【MKSAP】問題と学ぶ ~急性下痢症 と CD~

1/81

金上 輝明

金上 輝明

千葉大学医学部

336views

MKSAP(Medical Knowledge Self Assessment Program)とは、アメリカ内科学会が作成した最新内科知識を問題演習を通じて自己学習できる教材です。 MKSAPの問題を交えて急性下痢症とCDについての知識がまとめられるように構成しました。 急性下痢症における疫学、 診断に必要な検査、 抗菌薬の適応からそのほかの治療、 医療現場でよく遭遇するCDを疑うポイント、必要な検査、治療 以上の点についてまとめました。

【MKSAP】問題と学ぶ ~急性下痢症 と CD~

1. 1 症例1 Case) 52歳女性 C.C.) 下痢 P.I.) 5日前に重症の市中肺炎で入院し、抗菌薬にて加療。 抗菌薬は ceftriaxone と azithromycin。その後1日に5回 の下痢が出現。 身体診察) vital sign:体温 37.9℃、BP 122/64mmHg、 PR 90/min、RR 18/min 胸部所見:右下肺野で crackle 腹部所見:異常なし 検査) WBC 10,300/μL Clostridium difficile toxin PCR on stool sample (-)
2. 2 症例1 問) 最も適切な対処はどれか? A) Order stool bacterial cultures B) Prescribe an antimotility agent C) Prescribe metronidazole D) Repeat stool Clostridium difficile toxin polymerase   chain reaction test
3. 3 症例2 Case) 77歳女性 C.C.) 下痢 P.I.) 5日前より下痢が出現。過去3か月間で2回 CD の診断。 メトロニダゾールにて治療。1日4~6回の水様便。 発熱、腹痛、悪心、嘔吐は認めない。 身体診察) vital sign:体温 発熱無し、BP 150/82mmHg、 PR 106/min、RR 18/min 腹部所見:平坦、軟、圧痛なし、腸蠕動音を聴取 検査) WBC 8800/μL、血清クレアチン 0.8 mg/dL Clostridium difficile toxin PCR on stool sample (+)
4. 4 症例2 問) 最も適切な治療はどれか? A) Metronidazole for 14 days B) Metronidazole for 6 weeks C) Rifaximin for 14 days D) Vancomycin for 14 days E) Vancomycin for 6 weeks
5. 5 症例3 Case) 37歳男性 C.C.) 下痢 P.I.) 糖尿病性による右下肢の感染症を伴う sepsis に対し pip/tazo と vancomycin を投与。症状は改善するも4日後に 1日4~5回の下痢が出現。既往は2型糖尿病でクレアチン は 1.0 mg/dL。薬剤は pip/tazo、vancomycin、metformin。 身体診察) vital sign:体温 38.0℃、BP 150/72mmHg、 PR 106/min、RR 18/min 腹部所見:平坦、軟、軽度の圧痛あり、腸蠕動音 (+) 検査) WBC 18,800/μL、血清クレアチニン 1.6 mg/dL Clostridium difficile toxin PCR on stool sample (+)
6. 6 症例3 問) 最も適切な治療はどれか? A) Oral metronidazole B) Oral vancomycin C) Oral vancomycin plus intravenous metronidazole D) Oral vancomycin plus intravenous vancomycin E) Oral vancomycin plus oral metronidazole
7. 7 症例4 Case) 65歳女性 C.C.) 下痢と発熱 P.I.) 3日に前より下痢と発熱が出現。嘔吐と腹痛は認めない。 便に粘膜を含むが明らかな血液は確認できない。倦怠感と 食欲不振を認める。職業は看護師。 身体診察) 全身状態不良、急迫症状なし vital sign:体温 38.2℃、BP 148/66mmHg、 PR 84/min、RR 22/min 腹部所見:腸蠕動音の上昇と軽度のびまん性の圧痛 検査) WBC 11,400/μL 便潜血陽性
8. 8 症例4 その後) Empiric levofloxacin を開始し、便培養を提出した。 24時間後、便培養の結果 levofloxacin 耐性の Campylobacter jejuni が検出。患者に連絡した際、 下痢と発熱は改善していた。
9. 9 症例4 問) 最も適切な対応はどれか? A) Discontinue levofloxacin B) Perform blood culture testing C) Repeat stool culture D) Switch to azithromycin E) Switch to ciprofloxacin
