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梅毒の概要と分類について #1.
2025.12.06 梅毒 堺市立総合医療センター 感染症内科 長谷川耕平 #2.
はじめに • 梅毒は性行為感染症 (STD, sexual transmitted disease) である • 病歴聴取など, 患者のプライバシーに踏み込むことが多く, 普段より丁寧な診療を心がけ る必要がある #3.
梅毒とは • 梅毒 (Syphilis) とは, Treponema pallidumによって生じる感染症である • 早期 (1・2期), 早期潜在, 後期潜在, 晩期 (3期) に分類される • 疾患表出型が様々で, “the great imitator”と呼ばれることもある (特に2期) Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8 梅毒の歴史と患者数の推移 #4.
梅毒の歴史 • コロンブスが「新大陸」を発見した1492年以降, 乗組員によって「旧大陸」へ梅毒が持ち 込まれた1) • インド航路発見により, 1512年には日本へ到達している2) • 1910年, サルバルサンが梅毒に有効と報告され, 1940年代にペニシリン単離が成功した後 に梅毒治療に応用された2) 1. Clin Infect Dis. 2005;40(10):1454-1463. 2. モダンメディア.2016;62(5):173-183. #5. 梅毒患者は激増している 16000 14,906 14,906 14,663 12,964 12,352 12000 • 2025年は47週時点 7,978 8000 7,007 6,642 5,867 5,826 4,575 4000 2,690 751 759 585 575 509 533 543 637 719 827 691 621 827 875 1,228 1,661 年 20 25 年 20 24 年 20 23 年 20 22 年 20 21 年 20 20 年 20 19 年 20 18 年 20 17 年 20 16 年 20 15 年 20 14 年 20 13 年 12 20 11 年 20 年 20 10 年 20 09 年 20 08 年 20 07 年 20 06 年 20 05 年 20 04 年 20 03 年 20 02 年 20 01 年 00 20 19 99 年 0 JIHS, 感染症発生動向調査週報一覧より作成. https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/idwr/index.html (accessed December 5, 2025) 梅毒の法制度と感染経路 #7.
法制度 • 梅毒は感染症法で5類感染症に位置付けられている • 医師は先天梅毒, 梅毒患者, 無症状病原体保有者、死亡者を所属の保健所へ7日以内に届け 出る必要がある 梅毒トレポネーマ検出 症状が ある 活動性梅毒 と診断 ない RPR・TPが 両⽅陽性︖ RPRが16倍 相当以上︖ 届出 はい 届出 いいえ 届出不要 はい 届出 いいえ 届出不要 日本性感染症学会, 性感染症診断・治療ガイドライン2020より作成 #8.
感染経路 • 早期顕症梅毒 (1・2期) 患者の病変部位との, 主に粘膜 (と皮膚) を接触する行為, つまり多 くの場合は性行為によって感染する1) • 他には妊婦梅毒からの垂直感染や, 稀に接触感染2)や血液曝露による感染伝播3)も生じる • 早期顕症梅毒は感染率が30%1) • 必ずしも性器-性器間の感染ではなく, オーラルセックスのみでも病変があれば感染が成立 する 1. N Engl J Med. 1992;326(16):1060-1069. 2. Pediatr Infect Dis J. 2021;40(10):892-898. 3. Medical Microbiology: A Guide to Microbial Infections, 19th ed. 67, 693-700.e1 梅毒の症例集と診断方法 #9.
症例集① 1. 60代男性。2週間前より陰部違和感あり, 潰瘍形成を自認。パートナーが梅毒と発覚し, 心配になり受診。陰部硬性下疳あり, RPR・TP陽性のため1期梅毒としてペニシリンで 治療。その他のSTDは陰性。再診せず。 2. 20代男性。HIVで3ヵ月毎に通院しており, 定期外来受診時に全身紅斑あり。RPR・TPが 陽性化しており2期梅毒としてペニシリンで治療。3ヵ月後再診時, 紅斑は消失。 3. 20代男性。HIVで3ヵ月毎に通院しており, 定期外来受診時に毛髪に複数の円形脱毛所見 あり。血清梅毒検査が陽性化しておりペニシリンで治療。3ヵ月後再診時, 脱毛は減少。 #10.
症例集② 4. 40代女性。3ヵ月前から手掌足底に掻痒感のない皮疹あり近医で乾癬と診断。免疫抑制 薬, レーザー照射の反応が悪く皮膚科へ紹介。スクリーニングの梅毒検査が陽性で, 皮膚 生検では免疫染色でスピロヘータ陽性。ペニシリンで治療され, 数ヵ月後病変は消失。 5. 50代男性。2ヵ月続く咽頭違和感で近医受診し, 白色扁桃病変を指摘され, 悪性腫瘍の疑 いで耳鼻科へ紹介。生検され, 悪性疾患は否定的だったがスクリーニングの梅毒検査が 陽性。生検検体を免疫染色すると多数のスピロヘータが認められ, 咽頭梅毒としてペニ シリンで治療。1ヵ月後の外来受診時, 病変は消失。 #11.
