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顔面神経麻痺を診察するために覚えておくためのスライド~顔面神経麻痺の初期診療をマスターしよう!~

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2022/8/23

内容

末梢性顔面神経麻痺を初期診療する可能性のある総合診療医、内科、救急科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科の先生および研修医を対象に、末梢性顔面神経麻痺の鑑別方法と、適切な治療法についてまとめました。重症度の評価や予後推定の方法、早期に耳鼻咽喉科へ紹介する重要性に加え、一般的な治療法から手術加療や後遺症の治療まで包括的な顔面神経麻痺の治療法について習得することを目標としたスライドです。

◎目次

・自己紹介

・スライドの対象者と習得できる内容

・初期診療から治療までのフローチャート

・まずは末梢性と中枢性を確実に鑑別しよう

・ベル麻痺とハント症候群以外の末梢性顔面神経麻痺

・末梢性では予後の悪いハント症候群をしっかり鑑別しよう

・表情筋だけではない、意外に多い顔面神経の支配領域

・重症度を評価する柳原法は、予後推測にも有用

・海外ではHouse-blackmann法が主流

・簡単にできて予後判定に有用なアブミ骨筋反射

・誘発刺激筋電図(Electroneurography: ENoG)で予後を予測できる

・診断・治療のタイムライン:ゴールデンタイムを逃すな!

・治療の基本は発症早期のステロイド全身投与

・注意すべきステロイドの副作用

・抗ウイルス薬はハント症候群と重症例で早期に投与

・全例で必要な補助的介入:目の保護と顔面マッサージ

・神経を開放し自己絞扼を解除する顔面神経減荷術

・後遺症とそれぞれへの治療・介入方法

・顔面神経麻痺が初期症状とは限らない=とにかく疑うことが大事

・顔面神経麻痺の初期症状かも、と疑うべき症状とは?

・よくある紹介状…書くべきポイントがぼやけています

・デキるコンサルテーションはこう書く!

・Take Home messages

・よかったら他のスライドも見て下さいね!

音良林太郎

総合医療センター


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顔面神経麻痺を診察するために覚えておくためのスライド~顔面神経麻痺の初期診療をマスターしよう!~

  1. 顔面神経麻痺を診察するために 覚えておくためのスライド 顔面神経麻痺の初期診療をマスターしよう! 音良林太郎@耳鼻咽喉科 1

  2. 自己紹介 2 今回のスライドを作った人 音良林太郎(おとらりんたろう) 耳鼻咽喉科勤務15年〜 日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医 米国に留学し基礎研究に従事経験あり 現在は勤務医として地域中核病院に勤務 患者の話を聞くのがすき・手術もすき Twitter: @chicagonaka 本スライド作成に開示すべきCOIはありません

  3. スライドの対象者と習得できる内容 3 対象となる方 • 末梢性顔面神経麻痺を初期診療する可能性のある総合診療医、内科医、 救急科医、皮膚科医、眼科医、耳鼻咽喉科医および研修医 習得できること • 末梢性顔面神経麻痺の鑑別方法と、適切な治療法について学ぶ • 重症度の評価や予後推定の方法を知り、早期に耳鼻咽喉科へ紹介する重要 性について理解する • 一般的な治療法から手術加療や後遺症の治療まで包括的な顔面神経麻痺 の治療法について習得する 耳鼻科ダケ! 耳鼻科でしかできない 検査や治療を紹介してます!

  4. 初期診療から治療までのフローチャート 4 末梢性と中枢性の鑑別 初期診療から 早期の治療開始 ベル麻痺とハント症候群とその他の末梢性麻痺を鑑別 原疾患の治療 ベル麻痺 ハント症候群 重症度判定(柳原法、House-Blackmann法) 重症度判定(柳原法、House-Blackmann法) 高度麻痺or強い耳痛 専門科での 精査加療 副腎皮質ステロイド 副腎皮質ステロイド+抗ウイルス薬 目の保護、顔面マッサージ指導 目の保護、顔面マッサージ指導 予後判定(アブミ骨筋反射、ENoG) 顔面神経減荷術 後遺症への治療 ※ENoG: Electroneurography

