#4.
背景 生活歴
喫煙:10本/日 現在も喫煙している。
飲酒:日本酒1合+ビール350ml
職業:タクシー運転手
生活背景:独居
常用薬
タナトリル、アムロジピン、アトルバスタチン 吸入薬はなし
#5.
喫煙歴があり胸部CT上気腫性変化と気管支炎の所見があり、COPD急性増悪と診断して、抗菌薬・全身ステロイド・SABAを処方して経過をみた。(いわゆるABC療法)
⇒症状軽快して安定したところで呼吸機能検査施行。
⇒呼吸機能検査
VC:3.68L %VC:101.6%
FEV1:1.25 FEV1%:34.3 %FEV1:43.2
⇒閉塞性換気障害あり、普段はmMRC:2
#6.
修正MRC分類
#7.
症例のまとめ 高血圧、脂質異常症、小児喘息既往がある68歳男性。
喫煙者。
COPD増悪で入院したが、軽快して今は安定している。
(退院後は禁煙継続している。)
呼吸機能検査では閉塞性換気障害、1秒量:1.25L、%1秒量:43.2%
普段のmMRC:2(息切れがあるので、同世代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い)
#8.
COPD以外の診断のために最も不要な検査は? 末梢血検査
FeNO
喀痰好酸球検査
気道可逆性試験
#9.
COPD以外の診断のために最も不要な検査は? 末梢血検査
FeNO
喀痰好酸球検査
気道可逆性試験
#10.
吸入薬処方の5ステップ (私見) 診断
適応と重症度の確認
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#11.
吸入薬処方の5ステップ 診断
適応と重症度の確認
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#12.
症例のまとめ 高血圧、脂質異常症、小児喘息既往がある68歳男性。
喫煙者。
CODP増悪で入院したが、軽快して今は安定している。
(退院後は禁煙継続している。)
呼吸機能検査では閉塞性換気障害、1秒量:1.36L、%1秒量:50.18%
普段のmMRC:2(息切れがあるので、同世代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い)
喘息の合併?
#13.
ACO
Athma
COPD
Overlap
#14.
#15.
追加検査 白血球:6800、好酸球:6.8% (安定時)、IgE:68IU/ml
FeNO:56ppb
気道可逆性あり(1秒量:1.25L ⇒ 1.58L)
#16.
喀痰好酸球検査は含まれていない。
#17.
吸入薬処方の5ステップ 診断 COPD+喘息 → ACO(Athma COPD overlap)
適応と重症度の確認
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#18.
吸入薬処方の5ステップ 診断
適応と重症度の確認 ← ガイドラインを参照する
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#19.
この症例で最も適当な吸入処方は? LAMA
LABA
LABA/LAMA
ICS/LABA
#20.
この症例で最も適当な吸入処方は? LAMA
LABA
LABA/LAMA
ICS/LABA
#21.
主なCOPDのガイドライン
#22.
COPD診断と治療のためのガイドライン ・2018年改訂されたガイドライン。
・安定期COPDの治療の第一選択を
LAMA(長時間作用型抗コリン薬)に
している。
・息切れの増悪があれば、LABA+LAMA
へのステップアップを推奨している。
#23.
2013年と2018年の比較 必要に応じて短時間作用性気管支拡張薬 LAMA または LABA LAMA+LABA
(テオフィリンの追加) 吸入ステロイド
or 喀痰調整薬 2013年 2018年 LAMAへの推奨
に変更
#24.
ICS(吸入ステロイド)への推奨 2013年時点では、喘息合併もしくは増悪を繰り返す症例とされていた。
2018年では喘息合併の場合はICSを併用としている。
COPD患者の15~20%程度に喘息合併が見込まれる。
#25.
#26.
GOLDガイドライン(2020年版) 呼吸機能検査での診断 気流制限の評価 %1秒量(% FEV1)=FEV1実測値÷FEV1予測値×100 症状/増悪リスクの評価 A B C D mMRC:0-1
CAT10未満 mMRC:≧2
CAT≧10 入院を要する増悪
1回以上 or
軽症増悪2回以上 なし or
入院不要な増悪が
1回
#27.
