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女性の性感染症の概要と影響
#1. 女性の性感染症: 放置すると 不妊症に?! 専攻医向け 投稿者:ピカチュウ@産婦人科&不妊治療 preencoded.png
#2. 性感染症の概要 性感染症とは? sexually transmitted diseases:STD • 性的接触を介して感染する可能性がある感染症の総称 • 性器の接触のみならず、口腔性交や肛門性交でも感染の可能性がある • 病原体は、ウイルスや細菌、原虫など様々である • 症状は帯下の異常、外陰部腫瘤などがあるが、無症状の場合も少なく ない 影響 放置した場合、不妊症、心臓や血管への後遺症、母子感染による児の 先天奇形や、がんの原因となったり複数の性感染症の感染確率が上昇 するなどのリスクがある preencoded.png
#3. 性感染症の最新動向と統計 梅毒報告数の推移 12000 1 近年、クラミジアや淋病などの性感染症の増加が問題と なっている。 10000 8000 2 特に、若年層の感染率が高く、適切な予防対策が求められ ている。 6000 4000 2000 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年 2004年 2003年 2002年 があるため注意が必要である。 0 2001年 梅毒は特に増加傾向にあり、放置すると重症化する可能性 2000年 3 国立感染症研究所による感染症発生動向調査事業年報2022年より改変 preencoded.png
性感染症の検査方法と主な種類
#4. 性感染症の検査方法 問診 1 具体的な症状や、発症時期などを問診する。 パートナーに症状はないか、不特定多数と性交渉がないかもキーポイントになる。 身体診察 2 外陰部や状況により全身に病変がないか診察する。 性感染症の場合、症状のみでもある程度疾患が絞り込めることがあるため、 視診や内診は重要である。 検査 3 血液検査(抗体価)、帯下のPCR検査、抗原検査などを行い、 原因を特定する。 preencoded.png
#5. 主な性感染症の種類と症状 帯下の異常 クラミジア 淋病 性器カンジダ症 腟トリコモナス症 細菌性腟症 外陰部腫瘤、潰瘍 性器ヘルペス 尖圭コンジローマ 梅毒 その他 HIV HBV(HAV/HCV) HTLV-1 マイコプラズマ preencoded.png
#6. 各論 帯下の異常を来たしやすい疾患編 • • • • • クラミジア 淋病 性器カンジダ症 腟トリコモナス症 細菌性腟症 preencoded.png
クラミジアと淋菌感染症の詳細
#7. クラミジア子宮頚管炎 原因 Chlamydia trachomatis(細菌) 症状と検査 帯下の増量、不正出血、性交時出血、下腹痛などがあるが、90%は無症状。 子宮頚管の擦過検体を採取し、PCR法、SDA法、TMA法などで検出する。 治療法 マクロライド系またはキノロン系の経口抗菌薬によりほぼ確実に治療が可能。 ただし、重症例は入院してテトラサイクリン系またはマクロライド系の点滴静注が必要となる。 preencoded.png
#8. クラミジア子宮頚管炎 ポイント • • • • • • • クラミジア抗体検査(IgA,IgG)は既往感染や治療後も陽性が持続することがあり、現在の感染および治癒判定には適さない。 ただし、抗体価が高値になると骨盤内癒着の頻度が高くなるため、不妊症のスクリーニングとして有用。 PCRは高感度であるため、治癒判定は投薬開始3週間以上あけて行う。(偽陽性の確率が高くなる) 放置すると骨盤腹膜炎(pelvic inflammatory disease:PID)、肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)を発症することがある。 卵管炎や付属器炎を長期間放置すると卵管障害を起こし、卵管性不妊や異所性妊娠の原因となる。 クラミジア陽性患者の10%が淋菌感染症を合併すると言われており、クラミジアと淋菌の同時検査を行うことが望ましい。 近年、子宮頸管炎の起炎菌として、マイコプラズマジェニタリウムが注目されている。 治療後も軽快しない場合は、その検査も検討する。(2022年6月に腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウムの 同時核酸検出が保険適用となった) preencoded.png
