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梅毒 overview

投稿者プロフィール
長谷川耕平

堺市立総合医療センター

156,128

518

概要

ローテーター向けに作成した梅毒のまとめです

病期ごとの解説に加え、血清・髄液トレポネーマ試験・非トレポネーマ試験の解釈や組織学的検査についても触れています

お時間があればどうぞ。

2023年1月21日更新:梅毒治療におけるステロイド, 妊婦梅毒について加筆

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テキスト全文

  • #1.

    2023.12.07 梅毒 谷 長 立 堺市 総合医療センター 感染症内科 川耕平

  • #2.

    はじめに 梅毒は性 • 病歴聴取など, 患者のプライバシーに踏み込むことが多く, 普段より丁寧な診療を る必要がある 為感染症 (STD, sexual transmitted disease) である 心 行 • がけ

  • #3.

    STDを疑ったとき • 患者がSTDを疑っているかどうかで問診の難しさが変わる • STDについて問診するときは下記を参考にするとよい1) - Partners:性交渉の相 - Practices:OSの有無、ASの有無 - Protection from STDs:コンドームの使 - Past History of STDs: - Prevention of pregnancy:妊娠計画や、避妊の有無 の 数、性別、特定or不特定 とパートナーのSTD既往 用 人 身 自 手 1. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187.

  • #4.

    1. STDの診断のため, 様々な病歴を聞くことが 事な医学的理由を伝える 2. 問診する医療従事者が, 様々な性的指向を特別視しない聞き 3. 患者の 物学的/社会的性別を問わず, 問診時は極 性同 でも同様) をする , 異性の医療従事者が同席する (男 方 力 大 行 生 本医事新報社 jmed58「外来でどう診る?性 士 日 問診の際に気をつける点 為感染症」1章

  • #5.

    梅毒とは • 梅毒 (Syphilis) とは, Treponema pallidumによって • 早期 (1・2期), 早期潜在, 後期潜在, 晩期 (3期) に分類される • 疾患表出型が様々で, “the great imitator”と呼ばれることもある (特に2期) じる感染症である 生 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8

  • #6.

    潜伏期間 (10-90 ) 1期梅毒 潜伏期間 (4-10週) 感染 あり (性 為or 体など) 1年間 感染 あり ( 体) 4年間 中枢神経 浸潤 25-60 % なし 症候性 5% 髄膜炎 脳神経炎 眼 髄膜 管梅毒 無症候性 早期潜伏梅毒 (1年以内) 後期潜伏梅毒 (1年以降) 晩期梅毒 感染 早期神経梅毒 2期梅毒 再発 24% 管梅毒 10% 感染10年以降 80% 晩期梅毒 ゴム腫 15% 感染5年以降* (より早期のことも) 後期神経梅毒 進 痺 2-5% 感染15年以降 脊髄瘻 2-9% 感染15年以降 日 母 力 力 力 血 麻 行 行 血 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8より作成 母 心 曝露

  • #7.

    梅毒の歴史 • コロンブスが「新 ち込まれた1) • インド航路発 • 1910年, サルバルサンが梅毒に有効と報告され, 1940年代にペニシリン単離が成功した 後に梅毒治療に応 された2) 陸」を発 した1492年以降, 乗組員によって「旧 により, 1512年には 陸」へ梅毒が持 本へ到達している2) 大 日 見 大 用 見 1. Clin Infect Dis. 2005;40(10):1454-1463. 2. モダンメディア.2016;62(5):173-183.

  • #8.

    • 早期顕症梅毒 (1・2期) 患者の病変部位との, 主に粘膜 (と 多くの場合は性 為によって感染する1) • 他には妊婦梅毒からの垂直感染や, 稀に接触感染2)や • 早期顕症梅毒は感染率が30%1) • 必ずしも性器-性器間の感染ではなく, オーラルセックスのみでも病変があれば感染が成 する 膚) を接触する 為, つまり 液曝露による感染伝播3)も じる 生 行 皮 血 1. N Engl J Med. 1992;326(16):1060-1069. 2. Pediatr Infect Dis J. 2021;40(10):892-898. 3. Medical Microbiology: A Guide to Microbial Infections, 19th ed. 67, 693-700.e1 行 立 感染経路

  • #9.