  5. 初期診療から治療までのフローチャート 5 末梢性と中枢性の鑑別 初期診療から 早期の治療開始 ベル麻痺とハント症候群とその他の末梢性麻痺を鑑別 原疾患の治療 ベル麻痺 ハント症候群 重症度判定(柳原法、House-Blackmann法) 重症度判定(柳原法、House-Blackmann法) 高度麻痺or強い耳痛 専門科での 精査加療 副腎皮質ステロイド 副腎皮質ステロイド+抗ウイルス薬 目の保護、顔面マッサージ指導 目の保護、顔面マッサージ指導 予後判定(アブミ骨筋反射、ENoG) 初期診療〜治療開始までは多くの科で対応を迫られる 高容量ステロイド投与/顔面神経減荷術 可能性があります。是非知っておいて下さい! 後遺症への治療 ※ENoG: Electroneurography

  6. まずは末梢性と中枢性を確実に鑑別しよう1,2 前額筋の収縮 前額筋は両側支配のため、中枢性では傷害されない 前額筋の収縮不良があれば末梢性の可能性が高い Bell現象 閉眼したときに、眼裂開大のため上転した眼球の白目が見える現象 Bell現象陽性なら末梢性の可能性が高い 中枢性で併発する神経症状 橋病変では対側の片麻痺 (Millard-Gubler症候群)や外転神経麻痺 (Foville症候群)を伴う 1. 日本神経治療学会, 標準的神経治療:Bell麻痺, 2019 2. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 6

  7. ベル麻痺とハント症候群以外の末梢性顔面神経麻痺 中脳・橋 内耳道 側頭骨内 耳下腺 7 顔面神経の走行部位に生じる炎症・腫瘍性疾患 • 脳幹梗塞 • 顔面神経鞘腫 • ギランバレー症候群 • ANCA関連血管炎性中耳炎 • 真珠腫性中耳炎 鑑別のために、耳内の観察と耳下腺の触診は • 耳下腺腫瘍 必ずおこなう事になります しつしんけいせつ 末梢神経 1. 村上信五, 顔面神経麻痺の診断と治療, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 2012 2. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 ベル麻痺・ハント症候群の発症部位は膝神経節 (内耳道->側頭骨移行部)がほとんどです

  8. 末梢性では予後の悪いハント症候群をしっかり鑑別しよう1,2 ベル麻痺 • 末梢性顔面神経麻痺以外の徴候なし • 多くは単純ヘルペスウイルス感染による • ステロイドのみでも予後良好 自然治癒率: 70% 治療後の治癒率: 90% ハント症候群 • ハント症候群の3徴 ü 顔面神経麻痺 ü 耳介・咽頭の水疱形成 ü 内耳症状 (難聴orめまい) • 顔面神経への帯状疱疹ウイルス感染が原因 • 抗ウイルス薬の投与が望ましい 自然治癒率: 30% 治療後の治癒率: 50-80% ※柳原法で高度麻痺or支配領域の疼痛があればハント症候群として扱う 1. 村上信五, 顔面神経麻痺の診断と治療, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 2012 2. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 8

  9. 表情筋だけではない、意外に多い顔面神経の支配領域 運動線維 • 顔面の表情筋 • 広頚筋 • アブミ骨筋 副交感線維 • 涙腺 • 顎下腺 • 舌下腺 感覚線維 • 舌前2/3の味覚 • 軟口蓋の味覚 • 耳介の感覚 ※ハント症候群で内耳機能に影響すること があるのは、内耳道での炎症が内耳神経に 波及するため 運動麻痺以外の障害があった場合は、より重症と考えます ハント症候群ではいずれの支配領域にも皮疹が出現する可能性があります 9

  10. 重症度を評価する柳原法は、予後推測にも有用 実際の評価法 評価項目 1. 安静時対称性 ぱっと見の印象 2. 3. 4. 5. まゆ毛あげてみて 軽く目をつむって ぎゅっと目をつむって ウインクしてみて 額のしわよせ 軽く閉眼 強く閉眼 片目つぶり 6. 鼻唇溝 7. イーと歯をみせる 8. ウーと唇を突き出す 9. 頬を膨らませる 10. 口をへの字 40点(正常) 20点 軽度麻痺 ほぼ治る 各項目ごとに以下の通り点数づけ 0点: 筋収縮なし 2点: 筋収縮あるが左右差あり 4点: 左右差なく正常 (強く閉眼やイーの口と同時に観察) イーを歯を見せて ウーと口をつきだして ほっぺたをプーとふくらませて 口をへの字にしてみて 10点 中等度麻痺 10 0点 高度麻痺 治りにくい 10点以下は完全麻痺とも 呼び、予後不良の可能性 が高いです