10. 10 症例5 Case) 29歳男性 C.C.) 下痢 P.I.) 昨日から下痢を発症。水様便で粘膜や明らかな血液は 認めない。排便で改善する軽度の腹痛を認める。悪心と嘔吐 は認めない。3日前に Salmonella braenderup のコンタミで 回収となったピーナッツバターを食べている。 身体診察) vital sign:体温 37.9℃、BP 116/52mmHg、 PR 90/min、RR 18/min 腹部所見:軟、軽度の圧痛あり、腸蠕動音亢進 検査) WBC 9700/μL
11. 11 症例5 問) 最も適切な治療はどれか? A) Azithromycin B) Ciprofloxacin C) Loperamide D) Probiotics E) No therapy
12. 12 症例6 Case) 74歳男性 C.C.) 鮮血便、腹痛、悪寒 P.I.) 昨日から鮮血便、腹痛、悪寒を認める。2日前に教会で コールスロー、コーン、カキを食べた。ほかの参加者も 下痢を引き起こしている。既往歴にC型肝炎による肝硬変。 身体診察) vital sign:体温 38.3℃、BP 148/82mmHg、 PR 117/min、RR 22/min 胸部所見:女性化乳房とクモ状血管腫 腹部所見:特記すべき事項無し 検査) 鮮血便を認める
13. 13 症例6 問) もっともうたがわしいのはどれか? A) Clostridium difficile B) Norovirus C) Vibrio parahaemolyticus D) Yersinia enterocolitica
14. 14 症例7 Case) 23歳男性 C.C.) 下痢 P.I.) 2日前から下痢で入院。24時間前から血便が出現。 腹痛はあるが発熱や悪寒は認めない。有機野菜と Unpasteurized milk を食べた。 身体診察) vital sign:体温 36.8℃、BP 115/72mmHg、 PR 86/min、RR 18/min 腹部所見:びまん性にわずかな圧痛を認める 検査) 鮮血便を認める
15. 15 症例7 問) 最も一般的な合併症はどれか? A) Aortitis B) Guillain-Barre syndrome C) Hemolytic uremic syndrome D) Mesenteric adenitis E) Reactive arthritis
16.    Infectious Gastrointestinal Syndrome     Infectious Gastrointestinal Syndrome 千葉大学医学部6年 金上 輝明 千葉大学医学部6年 金上 輝明
17. 17 下痢 定義 1日3回以上の unformed stool 期間による分類 1 2 3 急性 亜急性 慢性 :< 14 days :14 ~ 30 days :> 30 days
18. 18 下痢 定義 1日3回以上の unformed stool 期間による分類 1 2 3 急性 亜急性 慢性 :< 14 days :14 ~ 30 days :> 30 days
19. 19 急性下痢症の原因は? 染 感 性
20. 20 原因 Virus Bacteria Protozoa
21. 21 原因 Virus Bacteria Protozoa 重症の時   最多
22. 22 下痢の評価 期間 頻度と性状 関連する  症状 急性 or 慢性 小腸由来 or 大腸由来 脱水の程度は?
23. 23 下痢の評価 期間 頻度と性状 関連する  症状 急性 or 慢性 小腸由来 or 大腸由来 脱水の程度は? 急性 慢性 Infectious Infectious Noninfectious Noninfectious (△ Protozoa) (◎ Protozoa)
24. 24 下痢の評価 期間 頻度と性状 関連する  症状 急性 or 慢性 小腸由来 or 大腸由来 脱水の程度は? 小腸由来 大腸由来 重度の発熱、血便 大量の水様便
25. 25 下痢の評価 期間 頻度と性状 関連する  症状 急性 or 慢性 小腸由来 or 大腸由来 脱水の程度は? 小腸由来 大腸由来 重度の発熱、血便 大量の水様便
26. 26 下痢の評価 期間 頻度と性状 関連する  症状 急性 or 慢性 小腸由来 or 大腸由来 脱水の程度は? 脱水の程度 発熱や全身症状が強い 入院の必要性の指標の一つ 腸チフス、Campylobacter、Listeria
27. 27 下痢の評価 発熱 血便
28. 28 暴露歴 S T S T A E Sick contact TB contact Sexual history Travel history Animal contact and intake Environmental exposure
29. 29 潜伏期間
30. 30 潜伏期間 特に嘔気や嘔吐が初発症状の場合
31. 31 検査 便培養 重症 または 高リスク群でのみ 施行
32. 32 検査 便培養 重症 または 高リスク群でのみ 施行