    2023年第45週 (11.06-12) 時点で12965 10万 当たり報告数は 1. 東京都(21.3) 2. 阪府(15.5) 3. 広島県(12.8) 4. 熊本県(8.6) 5. 川県(8.3) 最終的に12,964 人 人 IDWR 2022年第42号 https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m-3/syphilis-idwrc/11612-idwrc-2242.html NIID, IDWR速報データ2023年第45週 https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html (accessed November 25, 2023) 人 香 大 梅毒患者は激増している

  • #10.

    性別・年齢による報告数 男性は若年〜中年, 性は若年に増えている 女 IDWR 2022年第42号 https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m-3/syphilis-idwrc/11612-idwrc-2242.html

  • #11.

    • トレポネーマ試験 (NTT)…感染者 清とカルジオリピン-コレステロール-レシチン抗 原との反応性に基づく検査で, 治療効果判定・再感染判定に いる。STS。RPR, VDRL。 • トレポネーマ試験 (TT)…トレポネーマの特異抗原に対する抗体を検出する検査で, 感染 後は陽性が続く。TPLA, TPHA, CLEIA, FTA-ABS 用 血 UpToDate ®︎ 非 抗体検査

  • #12.

    トレポネーマ試験 陰性 トレポネーマ試験 確認トレポネーマ試験 梅毒未感染 感染直後の潜伏期間 陰性 陰性 陽性 陽性 陰性 陽性 陰性 陽性 陽性 陽性 陰性 解釈 梅毒治癒後 後期潜伏梅毒 1期梅毒のごく初期 プロゾーン現象 物学的偽陽性 梅毒感染 (治療・未治療) 流 性トレポネーマ症 物学的偽陽性 N Engl J Med. 2020;382(9):845-854.より作成 行 生 非 生 検査結果と解釈

  • #13.

    J Clin Microbiol. 2021;59(10):e0010021.

  • #14.

    • 主にNTTで起こり, TTで • NTTはヒトの組織中に存在する脂質を抗原としてい るため,T. pallidumに感染していない患者でも陽性 となることがある • titerはRPR≦8倍となる じることもある Can J Infect Dis Med Microbiol. 2005;16(1):45-51. 生 生 物学的偽陽性

  • #15.

    濁分析 ( 数点第 位までの連続値) カード法8倍と 動化法6.0は相関する J Clin Microbiol. 2018;56(11):e01003-18. 一 • 動化ラテックス 小 • カード法 (倍数希釈法 [1, 2, 4, 16倍, …]) 比 • 自 自 RPR

  • #16.

    • 価の抗体により抗原抗体複合体の凝集が阻害され, 凝集試験が偽陰性となる (陽性が 視認できなくなる) 現象で, 梅毒での発 率は0.83% • 期および 期梅毒のどの臨床段階でも起こる可能性があり, 妊娠や神経梅毒, HIVを合 併していると じやすい • 臨床的に梅毒が疑われ, TT陽性, NTT陰性 or 低値の場合, 検体を希釈し再度NTTを う 行 生 生 二 Clin Infect Dis. 2014;59(3):384-389. 力 高 一 プロゾーン現象

  • #17.

    組織学的検査 • 浮腫上の潰瘍床に著明なリンパ形質細胞浸潤が認められ, 内 細 管増殖が認められる • スピロヘータは, Warthin-Starry染 またはSteiner染 細胞の腫脹を含む著明な を うか, 免疫染 で確認する 毛 色 皮 行 色 色 血 Diagnostic Pathology of Infectious Disease, 16, 429-467

  • #18.