  11. 海外ではHouse-blackmann法が主流 11 Grade 安静時 額のしわよせ 閉眼 口角の運動 拘縮 痙攣 全体的印象 I (正常) 共同運 動 正常 正常 正常 正常 (-) (-) (-) 正常 II (軽度麻痺) 対称性緊張 正常 力を入れれば 動くが、 軽度非対称 ( ) ( ) ( ) 注意してみないとわか らない程度 III (中等度麻痺) 対称性緊張 ほぼ正常 軽度〜高度 力を入れれば 閉眼可能、 非対称明瞭 力を入れれば 動くが、 非対称明瞭 + 中等度 + 中等度 + 中等度 明かな麻痺だが、左右 差は著明でない 不能 力を入れても 閉眼不可 力を入れても 非対称明瞭 ++ 高度 ++ 高度 ++ 高度 明かな麻痺、左右差も 著明 不能 閉眼不可 力を入れても ほとんど動かず (-) (-) (-) わずかな動きを認める 程度 動かず 動かず 動かず (-) (-) (-) 緊張の完全喪失 IV 非対称性緊張 (やや高度麻痺) ほぼ正常 V (高度麻痺) VI (完全麻痺) 非対称性 口角下垂 鼻唇溝消失 非対称性 緊張なし 軽く閉眼可能、 軽度〜正常 軽度非対称 各項目を評価し、最も高いグレードとして評価します 検者間のばらつきは少ないですが、個人的には柳原の方が好みです 他にQoLを評価するFaCE scaleというものもあります

  12. 簡単にできて予後判定に有用なアブミ骨筋反射 耳鼻科ダケ! 強大音に対しアブミ骨筋を収縮させる反射 • 顔面神経が支配する運動線維 • アブミ骨に付着する小さい筋肉で、収縮することで 音の振動を内耳に伝えにくくする • 耳鼻科外来なら小児でもできる簡単な検査 • 発症初期から予後を反映する1,2 アブミ骨筋反射が保たれている場合、高確率で治癒が期待できます2 予後判定に非常に有用なのでぜひ行いましょう 1. Elisabeth Urban, Prognostic factors for the outcome of Bells' palsy: A cohort register-based study, Clin Otolaryngol, 2020. 2. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 12

  13. 誘発刺激筋電図(Electroneurography: ENoG)で予後を予測できる 13 ENoGは軸索損傷の程度を反映する1,2 • 柳原法で高度麻痺or治癒への希望が強い患者に施行する • 神経を電気的に刺激、健側での複合筋活動電位を100%とし、 患側が何%に相当するか評価 (ENoG値) • 発症7日以降の検査が必要 • 予後に最も相関し、顔面神経減荷術の適応判断に必要 ENoG値 40%以上 20−40% 10−20% 10%以下 0% 予測される予後3 1ヶ月以内に治癒 2ヶ月以内に治癒するがわずかに後遺症が生じる可能性がある 4ヶ月以内に治癒数が、後遺症の可能性が高まる 半数は治癒せず、治るとしても半年以上かかり、後遺症が高率に生じる 治癒は望めない 1. Orlando Guntinas-Lichius, Facial nerve electrodiagnostics for patients with facial palsy: a clinical practice guideline, Eur Arc OtoRhinoLaryngology, 2020 2. Takemoto N, Prognostic Factors of Peripheral Facial Palsy, Otol Neurotol, 2011 3. 稲村博雄, Electroneurography(ENoG) の測定手技とその予後診断的異議, Facial N Res Jpn, 1997

  14. 顔面神経麻痺の治療法 基本はステロイドと抗ウイルス薬ですが、その他の選択肢もありますよ 診断・治療のゴールデンタイムを逃さないようにしましょう! 14

  15. 診断・治療のタイムライン: ゴールデンタイムを逃すな! 15 治癒までの期間は長いと半年〜1年 症状は7日ほどは増悪する 検査 耳小骨筋反射 誘発筋電図 (7日以降) 治療・介入 1 7 抗ウイルス薬投与 (3日以内) ステロイド全身投与 (7日以内) 発症からの経過(日) 顔面神経減荷術 (28日以内) 顔面マッサージ・目の保護 発症7日目までに 初期治療を開始したい 28 1年 後遺症への治療

