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【MKSAP】問題と学ぶ ~性感染症~

  • 産婦人科

  • 感染症科

  • 性感染症

8,408

18

2018/3/10
2018/3/14 更新

内容

MKSAP(Medical Knowledge Self Assessment Program)とは、アメリカ内科学会が作成した最新内科知識を問題演習を通じて自己学習できる教材です。

MKSAPの問題を交えて性感染症の知識の整理ができるように構成されています。

性感染症の引き起こす症状、

スクリーニングの必要性、

それに対する治療や患者教育などを含めてまとめました。

金上輝明

千葉大学医学部


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【MKSAP】問題と学ぶ ~性感染症~

  1. 症例1 Case) 22歳女性 C.C.) 膣からの分泌物 P.I.) 4日前~膣から濁った黄色い分泌物が出現。 腹痛は認めない。Sexually active。薬剤歴は不明。 薬剤アレルギーはなし。 身体診察) vital sign 正常。 婦人科:子宮頸部は発赤し易出血性。子宮頸部 入口より膿性の分泌物を認める。 頸部の可動痛・付属器・子宮の圧痛なし。 膣粘膜、陰唇に異常は認めない。 1

  2. 症例1 検査) Wet mount:多量の白血球を認める 膣分泌物の pH:5 Whiff test:negative KOH:真菌を認めない 2

  3. 症例1 問) 最も適切な治療はどれか? A) Cefotetan and doxycycline B) Ceftriaxone and azithromycin C) Fluconazole D) Metronidazole 3

  4. 症例2 Case) 19歳男性 C.C.) 排尿困難、尿道の掻痒感 P.I.) 4日前~排尿困難と尿道の掻痒感を認める。 わずかな尿道からの分泌物を認める。最近、新しい女性と Sexually active。薬剤歴やアレルギー歴なし。 身体診察) vital sign 正常。 異常所見は認めない 検査) NAAT (first voided urine):淋菌 (+)、クラミジア (-) 尿培養:E. coli < 10,000 CFU/mL 4

  5. 症例2 問) 最も適切な治療はどれか? A) Amoxicillin B) Azithromycin C) Cefixime D) Ceftriaxone plus azithromycin 5

  6. 症例3 Case) 21歳女性 C.C.) 右下腹部痛、性交時痛、発熱、悪寒 P.I.) 4日前~増悪する右下腹部痛、性交時痛、発熱と 悪寒を認める。来院当日に悪心が出現し、嘔吐も認める。 薬剤歴・アレルギー歴なし。 身体診察) vital sign:体温 38.8℃、血圧 100/60 mmHg PR 110/min、RR 12/min 腹部:腸蠕動音亢進、右下腹部に圧痛。 婦人科:子宮頸部の発赤と症状の膿性の分泌物 頸部の可動痛・付属器・子宮の圧痛あり。 付属器の腫脹無し。 6

  7. 症例3 検査) 妊娠検査:陰性 超音波検査:右卵管壁の肥厚を認める 7

  8. 症例3 問) 最も適切な治療はどれか? A) Cefoxitin plus doxycycline B) Ceftriaxone plus azithromycin C) Ciprofloxacin D) Piperacilin-tazobactam 8

  9. 9 若年の 尿道炎 頸管炎 PID 精巣上体炎 直腸炎 排尿時痛 下腹部痛

  10. 10 若年の 尿道炎 頸管炎 PID 精巣上体炎 直腸炎 排尿時痛 下腹部痛 多くが STD

  11. 11 Urogenital infection Urogenital infection 千葉大学医学部6年 金上 輝明 千葉大学医学部6年 金上 輝明

  12. STD 12 Sexually Transmitted Disease の略 疫学 ・アメリカでは毎年 人発生 2000万 ・15 ~ 24 歳 が占める割合 半数 若年者でありふれた疾患

  13. Microbiology 13 C. trachomatis と N. gonorrhoeae が最も一般的 若年者の Urogenital infection は STD

  14. 疾患 14 女性 男性 頸管炎、PID、直腸炎 尿道炎、精巣上体炎、直腸炎

  15. 疾患 15 女性 男性 頸管炎、PID、直腸炎 尿道炎、精巣上体炎、直腸炎 ・無症状の患者が多い!  (クラミジア:40~96%、淋菌:70%) ・PID に発展する

