#4.
喘息治療ステップ 長 期 管 理 薬 基本 治療 ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ICS(低用量) ICS(低〜中用量) ICS(中〜高用量) ICS(高用量) 上記が使用できない場合 以下のいずれかを用いる 上記で不十分な場合に、以下の いずれか1剤を併用 上記に下記のいずれかを 1剤、あるいは複数を併用 LTRA テオフィリン徐放製剤 (症状が稀なら必要なし) LABA(配合剤使用可) LAMA LTRA テオフィリン徐放製剤 LABA(配合剤使用可) LAMA LTRA テオフィリン徐放製剤 抗IL-4Rα抗体 追加 治療 発作治療 上記に下記の複数を併用 LABA(配合剤使用可) LAMA LTRA テオフィリン徐放製剤 抗IgE抗体 抗IL-5抗体 抗IL-5Rα抗体 抗IL-4Rα抗体 経口ステロイド薬 気管支熱形成術 アレルゲン免疫療法(LTRA以外の抗アレルギー薬) SABA SABA SABA ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA;長時間作用性抗コリン薬 LTRA:ロイコトエリン受容体拮抗薬、SABA:短時間作用性β2刺激薬 SABA 喘息予防・管理ガイドライン2021
#5.
ACT(Athma Control Test) 5つの質問で喘息コントロール状態を点数により客観的に評価 この4週間に、喘息のせいで職場や家庭で思うように仕事がはかどらなかったことは時間的にどの 程度ありましたか︖ いつも 1 かなり 2 いくぶん 3 少し 4 全くない 5 この4週間に、どのくらい息切れがしましたか︖ 1日に2回以上 1 1日に1回 2 1週間に3〜6回 3 1週間に1、2回 4 全くない 満点以外は、喘息コントロール状 態不十分と判断される 5 この4週間に、喘息の症状(ゼイゼイする、せき、息切れ、胸が苦しい・痛い)のせいで夜中に⽬ ACT コントロール状態 25点 良好 20〜24点 不十分 20点未満 不良 が覚めたり、いつもより朝早く⽬が覚めてしまうことがどのくらいありましたか︖ 1週間に4回以上 1 1週間に2, 3回 2 1週間に1回 3 1, 2回 4 全くない 5 この4週間に、発作⽌めの吸⼊薬(サルブタモールなど)をどのくらい使いましたか︖ 1日に3回以上 1 1日に1, 2回 2 1週間に数回 3 1週間に1回以下 4 全くない 5 この4週間に、⾃分⾃⾝の喘息をどの程度コントロールできたと思いますか︖ 全くできなかった 1 あまりできなかった 2 まぁまぁできた 3 十分できた 4 完全にできた 5
#6.
喘息治療のフローチャート(成人) 喘息と診断 ICS/LABA 中用量 コントロール不十分 or 不良 ◻咳、痰 ◻喫煙歴 ◻呼吸困難 ◻増悪 ◻鼻汁・鼻閉 LAMA追加 LTRA追加 コントロール不十分 or 不良 ICS増量 喘息治療の効果判定は、喘息コントロール 指標であるACT(Asthma Control Test) で行う。 ACT3点以上の増加=臨床的に有効 効果が不十分(ACT=20〜24点)もしく は不良(ACT<20点)な場合は、随伴症 状を確認した上で、LAMAもしくはロイコ トリエン受容体拮抗薬(LTRA)を追加し 、それでもコントロールできない場合に専 門医への紹介を考慮する コントロール不十分 or 不良 専門医へ紹介 喘息診療実践ガイドライン2021
#7.
喘息治療のフローチャート(小児) LTRA or ICS コントロール不十分 or 不良 コントロール不十分 ACT=20〜24点 コントロール不良 ACT<20点 ICS/LABA 5歳以上 LTRA or ICS or LTRA and ICS/LABA コントロール不十分 or 不良 専門医へ紹介(生物学的製剤を考慮) 喘息診療実践ガイドライン2021
#8.