初期治療(ABCD assessment) groupA groupB groupC groupD mMRC:0-1
CAT10未満 mMRC:≧2
CAT≧10 入院を要する増悪
1回以上 or
軽症増悪2回以上 なし or
入院不要な増悪が
1回 気管支拡張薬 LAMA or LABA LAMA LAMA or
LAMA+LABA or
ICS+LABA
#28.
COPDでICS開始を考慮する状況 強く支持する 使用を考慮 使用に反対する ・COPD増悪で入院歴あり
・1年間で中等症のCOPD
増悪を2回以上。
(適切な気管支拡張薬使用して)
・末梢血好酸球300/ul以上
・喘息の既往あり
・1年間で中等症のCOPD
増悪を1回以上。
(適切な気管支拡張薬使用して)
・末梢血好酸球:
100~300/ul ・繰り返す肺炎の病歴
・末梢血好酸球:100/ul
未満
・抗酸菌感染の病歴
#29.
症例のまとめ 高血圧、脂質異常症、小児喘息既往がある68歳男性。
喫煙者。
CODP増悪で入院したが、軽快して今は安定している。
(退院後は禁煙継続している。)
呼吸機能検査では閉塞性換気障害、1秒量:1.25L、%1秒量:43.2%
普段のmMRC:2(息切れがあるので、同世代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い)
#30.
GOLDガイドライン(2020年版) 呼吸機能検査での診断 気流制限の評価 %1秒量(% FEV1)=FEV1実測値÷FEV1予測値×100 症状/増悪リスクの評価 A B C D mMRC:0-1
CAT10未満 mMRC:≧2
CAT≧10 入院を要する増悪
1回以上 or
軽症増悪2回以上 なし or
入院不要な増悪が
1回
#31.
初期治療(ABCD assessment) groupA groupB groupC groupD mMRC:0-1
CAT10未満 mMRC:≧2
CAT≧10 入院を要する増悪
1回以上 or
軽症増悪2回以上 なし or
入院不要な増悪が
1回 気管支拡張薬 LAMA or LABA LAMA LAMA or
LAMA+LABA or
ICS+LABA
#32.
吸入薬処方の5ステップ 診断 COPD+喘息 → ACO
適応と重症度の確認 → GOLD:D COPD + 喘息
製剤の決定 → ICS/LABA
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#33.
吸入薬処方の5ステップ 診断
適応と重症度の確認
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#34.
ICS/LABAの比較
#35.
こっそり教える外れない吸入薬処方
#36.
吸入薬処方の5ステップ 診断
適応と重症度の確認
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#37.
吸入薬を処方、、、で終わりではありません。
#38.
吸入薬処方中に考慮すること。 診断は正しかったか?
吸入は処方通り出来ているか?
吸入デバイスの使用は適正か?
(吸入力が無くて吸えない、残数確認が出来ないなど)
ちゃんとうがいしてる? 副作用は出ていないか?
本人の吸入に対する理解はどうか?
家族や介護者(ヘルパー/訪問看護なども)のサポートはどうか?
コンプライアンスが保てそうか確認する。
必要があれば、薬剤師からの再指導も考慮する!
#39.
初期診断喘息で後に診断が変わる例 心不全
COPD
再発性多発軟骨炎
気管/気管支軟化症
気道異物
声帯機能不全
肺癌、気管内腫瘍
薬剤性(ACE-I)
気管支結核
など
#40.
症例40歳台 女性。初期診断喘息。ICS効果不十分。
#41.
気管粘膜不正あり ガフキー9号
気管支結核の診断となる。
#42.
喘息の診断は難しい、、、
#43.
問題
#44.
吸入ステロイドが第一選択なのは? 高血圧、心筋梗塞既往がある80歳代男性。数日前から感冒症状があった。労作時呼吸困難の症状が増悪してきた。身体診察でwheezeあり。起坐呼吸あり。
20歳代女性。2週間前に感冒症状があった。症状は軽快したが咳だけが残っている。
60歳代男性。約2か月以上続く咳で外来受診した。労作時呼吸困難あり。40本/dayで喫煙歴あり。
60歳代男性。約2か月以上続く咳で外来受診した。詳細に問診すると、食後臥位で咳嗽が増悪することがわかった。
#45.