症例集③ 6. 80代男性。白内障術前スクリーニング検査でRPR 4.1 R.U., TP 130.0 T.U.であり紹介。 梅毒治療歴なし。症状なく, 最近の性交渉は否定された。4週後の外来でRPR, TP値に著 変なし。治癒後の可能性が高く, 無治療経過観察とした。 7. 20代女性。妊婦健診でRPR (-), TP (+) だったため紹介。症状なし。梅毒検査歴・治療歴 なし。自動化法で再検を行ったところ, RPR, TPともに陰性だった。FTA-ABSの陰性も 確認し, 偽陽性と判断した。 #12.
どのように梅毒を疑うか • 梅毒はSTDだが病期によって多彩な症状を呈し, 性器外病変もとりうる • 典型的な下疳や掻痒感のない紅斑 (手掌足底含) があれば梅毒を想起しやすいが, 非典型的 な病変であれば疑わなければ診断できないかもしれない • とくに性活動性の高い年齢層では, 必要に応じて性行為歴の問診や血液検査で確認を行う 血清検査の方法と解釈 #13.
血清検査 • 非トレポネーマ試験 (NTT)…感染者血清のレアギンとカルジオリピン-コレステロール-レ シチン抗原との反応性に基づく検査で, 診断・治療効果判定・再感染判定に用いる。RPR, VDRL • - 感度:初期 50-92.7%, 二期 97-100%, 三期 43-64%, 早期・後期潜在 63-75% - 特異度の報告は限られる トレポネーマ試験 (TT)…トレポネーマの特異抗原に対する抗体を検出する検査で, 感染後 は陽性が続く。TPLA, TPHA, CLEIA, FTA-ABS - 感度:初期 95-100%, 二期 100%, 三期 97-100%, 早期・後期潜在 97-100% - 特異度:初期 100%, 二期 92-98%, 三期 NA, 早期・後期潜在 NA JAMA. 2025;334(21):1927-1940. #14.
測定方法 • カード法…従来行われてきた方法で, 補体結合反応や綿状沈降反応を原理とする。1, 2, 4, 16倍, …と倍数希釈されていく • 自動化法…ラテックス粒子を抗原で被膜し, 光学的に測定する。小数点第1位までの連続 値 (R.U.) で表され, 感染初期のIgM-TP抗体を検出することができる • RPRはカード法 8倍と自動化法 6.0 R.U.がおおよそ相関する IASR 2020;1(41):5-6 モダンメディア. 2010;56(2):32-35 J Clin Microbiol. 2018;56(11):e01003-18. #15.
検査結果と解釈 非トレポネーマ試験 陰性 陰性 トレポネーマ試験 確認トレポネーマ試験 梅毒未感染 感染直後の潜伏期間 陰性 陽性 解釈 陽性 梅毒治癒後 後期潜伏梅毒 1期梅毒のごく初期 プロゾーン現象 陰性 陽性 陽性 陽性 陽性 陰性 陰性 生物学的偽陽性 梅毒感染 (治療・未治療) 流行性トレポネーマ症 生物学的偽陽性 N Engl J Med. 2020;382(9):845-854.より作成 生物学的偽陽性とプロゾーン現象 #16.
生物学的偽陽性 • NTTはヒトの組織中に存在する脂質を抗原としているため, 非梅毒患者でも陽性となるこ とがある - 例:妊娠, 抗リン脂質抗体症候群, 感染性心内膜炎, 伝染性単核球症, 麻疹, 高齢者など • 力価はRPR≦8倍と低値であることが一般的 • TTで生じることもある Can J Infect Dis Med Microbiol. 2005;16(1):45-51. Clin Microbiol Rev. 1995;8(1):1-21. #17.
プロゾーン現象 • 高力価の抗体により抗原抗体複合体の凝集が阻害され, 凝集試験が偽陰性となる (陽性が 視認できなくなる) 現象で, 梅毒での発生率は0.83%と報告されている • 一期および二期梅毒のどの臨床段階でも起こる可能性があり, 妊娠や神経梅毒, HIVを合併 していると生じやすい • 臨床的に梅毒が疑われ, TT陽性, NTT陰性 or 低値の場合, 検体を希釈し再度NTTを行う Clin Infect Dis. 2014;59(3):384-389. #18.