短時間作用性β2刺激薬(SABA) 作用機 序 Β2刺激作用により、すばやく気管支を広げ、喘息発作を和らげる。 β2受容体の選択制が高く、心刺激作用は少ない。 使用法 喘息発作やCOPD増悪に対して頓用で用いる。 SABAの使用回数を喘息コントロールの指標として問診し、毎週1回以上吸 入している場合には長期管理薬をステップアップする。 専門医 コメン ト 短時間作用型β2刺激薬(SABA)は気管支喘息の急性増悪(発作)や慢性閉 塞性肺疾患の急性増悪時の治療薬として使用する。効果発現まで数分~10数 分と即効性があるためレスキューとして使用されるが、効果は持続しない。 気管支喘息で症状をSABAだけでコントロールすることは予後を悪くしたり 、喘息死を増やしたりという報告もあるので、喘息のコントロールには必ず 吸入ステロイドを基本の治療とする。SABAも頻用していると頻脈や振戦な どのβ刺激薬としての副作用が出ることがあるので注意が必要。(呼吸器内科 キュート先生)
#9.
短時間作用性β2刺激薬(SABA):サルタノール・ベロテック
#10.
短時間作用性β2刺激薬(SABA):メプチン・ベネトリン
#11.
長時間作用性β2刺激薬(LABA):セレベント 作用 機序 作用が12時間以上持続し、喘息やCOPDの長期管理に用 いられる。 特徴 LABAは抗炎症作用を有しないので、必ずICSを併用す る。ICSを併用していれば、LABAの長期使用に伴う増 悪リスクは増加しない。 専門医 コメン ト 長時間作用型β2刺激薬(LABA)は気管支喘息や慢性閉 塞性肺疾患(COPD)の安定期・慢性期の吸入剤の治療 薬として使用する。ホルモテロールのように1日2回吸 入するタイプと、インダカテロールのように1日1回吸 入するタイプがある。特にインダカテロールは長時間効 果が持続するため「ultra LABA」と呼ばれている。喘息 のコントロールをβ刺激薬だけで行うと予後を悪くした り喘息死を増やしたりという報告もあるので、喘息のコ ントロールには必ず吸入ステロイドを基本の治療とする 。(呼吸器内科 キュート先生)
#12.
吸入ステロイド(ICS) 作用機序 副作用 特徴 専門医コ メント 気道炎症に対する抗炎症作用を有し、気管支喘息の中心的治療薬である。 経口ステロイドに比べ、全身性の副作用ははるかに少ない。 副作用として、口腔・咽頭カンジダ症、嗄声、咽頭刺激による咳嗽などの局所的副作 用があり、うがいが予防に有効である。 吸入器はスプレータイプのpMDIとドライパウダーのDPIに大別される。高齢者や女 性などで、吸入流速が低下している場合は、pMDIの使用を考慮する。 吸入ステロイド(ICS)は気管支喘息や重症・増悪を繰り返す慢性閉塞性肺疾患( COPD)に対して使用する。気管支喘息の治療においては、ステップ1-4まで全ての 重症度で基本の治療となる。製剤によって1日1回のものと2回のものがあるので注意 が必要。デバイスの違いによって粉を吸入するデバイスは「DPI」、ミストを噴霧す るようなデバイスは「pMDI」と呼ばれており、患者ごとに使用が容易な製剤を選ぶ 必要がある。ICSも高用量を長期に吸入すると、肺炎や骨粗鬆症のリスクが上がると も言われているので適応は処方した後もよく検討する必要がある。 (呼吸器内科 キュート先生)
#13.
吸入ステロイド(ICS):キュバール・フルタイド
#14.
吸入ステロイド(ICS):パルミコート・オルベスコ
#15.
吸入ステロイド(ICS):アズマネックス・アニュイティ
#16.
抗コリン薬(SAMA):アトロベント 作用 機序 アセチルコリンのM3受容体活性化を阻害し、気管支拡張 作用を示す。 特徴 短時間型で、早期の軽い息切れ症状に頓用したり、β2刺 激薬で効果不十分な呼吸困難時に追加・併用で使用され る。 副作用 専門医 コメン ト 副作用として口渇・尿閉・閉塞隅角緑内障に注意する。 イプラトロピウムとオキシトロピウムが短時間作用型抗 コリン薬(SAMA)として位置づけられている。慢性閉 塞性肺疾患(COPD)治療薬として使用することができ るが、臨床の現場では使う機会はほとんどない。いずれ の製剤もミストを噴霧するような「pMDI」製剤であり、 効果は短時間で限定的。抗コリン薬なので口渇・尿閉・ 閉塞隅角緑内障には注意する。(呼吸器内科 キュート先 生)
#17.