    HE ×100 特徴的な閉塞性動脈炎所 HE ×400 管壁・その周囲に で標識 されたスピロヘータが多数 免染 ×400 見 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8より 赤 血 皮 リンパ球, 組織球, 形質細胞か らなる混合浸潤が認められ, 内 細胞の腫脹と増殖あり

  • #19.

    硬性下疳 ( • T. pallidumへの曝露後10-90 径リンパ節腫脹を呈する • 硬性下疳で痛みがあるのは50%, 30%で多発する1) • 有痛性の場合はヘルペス合併も考える2) 献3より引 ) を経て, 硬性下疳や 日 用 1. Sex Transm Infect. 2016;92(2):110-115. 2. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8 3. N Engl J Med. 2020;382(9):845-854. 文 鼠 1期梅毒

  • #20.

    2期梅毒 • 硬性下疳から4-10週後に じる • 全 • 特に 掌と 底を含む全 に, 典型的には痒みのない発疹がみられることが多い (ただし 40%に掻痒感があったする報告もある) • 熱, リンパ節腫脹, 粘膜病変, 脱 にT. pallidumが巡っており, 多種多様な症状を呈する (“the great imitator”の時期) 症, 膜炎, 肝炎 (ALPが主に上昇), 腎炎など多岐にわたる 骨 毛 生 身 足 手 身 N Engl J Med. 2020;382(9):845-854. Sex Transm Dis. 1980;7(4):161-164.

  • #21.

    (A) 掌発疹 (B) 過 化を伴う 底発疹 (C) 梅毒性発疹 体幹後部 (D) 梅毒性斑状脱 症 (E) 梅毒性 腔粘膜病変 (F) 男性性器コンジローマ — 口 足 毛 角 手 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8

  • #22.

    悪性梅毒 • 2期梅毒の稀で重度の変異型 • 全 状態が悪く, 急速に進 性の潰瘍病変を呈する • HIV感染者での報告が最多 する多形 行 身 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8 Open Forum Infect Dis. 2017;4(3):ofx139.

  • #23.

    潜在梅毒 • 症状を伴わず, 梅毒 • 早期潜在→感染成 • 潜在梅毒から約25%で再燃し, その90%が早期潜在で起こる • 後期潜在梅毒から性交渉による感染伝播は起こらないと 後5年まで起こりうる 清反応のみを認める状態 後1年以内, 後期潜在→1年以上と定義される われているが, 先天梅毒は感染 言 血 立 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8

  • #24.

    • 未治療の場合, 感染から5-30年で潜在梅毒から進展する • 感染性はない • 神経梅毒 (脊髄瘻・進 痺), た結果, 管梅毒は稀になった - 管梅毒, ゴム腫が三 表現型だが, 抗菌薬曝露が増え 管の炎症により, 動脈基部の拡張およびそれに伴う 狭窄, 冠動脈瘤をきたす 動脈弁閉鎖不全症や冠動脈 大 大 血 心 麻 行 大 血 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8 心 血 晩期梅毒

  • #25.

    ゴム腫 • ゴム腫は 次病変の治癒から1-46年後に発症する (ほとんどの症例は15年以内に発症)1) • しかし近年, より早期に じたゴム腫症例が報告さ れており, 感染後5ヶ で じたものもある2) 生 生 月 二 1. J Chronic Dis. 1955;2(3):311-344. 2. Emerg Infect Dis. 2016;22(10):1846-1848.

  • #26.

    神経梅毒 • かつて神経梅毒は晩期にしか起こらないとされていたが, 現在は感染初期からT. pallidumの 神経浸潤が じることがわかっている1) - 早期神経梅毒で髄膜・脳 - 後期神経梅毒では, 脊髄瘻や進 管への浸潤による症状を呈するのは2-5%1-2) 痺 (認知機能低下etc) をきたす1) • HIVによらず神経症状がなければ早期梅毒で髄液検査を う必要はない3) • 晩期梅毒, 眼・内 梅毒, 治療反応性が悪い場合に髄液穿刺を検討する4) 1. N Engl J Med. 2019;381(14):1358-1363. 2. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8 行 麻 行 血 耳 生 3. CLINICAL INFO.HIV.GOV [reviewed Jul 13, 2022]. https://clinicalinfo.hiv.gov/en/guidelines/adultand-adolescent-opportunistic-infection/syphilis?view=full 4. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187.