33. 33 検査 便培養 肝硬変は Vibrio 菌血症のリスク
34. 34 そのほかの検査 Bloody diarrhea Persistent diarrhea EHEC と Entameba の検査 寄生虫 と 非感染性 の検査 寄生虫で一般的なのは… Giardia, Cryptosporidium, E. histolytica
35. 35 そのほかの検査 Health care-associated diarrhea Immunocompromised patient Clostridium difficile 基本的には免疫が正常の人と同じ しかし… Parasites and CMV の可能性 up
36. 36 Management 水分と栄養管理が基本 重症 または 高リスク群でのみ       抗菌薬を投与
37. 37 水分補給といえば… でもまずい…
38. 38 水分補給といえば… でもまずい…
39. 39 抗菌薬 Oral fluoroquinolone 禁忌 or 耐性 Azithromycin ※ EHEC の可能性大 + Stable 除外されるまで抗菌薬×
40. 40 抗菌薬 Oral fluoroquinolone 禁忌 or 耐性 Azithromycin ※ EHEC の可能性大 + Stable 除外されるまで抗菌薬×   outbreak    or afebrile patients
41. 41 止痢剤 loperamide Bismuth salicylate 高熱や血便 には使用× サリチル酸中毒    に注意
42. 42 Clostridium difficile Clostridium difficile
43. 43 概要 抗菌薬関連下痢症 発生頻度 入院患者で 25~43/1000人 死亡率は16%
44. 44 抗菌薬 高齢者 入院 重症 疾患 Risk
45. 45 診断 臨床症状 と 病歴 検査 診 断
46. 46 検査 GDH antigen test (EIA) Toxin A and B test (EIA) PCR for tcdB and tcdC genes 値段が高い 特異度が高い 感度が高い 共に陽性で診断 単独で診断
47. 47 治療    Oral metronidazole   Oral Vancomycin Pulse-tapered Vancomycin 重症ならば 2度目以降の 再発ならば
48. 48 治療    Oral metronidazole   Oral Vancomycin Pulse-tapered Vancomycin 重症ならば 2度目以降の 再発ならば ・軽症例の初発 or 1度目の再発の治療 ・治療期間:10 ~ 14 日間 ・5 ~ 7 日間反応がない場合は vancomycin へ
49. 49 治療    Oral metronidazole   Oral Vancomycin Pulse-tapered Vancomycin 重症ならば 2度目以降の 再発ならば ・重症例の治療 ・supportive care と close monitoring も ・場合によっては手術に移行
50. 50 治療    Oral metronidazole   Oral Vancomycin Pulse-tapered Vancomycin 重症ならば 2度目以降の 再発ならば ・重症例の治療 ・supportive care と close monitoring も ・場合によっては手術に移行
51. 51 治療    Oral metronidazole   Oral Vancomycin Pulse-tapered Vancomycin 重症ならば 2度目以降の 再発ならば ・2度目以降の再発の治療 (6 週間治療) ・Fidaxomicin のほうが再発率が低いかも ・Vancomycin 投与後に Rifaximin  を入れるといいかも
52. 52 予防 無駄な薬は使わない!      Probiotics を使用する 感染防護をしっかりする
53. 53 症例1 Case) 52歳女性 C.C.) 下痢 P.I.) 5日前に重症の市中肺炎で入院し、抗菌薬にて加療。 抗菌薬は ceftriaxone と azithromycin。その後1日に5回 の下痢が出現。 身体診察) vital sign:体温 37.9℃、BP 122/64mmHg、 PR 90/min、RR 18/min 胸部所見:右下肺野で crackle 腹部所見:異常なし 検査) WBC 10,300/μL Clostridium difficile toxin PCR on stool sample (-)
54. 54 症例1 問) 最も適切な対処はどれか? A) Order stool bacterial cultures B) Prescribe an antimotility agent C) Prescribe metronidazole D) Repeat stool Clostridium difficile toxin polymerase   chain reaction test