組織学的検査 • 形質細胞, リンパ球, Mφが血管周囲に浸潤し, 程度はさまざまだが内皮細胞の腫脹および 増殖が生じる • 早期梅毒の場合, Warthin-Starry染色またはSteiner染色を行うか, 抗T. pallidum抗体による 免疫染色によって, しばしば血管周囲にスピロヘータを確認できる • 晩期梅毒ではスピロヘータを証明することは容易ではない Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 梅毒の各病期の症状と特徴 #19.
リンパ球, 組織球, 形質細胞か らなる混合浸潤が認められ, 内 特徴的な閉塞性動脈炎所見 皮細胞の腫脹と増殖あり HE ×100 HE ×400 血管壁・その周囲に赤で標識 されたスピロヘータが多数 免染 ×400 Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 #20.
核酸増幅検査 • 皮膚・粘膜擦過物などから, Tp特異的遺伝子 (polA, tpp47) を検出することができ, 初期梅 毒の下疳から採取された検体では感度 76-94%, 特異度 90-99%, 二期梅毒では感度 20%86%, 特異度 92-98%1) • 血清反応が出る前の1期梅毒や, HIV感染者での血清反応陰性梅毒の診断,2) 生検検体から のT. pallidum検出3)に効果を発揮するがcommercially availableではない 1. JAMA. 2025;334(21):1927-1940. 2. Arch Dermatol. 2005;141(4):431-433. 3. Invest Dermatol. 2007;127(10):2345-2350. #21.
1期梅毒 硬性下疳 (文献3より引用) • T. pallidumへの曝露後10-90日を経て, 硬性下疳や鼠 径リンパ節腫脹を呈する • 硬性下疳の特徴として, 有痛性 50%, 多発性 30%1) • 有痛性の場合はヘルペス合併も考える2) 1. Sex Transm Infect. 2016;92(2):110-115. 2. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 237, 2865-2892.e8 3. N Engl J Med. 2020;382(9):845-854. #22.
2期梅毒 • 硬性下疳から4-10週後に生じる • 全身にT. pallidumが巡っており, 多種多様な症状を呈する (“the great imitator”の時期) • 特に手掌と足底を含む全身に, 典型的には痒みのない発疹がみられることが多い (ただし40% に掻痒感があったする報告もある) • 熱, リンパ節腫脹, 粘膜病変, 脱毛症, 骨膜炎, 肝炎 (ALPが主に上昇), 腎炎など多岐にわたる N Engl J Med. 2020;382(9):845-854. Sex Transm Dis. 1980;7(4):161-164. 潜在梅毒と晩期梅毒の詳細 #23.
A:口腔のコンジローマ, B:舌病変, C〜E:手掌・足底を含む紅斑 N Engl J Med. 2024;390(3):242-253. #24.
F G F:乾癬様病変 G:禿頭 F. Open Access Maced J Med Sci. 2017;5(4):445-447. G. 患者より許可を得て掲載 #25.
悪性梅毒 文献2より引用 • 2期梅毒の稀で重度の変異型1) • 全身状態が悪く, 急速に進行する多形 性の潰瘍病変を呈する • HIV感染者での報告が最多 1. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 2. Open Forum Infect Dis. 2017;4(3):ofx139. #26.
潜在梅毒 • 症状を伴わず, 梅毒血清反応のみを認める状態 • 早期潜在→感染成立後1年以内, 後期潜在→1年以上と定義される • 潜在梅毒から約25%で再燃し, その90%が早期潜在で起こる • 後期潜在梅毒から性交渉による感染伝播は起こらないと言われているが, 先天梅毒は感染 後5年まで起こりうる Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 神経梅毒と心血管梅毒の影響 #27.
晩期梅毒 • 未治療の場合, 30%程度の症例で感染から5 • 感染性はなく, 後期神経梅毒 (脊髄瘻・進行麻痺), 心血管梅毒 (大動脈基部拡張・大動脈閉 30年で潜在梅毒から晩期梅毒へ進展する 鎖不全症・冠動脈狭窄・冠動脈瘤), ゴム腫が三大表現型 ~ MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 #28.
ゴム腫 文献2より引用 • ゴム腫は二次病変の治癒から1-46年後に発症する (ほとんどの症例は15年以内に発症)1) • 近年, より早期に生じたゴム腫症例が報告されてお り, 感染後5ヶ月で生じたものもある2) 1. J Chronic Dis. 1955;2(3):311-344. 2. Emerg Infect Dis. 2016;22(10):1846-1848. #29.
心血管梅毒 • 抗菌薬が開発されて以降, 発生率は著しく低下している • 大動脈瘤の発生頻度は, 上行大動脈 (50%), 弓部 (30 40%), 下行大動脈 (10 15%) であ り第6胸椎以下に発生することは稀である 大動脈弁輪の脆弱化による逆流や冠動脈狭窄も生じる ~ Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 ~ • #30.