  • #27.

    各検査の感度・特異度 ( 献1より作成) 感度 (%) 検査 特異度 (%) 早期神経梅毒 晩期, 症候性神経梅毒 晩期, 症候性神経梅毒 100 50-75 90 75 30-70 100 100 96 60 100 99 50-70 100 95 97 90 95 <50 抗体検査 清VDRL, RPR CSF VDRL* 清FTA-ABS, TPHA CSF FTA-ABS 髄液検査 WBC >5-10/μL** 蛋 >45mg/ml 用 文 白 * 本ではコマーシャルベースで測定できないためCSF RPRを測定するが感度が落ちる2) **HIV合併例では>20/μLを採 すると特異度が上昇するかもしれない3) 日 血 血 神経梅毒の診断 1. N Engl J Med. 2019;381(14):1358-1363. 2. Sex Transm Dis. 2012;39(6):453-457. 3. J Infect Dis. 2004;189(3):369-376.

  • #28.

    治療-早期/後期• 早期梅毒 (1・2・早期潜在) 1. Benzathine penicillin G 2400万単位 1回/週 筋注 2. AMPC 500mg + プロベネシド 500mg 1 4回 14 間 3. DOXY 100mg 1 2回 14 間 • 後期潜在梅毒, 管梅毒*, ゴム腫 1. Benzathine penicillin G 2400万単位 1回/週×3 筋注 2. AMPC 500mg + プロベネシド 500mg 1 4回 28 間 3. DOXY 100mg 1 2回 28 間 日 日 日 日 門 日 日 血 日 日 心 ※AMPCとプロベネシドの投与量は専 家により少し幅がある *PSL検討 (後述) MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. Int J STD AIDS. 2016;27(6):421-446.

  • #29.

    アモキシシリンとプロベネシド • プロベネシドは, ペニシリン系抗菌薬の腎尿細管分泌を阻害し尿中排泄を低下させる1) → 抗菌薬の 中濃度を いまま維持できる • HIV+梅毒 (CD4陽性細胞中央値389/μL, RPR中央値96倍) に対して, AMPC 3g+プロベ ネシド投与により95.5%の患者で4倍以上RPRが低下2) • - 腰椎穿刺が治療前に われたのは全体の約5%のみ - 早期梅毒は14 分だが, 後期梅毒は28 AMPC 2〜3g/ 間で (+プロベネシド 750mg/ 治療が良い傾向 ) で開始することが多い 日 日 高 十 行 日 日 血 文 1. プロベネシド添付 書 https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3942001F1040_1_08/ 2. Clin Infect Dis. 2015;61(2):177-183.

  • #30.

    • コントロール良好なHIV+syphilisに対する AMPC baseの治療効果を評価した 劣勢RCT • 介 • • :AMPC 1500mg, early 14d, late 28d 較:AMPC 3000mg+probenecid 主要転機:12ヶ 時点での 劣勢を せず 清学的治癒率→ - 梅毒全体→介 90.6% vs 較94.4% - 早期梅毒→介 93.5% vs 較97.9% 非 非 血 比 比 月 入 入 示 Clin Infect Dis. 2023;77(5):779-787. 入 比 プロベネシドは必要か?

  • #31.

    治療-神経梅毒• *PSL検討 (後述) 神経梅毒 (眼・内 梅毒含む) 1. Penicillin G 2400万単位/ 静注 10-14 2. Procaine penicillin G 2400万単位 1 服 10–14 間 3. DOXY 100mg 1 2回 28 • 1回 筋注+プロベネシド 500mg 1 4回 内 間 4. AMPC 2g + プロベネシド 500mg 1 5. CTRX 2g 1 間 1回 筋注 or 静注 10–14 3回 28 間 間 後期梅毒に準じた治療期間とするために, 上記治療終了後にBenzathine penicillin G 2400万単位 筋注/週×1-3を追加してもよい 日 日 日 日 日 日 日 日 耳 日 日 日 MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. Int J STD AIDS. 2016;27(6):421-446.