55. 55 症例1(解説) 入院患者の下痢では常にCDを疑うが、PCR陰性の場合は 除外してよい。 繰り返しのPCRは偽陽性を増やすのみなので推奨されない。
56. 56 症例1(解説) 入院患者の下痢では常にCDを疑うが、PCR陰性の場合は 除外してよい。 繰り返しのPCRは偽陽性を増やすのみなので推奨されない。 Guidelines for Diagnosis, Treatment, and Prevention of Clostridium difficile Infections
57. 57 症例2 Case) 77歳女性 C.C.) 下痢 P.I.) 5日前より下痢が出現。過去3か月間で2回 CD の診断。 メトロニダゾールにて治療。1日4~6回の水様便。 発熱、腹痛、悪心、嘔吐は認めない。 身体診察) vital sign:体温 発熱無し、BP 150/82mmHg、 PR 106/min、RR 18/min 腹部所見:平坦、軟、圧痛なし、腸蠕動音を聴取 検査) WBC 8800/μL、血清クレアチン 0.8 mg/dL Clostridium difficile toxin PCR on stool sample (+)
58. 58 症例2 問) 最も適切な治療はどれか? A) Metronidazole for 14 days B) Metronidazole for 6 weeks C) Rifaximin for 14 days D) Vancomycin for 14 days E) Vancomycin for 6 weeks
59. 59 症例2(解説) 複数回再発したCDでは vancomycin の tapered doses が 推奨される。 治療期間は 6 ~ 8 週間。 Rifaximin は vancomycin 投与後に投与すると再発率が 低下するが単剤では投与しない。
60. 60 症例3 Case) 37歳男性 C.C.) 下痢 P.I.) 糖尿病性による右下肢の感染症を伴う sepsis に対し pip/tazo と vancomycin を投与。症状は改善するも4日後に 1日4~5回の下痢が出現。既往は2型糖尿病でクレアチン は 1.0 mg/dL。薬剤は pip/tazo、vancomycin、metformin。 身体診察) vital sign:体温 38.0℃、BP 150/72mmHg、 PR 106/min、RR 18/min 腹部所見:平坦、軟、軽度の圧痛あり、腸蠕動音 (+) 検査) WBC 18,800/μL、血清クレアチニン 1.6 mg/dL Clostridium difficile toxin PCR on stool sample (+)
61. 61 症例3 問) 最も適切な治療はどれか? A) Oral metronidazole B) Oral vancomycin C) Oral vancomycin plus intravenous metronidazole D) Oral vancomycin plus intravenous vancomycin E) Oral vancomycin plus oral metronidazole
62. 62 症例3(解説) WBC ≧15,000 cells/μL であり、血清クレアチニンも 1.5 倍に上昇しているため重症。 重症の場合は経口のバンコマイシンを使用する。
63. 63 症例3(解説) WBC ≧15,000 cells/μL であり、血清クレアチニンも 1.5 倍に上昇しているため重症。 重症の場合は経口のバンコマイシンを使用する。
64. 64 症例4 Case) 65歳女性 C.C.) 下痢と発熱 P.I.) 3日に前より下痢と発熱が出現。嘔吐と腹痛は認めない。 便に粘膜を含むが明らかな血液は確認できない。倦怠感と 食欲不振を認める。職業は看護師。 身体診察) 全身状態不良、急迫症状なし vital sign:体温 38.2℃、BP 148/66mmHg、 PR 84/min、RR 22/min 腹部所見:腸蠕動音の上昇と軽度のびまん性の圧痛 検査) WBC 11,400/μL 便潜血陽性
65. 65 症例4 その後) Empiric levofloxacin を開始し、便培養を提出した。 24時間後、便培養の結果 levofloxacin 耐性の Campylobacter jejuni が検出。患者に連絡した際、 下痢と発熱は改善していた。
66. 66 症例4 問) 最も適切な対応はどれか? A) Discontinue levofloxacin B) Perform blood culture testing C) Repeat stool culture D) Switch to azithromycin E) Switch to ciprofloxacin
67. 67 症例4 (解説) 症状が自然軽快しているためこれ以上の治療は推奨 されない。 カンピロバクターは 14% ほどでキノロン耐性。その場合は マクロライド系が推奨される。 カンピロバクターは数週間排菌し続けるがヒトーヒト感染 はまれ。職業によっては手洗いの徹底が必要。 ちなみに サルモネラは抗菌薬投与により排菌期間が延長する。
