テキスト全文
インストラクショナルデザインの基本概念
#1. わからなかったのは 俺のせいなのか? インストラクショナルデザインで レクチャーを設計する
肺炎勉強会の詳細と目的
#3. 肺炎勉強会 肺炎の診断から治療までを 丁寧にレクチャーします 日時 〇月〇日 10:30~12:00 場所 ××会館 3F講堂
Kolbの経験学習モデルと実践
#11. その悲劇を防ぐのが 効果的な学習を生むための方法論 インストラクショナルデザイン
#12. 経験 自分で考え,動く Kolbの経験学習モデルをベースとして 実践 振り返り 教訓をもとに挑戦 何が起きていたか 研修の目標のために 研修前後を含めて その場でしか学べない 内容にする 概念化 他に応用できるように教訓化
学習動機づけの要素と方法
#13. A ttention ex)成功例を提示,疑問を投げる,これまでの知識の矛盾を指摘,謎解きとか 注意 des of Your Brain, New Mind-Mapping Techniquws, Third Edition (Plume)Paperback, ゴールに関連があってやりがいを感じさせる R elevance January 1, 1991 ex)身近な事例.これまでの知識がどうつながるか説明,目標達成のメリットを説明 関連性 C onfidence 課題をクリアできそうと思わせる ex)ゴールまでの道をマイルストーンも含めて説明,最近接領域にゴール設定 自信 S満足感 atisfaction やってよかった,と思わせる ex)応用問題で努力の成果を確かめほめる,説明していない内容は課題に出さない 動機づけをして,継続的にやりたいと思わせる V olition ex)セッション後に定期的に振り返る Keller, J. M. (2008). 意欲 知識とのギャップから好奇心をくすぐり,面白そうと思わせる First principles of motivation to learn and e3-learning. Distance Education, 29 (2), 175–185.
#14. 課題 現実に起こりそうな問題に挑戦する ex)現場での問題を取り上げ,セッションでどう解決できるかを示す 活性化 des of Your Brain, New Mind-Mapping Techniquws, Third Edition (Plume)Paperback, 既に知っている知識を動員する January 1, 1991 ex)これまでの経験やスキルに関連付ける工夫をし,それを使う機会を作る 例示 一般論の説明だけでなく,実際の方法,解決策を例示する 応用 学習内容を試し,応用する機会を作る 統合 現場で活用し,振り返るチャンスがある ex) 学習内容を実践例を示す.それを使用していないケースと比較する ex)学んだスキルを安全に試せる環境を作り、繰り返させる. ex)セッション後に現場で定期的に振り返させる Merrill, M. D. (2002). First principles of instructions, Educational Technology Research and Development, 50 (3), 43-59.
ADDIEモデルによる教育設計
#15. A ADDIEモデル Evaluation 評価 Analysis 分析 E D des of Your Brain, New Mind-Mapping Techniquws, Third Edition (Plume)Paperback, 教育の設計プロセス January 1, 1991 PDCAサイクルみたいな感じ フィードバックをかけながら Implementation 改善させていく 実施 Robert M. Gagné, Walter W. Wager, Katharine C. Golas, John M. Keller, 鈴木 克明 監訳 (2007), インストラクショナルデザインの原理, 北大路書房,p25-50 I D Design 設計 Development 開発
#16. 大人相手だから それぞれの経験を生かせるようにする January 1, 1991 一般論の講義ではなく 実践に生きるというのを実感してもらう 楽しく,やりがいがあると思うように設計 セッション後にどう続けるかまでも含めて考える
参加者の関心を引くための工夫
#18. 告知文が全然魅力的でない 誰を対象として 何を学ぶのかがわからない
#19. 参加者のよくある問題と解決法を示す 参加する具体的なメリット 参加しないデメリット 参加者の実践事例 参加者の声 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2018. 中村 文子 (著), ボブ・パイク (著)
#20. 出鼻でくじかれてる! せっかくのやる気が, 参加者にはどうでもいい話で そがれてしまった
研修の目標設定と重要性
#21. 参加者の関心事を解決すると伝える 参加者同士のネットワーキングを促す 研修内容に関係する 自尊心を維持できるような内容 講師・参加者ともに楽しめる 好奇心をくすぐる要素がある 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2018. 中村 文子 (著), ボブ・パイク (著)
#22. 誰にむけてのレクチャー? 誰がターゲットで 何を教えたいのか不明
#23. 経歴 人数 内容の事前理解度 専門用語の可否 普段困っていること 期待していること アンケートやインタビューでチェック 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2018. 中村 文子 (著), ボブ・パイク (著)
#24. ゴールは?全部言う? 目標設定されずに 全部をダラダラ話されても つらい
効果的な研修内容の構成
#25. その研修のゴールを具体的に設定する そのゴールを達成するための研修にする ブルームの3つの学習領域から 認知的領域(知識:Knowledge) 精神運動的領域(技能:Skill) 情意的領域(態度:Attitude) それぞれの目標を作り 全体目標を達成したい Bloom’s Taxonomy: Understanding the Framework and Its Importance in Education <https://educerecentre.com/what-are-the-three-domains-of-bloomstaxonomy/#what-are-the-three-domains-of-blooms-taxonomy>