  • #32.

    Jarisch-Herxheimer reaction • スピロヘータを抗菌薬治療したあと数時間以内に, 発熱や筋痛などのインフルエンザ様症 状をきたす反応で, 破壊されたトレポネーマに対する免疫応答と考えられている1) • 梅毒全体では30%程度に 伏期) で起こりやすい2) • アセトアミノフェンによる対症療法で通常直ちに回復するため1), あらかじめ処 くことも多い じる (ペニシリン>DOXY) が, 早期梅毒 ( 期>初期>早期潜 してお 方 二 生 1. Travel Med Infect Dis. 2013;11(4):231-237. 2. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2018;32(10):1791-1795.

  • #33.

    ステロイド • 早期梅毒ではステロイド投与によりJHRを予防できる可能性がある1) • CDCは, 内 梅毒・眼梅毒に対するステロイド投与に関して, 利点が確実ではないため推奨 も反対もしていない2) • UKでは, JHRでの重 な合併症が懸念される 管梅毒・神経梅毒 (眼・内 含) につい て, 抗菌薬投与24時間前からPSL 40-60mgを開始し, 3 間投与することを推奨している3) 耳 日 血 心 大 耳 1. Acta Derm Venereol. 1968;48(1):15-18. 2. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 3. Int J STD AIDS. 2016;27(6):421-446.

  • #34.

    梅毒の薬剤感受性 • ウサギ上 細胞を いた培地 (T. pallidum culture medium 2 [TpCM-2]) で6-7 好気条件で継代培養すると発育する1) • tp0574を標的とした定量的PCRを いた薬剤感受性検査では, AMPC 0.02 mg/L, CTRX 0.0025 mg/L, CEX 0.25 mg/L, LZD 0.5 mg/L, TZD 0.0625 mg/L, SPM 0.1 mg/L, DOXY 0.1 mg/L2) 間微 1. mBio. 2018;9(3):e01153-18. 日 用 用 皮 2. Lancet Microbe. 2023;S2666-5247(23)00219-7.

  • #35.

    梅毒はペニシリン耐性となるか? • T. pallidumには, Tp 47という①PBP, ②βラクタマーゼの2つの機能を有する膜結合蛋 富に存在する • βラクタマーゼ活性はペニシリン結合反応の2,000倍以上の速さで起こるが, その加 分解過 程で じるいくつかの副産物がTp 47を分解するため, 結果的にペニシリンはT. pallidumに 対して活性を維持している • βラクタマーゼ活性に対する 成物を阻害するようなTp 47変異が選択されれば, T. pallidum はペニシリンに対して耐性化する可能性があるが今のところ報告はない が豊 白 水 生 生 J Biol Chem. 2004;279:14917-14921.

  • #36.

    梅毒の薬剤耐性 • マクロライドが結合する50Sリボソームサブユニットの23S rRNAに変異 (A2058G > A2059G) を有するT. pallidumが世界的に増加している1-2)。その他の理由でマクロライ ドが処 された結果として選択圧が じていると考えられている。 • TCsに対して16S rRNA変異により耐性化する可能性が指摘されているが, サーベイラン ス研究では今のところ検出されていない3-4) 生 方 1. 2. 3. 4. Epidemiol Infect. 2015;143(8):1567-1574. Pathogens. 2022;11(12):1546. Int J Antimicrob Agents. 2014;44(4):370-372. Future Microbiol. 2019;14:1099-1108.

  • #37.

    経済収益毎のA2058G変異 (マクロライド耐性) の割合 Pathogens. 2022;11(12):1546.

  • #38.