#9. 淋菌感染症 原因 Neisseria gonorrhoeae(グラム陰性双球菌) 症状と検査 帯下の増量、不正出血、性交時出血、下腹痛などクラミジアと似たような症状だが、50%は無症状。 子宮頚管の擦過検体を採取し、PCR法、分離培養法などで検出する。 治療法 セフトリアキソン、スペクチノマイシンの静注、筋注が今のところ耐性菌の報告が少ない。 ポイント • 多剤耐性化が問題となっており、ペニシリンやテトラサイクリンだけでなく、 ニューキノロン系抗菌薬への耐性が80%に達する。 • そのため、治療後は効果判定を行い、治療抵抗例では培養検査をし、薬剤感受性試験を行うのが望ましい。 • 経口抗菌薬のみで治療することは推奨されない。 • 放置すると、PIDや肝周囲炎を起こすことがある。 preencoded.png
#10. カンジダ外陰腟炎 原因 Candida albicans、Candida glabrataなどの真菌 症状と検査 強いかゆみ、カッテージチーズ様、酒粕様の特徴的な帯下の増加 特徴的な帯下なので視診と症状のみでも診断は概ね可能だが、検出法としては検鏡法や培養法がある。 治療法 抗真菌薬の腟内投与、外陰部への局所塗布剤の使用、フルコナゾールの内服 ポイント • 女性生殖器感染症の中で主要な疾患で、女性の75%が生涯で1回は罹患すると言われている。 • 消化管や皮膚の常在菌であり、性交渉以外でも、抗菌薬の内服や妊娠、糖尿病など誘因は様々である (性交渉未経験でも発症することがある) • そのため、治癒判定としての培養検査は不要であり、自覚症状や帯下の所見が改善したら治癒と判断する。 preencoded.png
腟トリコモナス症と細菌性腟症の特徴
#11. 腟トリコモナス症 原因 Trichomonas vaginalis(原虫) 症状と検査 泡沫状黄白色帯下の増量、腟壁の発赤、子宮腟部の溢血点があれば疑うが、10-20%は無症候感染と言われている。 鏡検法が一般的だが検出率60-70%であるため、必要時はトリコモナス専用培地を用いた培養法を行う(診断率約90%)。 治療法 5-ニトロイミダゾール系薬剤(メトロニダゾールやチニダゾール)の経口または経腟投与 尿路系の感染も考慮して経口による全身投与が選択される。 ポイント • 性行為以外の感染経路もあり、性交経験がなくても感染することがある。 • 早産や切迫早産との間に関連があるため、無症状でも積極的な治療の適応となる。 • 男性では女性に比べトリコモナス原虫の検出が困難であり、必ずしも検査は必要ではない(ただしピンポン感染防止のため 同時に治療は必要)。 • ニトロイミダゾール系の薬剤は発がん性が否定できないため、1クールの投与日数は10日間程度にとどめ、 追加治療する場合は1週間はあける。また、投与中および投与後3日間は飲酒を避ける。 preencoded.png
#12. 細菌性腟症 原因 種々の好気性菌、嫌気性菌の異常増殖(カンジダ、トリコモナス、淋菌などの特定の原因微生物が検出されない) Lactobacillus spp.が減少し、細菌叢バランスが崩れた状態 症状と検査 帯下の増量、不正出血、下腹痛などがあるが、約50%は無症状。 Nugent score(LactobacillusやGardnerellaなどの菌数でスコアリングする)、腟分泌物の培養検査などで診断を行う 治療法 メトロニダゾール(経口、腟錠)が推奨される クロラムフェニコール腟錠も「細菌性腟炎」に対する保険適用があるが、乳酸菌まで殺菌してしまうため、 腟内の自浄作用を考慮すると乳酸菌を殺菌しないメトロニダゾールの方が有用 ポイント • 自然軽快や無症候性も少なくないが、異常増殖した病原細菌が上行すると子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎が起こる。 • 妊婦においては早産や切迫早産、前期破水のリスクが高まることから、妊娠前に積極的な治療を行う。 • 抗菌薬投与前の生理食塩水による腟洗浄は、自覚症状の治療に有効であるが、頻回の腟洗浄は腟内細菌叢を破壊し、 PIDのリスク因子となるため診察時に毎回腟洗浄を行う必要はない。 preencoded.png
外陰部腫瘤と梅毒の症状と治療
#13. 各論 外陰部腫瘤、潰瘍編 • 性器ヘルペス • 尖圭コンジローマ • 梅毒 preencoded.png
#14. 性器ヘルペス 原因 単純ヘルペスウイルス(Herpes simplex virus:HSV)1型または2型 症状と検査 外陰部の潰瘍性または水泡性病変 病歴、臨床症状、局所所見からでも臨床診断は可能であるが、必要時病原診断(免疫クロマト法による診断キットが保険適用) 治療法 アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルの投与 再発を年に6回以上繰り返す場合や再発時の症状が重い場合は、バラシクロビル投与による再発抑制療法を行う ポイント • 臨床的に初感染初発、非初感染初発、再発の3つの病型に分類され、初感染初発典型例では38℃以上の発熱や 倦怠感などの全身症状、強い疼痛、排尿困難など症状が重篤化しやすい。 • 病原診断のキットではHSV抗原の迅速な検出が可能になったが、陰性であってもHSVを完全に否定はできない。 preencoded.png
#15. 尖圭コンジローマ 原因 HPV(human papillomavirus)の主に6型、11型 症状と検査 大陰唇、会陰、腟前庭、腟、子宮頸部、肛門内、肛門周囲、尿道口に好発する、乳頭状、鶏冠状の淡黄色ないし褐色の腫瘤 臨床症状・所見により診断可能だが、不確実な場合や治療抵抗性の場合などは生検して組織診断を行う。 治療法 外陰部病変に対してはイミキモドクリームを使用するのが世界的に第1選択。(ただし、腟内、子宮頸部には禁忌) その他、冷凍療法、外科切除、レーザー蒸散術などがある。 ポイント • イミキモドクリーム以外の治療法は再発率が高い(3か月以内に25%)のため、フォローアップが必要。 • 乳幼児や幼児に発症する再発性気道乳頭腫症はHPV6型または11型の感染が原因とされており、産道感染の可能性も否 定できないが、分娩方法はまだ定まった見解はなく、発症リスクについて十分な説明をし、インフォームドコンセン トを行ったうえで慎重に分娩方法を決定する。 (CDCでは、コンジローマ病変が大出血や産道狭窄の原因となると考えられる場合は帝王切開を考慮するが、 尖圭コンジローマを合併した妊婦に対して、母子感染の防止のみを目的とした帝王切開は勧めていない) preencoded.png
#16. 梅毒 原因 梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum ):細菌(スピロヘータ)の一種 症状① ①Ⅰ期梅毒:感染後3週間程度経過すると、梅毒トレポネーマの侵入部位に、初期硬結、硬性下疳などの限局性の病変が出現。 所属リンパ節腫脹を伴うこともある。これらは無痛性の場合が多く、約3~6週間で自然に軽快する。 ②Ⅱ期梅毒:Ⅰ期の症状出現から4~10週間程度経過後、全身に多彩な症状が出現する。 その一つにバラ疹があり、手掌や手背、下腿、前腕、背部などを中心に、無痛性の紅斑が出現する。 その他の皮膚病変として、丘疹性梅毒疹、粘膜疹、扁平コンジローマなどがある。 また、発熱や倦怠感、全身性リンパ節腫脹や、消化器系、泌尿器系、筋骨格系の症状が出現することがある。 Ⅰ期と同じように、これらは自然に軽快する。 ③潜伏梅毒:梅毒血清反応陽性ではあるものの症状が認めらない状態。 主にⅠ期とⅡ期の間、およびⅡ期の症状消失後にみられる。 ④晩期顕症梅毒:感染後数年~数十年が経過すると、ゴム腫、大動脈瘤や大動脈弁逆流症などの心血管梅毒、 脊髄癆や進行性麻痺などの晩期神経梅毒が出現し、致死的となることがある。 ゴム種は非特異的な肉芽種性病変で、特に皮膚、粘膜、骨に形成されることが多く、周囲の組織の破壊を伴う。 preencoded.png