神経梅毒 • かつて神経梅毒は晩期にしか起こらないとされていたが, 現在は感染初期からT. pallidumの 神経浸潤が生じることがわかっている1) • 早期神経梅毒で髄膜・脳血管への浸潤による症状を呈するのは2-5%1-2) • 後期神経梅毒では, 脊髄瘻や進行麻痺 (認知機能低下etc) をきたす1) 1. N Engl J Med. 2019;381(14):1358-1363. 2. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 梅毒の治療法と薬剤感受性 #31. いつ髄液穿刺を行うか? • HIVの有無にかかわらず, 神経症状がなければ早期梅毒で髄液検査を行う必要はない (RPR値によらない)1) • 神経症状 (ex. 脳神経障害, 髄膜炎, 脳卒中, 急性または慢性の意識障害, あるいは振動覚喪 失), 晩期梅毒, 治療反応が悪い場合に髄液穿刺を検討する2) • 眼症状または耳症状のみで, その他の神経学的所見がない場合は, 髄液検査を省略しても よい2-3) 1. DHHS, Syphilis.https://clinicalinfo.hiv.gov/en/guidelines/hiv-clinical-guidelines-adult-andadolescent-opportunistic-infections/syphilis (accessed December 6, 2025) 2. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 3. JAMA. 2025;334(21):1927-1940. #32.
神経梅毒の診断 各検査の感度・特異度 (文献1より作成) 検査 感度 (%) 特異度 (%) 早期神経梅毒 晩期, 症候性神経梅毒 晩期, 症候性神経梅毒 血清VDRL, RPR 100 50-75 90 CSF VDRL* 75 30-70 100 血清FTA-ABS, TPHA 100 96 60 CSF FTA-ABS 100 99 50-70 WBC >5-10/μL** 100 95 97 蛋白 >45mg/ml 90 95 <50 抗体検査 髄液検査 *日本ではコマーシャルベースで測定できないためCSF RPRを測定するが感度が落ちる2) **HIV合併例では>20/μLを採用すると特異度が上昇するかもしれない3) 1. N Engl J Med. 2019;381(14):1358-1363. 2. Sex Transm Dis. 2012;39(6):453-457. 3. J Infect Dis. 2004;189(3):369-376. #33.
暴露 潜伏期間(10〜90⽇) 1期梅毒 潜伏期間(4〜10週) 感染⼒あり (性⾏為or⺟体など) 1年間 症候性 5% 髄膜炎 脳神経炎 眼 髄膜⾎管梅毒 早期潜在梅毒(1年以内) 後期潜在梅毒(1年以降) 晩期梅毒 感染⼒なし 無症候性 2期梅毒 再発 24% 感染⼒あり (⺟体)4年間 中枢神経 浸潤 25〜60% 早期神経梅毒 ⼼⾎管梅毒 10% 感染10年以降 ゴム腫 15% 感染5年以降 80% 晩期梅毒 後期神経梅毒 進⾏⿇痺2〜5% 感染15年以降 脊髄癆2〜9% 感染15年以降 JAMA. 2003;290(11):1510-1514.より作成 #34.
治療 • 基本はペニシリン筋注 • 日本でも2022年1月, ベンジルペニシリンベンザチン水和物が発売された • それまでは, アモキシシリン (+プロベネシド) を用いることが多かった 妊婦梅毒と先天梅毒のリスク #35.
早期梅毒 (1・2期, 早期潜在) CDC1) UK2) IUSTI3) 1. BPG 240万U im/週 1回 後期梅毒 (後期潜在・晩期) 1. BPG 240万U im/週 3回 神経梅毒 1. PCG 1800-2400万U iv 10-14日 <代替治療> <代替治療> • • • DOXY 100mg bid 14日 CTRX 1-2g im/iv 10-14日 CTRX 1g 10日 1. BPG 240万U im/週 1回 1. BPG 240万U im/週 3回 1. PCG 1800-2400万U iv 14日 <代替治療> <代替治療> <代替治療> • • • • • • • • DOXY 100mg bid 14日 CTRX 500mg im/日 10日 DOXY 100mg bid 28日 AMPC 2g tid+PB 500mg qid 28日 AMPC 500mg+PB 500mg qid 14日 DOXY 200mg bid 28日 CTRX 2g im/iv 14日 AMPC 2g tid+PB 500mg qid×28 日 1. BPG 240万U im/週 1回 1.BPG 240万U im/週 3回 1. PCG 1800-2400万U iv 10-14日 <代替治療> <代替治療> 2. CTRX 1-2g iv 10-14日 • • • CTRX 1g iv 10日 DOXY 100mg bid 21-28日 DOXY 100mg bid 14日 日本4-5) 1. AMPC 500mg tid 28日, BPG 240万U 1. AMPC 500mg tid 28日, BPG 240万U im/週 1回 2. MINO 100mg bid 28日 1. PCG 1800-2400万U iv 10-14日 im/週 3回 2. MINO 100mg bid 28日 BPG: benzathine penicillin G, PCG: penicillin G, DOXY: doxycycline, CTRX: ceftriaxone, AMPC: amoxicillin, PB: probenecid, MINO: minocyclin #36. アモキシシリンとプロベネシド • プロベネシドは, ペニシリン系抗菌薬の腎尿細管分泌を阻害し尿中排泄を低下させる1) → 抗菌薬の血中濃度を高いまま維持できる • HIV+梅毒 (CD4陽性細胞中央値389/μL, RPR中央値96倍) に対して, AMPC 3g+プロベネシ ド投与により95.5%の患者で4倍以上RPRが低下2) • - 腰椎穿刺が治療前に行われたのは全体の約5%のみ - 早期梅毒は14日間で十分だが, 後期梅毒は28日治療が良い傾向 個人的にはAMPC 2〜3g/日 (+プロベネシド 750mg/日) で開始することが多い 1. プロベネシド添付文書 https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med ? japic_code=00054020 (accessed December 6, 2025) 2. Clin Infect Dis. 2015;61(2):177-183. #37.
