テキスト全文
#1. 試験逐次解析 Trial Sequential Analysis この旅はいつ終わりを迎えるのか
#2. 最近増えているという 試験逐次解析 Trial Sequential Analysis ってなんだ?
#3. こういうことってない? 有意差が出ているけど,偶然じゃない? αエラー,タイプ1エラー 有意差が出ないけど,症例数が足りないだけじゃない? βエラー,タイプ2エラー
#4. 臨床研究の集大成と言われているメタアナリシスでも それらのエラーがおこるのに 結論のように誤解されることがある BMC Med Res Methodol . 2020 ;20:284 それを解決するのがTSAかもしれない
#5. 試験逐次解析 Trial Sequential Analysis ランダムエラー(α,β)を制御し、さらに同様の臨床研究を実施する 必要があるかどうかを評価するための、メタアナリシスで使用できる方法 意訳 メタアナリシスで出た結果に対して, これで打ち止めとしてよいのか, それとももっと症例数(研究数)を増やさないと結論がでないのか をチェックする方法
#6. TSAを ゲームでの 主人公の冒険模様で例えてみる
#7. 冒険 スタート 敵に 勝ったり 敵に 負けたり
#8. 無事ボスを倒した! 冒険クリア! 冒険 スタート 敵に 勝ったり 敵に 負けたり
#9. 冒険 スタート 敵に 勝ったり 敵に 負けたり 負けた! ゲームオーバー!
#10. 冒険 スタート 敵に 勝ったり 勝敗つかず 引き分けのまま 冒険終了 敵に 負けたり
#11. 無事ボスを倒した! 冒険クリア! 冒険 スタート 敵に 勝ったり 勝敗つかず 引き分けのまま 冒険終了 敵に 負けたり 冒険途中 負けた! ゲームオーバー!
#12. 介 入 有 利 介入がよい 症例数OK 介入が有意差ありライン 勝敗つかず 症例数OK 0 対照が有意差ありライン 対 照 有 利 対照がよい 症例数OK
#13. 監視境界(Monitoring boundaries): Z曲線がこの線を超えると決定打 Z曲線(Z-curve): 研究数が増えるとどんどん右に伸びていく 介入有利 介入がよい 症例数 介入が有意差ありライン Z=1.96(P=0.05と同じ) Z曲線がこの線より上に行くと P<0.05で有意に介入がよい inner wedge: 勝敗つかず 症例数 Z曲線がこの三角形に入ると 症例数が足りているにもかかわらず, 有意差が出ていない 対照が有意差ありライン 対照有利 対照がよい 症例数 無益性境界(Futility boundaries): Z曲線がこの線を超えると決定打 Z=-1.96(P=0.05と同じ) Z曲線がこの線より下に行くと P<0.05で有意に対照がよい エラーをなくすために 計算された症例数(Required information size)
#14. 対照有利 対照有利 真陽性 介入が良い これ以上の研究は不要 介入有利 介入有利 ・介入が有意に良い ・研究が足りている 対照有利 対照有利 偽陽性 たまたま有意差 なんともいえない さらに研究が必要 介入有利 介入有利 ・介入が有意に良い ・研究が足りず 対照有利 対照有利 なんともいえない さらに研究が必要 介入有利 介入有利 ・有意な結果がなく ・研究が足りず ・対照が有意に良い ・研究が足りず 偽陰性 たまたま有意差 なんともいえない さらに研究が必要 ・対照が有意に良い ・研究が足りている 真陰性 対照が良い これ以上の研究は不要 ・有意な結果がなく ・研究が足りている 両群が異なると証明できず これ以上の研究は不要
#15. このエビデンスを求める旅が いつ終わりを迎えるのか その鍵はTSAなのかもしれない