梅毒の各病期とその他の性感染症
#17. 梅毒 症状② ⑤神経梅毒:梅毒トレポネーマが中枢神経系に浸潤した状態であり、どの病期でも起きる。 早期神経梅毒には、無症状の場合と、脳梗塞や髄膜炎などを呈する場合がある。 晩期神経梅毒に至ると、脊髄癆や進行麻痺が出現する。 ⑥先天梅毒:梅毒陽性の母体から経胎盤的に胎児に梅毒トレポネーマが感染することで、母体のいずれの病期でも起こりうる。 出生時は無症状のことが多いが、早期先天梅毒では、生後数ヶ月以内に皮膚症状(水疱性発疹、斑状発疹、丘疹状)や、 肝脾腫、全身性リンパ節腫脹、骨軟骨炎などを呈する。 晩期先天梅毒では、生後約2年以降経過した後に実質性角膜炎、内耳性難聴、Hutchinson歯(Hutchinson3徴候)などを呈する。 検査 梅毒抗体検査 • 非トレポネーマ脂質抗体検査:RPRは梅毒に特異的ではないが、活動性の指標となる。 • 梅毒トレポネーマ抗体検査:TPHA、TPLA、FTA-ABSなど preencoded.png
#18. 梅毒 治療法 ペニシリンが第1選択 ペニシリンにアレルギーがある場合は、ミノサイクリンやスピラマイシン酢酸エステルを選択する ポイント • 「The Great Imitator (模倣の名人)」とも呼ばれており、全身に多彩な症状をきたす可能性があり、 典型例ではない経過をたどることも多い。 • 治癒判定のために、RPRと梅毒トレポネーマ抗体の同時測定を4週ごとに行う。RPRが1/2~1/4(測定法による)に 減少していれば治癒と判定する。梅毒トレポネーマ抗体も減少傾向であれば治癒をさらに支持する。 • 治療終了後6か月経過してもRPRが16倍以上を示す場合は、治療不十分・再感染・HIV重複感染例が考えられる。 • RPR陽性で梅毒トレポネーマ抗体陰性の場合は、ごく初期の早期梅毒または生物学的偽陽性反応である。 後者を引き起こす原因として、自己免疫疾患などの検索を行う必要がある。 • 産婦人科的には、母子感染による先天梅毒が問題であり、妊婦健診でスクリーニング検査を行う。 また、流産、死産の原因ともなりうる。 preencoded.png
#19. 各論 その他 • • • • HIV HBV HTLV-1 マイコプラズマ preencoded.png
HIV、HBV、HTLV-1、マイコプラズマの概要
#20. HIV 原因 ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV) 症状と検査 感染初期(発熱、咽頭痛、筋肉痛、皮疹、リンパ節腫脹、頭痛など)→無症候期 →エイズ発症期(サイトメガロウイルス感染症、非定型抗酸菌症、中枢神経系の悪性リンパ腫など) HIV抗体検査→スクリーニング陽性なら確認検査(WB法) 治療法 3剤以上の抗HIV薬を組み合わせて服用する多剤併用療法(Combination Antiretroviral Therapy: cART) ポイント • 産婦人科的には母子感染が問題となるため、妊娠初期にスクリーニング検査を行う。 • スクリーニング検査では一定の確率で偽陽性が生じ、陽性のうち実際に感染しているのは数%程度。 • HIV感染妊婦では、母子感染予防の観点から、妊娠中の抗HIV薬投与、選択的帝王切開術、人工栄養による哺育、 新生児への抗HIV薬予防投与を行う。 preencoded.png