長時間作用性抗コリン薬(LAMA) 作用 機序 特徴 副作用 専門医 コメント アセチルコリンのM3受容体活性化を長時間阻害し、気管支拡張作用を示す。 COPDの長期管理において、LABAはLAMAに匹敵する気管支拡張効果を示すが、増 悪抑制効果はLAMAが優れているため、第一選択薬はLAMAと考えられている。 気管支喘息に対してはスピリーバの有効性が示されており、ステップ2以上の喘息 長期管理薬として使用できる。ICS/LABAでコントロール不十分な場合やLABAが副 作用で使用できない場合にICSと併用して用いる。 副作用として口渇・尿閉・閉塞隅角緑内障に注意する。 チオトロピウムとグリコピロニウムが長時間作用型抗コリン薬(LAMA)として位置づ けられています。特に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の安定期の治療の第1選択薬として 使用します。気管支喘息に対しても吸入ステロイドに上乗せする気管支拡張薬としてエ ビデンスがある。抗コリン薬なので口渇・尿閉・閉塞隅角緑内障には注意する。(呼吸器 内科 キュート先生)
#18.
長時間作用性抗コリン薬(LAMA):スピリーバ
#19.
長時間作用性抗コリン薬(LAMA):シーブリ・エクリラ
#20.
長時間作用性抗コリン薬(LAMA):エンクラッセ
#21.
ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA) 作用機序 特徴 専門医 コメント 鼻粘膜の容積血管拡張や血管透過性を抑制し、鼻閉を改善する。鼻閉 に対する効果は、第二世代抗ヒスタミン薬よりも優れる アレルギー性鼻炎を合併した喘息に効果が高い。 効果発現は内服開始後1週で認められ、連用で改善率が上昇する。 抗ロイコトリエン拮抗薬(LTRA)はシステイニルロイコトリエン1受 容体を阻害し、気道粘膜の炎症を軽減する効果が期待できる。鼻炎症 状に対しては鼻汁よりも鼻閉に対して効果が高い。気管支喘息に対し ては、吸入ステロイドに対する上乗せとして使用することが一般的で あり、単独で使用することはしない。 (呼吸器内科 キュート先生)
#22.
ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA):オノン・キプレス
#23.
テオフィリン製剤 作用機序 気管支拡張作用と抗炎症作用を併せ持つ。喘息、COPDに対する抗炎症効果は5〜10μg/mLで 発現する。 副作用 テオフィリンを主成分とする製剤であり、治療の有効域が狭いため、適切なTDM管理を行い 、20μg/mLを超えないようにする。内服では悪心・嘔吐などの消化器症状が主な副作用であ る。 テオフィリン徐放性剤は生後6ヶ月未満の乳児には使用しない。 専門医 コメント テオフィリン製剤は気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対して、吸入剤の気管支拡 張薬に追加して補助的に使用することがあります。ホスホジエステラーゼを阻害し、細胞内 のcAMPを増加させて、アデノシン受容体を拮抗させたり細胞内カルシウムを調節すること により気管支拡張作用を示すと言われています。また、低用量のテオフィリンがHDAC(ヒ ストン脱アセチル化酵素)に作用し、抗炎症的に働くことでCOPDでの気道炎症や酸化スト レスを軽減させる作用が言われています。気管支拡張作用を示すのに必要なテオフィリン濃 度が5-15µg/mLであり、それを超えると嘔気や不整脈の中毒症状が出ることがあるので、テ オフィリンを処方している患者では半年ごとを目安に採血で血中濃度を測定することが一般 的である。(呼吸器内科 キュート先生)
#24.
テオフィリン製剤:テオドール・ユニフィルLA
#25.
テオフィリン製剤:ネオフィリン
#26.
吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤(ICS・LABA) 作用機序 抗炎症作用と気管支拡張作用を有する。 特徴 シムビコートは定期吸入に追加して発作時にも使用可能(SMART療法)。定 期使用量が1日4吸入以下の場合は、症状悪化時に1日合計8吸入まで追加吸入可 能である。 ICS/LABAはLAMA/LABAより増悪抑制効果が弱いとする報告が多い。喘息・ COPDオーバーラップの場合以外は、LAMAやLABA、あるいはLAMA/LABAを 優先し、増悪が認められる場合にICSの併用を考慮する。 専門医 コメント 抗炎症作用のある吸入ステロイドと気管支拡張作用のある長時間作用型β2刺激 薬の合剤。肺機能の改善や増悪抑制効果のみならず、1度に2種類吸入できるの でアドヒアランスを保つ意味合いもある。ICS・LABAをそれぞれ単独で吸入す るよりも効果が高い。「シムビコート」は吸入回数でICSの用量を調整するが 、吸入回数が増えるとβ刺激薬も増えてしまうので動悸や振戦に注意が必要。 「レルベア」や「アテキュラ」はICSの用量ごとに製剤が異なるのでβ刺激薬が 増える心配がない。(呼吸器内科 キュート先生)
#27.
吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤(ICS・LABA):アドエア・シムビコート
#28.
フルティフォーム・レルベア
#29.
アテキュラ
#30.
抗コリン薬・β2刺激薬配合剤(LAMA・LABA):ウルティブロ 特徴 2種類の気管支拡張薬を含有し、COPDに適応が ある。 単剤で効果不十分な際に用いる。スピオルト、 アノーロ、ウルティブロ、ビベスピの4種がある 。 専門 医 コメ ント 気管支拡張作用のある長時間作用型β2刺激薬と 長時間作用型抗コリン薬の合剤で慢性閉塞性肺 疾患(COPD)で呼吸困難の症状が強い、1秒 量が低いような症例に使用する。それぞれを単 独で吸入するよりもアドヒアランスが保たれる ことから効果が高い。実臨床では製剤ごとの成 分の違いよりも吸入器デバイスがちゃんと患者 にあったものを選択する。 (呼吸器内科 キュート先生)
#31.
LAMA・LABA:アノーロ・スピオルト
#32.
LAMA・LABA:ビベスピ
#33.
吸入ステロイド・抗コリン薬・β2刺激薬配合剤(ICS・LAMA・LABA):テリルジー 特徴 3剤配合剤で、喘息とCOPDに適応がある。 ICS/LABAやLAMA/LABAより、COPDの増悪抑 制効果が高いことが報告されている。 末梢血好酸球数が多いと効果が高いとされ、目 安は300/μL以上が示唆されている。 専門 医 コメ ント 吸入ステロイドと2種類の気管支拡張薬が合わ さった合剤で慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘 息に使う。「ビレーズトリ」はCOPDのみに「 テリルジー」と「エナジア」は喘息のみに適 応がある。COPDに使用する際には気管支喘息 の要素のある「喘息とCOPDのオーバーラップ (ACO)」と呼ばれる病態か、増悪を繰り返 すCOPDに主に使用される。実臨床ではトリプ ル製剤とか、3成分配合剤とか呼ばれる。(呼吸 器内科 キュート先生)
#34.
ICS・LAMA・LABA:ビレーズトリ・エナジア
#35.
分子標的治療薬:ゾレア 作用機序 IgE, IL-5, IL-4/IL-13の作用を阻害する抗体薬で ある。 特徴 ヌーカラやファセンラは、末梢血好酸球数が多 いほど、喘息増悪抑制効果が高い。 デュピクセントは、呼気NO濃度、好酸球数、 血清IgEが高いほど喘息増悪抑制効果が高い。 用量 注射間隔:デュピクセント2週(指導後に自己 注射可能)、ゾレア2〜4週、ヌーカラ毎月、 ファセンラ隔月。 専門医 コメント 鼻茸を伴う副鼻腔炎にも適応あり。IgEや好酸 球上昇の症例にも有効性はあり。 (膠原病内科 MajorTY)
#36.
分子標的治療薬:ヌーカラ・ファセンラ
#37.
分子標的治療薬:デュピクセント