吸入ステロイドが第一選択なのは? 高血圧、心筋梗塞既往がある80歳代男性。数日前から感冒症状があった。労作時呼吸困難の症状が増悪してきた。身体診察でwheezeあり。起坐呼吸あり。
20歳代女性。2週間前に感冒症状があった。症状は軽快したが咳だけが残っている。
60歳代男性。約2か月以上続く咳で外来受診した。労作時呼吸困難あり。40本/dayで喫煙歴あり。
60歳代男性。約2か月以上続く咳で外来受診した。詳細に問診すると、食後臥位で咳嗽が増悪することがわかった。
#46.
高血圧、心筋梗塞既往がある80歳代男性。数日前から感冒症状があった。労作時呼吸困難の症状が増悪してきた。身体診察でwheezeあり。起坐呼吸あり。
20歳代女性。2週間前に感冒症状があった。症状は軽快したが咳だけが残っている。
60歳代男性。約2か月以上続く咳で外来受診した。労作時呼吸困難あり。40本/dayで喫煙歴あり。
60歳代男性。約2か月以上続く咳で外来受診した。詳細に問診すると、食後臥位で咳嗽が増悪することがわかった。 心不全 感冒後咳嗽 COPD GERD
#47.
まずは典型的な喘息症例から学ぶ
#48.
主訴 喘鳴
現病歴
小学校から喘息を指摘されていた。近医で治療を受けていたが、中学校になり発作が生じなくなり自己判断で治療を中断していた。30歳台後半から時折、喘鳴を自覚する様になった。季節の変わり目や冷気で発作が起こることがあった。
以前処方されていたメプチンを使用すると症状改善するが、週1~2回使用する。週1~2回入眠が障害されることがあった。
妻(看護師)の話では就寝時にほぼ毎日喘鳴を聴取する様になったため来院した。
既往歴 小児喘息、副鼻腔炎 症例 41歳男性
#49.
常用薬 アレグラ屯用、メプチン屯用
アレルギー そば、花粉症
喫煙 20本×25年 current smoker
職業 環境整備の監督
粉塵暴露あり マスク使用なし
ペット飼育なし
家庭環境 妻と二人暮らし(妻は看護師)
家族歴 母親が喘息
背景
#50.
喘息診断の目安 発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳(夜間、早朝に出現しやすい)の反復
可逆性の気道制限。
気道過敏性の亢進。
アトピー素因の存在。
気道炎症の存在。
他疾患の除外 ●上記の1,2,3,6 が重要である。
●4,5 の存在は症状とともに喘息の診断を支持する。
●5は通常好酸球性である。
#51.
主訴 喘鳴
現病歴
小学校から喘息を指摘されていた。近医で治療を受けていたが、中学校になり発作が生じなくなり自己判断で治療を中断していた。30歳台後半から時折、喘鳴を自覚する様になった。季節の変わり目や冷気で発作が起こることがあった。
以前処方されていたメプチンを使用すると症状改善するが、週1~2回使用する。週1~2回入眠が障害されることがあった。
妻(看護師)の話では就寝時にほぼ毎日喘鳴を聴取する様になったため来院。
既往歴 小児喘息、副鼻腔炎 症例 41歳男性 可逆性の気道
制限 夜間生じる反復する喘鳴
#52.
常用薬 アレグラ屯用、メプチン屯用
アレルギー そば、花粉症
喫煙 20本×25年 current smoker
職業 環境整備の監督
粉塵暴露あり マスク使用なし
ペット飼育なし
家庭環境 妻と二人暮らし(妻は看護師)
家族歴 母親が喘息
背景 アレルギー
素因あり。
#53.
喘息診断に行うべきこと 詳細な問診
呼吸機能検査
気道可逆性試験
気道過敏性試験
FeNO
モストグラフ(気道抵抗)
血液検査
etc,,,
#54.