プロベネシドは必要か? • コントロール良好なHIV+syphilisに対する AMPC baseの治療効果を評価した非劣勢RCT • 介入:AMPC 1500mg, early 14d, late 28d • 比較:AMPC 3000mg+probenecid • 主要転機:12ヶ月時点での血清学的治癒率→ 非劣勢を示せず - 梅毒全体→介入90.6% vs 比較94.4% - 早期梅毒→介入93.5% vs 比較97.9% Clin Infect Dis. 2023;77(5):779-787. #38.
Jarisch-Herxheimer reaction • スピロヘータを抗菌薬治療したあと数時間以内に, 発熱や筋痛などのインフルエンザ様症 状をきたす反応で, 破壊されたトレポネーマに対する免疫応答と考えられている1) • 梅毒全体では30%程度に生じる (ペニシリン>DOXY) が, 早期梅毒 (二期>初期>早期潜伏 期) で起こりやすい2) • アセトアミノフェンによる対症療法で通常直ちに回復するため1), あらかじめ処方してお き, JHRについて患者に説明しておくことが重要である 1. Travel Med Infect Dis. 2013;11(4):231-237. 2. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2018;32(10):1791-1795. #39.
JHRに対するステロイド • 早期梅毒ではステロイド投与によりJHRを予防できる可能性がある1) • UKは, JHRでの重大な合併症が懸念される心血管梅毒・神経梅毒 (眼・内耳含) について, 抗 菌薬投与24時間前からPSL 40 CDCは, 内耳梅毒・眼梅毒に対するステロイド投与に関して, 利点が確実ではないため推奨 も反対もしていない3) 1. Acta Derm Venereol. 1968;48(1):15-18. 2. Int J STD AIDS. 2016;27(6):421-446. 3. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. ~ • 60mgを開始し, 3日間投与することを推奨している2) #40.
薬剤感受性 • ウサギ上皮細胞を用いた培地 (T. pallidum culture medium 2 [TpCM-2]) で6-7日間微好気条 件で継代培養すると発育する1) • tp0574を標的とした定量的PCRを用いた薬剤感受性検査では, AMPC 0.02 mg/L, CTRX 0.0025 mg/L, CEX 0.25 mg/L, LZD 0.5 mg/L, TZD 0.0625 mg/L, SPM 0.1 mg/L, DOXY 0.1 mg/L2) 1. mBio. 2018;9(3):e01153-18. 2. Lancet Microbe. 2023;4(12):e994-e1004. 治療効果判定と再感染のリスク #41.
梅毒はペニシリン耐性となるか? • T. pallidumには, Tp 47という①PBP, ②βラクタマーゼの2つの機能を有する膜結合蛋白が豊富 に存在する • βラクタマーゼ活性はペニシリン結合反応の2,000倍以上の速さで起こるが, その加水分解過程 で生じるいくつかの副産物がTp 47を分解するため, 結果的にペニシリンはT. pallidumに対し て活性を維持している • βラクタマーゼ活性に対する生成物を阻害するようなTp 47変異が選択されれば, T. pallidumは ペニシリンに対して耐性化する可能性があるが今のところ報告はない J Biol Chem. 2004;279:14917-14921. #42.
梅毒の薬剤耐性 • マクロライドが結合する50Sリボソームサブユニットの23S rRNAに変異 (A2058G > A2059G) を有するT. pallidumが世界的に増加している1-2) • TCsに対して16S rRNA変異により耐性化する可能性が指摘されているが, サーベイランス 研究では今のところ検出されていない3-4) 1. 2. 3. 4. Epidemiol Infect. 2015;143(8):1567-1574. Pathogens. 2022;11(12):1546. Int J Antimicrob Agents. 2014;44(4):370-372. Future Microbiol. 2019;14:1099-1108. #43.