  16. 治療の基本は発症早期のステロイド全身投与 診断したら早期に開始したいステロイド • 炎症による過剰な神経の変性を止めるのが目的 • 発症1週間以内の投与が望ましい • プレドニゾロン1mg/kg(およそ60mg)より開始、10日間 漸減投与して終了が基本 • 重症度に応じて増減(0.5~2mg/kg)も検討される 症状の完成までに1週間程度かかるため、発症3日以内で診察した場合 軽度でも、進行すればあとから増量することも念頭にいれましょう 1. Madhok. Corticosteroids for Bell’s Palsy (idiopathic Facial Paralysis). Cochrane Database of Systematic Reviews, 2016 2. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 16

  17. 注意すべきステロイドの副作用 高血糖 未治療を含む糖尿病患者ではステロイドの副作用により高血糖をきたす ステロイド投与前にHbA1cを測定し、入院の上、スライディングスケール併用での治療が必要1 意識障害のリスクもあるので、患者の同意があっても外来での治療は非推奨 B型肝炎ウイルス(HBV) ステロイドによりHBVが再活性化し、肝炎を発症する可能性がある2 ステロイド投与と同時にHBs抗原を測定し、陽性なら肝臓専門医へのコンサルトが推奨される せん妄・精神病3 プレドニゾロン40mg以上の投与で高リスクとなり、高齢者で多い 軽い躁鬱状態〜幻覚、妄想をともなうこともあり、精神科の受診による鑑別が必要 1. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 2. 突発性難聴、顔面神経麻痺等のステロイド治療におけるB型肝炎ウイルス再活性化防止に関する指針, 日本耳鼻咽喉科学会頭頸部外科学会, 2020 3. 真鍋 恭弘, 突発性難聴の治療直後に発症したステロイド精神病の一例, Otol Jpn, 2011 17

  18. 抗ウイルス薬はハント症候群と重症例で早期に投与 必要と思われる症例ではすぐに投与しよう1,2 • 抗ヘルペスウイルス薬はDNA合成阻害 • 発症3日以内の投与が望ましい • ベル麻痺では単純ヘルペス感染に準じた投与量 ハント症候群では帯状疱疹に準じた投与量を設定する • ベル麻痺でも高度麻痺や疼痛を伴う例では帯状疱疹に 準じた投与を検討する とにかく早期投与が重要:初診時にいかに疑って処方するかが重要です 腎機能障害患者ではアシクロビル脳症発症3のリスクがありますので、 肝排泄のアメナメビルを処方しましょう 1. de Almeida JR, Combined corticosteroid and antiviral treatment for Bell palsy: a systematic review and meta-analysis. JAMA 2009 2. Hato N, Steroid and antiviral treatment for Bell’s palsy. Lancet 2008 3. 土屋吉正, 高齢者の顔面神経麻痺治療中に発症したアシクロビル脳症例, 耳鼻咽喉科臨床, 2021 18

  19. 全例で必要な補助的介入:目の保護と顔面マッサージ1 閉眼障害に対しアイパッチ+人工涙液 • 閉眼障害を放置すると結膜炎・角膜炎のリスクがある • 日中は人工涙液の頻回使用を促す • 夜間はアイパッチで保護するように指導する 拘縮予防の顔面マッサージ • 後遺症の一つである拘縮を予防する • 柳原法でチェックする表情筋を用手的にマッサージ • 拘縮は残るとかなりつらいので積極的に勧める 1. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 19

  20. 神経を開放し自己絞扼を解除する顔面神経減荷術 耳鼻科ダケ! 症例を厳格に選択すれば有効な可能性も • 炎症・浮腫により神経管内で顔面神経が絞扼状態による血流不全に • 手術により周囲の骨を除去し絞扼状態を解除、回復を促す • システマティックレビューでも予後を改善したと報告あり2 適応基準例 柳原法で高度麻痺、ENoG値が5%以下かつ刺激で筋収縮なし 麻痺発症から28日以内、かつ本人が手術を希望する場合 鼓室形成術と同等の手術手技が必要な専門性の高い手術です 耳小骨を外すので一時的には確実に難聴を起こし、残存するリスクあり 全例に勧める手術ではなく、適応と利点欠点をよく本人と話し合った上で 手術を決定する必要があります 1. 日本顔面神経研究会, 顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-, 2011 2. Lee S Y, Clinical Implication of Facial Nerve Decompression in Complete Bell's Palsy, A Systematic Review and Meta-Analysis, Clin. Exp. Otorhinolaryngol, 2019 20