68. 68 症例5 Case) 29歳男性 C.C.) 下痢 P.I.) 昨日から下痢を発症。水様便で粘膜や明らかな血液は 認めない。排便で改善する軽度の腹痛を認める。悪心と嘔吐 は認めない。3日前に Salmonella braenderup のコンタミで 回収となったピーナッツバターを食べている。 身体診察) vital sign:体温 37.9℃、BP 116/52mmHg、 PR 90/min、RR 18/min 腹部所見:軟、軽度の圧痛あり、腸蠕動音亢進 検査) WBC 9700/μL
69. 69 症例5 問) 最も適切な治療はどれか? A) Azithromycin B) Ciprofloxacin C) Loperamide D) Probiotics E) No therapy
70. 70 症例5(解説) サルモネラへの抗菌薬の投与は排菌期間を延長するため リスクのある または 重症の患者以外では施行しない。 Probiotics 小児の感染性腸炎への有効性が確立しているが、 成人への有効性は確立していない。
71. 71 症例5(解説) サルモネラへの抗菌薬の投与は排菌期間を延長するため リスクのある または 重症の患者以外では施行しない。 Probiotics 小児の感染性腸炎への有効性が確立しているが、 成人への有効性は確立していない。
72. 72 症例6 Case) 74歳男性 C.C.) 鮮血便、腹痛、悪寒 P.I.) 昨日から鮮血便、腹痛、悪寒を認める。2日前に教会で コールスロー、コーン、カキを食べた。ほかの参加者も 下痢を引き起こしている。既往歴にC型肝炎による肝硬変。 身体診察) vital sign:体温 38.3℃、BP 148/82mmHg、 PR 117/min、RR 22/min 胸部所見:女性化乳房とクモ状血管腫 腹部所見:特記すべき事項無し 検査) 鮮血便を認める
73. 73 症例6 問) もっともうたがわしいのはどれか? A) Clostridium difficile B) Norovirus C) Vibrio parahaemolyticus D) Yersinia enterocolitica
74. 74 症例6(解説) 血便を引き起こし、海鮮によって引き起こされる細菌は ビブリオが一般的。血便は 29% の症例で引き起こされる。 肝疾患が重症化するリスクとなる。
75. 75 症例7 Case) 23歳男性 C.C.) 下痢 P.I.) 2日前から下痢で入院。24時間前から血便が出現。 腹痛はあるが発熱や悪寒は認めない。有機野菜と Unpasteurized milk を食べた。 身体診察) vital sign:体温 36.8℃、BP 115/72mmHg、 PR 86/min、RR 18/min 腹部所見:びまん性にわずかな圧痛を認める 検査) 鮮血便を認める
76. 76 症例7 問) 最も一般的な合併症はどれか? A) Aortitis B) Guillain-Barre syndrome C) Hemolytic uremic syndrome D) Mesenteric adenitis E) Reactive arthritis
77. 77 症例7(解説) E. Coli O157:H7 は血便の原因の最多。合併症として最も 重症なものはHUS。5 ~ 10%で発生し、小児で発生が多い。 抗菌薬や止痢剤は HUS の発生頻度を増やす。 大動脈炎はサルモネラ、GBSはカンピロバクター、 腸間膜リンパ節炎はエルシニア、反応性関節炎は HLA-B27 と関係している。
78. 78 症例 (おまけ) Case) 20代女性 C.C.) 発熱、心窩部痛 P.I.) 入院2日前の朝より倦怠感を自覚し、38.4℃の発熱、 心窩部痛が出現した。入院当日、心窩部痛と倦怠感が 増悪したため当院受診。 身体診察) vital sign:体温 36.6℃、BP 111/72mmHg、 PR 64/min、RR 12/min 腹部所見:軟、腸音正常、心窩部、右下腹部に圧痛あり 検査) WBC 9200/μL、CRP 9.8 mg/dL
79. 79 症例 (おまけ) 診断力強化トレーニング2より
80. 80 Take home message 1 2 3 急性下痢症のほとんどは感染性で self-limited 症状や暴露歴で疾患を予測しよう 無駄な薬剤投与はやめよう
81. 81 出典 1. Up to date 2. MKSAP 17 ; Infectious Gastrointestinal Syndrome 3. Rosen’ s Emergency Medicine; Diarrhea 4. Guidelines for Diagnosis, Treatment, and Prevention of Clostridium difficile Infections 5. Effect of Dilute Apple Juice and Preferred Fluids vs Electrolyte Maintenance Solution on Treatment Failure Among Children With Mild Gastroenteritis 6. 診断力強化トレーニング2 執筆 京都GIMカンファレンス