    • 早期梅毒は1年以内, 後期梅毒は2年以内に, RPRがカード法で4倍以上低下すれば治療成 功と判断する1) • 動化法は2倍以上の低下を 安とするが2), カード法と相関し治療により4倍以上低下す るという報告もある3) • 初回のRPR測定から治療開始まで 数があくと, 治療開始時に実はRPRが上昇している可 能性がある (下がっていることもある) ため, 治療開始直前にRPRを測定し, 治療効果を判 定した がよい4) • 治療反応性が乏しい場合, 次の可能性を評価する1):①アドヒアランスの問題, ②再感染, ③HIV合併, ④神経梅毒合併 1. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 日 目 2. NIID 梅毒とは (accessed August 26, 2023) https:// www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/465-syphilis-info.html 3. J Clin Microbiol. 2018;56(11):e01003-18. 4. Clin Infect Dis. 2023;76(5):795-799. 方 自 治療効果判定

  • #39.

    • 妊婦梅毒では, 妊婦が未治療であれば36%で先天梅毒を • 特に1・2期梅毒, 妊娠後期での治療開始, カード法≧8倍の場合はリスクが • 清RPRは治療開始時, 出産時に測定することが推奨されるが, 治療失敗が臨床所 予想される場合は, 測定を早める。 • 感染後5年間, 垂直感染リスクがある じうる い から PLoS One. 2014;9(7):e102203. 見 高 MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8 生 血 妊婦梅毒

  • #40.

    • 梅毒のステージに応じたペニシリン2400万単位筋注*を1-3回 う1) • 出産30 • ペニシリンで治療した場合, 先天梅毒は98%予防できる2) • ペニシリン筋注が えない時期に作成された 本性感染症学会の推奨である AMPC500mg 1 3回3)を う場合, 早期妊婦梅毒なら30 間内服で先天梅毒を予防でき る可能性があるが, 後期梅毒では78 間内服しても3割で先天梅毒が発 4) 前までに治療を完了し, (できれば) RPRを4倍以上低下させる1) 1. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 2. Obstet Gynecol. 1999;93(1):5-8. 3. 本性感染症学会:梅毒診療ガイド 2018.06.15. 4. Emerg Infect Dis. 2020;26(6):1192-1200. 生 行 日 日 う 日 行 行 行 日 *アレルギーの場合, 減感作を 日 日 妊婦梅毒の治療

  • #41.

    適切に管理されなかった妊娠梅毒の対応 • 以下のいずれかを満たした場合, - ペニシリン以外での治療 - 治療後30 - 出産時に感染の臨床症状が - 出産時の 体治療が不 分であるとみなす 以内に出産した場合 られる場合 体抗体価が治療前の4倍である場合 十 母 見 日 母 MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187.

  • #42.

    米 国では先天梅毒が 10年で10倍に増加 CDC, https://www.cdc.gov/media/releases/2023/s1107-newborn-syphilis.html (Last Reviewed: November 7, 2023)

  • #43.

    2023年10 時点で先天梅毒の報告が32 → 2019年の23 これを受けて 本 の統計開始以来最多 児感染症学会は「先天梅毒診療の 引き」を作成 手 人 小 人 NHK news web, https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231121/k10014264021000.html (accessed November 25, 2023) 日 • /年を超え, 現 行 • 月 日 本でも先天梅毒が過去最多

  • #44.

    手 小 日 本 児感染症学会, 先天梅毒診療の 引き2023 (第1版) https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/2023/11/sentensei_baidoku_2.pdf

  • #45.