経済収益毎のA2058G変異 (マクロライド耐性) の割合 Pathogens. 2022;11(12):1546. #44. 治療効果判定 • 早期梅毒は1年以内, 後期梅毒は2年以内に, RPRがカード法で4倍以上低下すれば治療成功 と判断する1) • 自動化法は1/2以下への低下を目安とするが,2) カード法と相関し治療により1/4以下に低 下するという報告もある3) • 初回のRPR測定から治療開始まで日数があくと, 治療開始時に実はRPRが上昇している可 能性がある (下がっていることもある) ため, 治療開始直前にRPRを測定し, 治療効果を判 定した方がよい4) 1. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 2. JIHS, 梅毒 https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/syphilis/010/index.html (accessed December 6, 2025.) 3. J Clin Microbiol. 2018;56(11):e01003-18. 4. Clin Infect Dis. 2023;76(5):795-799. 妊婦梅毒の治療と予防策 #45.
治療反応性が乏しいとき 1. アドヒアランスの問題 2. 再感染 3. HIV合併 4. 神経梅毒合併 MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. #46.
Serofast reaction • 治療後, RPRが4倍以上低下しても陰性化しないことをserofast reactionとよび, 最大27% で生じる1) • 通常8倍未満だが, HIV感染者ではより高い力価でserofastが生じることがある2) • 他のリスクとして, ≧30歳, 治療開始前NTT≦32倍, 複数人の性的パートナー (≧5人/6ヶ月), 梅毒病期 (後期であるほどリスクあり) が挙げられる1) • 力価が上昇し始めない限り再治療は通常必要ない3) 1. JAMA. 2025;334(21):1927-1940. 2. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 3. Clin Infect Dis. 2013;56(3):420-422. #47. 妊婦梅毒・先天梅毒 • 全ての妊婦に対して初回妊婦健診時に梅毒のスクリーニングをすることが推奨される1-2) • 妊婦梅毒症例数は増加傾向にある3) 1. N Engl J Med. 2024;390(3):242-253. 2. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 3. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/ 10906000/001534151.pdf (accessed December 6, 2025) #48.
妊婦梅毒・先天梅毒 • 垂直感染は, 妊娠中どの時期でも起こりうり, 妊娠期間が進むにつれて増加する1,3) • 未治療のまま出産した場合, 先天梅毒が発生する確率は早期梅毒では50-70%, 後期梅毒で は15%と報告され,1) 特に1・2期梅毒, 妊娠後期での治療開始, RPR ≧ 8倍, 複数パートナー の存在などは高リスク2) • 血清RPRは, 治療開始後24週未満の場合は, 治療開始時, 8週間目, 分娩時, 24週以降の場合 は, 治療開始時, 分娩時に測定することが推奨されている2) 1. N Engl J Med. 2024;390(3):242-253. 2. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 3. Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases, 243, 2861-2892.e10 先天梅毒の評価基準と治療 #49.
妊婦梅毒の治療 • 出産30日前までに梅毒のステージに応じたペニシリン筋注を1 3回行い, RPRを4倍以上 低下させることが目標1) • ペニシリンで治療した場合, 先天梅毒は98%予防できる2) • そのほかの治療の有効性は確認されておらず, ペニシリンアレルギーの場合は減感作を行 うことが推奨されている ~ 1. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 2. Obstet Gynecol. 1999;93(1):5-8. #50.
ペニシリン以外の治療は不十分とみなす • • 以下のいずれかを満たした場合, 母体治療が不十分であるとみなす1) - ペニシリン以外での治療 - 治療後30日以内に出産した場合 - 出産時に感染の臨床症状が見られる場合 - 出産時の母体抗体価が治療前の4倍である場合 日本で従来推奨されてきたAMPC500mg×3回では, 早期妊婦梅毒なら30日間内服により先 天梅毒は発生しなかったが, 後期梅毒では78日間内服しても3割で先天梅毒が発生2) 1. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. 2. Emerg Infect Dis. 2020;26(6):1192-1200. #52.
