に治る(けど予後良好とも言えない)
・それまで塞栓症や心不全、不整脈に注意
・左冠動脈前下行枝の心筋梗塞との区別が重要