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救急外来で“作戦会議”してますか? ERブリーフィングのすゝめ

投稿者プロフィール
番場祐基
Award 2023 受賞者

新潟大学医歯学総合病院

28

0

投稿した先生からのメッセージ

大したことではありませんが、忙しい外来で円滑かつ効率的にコミュニケーションを行うためには多少の工夫が必要です。一緒に働くすべての関係者にとってストレスが最小になるように取り組むことは、結果として患者さんの利益にもなると考えています。

概要

多忙な新患外来や救急外来では効率的な診療フローが求められます。特に夏季は軽症患者や再診の不確実性が増すため、より重要です。本記事では、ERでのブリーフィングの重要性や、診断のバイアスを減らすためのチームでの情報共有の方法について考察します。重症患者の診療のみならず、軽症患者が多数来院する外来でこそ、適切なトリアージや短い情報共有がスムーズな運営に寄与することを簡単に解説します。

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

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テキスト全文

救急外来の作戦会議の重要性

#1.

「忙しい時ほど、 一度止まって考えてみる」 救急外来で“作戦会議”してますか? ERブリーフィングのすゝめ Antaa 夏の自由研究 2026

#2.

2 ABOUT ME 番場 祐基 新潟大学医歯学総合病院 高次救命災害治療センター同 呼吸器・感染症内科 内科医 専門は呼吸器領域と感染症ですが、とりあえずなんでも診る 島🏝️暮らしをきっかけにブログ活動をスタート ブログ「内科医のジレンマ」同Facebookページ X:@LostphysicianYB note: @md_dilemma ICU/救命センター・感染症(抗酸菌・真菌・HIV)、呼吸器内科集中治療領域で内科医だからこそできること!を模索中(相談、質問、依頼などはDMでお願いします)

#3.

夏休みのERで変わるもの:人・疾患・流れ 人が動く 疾患が 変わる 出口が 揺れる 夏休みERでは、walk-inや非重症者が多い一方で、 再診動線の不安定化といった問題もある 旅行や帰省 地域外からの患者 渡航者 熱中症 食中毒 事故(水難事故を含む) かかりつけ医が休診 帰省中で再診先が不明 Acute Med Surg. 2015;3(2):74-80.

夏のERにおける診断エラーのリスク

#4.

多忙なERでは(診断、処方)エラーが起こりやすい 非重症患者で溢れる、再診タイミングが遅れがちな夏のERではより注意が必要 中断 PHS・家族・救急隊からの入電 マルチタスク 診察・処方・検査・説明 疲労 多人数診療・夜間・連休で人員が不足 認知バイアス(早期閉鎖、アンカリング) 最初の診断に固執してしまう 再診が遅くなり、修正がききにくい 個人の集中力だけに頼らず、 チームで一度立ち止まる仕組みを作る。 BMJ Qual Saf. 2018;27(8):655-663. BMC Emerg Med. 2022;22(1):148.. Agency for Healthcare Research and Quality (US); 2022 Dec. Report No.: 22(23)-EHC043.

#5.

例) 熱中症Mimics 夏+高体温+意識障害 髄膜炎・脳炎 発熱+意識障害 レジオネラ肺炎 低Na・肝障害・CK 中毒 抗コリン・交感神経刺激薬 薬剤/内分泌 悪性症候群・セロトニン・甲状腺 Active Coolingを躊躇してはいけないが、 本当に熱中症?という視点を忘れない (でも、ひとりでは難しい) Clin Case Rep. 2016;4(4):323-6. 熱中症診療ガイドライン2024 「熱中症」の触れ込みに騙されない

#6.

重症患者の蘇生におけるブリーフィング/ デブリーフィング Crit Care Med. 2008;36(10):2817-22. J Trauma Acute Care Surg. 2016;81(1):184-9. 重症患者診療のチームビルディングにおいて、ブリーフィングは必要不可欠 【ブリーフィング】情報共有や意思疎通を図るために行われる短時間の会議

重症患者の蘇生におけるブリーフィングの役割

#7.

重症患者の蘇生におけるブリーフィング/ デブリーフィング Crit Care Med. 2008;36(10):2817-22. J Trauma Acute Care Surg. 2016;81(1):184-9. 重症蘇生では、ブリーフィングとデブリーフィングがチーム認識、診療プロセス、CPRや外傷初療の質を改善する可能性がある。 (ただし、患者転帰に関するエビデンスの確実性は低い) 患者一人ひとりは軽症でも、複数患者を少人数で同時に診療する場面では? 重症患者診療のチームビルディングにおいて、ブリーフィングは必要不可欠 【ブリーフィング】情報共有や意思疎通を図るために行われる短時間の会議 ・人(他の診療科医師、臨床工学技士や放射線技師は必要?)・資材(輸液、輸血、薬剤、器材など)・役割(コマンダー、気道管理、ルート確保、記録など)を準備・分担し、ホワイトボードなどに病院前の情報を共有し、まとめる。 また業務開始時にブリーフィング、コミュニケーションを行うことは、円滑なチーム形成に役立つ。

#8.

非重症セッティング、人が少ない場面こそ、コミュニケーションが大事 たとえば、医師、看護師1人ずつで運営するような救急当直、新患外来でも適宜ブリーフィングを行う 1 トリアージ 重症度だけでなく、

検査の必要性・待ち時間を含めて「見る順番」を調整する。 2 タスクの先行 採血・画像・点滴・必要物品を

先に動かし、待ち時間を診療に使う。 3 短い情報共有 誰を先に見るか、次に何をするか、どうなったら帰せるかを声に出して共有する。 軽症多数・少人数ERに特化した検証は乏しい。それでも、トリアージ、タスクの先行、短い情報共有(Huddles)は、外来全体の複雑さを管理する合理的な手段である。 重症患者に対するブリーフィングとは異なるコミュニケーションが必要(適宜、短め)。 Scand J Trauma Resusc Emerg Med. 2011:19:43. J Gen Intern Med. 2021;36(9):2772-2783. Huddles!

軽症患者の効率的な診療フローの構築

#9.

声に出す 頭の中の予定は、まだ共有情報ではない 暫定診断・次のアクション・目標を、短く声に出す 情報共有でもあり、自分の臨床推論フレームワークの確認でもある 暫定診断 何を疑っている(いない)のか 見落としをチェック 次のアクション 先行して検査を行う 点滴終わったら再評価する 目標 検査が出たら帰宅 帰宅後にどうなったら再受診を促すか

#10.

まとめ:軽症患者が続くERをどう回す? 患者は軽症でも、外来全体は複雑になる 外来全体を、誰か一人の頭の中だけに置かない 資源・時間を率的に運用できるように配慮する 1 バイアスリスクを認識する 「熱中症っぽい」でも一度だけそれ以外の原因を確認 2 順番を組み直す 重症度+検査の必要性+

結果までの時間 3 先に動かす 採血・画像・点滴・物品を

待ち時間の前に動かす 4 声に出す 暫定診断・次のアクション・

目標をチームで共有 忙しい時ほど、一度止まって「診断・流れ・役割・出口」をそろえる

まとめと今後の展望

#11.

暑中お見舞い  申し上げます。 令和八年 盛夏

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