児の基準 児と⺟の 基準 ■妊娠成⽴前に治療終了 ■先天梅毒の症状あり ■RPR4.0以下(⾃動化法) ■児RPR≧⺟RPR×4倍 すべて (倍数希釈法) NO ⾃動化法の場合は 児RPR≧⺟RPR×1.5-2倍 [1,5倍未満であってもCS を否定するものではない] CQ1 いずれかYES 児の 追加評価 CQ2 CQ3 フォロー CQ5 いずれか NO CQ3 Proven or Highly Probable Congenital Syphilis(CS) すべてYES ■髄液検査(RPR、細胞数、蛋⽩) ■⾎算(⽩⾎球分類、⾎⼩板数) ■⻑管⾻XP ■先天性梅毒症状に対する検査 児の治療 CQ3 CQ4 ⺟の基準 ⺟の基準 注射⽤ベンジル ペニシリンカリウム 全例で右記のフォロー をおこなう Unlikely CS ■未治療 ■不完全治療 ■治療歴が不明 ■筋注⽤ベンジルペニシリンベン ザチンまたは注射⽤ベンジルペ ニシリンカリウム以外で治療 (アモキシシリンの場合はCQ3 参照) ■治療期間が分娩前の4週間に かかる ■再燃、再感染が疑われる いずれかYES 児の追加 評価不要 RPR陽性 かつ フォロー不確実 筋注⽤ベンジル ペニシリンベンザチン ⺟の追加基準 すべて NO 治療 不要 Less Likely CS いずれかYES かつ フォロー確実 すべてN O または フォロー不確実 Possible CS ■髄液検査(RPR、細胞数、蛋⽩) ■⾎算(⽩⾎球分類、⾎⼩板数) ■⻑管⾻XP RPR陰性 または フォロー不確実 ■早期梅毒の場合 治療後RPR1/2以下 (⾃動化法)に減少 ■潜伏梅毒の場合 RPR4.0以下(⾃動化法) 児の追加 評価不要 いずれか異常 または フォロー不確実 すべて異常なし かつ フォロー確実 注射⽤ベンジル ペニシリンカリウム 筋注⽤ベンジル ペニシリンベンザチン 児の追加 評価不要 治療不要 ■⽣後2,4,6,12ヵ⽉に成⻑・発達や病変ごとの評価 ■⾎清学的検査は陰性になるまで2〜3ヵ⽉ごとに評価 ■出⽣時に児RPR陰性の場合、⽣後3ヵ⽉で再検し陰性ならフォロー終了 ■RPRが⽣後6〜12ヵ⽉でも低下しない場合は髄液検査含めて再評価し、注射⽤ベンジル パートナーへの対応と予防策 #53.
児にいずれかの所見あり • • • 出産時, 児・母体の血清RPRを評価 先天梅毒に矛盾しない臨床所見 (肝脾腫, 皮疹, 扁平コンジローマ, 鼻閉, 黄疸, 偽性麻痺, 貧血, 浮腫) 血清RPRが児:母体 4:1 病変 or 体液の暗視野顕微鏡, 直接蛍光抗体, PCR陽性 母体治療歴の評価 先天梅毒が確定 or 高率 • 罹患臓器の追加評価 - 次のうちいずれかを満たす • • • • CSF (細胞数, 蛋白, RPR) 採血 (CBC, 肝機能) 聴性脳幹反応検査 眼科診察 長管骨Xp 次のすべてを満たす • 妊娠中に適切に治療 未治療 or 不十分な治療 治療後再燃 or 再感染 治療完了が出産前4週間以内 • • 出産4週間以上前に治療完了 治療後の再燃や再感染なし 次のうち両方を満たす • 妊娠前に適切に治療 • RPR4倍以下を維持し, 妊娠前, 妊 娠中, 出産時に安定している 治療歴不明 必要時, 神経画像, CXR 先天梅毒の可能性あり 先天梅毒の可能性は低い 先天梅毒ではない 新生児感染リスク評価 • • • • 高リスク:新生児RPR陽性 or 母体未治療 治療は必須ではない 血清学的フォロー 低リスク:新生児RPR陰性かつ母体が治療されている 高リスク 低リスク 1, 2, 4, 6,および12ヶ月後,または陰性 となるまでRPRフォロー - 6-12ヶ月時点でRPR陽性の場合, 乳児 を再評価し (LP含), PCN点滴投与 異常あり 罹患臓器の追加評価 異常なし - 出生時にRPR陰性だった児は, 生後3ヶ 月で再検査する PCG 50,000 U/kg IV 12時間おき (生後8日以降は8時間おき) ×10d procaine PCG 50,000 U/kg IM 1日1回 ×10d • • 左記+benzathine PCG 50,000 U/kg IM ×1 血清学的フォロー 血清学的フォロー MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187, UpToDate , congenital syphilisより筆者作成 ®︎ • • • #55.
パートナーへの対応 • 以下に示すパートナーは感染の危険があると考えられ, 評価を受ける必要がある - 初期梅毒の場合…有症状期間+3ヶ月以内に性的接触があった人 - 二次梅毒の場合…有症状期間+6ヶ月以内に性的接触があった人 - 早期潜在梅毒の場合…1年以内に性的接触があった人 MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. #56.