#21. HBV 原因 B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV) 症状と検査 倦怠感、食欲不振、赤褐色尿、黄疸など 血清マーカーとして、IgM型HBc抗体、HBs抗原、HBe抗原、Hbe抗体などの上昇を調べる。 治療法 多くの例が自然軽快するため、劇症化に注意しつつ経過観察する。 劇症肝炎の場合は核酸アナログ製剤の投与、ステロイドの大量投与や血漿交換、血液透析などが必要になることもある。 ポイント • 母子感染の予防が重要であり、妊婦検診でスクリーニング検査を行う。 • HBs抗原陽性妊婦の場合、妊娠中の核酸アナログ製剤投与や、児に対する出生後のHBグロブリン投与、 HBワクチン接種を行う。 • 他に、肝炎の主要な原因としてHAV,HCVがあるが、HAVは性行為で感染するものの母子感染はしない、 HCVは性行為で感染することはほぼないため、産婦人科的な性感染症として重要な位置づけとしてHBVを挙げている。 preencoded.png
#22. HTLV-1 原因 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(Human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1) 症状と検査 キャリアの大部分は無症状。 成人T細胞白血病リンパ腫( Adult T-cell leukemia:ATL)、HTLV-1関連脊髄症( HTLV-1 associated myelopathy:HAM)、 HTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 uveitis:HU)などの疾患を引き起こす。 血清抗体価検査でキャリアか診断、上記関連疾患を起こした場合は併せてそれぞれ診断基準を満たすか確認。 治療法 ATL,HAMには有効な治療法は確立されていない。 HUはステロイドの点眼あるいは内服で治療を行う。炎症が強い場合には、点滴によるステロイドパルス療法を行う。 ポイント • • • • 九州、沖縄でのキャリア率が高いが、近年それ以外での増加が指摘されている。 感染経路は、母子感染、血液の移入(輸血や臓器移植)、性交渉が挙げられる。 このうち産婦人科的に特に重要なのは母子感染であり、妊婦検診のスクリーニングとして行う。 経母乳母子感染予防の観点から、完全人工栄養が推奨される。 preencoded.png
#23. マイコプラズマ感染症 原因 Mycoplasma genitalium(細菌) 症状と検査 帯下の増量、不正出血などの子宮頚管炎症状があるが、無症状が多い。 子宮頚管の擦過検体を採取し、PCR法で検出する。 治療法 マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系抗菌薬の経口投与 ポイント • 子宮頚管炎のみならず、PIDや早産、自然流産、不妊症に関連すると言われている。 • 非クラミジア非淋菌性の難治性子宮頚管炎は本疾患を考慮する。 • 多剤耐性化が問題となっており、治癒判定として加療後2-4週間あけてPCR法を行う。 preencoded.png
性感染症の重要性と啓発メッセージ
#24. Take home massage ①外来でよく遭遇する「痒み」「帯下異常」、無症状でもクラミジアや淋病が隠れていることもある 外陰部の痒みや帯下の異常は、性感染症を示唆するが、クラミジアや淋病など無症状の場合も多いので 注意が必要である。 ②外陰部のできもの:コンジローマや今増えている梅毒は見逃さない 毛嚢炎や粉瘤などを含め、外陰部には多種多様な腫瘤や皮膚病変が発生する。中々受診せず様子を見てしまう ことも多いが、特に、最近増加している梅毒は深刻な後遺症を残す可能性があるため、早期発見が大切である。 ③性感染症は、放置すると将来の不妊症や母子感染と関連することもある。患者さんにも啓発を! 症状が軽度でも、放置すると不妊症や母子感染を引き起こすこともある。 ピルやミレーナで避妊はできても、性感染症は予防できない。 多くの性感染症の予防にはコンドームの使用が効果的である。 患者さんに正しい知識を提供し、啓発することが必要である。 preencoded.png