  16. 疾患 16 女性 男性 頸管炎、PID、直腸炎 尿道炎、精巣上体炎、直腸炎 ・不妊を引き起こす  (軽い症状でも)

  17. 疾患 17 女性 男性 頸管炎、PID、直腸炎 尿道炎、精巣上体炎、直腸炎 ・クラミジアだと症状が軽い ・淋菌も研究によっては 60% ほど無症状

  18. 疾患 18 女性 男性 頸管炎、PID、直腸炎 尿道炎、精巣上体炎、直腸炎 症状のわりに合併症が重い スクリーニングが重要

  19. スクリーニング 19  Women  Men ・妊婦は全例 ・sexually active women ≦ 25 歳 (毎年) ・sexually active women ≧ 25 歳 (behavioral risk) ・man sex with man (MSM)

  20. 検査 20 Nucleic Acid Amplification Testing (NAAT) 淋菌とクラミジアの検査の第一選択 感度・特異度 ・PCR assay:83%・99.5% (urine)       86%・99.6% (cervical samples) ・TMA assay:93%・99% (urine)        97%・99% (cervical samples) ・SDA assay:80%・99% (urine)        94%・98% (cervical samples)

  21. 検査 21 Nucleic Acid Amplification Testing (NAAT) 淋菌とクラミジアの検査の第一選択 感度・特異度 ・PCR assay:83%・99.5% (urine)       86%・99.6% (cervical samples) ・TMA assay:93%・99% (urine)        97%・99% (cervical samples) ・SDA assay:80%・99% (urine)        94%・98% (cervical samples) 感度も特異度も高い!

  22. 検査 22 Nucleic Acid Amplification Testing (NAAT) 淋菌とクラミジアの検査の第一選択 検体 女性 男性 Vaginal swabs First-catch urine MSM Rectal swab

  23. First-catch urine 23 Approximately the first 10 mL without pre-cleaning of genital area 最後の排尿から2時間以上開ける

  24. 治療 24

  25. 治療 25

  26. 抗菌薬 26 淋菌は単剤で治療してはいけない!

  27. 抗菌薬 27 クラミジア 淋菌 ・Azithromycin:1g single dose ・Doxycycline:100 mg twice daily for 7 days ・第3代セフェム + second agent ・second agent:Azithromycin や Doxycycline         (クラミジアと同量)

  28. 基本的にクラミジアの治療を施行 28 淋菌の治療を加える場合 ・男性: ・女性: 尿道分泌物で Gram-negative diplococci Individual risk や 高発生地域 (>5%) ・NAAT で淋菌感染 (+)

  29. 29 なんで淋菌で複数の薬  使うかわかる?