#26. 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター, 2018.中村 文子 (著), ボブ・パイク (著) オンライン研修ハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2022.中村 文子 (著), ボブ・パイク (著) 一般的な大人は90分間理解しながら聞くことはできるが 記憶に残しながら聞くことができるのは20分間 Tony Buzan. Use Both Sides of Your Brain, New Mind-Mapping Techniquws, Third Edition (Plume), January 1, 1991 des of Your Brain, New Mind-Mapping Techniquws, Third Edition (Plume)Paperback, January 1, 1991 90分 20分 8分(webだと4分) までを1セッションにする に一度は情報を飲み込む時間(リビジット)を入れる に一度は参加を入れる.飽きる
#27. 目標達成のために重要な内容 30日間以内の実践で必須となる知識・スキル に絞って構成する 優先順位をつけるポイント 本・動画でなく,セッションでしかできない内容か? これを学べば目標を達成できるか? 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2018. 中村 文子 (著), ボブ・パイク (著)
#28. 話せる空気がない 心理的安全性がない 人数が多くて黙ってられる
#29. 1グループあたりに学習者は5~6人(webだと3~4人) それ以上増えると発言のハードルが高くなる 研修デザインハンドブック:日本能率協会マネジメントセンター,2018.中村 文子 (著), ボブ・パイク (著) オンライン研修ハンドブック:日本能率協会マネジメントセンター,2022.中村 文子 (著), ボブ・パイク (著) 心理的安全性を保つ 話しやすさ:何を言っても大丈夫 助け合い :困ったときはお互い様.感謝 挑戦 :とりあえずやってみよう 新奇歓迎 :変わった意見,大歓迎! 実際にありそうな内容 これまでの他の経験を活かせる内容 心理的安全性のつくりかた. 日本能率協会マネジメントセンター.2020年.石井 遼介
#30. 難易度はちょっと背伸びすればできるくらい 発達の最近接領域理論を意識 ヴィゴツキー著『「発達の最近接領域」の理論』土井捷三・神谷栄司訳、三学出版、2003年 内容はブルームの3つの学習領域から 知識 :クイズや課題で過去の知識・経験を活用 技能 :細分化,ハンズオン.徐々に難易度を上げる 態度 :インパクトある方法で感情に訴える Bloom’s Taxonomy: Understanding the Framework and Its Importance in Education <https://educerecentre.com/what-are-the-three-domains-of-bloomstaxonomy/#what-are-the-three-domains-of-blooms-taxonomy>
グループワークの意義と実施方法
#31. ただの答え合わせ? グループワークの 意味なくない?
#32. 経験 実践 講義→グループワーク→共有だと どうしても正解探し,予定調和感が出る Kolbの理論からは グループワーク 経験 振り返り 概念化 共有 振り返り 講義 概念化 の順番がそれぞれの経験を生かした学びにつながり 意見の補足という視点で講義をすると締まる 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2018. 中村 文子 (著), ボブ・パイク (著)
#33. クロージングが死んでる 次のステップにつなげなきゃ
#34. 学んだことをアウトプットして定着し 部屋から出て,実践につなげるために 自分の学んだことを振り返る アクションプランを立てる メッセージ性のある締め言葉や講師の体験談 この時間を取るとよい 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2018. 中村 文子 (著), ボブ・パイク (著)
学習の定着とフォローアップの重要性
#35. 三日坊主になっちゃうよね セッション後フォローがなく, 実践に繋がってない
#36. やりっぱなしではなく 学習者,プログラムの評価をする レベル1 反応 研修満足度 事後アンケート レベル2 習得 項目習得度 テスト ロールプレイ レベル3 行動 現場実践度 直接聞く 上司に聞く レベル4 成果 現場での成果 売上 患者満足度など カークパトリックの4段階評価で レベル3まで行きたい! Kirkpatrick JD, et al. Kirkpatrick’s Four Levels of Training Evaluation. Amer Society for Training;2016.
#37. セッションのみではすぐ内容を忘れる 断続的な暴露で記憶の定着を狙う 1ヶ月間に計6回のフォローアップが長期記憶に 30日後には10%以下しか覚えていなかったが 30日以内に間隔を開けながら繰り返すと30日後には90%以上覚えている Albert Mehrabian. Silent Messages: Implicit Communication of Emotions and Attitudes, July 1,1972. 理解度テスト SNSでの状況やアクションプランの共有 *これまでの経験では,けっこう難しい. 同一施設内にいる場合には声掛けをするというのはできそう 連絡先を伝えてアドバイザーになれると門戸を開いておくのはあり 研修デザインハンドブック: 日本能率協会マネジメントセンター,2018. 中村 文子 (著), ボブ・パイク (著)
#38. 講師が何を教えたか ではなく 学習者が 何を実践できる ようになったか を考えよう