  21. 後遺症とそれぞれへの治療・介入方法 顔貌の変化と機能障害 Ø 形成外科的手術により対応する • 静的再建:眼瞼つり上げ術、眼瞼プレート挿入など • 動的再建:舌下神経-顔面神経吻合術など 21 後遺症の全てを理解する ということではなく、 後遺症の患者さんを放り 出すことなく、選択肢を 提示できると良いです! 拘縮 筋収縮不全による拘縮は強い疼痛を伴う(ひどい肩こりのような痛み) Ø ボツリヌス毒素注射:効果の発現している3ヶ月は痛みから解放される 病的共同運動 神経の過誤支配による障害 (咀嚼で目が閉じてしまう、など) Ø ミラーバイオフィードバック法:鏡を見ながら食事し、自身の表情を観察しながら 食事するリハビリテーションの一種

  22. よくある困った症例と コンサルテーション例 耳鼻咽喉科外来でよく見かけるこまった状況を紹介します 神コンサルをかけて、指導医を良い意味でびっくりさせましょう! 22

  23. 顔面神経麻痺が初期症状とは限らない=とにかく疑うことが大事 目と耳が痛くて近所のクリニックで薬をもらいました 2,3日してから顔の動きがおかしくなりました 1週間薬飲んでもう一回受診したのですが、治らないので 自分の判断で今日病院を受診しました 患者さん 顔面神経麻痺ですね。目の痛みは乾燥したためでしょう 帯状疱疹ウイルスによる麻痺の可能性がありますので すぐに治療を開始しましょう! 既に治療のゴールデンタイム過ぎてしまった… 耳痛の時点で麻痺のことを予想し紹介できていれば… 23

  24. 顔面神経麻痺の初期症状かも、と疑うべき症状とは? 24 麻痺の完成に7日間かかる点に注意しよう • • • • 皮疹を伴わない片側の耳痛、側頭部痛 片側の頭頸部帯状疱疹 片側の眼痛・ドライアイ 片側の味覚障害 数日後に顔面神経麻痺が 出現することもある 上記の症状はハント症候群の初期症状である事が多いです 麻痺がでる前に皮膚科、眼科、総合内科を受診することも あとから麻痺が出たときにトラブルにならないために 「これから顔面麻痺がおこるかも」「麻痺がでたらすぐきてね」 と説明しておくように心がけましょう!

  25. よくある紹介状…書くべきポイントがぼやけています コンサル側 先週から耳痛があり、顔面神経麻痺も出現したよう です。また、聞こえの違和感があるようです CTで中枢性疾患は否定的です 顔面神経麻痺について精査加療をお願いします 発症日も曖昧だし、皮疹や内耳症状についての記載が ないなぁ。CTも何を疑ったのかわからない すぐ紹介してくれたのは良いことだ!治療開始しよう 耳鼻科Dr 25

  26. デキるコンサルテーションはこう書く! コンサル側 ○月X日から左耳痛、X+2日から左顔面神経麻痺が出現しました 耳介に水疱形成、Weber検査は右偏位あり、めまいなし 柳原法で40点中10点と高度麻痺にみえました ハント症候群を疑い、プレドニゾロン60mgとファムシクロビル を処方しております 引き続き耳鼻咽喉科で精査加療をお願いします か、神コンサルキター! 耳鼻科Dr 26 聴力検査、アブミ骨筋反射とENoG を計画して治療を継続しよう! 明記して欲しいポイント ü 発症日 ü 皮疹 ü 内耳障害 ü 重症度 ü 投薬内容

  27. Take Home messages • 顔面神経麻痺は残存した場合のQoLへの影響が大きく 初期診療の適切かつ早期の導入が重要である • 治療開始のゴールデンタイムを理解し、治療機会を 逃さないようにしよう • 顔面神経麻痺と診断したら、早期に耳鼻咽喉科へ受診 するよう誘導しよう 顔面神経麻痺の有病率は10万人あたり20-30人、結構多いです このスライドを通じて自信を持って診療できるようになって下さい! 27

  28. よかったら他のスライドも見て下さいね! 大人気! 救急外来でもよくくる「めまい」 中枢性と末梢性、しっかり鑑別できるようになります! 長編! 難聴のスクリーニングや年代別の難聴患者像 補聴器の診療など「聴覚医学」の基本を学びましょう 28 人気! 国民の半数が罹患するアレルギー性鼻炎 治療は簡単?いやいや基本をしっかり学びましょう! 最新! アレルギー性鼻炎の専門的治療について学びましょう 特に舌下免疫療法や手術について習得できます! 音良林太郎 Twitter: @chicagonaka

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