    体の 清RPRを評価 - 閉, 疸, 偽性 CSF (細胞数, 蛋 , RPR) 採 (CBC, 肝機能) 聴性脳幹反応検査 眼科診察 管 Xp 必要時, 神経画像, CXR 先天梅毒の可能性あり • • 先天梅毒の可能性は低い 先天梅毒ではない • • 児感染リスク評価 リスク:新 児RPR陽性 or 体未治療 低リスク:新 児RPR陰性かつ 体が治療されている リスク 異常あり 低リスク 罹患臓器の追加評価 • • 血 治療は必須ではない 清学的フォロー 1, 2, 4, 6,および12ヶ 後,または陰 性となるまでRPRフォロー 6-12ヶ 時点でRPR陽性の場合, 乳児 を再評価し (LP含), PCN点滴投与 出 時にRPR陰性だった児は, 後3ヶ で再検査する 左記+benzathine PCG 50,000 U/kg IM ×1 清学的フォロー MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187, UpToDate 麻 黄 鼻 ®︎ 日 皮 生 日 母 母 見 生 血 高 月 見 母 生 生 白 母 十 矛 方 - 異常なし PCG 50,000 U/kg IV 12時間おき ( 後8 以降は8時間おき) ×10d procaine PCG 50,000 U/kg IM 1 1回 ×10d 清学的フォロー 月 骨 生 生 , 浮腫) 次のうちいずれかを満たす 次のすべてを満たす 次のうち両 を満たす • 未治療 or 不 分な治療 • 妊娠中に適切に治療 • 妊娠前に適切に治療 • 治療後再燃 or 再感染 • 出産4週間以上前に治療完了 • RPR4倍以下を維持し, 妊娠前, 妊 娠中, 出産時に安定している • 治療完了が出産前4週間以内 • 治療後の再燃や再感染なし • 治療歴不明 新 • • • 痺, 貧 体治療歴の評価 先天梅毒が確定 or 率 • 罹患臓器の追加評価 血 血 母 高 血 血 血 月 高 長 出産時, 児・ 児にいずれかの所 あり • 先天梅毒に 盾しない臨床所 (肝脾腫, 疹, 扁平コンジローマ, • 清RPRが児: 体≧4:1 • 病変 or 体液の暗視野顕微鏡, 直接蛍光抗体,

  • #46.

    梅毒治療後いつから性交渉していいか? • 少なくとも梅毒による病変がなくなるまでは避けてもらう1) • 治療終了5-14 • 個 的には, 上記に加え 動化法でRPR 2倍以上の低下を確認してからと伝えることが多 い (それ以前の 由意志による再開はやむない) • 梅毒は再感染するので, 必ずパートナーの治療を 間あけるべきという意 もある2-3) うこと, 適切な防護を うことを説明 する 行 行 見 自 自 日 人 1. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187. 2. NSW gov. Syphilis fact sheet (updated Mar 20, 2019) https:// www.health.nsw.gov.au/Infectious/factsheets/Pages/syphilis.aspx 3. NHS Wales, Syphilis (updated Apr 6, 2022) https://111.wales.nhs.uk/Syphilis/

  • #47.

    • 患者が早期 (潜在) 梅毒と診断されて - 未満:梅毒 90 以上: 清検査が陰性でも, 早期梅毒として治療を受けるべき 清学的検査が陰性であれば治療の必要はない RPR 価が • 患者が後期潜在梅毒の場合, パートナーに対し梅毒の臨床的および 結果に基づいて治療 • 以下に す梅毒患者のパートナーは, 感染の危険があると考えられ, 曝露と評価を受ける 必要がある い (≧1:32) 場合は, パートナーを初期梅毒として治療 初期梅毒の場合, 有症状期間+3ヶ 以内に性的接触があった 次梅毒の場合, 有症状期間+6ヶ 以内に性的接触があった 清学的評価を い, 行 MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 血 人 人 人 月 月 血 早期潜在梅毒の場合は1年以内に性的接触があった 血 高 示 力 日 90 • 日 二 パートナーへの対応

  • #48.

    • 症状の確認 • 梅毒罹患歴・検査歴があるか • 性交渉の相 • リスク性 為はいつ頃か 治癒後でなければ7 淋菌性病原体など) 非 以内に発 届を提出 (5類感染症) 生 見 • 日 他のSTD合併がないか (HIV, HBV, HCV, 淋菌, 手 つけたら は異性か同性か • 行 高 梅毒患者を

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