パートナーへの対応 • • 発端者が早期 (潜在) 梅毒と診断されてから - <90日…梅毒血清検査が陰性でも, 早期梅毒として治療を受けるべき - ≧90日…血清学的検査が陰性であれば治療の必要はない 発端者が後期梅毒の場合, パートナーに対し梅毒の臨床的および血清学的評価を行い, 結 果に基づき治療適応を判断する • 発端者が感染時期不明であってもRPR≧32倍の場合は, パートナーに対し早期梅毒同様の 対応を行う MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-187. DoxyPEPの効果と注意点 #57.
予防 • 性行為前の予防 (PrEP, pre-exposure prophylaxis) が最も重要 • 梅毒は主に病変部位と粘膜の接触で感染が成立するため, 適切なコンドームの装着 (oral sexも含め) が有効である • ただし, コンドームに覆われていない部位への感染は防げないため, 根本的には不特定多 数のパートナーを持たないことも予防につながる #58.
DoxyPEP • コンドームを使用しない口腔性交, 肛門性交, または膣性交後72時間以内に可及的速やか にドキシサイクリン200mgを服用する予防戦略のことで, 複数のRCT, 観察研究で有効性 を示しており, 2024年CDCガイドラインが発表された1) • MSMおよびトランスジェンダー女性における梅毒感染の相対リスクを四半期あたり77% から88%減少させ, 絶対リスクを四半期あたり18.7%から21.2%減少させる2) • シスジェンダー女性に対するRCTでは有効性が乏しかったが, アドヒアランスが影響した 可能性が指摘されている3) 1. MMWR Recomm Rep. 2024;73(2):1-8. 2. JAMA. 2025;334(21):1927-1940. 3. N Engl J Med. 2023;389(25):2331-2340. #59.
DoxyPEPの注意点 • 主に耐性菌の出現が懸念されており, テトラサイクリン耐性N. gonorrhoeae1-3)やS. aureus,1,3) S. pyogenes3)の出現が報告されている • in vitroではKlebsiella pneumoniaeがDOXYへの曝露により, AcrAB-TolC 型排泄ポンプを介 してDOXY以外にもCTRX, CPFX, AZMに耐性化することが示されている4) • また, DOXY への曝露は腸内細菌叢の多様性に負の影響をもたらし, 炎症性腸疾患発症と 関連する可能性がある5-6) 1. N Engl J Med. 2023;388:1296-1306. 2. 3. 4. 5. 6. Clin Infect Dis. Published online November 10, 2025. doi:10.1093/cid/ciaf591 Clin Infect Dis. 2025;80(6):1188-1196. Front Microbiol. 2023;14:1208014. Int J Antimicrob Agents. 2007;29(3):271-280. Am J Gastroenterol. 2010;105(12):2610-2616. #60.
問診の際に気をつける点 1. 医療従事者が, 患者の生物学的性, 社会・心理学的性, 性的指向を尊重することが重要 2. 症状・主訴からSTDの可能性も考えており, さまざまな病歴を聞くことが大事である医 学的理由を伝える 3. 患者の生物学的/社会的性別を問わず, 問診時は極力, 異性の医療従事者が同席する (男性 同士でも同様) 梅毒スクリーニングの重要性 #61.
STDを疑ったとき • STDについて問診するときは下記を参考にするとよい - Partners:性交渉の相手の人数、性別、特定or不特定 - Practices:OSの有無、ASの有無 - Protection from STDs:コンドームの使用 - Past History of STDs:自身とパートナーのSTD既往 - Prevention of pregnancy:妊娠計画や、避妊の有無 MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187. #62. 誰に梅毒スクリーニングを行うか 女性 服役歴またはCSW, 地域的流行 初回妊婦健診時の全妊婦 妊婦 妊娠28週および高リスクの場合は分娩時に再検査 (薬物乱用, 妊娠中のSTD, 複数パートナー, 新規 パートナー, パートナーがSTDなど) 男性 (MSW) 男性 (MSM) トランス ジェンダー HIV感染者 服役歴またはCSW, 29歳未満の成人 性活動のある場合, 少なくとも年1回 リスクが高い場合は3〜6ヵ月ごと (服役歴またはCSW, 29歳未満の成人など) 性的行動および性的曝露に基づき少なくとも年1回の検査を考慮 性活動のある場合, 初回HIV評価時にスクリーニング, その後は少なくとも年1回の検査 (個々のリスク 行動などに応じて検査頻度を増やす) CDC, https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/screening-recommendations.htm (accessed December 6, 2025) #63.
梅毒患者を見つけたら • 症状の確認 • 梅毒罹患歴・検査歴があるか • 性交渉の相手の性別 • 高リスク性行為はいつ頃か • 他のSTD合併がないか (HIV、HBV、 HCV、淋菌、非淋菌性病原体など) • 治癒後でなければ7日以内に発生届を提 出 (5類感染症)