詳細な問診 ⇒ 気温の差での咳嗽誘発あり。
⇒ 気道過敏性の亢進を示唆する。
呼吸機能検査 ⇒ 閉塞性換気障害あり。
FeNO ⇒ 56ppb(一般的に35ppb以上好酸球性炎症を示唆)
血液検査 ⇒ 末梢血好酸球:356/μL(分画5%以上 or 300/μl以上)
IgE:379IU/ml (170IU/ml以上)
気管支喘息と診断
#55.
吸入薬を処方する上で重要なこと 診断が喘息で正しいのか。
喘息の重症度判定と適切な薬剤の選択。
吸入薬のコンプライアンス維持を目指す。
#56.
今回の症例に関して、あなたならどんな吸入薬を処方しますか?
#57.
吸入薬処方の5ステップ 診断 ⇒ 気管支喘息
適応と重症度の確認
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#58.
喘息治療ステップ 喘息予防管理ガイドライン
#59.
治療ステップ
#60.
吸入薬処方の5ステップ 診断 ⇒ 気管支喘息
適応と重症度の確認 ⇒ 中等症持続・治療ステップ3
製剤の決定
デバイスを決める
症例へのフィードバッグ
#61.
未治療の喘息で症状がほぼ毎日あることや睡眠のが妨げられていることを考慮して中等症持続型と考えた。
⇒ICS/LABA(ICSは中~高用量)の適応
⇒ICS/LABAの選択肢として、アドエアディスカス、アドエアエアゾール、シムビコート、レルベア、フルティフォーム
⇒若年で現役で仕事をしているので、操作性、使用法に関する問題は少なく、コンプライアンスの維持を優先させた。
⇒ICS/LABAで1日1回製剤であるレルベア200を選択した。
⇒看護師である妻にも吸入継続を依頼するとともに患者本人にも吸入継続が喘息治療に必要なことを指導した。
本症例の顛末
#62.
吸入薬も大事ですが。 それと平行してやるべき事があります!
#63.
常用薬 アレグラ屯用、メプチン屯用
アレルギー そば、花粉症
喫煙 20本×25年 current smoker
職業 環境整備の監督
粉塵暴露あり マスク使用なし
ペット飼育なし
家庭環境 妻と二人暮らし(妻は看護師)
家族歴 母親が喘息
背景 除去可能な喘息悪化要因を減らす事も大事!
↓
禁煙指導、粉塵回避の指導
#64.
他にもこの様な事もあります。
#65.
症例:76歳女性 40歳台から喘息の指摘あり。
元々ICS/LABAで加療されていたが、発作を生じたり、症状の悪化があり、LAMAも追加された。
それでも発作が頻回にあり、紹介された。
来院時吸気・呼気で明らかにwheezeあり。
諸検査で喘息の診断に問題は無く、他疾患は否定的。
⇒ 喘息悪化の要因は何でしょう?
#66.
吸入薬処方中に考慮すること。 診断は正しかったか?
吸入は処方通り出来ているか?
吸入デバイスの使用は適正か?
(吸入力が無くて吸えない、残数確認が出来ないなど)
ちゃんとうがいしてる? 副作用は出ていないか?
本人の吸入に対する理解はどうか?
家族や介護者(ヘルパー/訪問看護なども)のサポートはどうか?
コンプライアンスが保てそうか確認する。
#67.
実は、、、 認知機能を評価するとMMSE:19点。
⇒ 脳神経内科に対診してアルツハイマー型認知症の診断。 ⇒コントロール不良の原因は認知症に伴うコンプライアンス不良と発覚した。
#68.
家に余らせていた吸入薬達
#69.
本症例の顛末 同居している夫に吸入薬の使い方を指導し、吸入させてもらった。
処方した吸入薬は残数0になった物も含めて外来に持ってきてもらい、処方日数との整合性を確認した。
⇒ 喘息コントロ-ルは以前に比べて良好となった。
#70.
まとめ 吸入薬処方は5ステップで行う。
吸入薬は処方すれば終わりでは無い。
喘息の診断は難しい。本当に診断が合っているかは経過を含めて確認していく。
吸入薬を継続出来ているかも確認が必要。