  30. 淋菌 30 多剤耐性化が進んでいる! Culture が重要

  31. Follow up 31 治療から3週間以上あけて検査 治療から3か月後に検査 or 治療後12か月以内に来院際に検査

  32. 32 全患者に施行 クラミジア 淋菌 ・症状が持続 ・suboptimal antibiotics ・淋菌と同じ ・妊婦

  33. Partner の検査 33     症状発症や診断から 60日以内に性的接触があった人 ない場合は… 直近の性的接触があった人

  34. PID (microbiology) 34 C. trachomatis と N. gonorrhoeae が最も一般的 しかし実際は… 嫌気性菌を含めた混合感染が多い

  35. PID (診療の流れ) 35

  36. PID (病歴) 36

  37. PID (病歴) 37 ・一般的に両側性 ・性交時に増悪することも ・月経中 or 月経終了直後に  疼痛が始まると典型的

  38. PID (病歴) 38 ・Multiple partners が最もリスク 過去6か月で4人以上と性交渉 ⇒ リスク 3.4 倍 一人の partner と週に6回以上性交渉 ⇒ リスク 3.2 倍

  39. PID (身体診察) 39 ほとんどの症例で下腹部の圧痛 ※明らかに片側のみの場合は非典型的 重症例では反跳痛、発熱、腸蠕動音↓ 双手診で子宮頸部の可動痛、子宮や付属器の圧痛 子宮頸部や膣からの膿性の分泌物は一般的

  40. PID (疑診) 40 Sexually active young women + 骨盤 or 下腹部痛 + 子宮頸部の可動痛 or 子宮の圧痛 or 付属器の圧痛

  41. PID (疑診) 41 Sexually active young women + 骨盤 or 下腹部痛 + 子宮頸部の可動痛 or 子宮の圧痛 or 付属器の圧痛 感度は 65~95% だが 疑診があればすぐに empiric therapy

  42. PID (検査) 42 ・Pregnancy test は子宮外妊娠の除外と治療薬の選択 ・Microscopy で WBC が陰性の場合は他の鑑別 ・NAAT が陰性でも除外できない

  43. PID (治療) 43 Outpatient Inpatient ・Ceftriaxone + doxycycline ・T. vaginalis が疑わしい or 子宮内器具  ⇒ metronidazole ・Cefoxitin + doxycycline ・膿瘍がある場合  ⇒ metronidazole

  44. PID (入院基準) 44

  45. PID (画像検査) 45 CT や エコーが有用 所見がなくても PID は除去できない

  46. 頸管炎 46

  47. 症例1 Case) 22歳女性 C.C.) 膣からの分泌物 P.I.) 4日前~膣から濁った黄色い分泌物が出現。 腹痛は認めない。Sexually active。薬剤歴は不明。 薬剤アレルギーはなし。 身体診察) vital sign 正常。 婦人科:子宮頸部は発赤し易出血性。子宮頸部 入口より膿性の分泌物を認める。 頸部の可動痛・付属器・子宮の圧痛なし。 膣粘膜、陰唇に異常は認めない。 47

  48. 症例1 検査) Wet mount:多量の白血球を認める 膣分泌物の pH:5 Whiff test:negative KOH:真菌を認めない 48

  49. 症例1 問) 最も適切な治療はどれか? A) Cefotetan and doxycycline B) Ceftriaxone and azithromycin C) Fluconazole D) Metronidazole 49

  50. 症例1 問) 最も適切な治療はどれか? A) Cefotetan and doxycycline B) Ceftriaxone and azithromycin C) Fluconazole D) Metronidazole 50

  51. 症例2 Case) 19歳男性 C.C.) 排尿困難、尿道の掻痒感 P.I.) 4日前~排尿困難と尿道の掻痒感を認める。 わずかな尿道からの分泌物を認める。最近、新しい女性と Sexually active。薬剤歴やアレルギー歴なし。 身体診察) vital sign 正常。 異常所見は認めない 検査) NAAT (first voided urine):淋菌 (+)、クラミジア (-) 尿培養:E. coli < 10,000 CFU/mL 51

  52. 症例2 問) 最も適切な治療はどれか? A) Amoxicillin B) Azithromycin C) Cefixime D) Ceftriaxone plus azithromycin 52

  53. 症例3 Case) 21歳女性 C.C.) 右下腹部痛、性交時痛、発熱、悪寒 P.I.) 4日前~増悪する右下腹部痛、性交時痛、発熱と 悪寒を認める。来院当日に悪心が出現し、嘔吐も認める。 薬剤歴・アレルギー歴なし。 身体診察) vital sign:体温 38.8℃、血圧 100/60 mmHg PR 110/min、RR 12/min 腹部:腸蠕動音亢進、右下腹部に圧痛。 婦人科:子宮頸部の発赤と症状の膿性の分泌物 頸部の可動痛・付属器・子宮の圧痛あり。 付属器の腫脹無し。 53

  54. 症例3 検査) 妊娠検査:陰性 超音波検査:右卵管壁の肥厚を認める 54

  55. 症例3 問) 最も適切な治療はどれか? A) Cefoxitin plus doxycycline B) Ceftriaxone plus azithromycin C) Ciprofloxacin D) Piperacilin-tazobactam 55

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