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パーキンソン症候群を見逃してはいませんか?

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76

2022/2/7
2022/2/7 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医

内容

パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを理解し、鑑別の注意点を理解することを目標をしています。

①パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できる。

②パーキンソン症候群を診断するポイントとなる問診ができる。

③歩行をみて、鑑別に結び付けることができる。

④脳神経内科に紹介する前に、撮っておくべき頭部MRIの撮像方法がわかる。

◎目次

・パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できますか?

・主なパーキンソン症候群

・パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のための3つのTips

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のためのTips1

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のためのTips2

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のためのTips3

・脳神経内科医が鑑別のためにしていること

・Take Home Messages

エスディー@脳神経内科

総合病院


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パーキンソン症候群を見逃してはいませんか?

  1. パーキンソン症候群 を見逃してはいませんか? エスディー@脳神経内科 日本神経学会専門医・指導医 総合内科専門医 日本認知症学会専門医

  2. 本スライドの目標 パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを理解し、 鑑別の注意点を理解することです。 ① パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できる。 ② パーキンソン症候群を診断するポイントとなる問診ができる。 ③ 歩行をみて、鑑別に結び付けることができる。 ④ 脳神経内科に紹介する前に、撮っておくべき頭部MRIの撮像方法が わかる。

  3. パーキンソン病と パーキンソン症候群の違い まず、基本的な違いをおさらいしておきましょう!

  4. パーキンソン病とパーキンソン症候群 の違いを説明できますか? パーキンソン症候群 パーキンソン 病など変性疾 患・代謝異常 脳血管性など 非変性疾患 (症候性) • パーキンソン症状を呈する疾患、すべてひっくるめて、 パーキンソン症候群と呼びます。 • さらに、変性疾患・代謝異常によるものと、非変性疾患に よるものとに分けられます。 • パーキンソン病(PD)は変性疾患のひとつであり、パー キンソン症状を呈する疾患の代表格です。 • PDはドパミン欠乏により起こるため、ドパミン系をター ゲットにした薬剤が効果を発揮します。 • PD以外の疾患は2次的にパーキンソン症状を呈するため、 ドパミン系の薬剤の効果に乏しいです。 • PDとそれ以外では治療方針が異なります。動きが悪いだ けで、パーキンソンと何となく病名をつけられている人が たくさんいます。 • 重要なのは、PDかそれ以外かを正確に鑑別することです。

  5. 主なパーキンソン症候群 とりあえず赤字の疾患だけでも覚えておこう! 変性疾患・代謝異常 非変性疾患 脳血管障害性パーキンソ ニズム パーキンソン病(PD) Pick病 レビー小体型認知症 (DLB) ユビキチン封入体を伴う 正常圧水頭症(NPH) 前頭側頭型認知症 外傷性パーキンソニズム 多系統萎縮症(MSA) アルツハイマー病 心因性パーキンソニズム 薬剤性パーキンソニズム 進行性核上性麻痺(PSP) ハンチントン病 中毒性パーキンソニズム 大脳皮質基底核変性症 (CBD/CBS) Wilson病 脳炎後パーキンソニズム 淡蒼球ルイ体黒質変性症 Gaucher病 Creutzfeldt-Jakob病 FTDP-17 PKAN(パントテン酸キ 傍腫瘍性パーキンソニズ ナーゼ関連神経変性症) ム 腫瘍性パーキンソニズム *パーキンソニズムとは、「振戦、動作緩慢、筋固縮、姿勢反射障害を主体とする運動症状」を指します。 PD以外の変性疾患(DLB, MSA, PSP, CBD)は非定型パーキンソニズムとも呼ばれます。

  6. パーキンソン病と パーキンソン症候群の鑑別 次のスライドからは、両疾患を鑑別するための3つのTipsをご紹介します!

  7. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のための3つのTips 問診を 正確にとる 歩行を 丁寧に診る MRIを適切に オーダーする

  8. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 パーキンソンらしい患者さんを診たときに 問診すべき3つのポイント 1. 既往歴;脳血管障害の既往とリスク因子 問診を 正確にとる 2. 内服歴;薬剤性を念頭に入れて聞く 3. 生活歴;PDに伴う非運動徴候を聞く

  9. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 1. 既往歴;脳血管障害の既往とリスク因子 • 基本的に普通の内科の問診と同じです。 問診を 正確にとる • 脳血管障害の既往+高血圧、高脂血症、糖尿病、 喫煙歴は最低聴取しましょう。 • 脳血管障害のリスクがある人には頭部MRIを考慮 しましょう。

  10. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 2. 内服歴;薬剤性を念頭に入れて聞く • 薬剤性パーキンソニズムの可能性を考え、抗精神薬、抗制吐薬 などの内服歴を聞く必要があります。 • 代表的な起こしやすい薬剤 ①ドパミン受容体遮断薬 問診を 正確にとる フェノチアジン系(クロルプロマジンなど) ブチロフェノン系(ハロペリドールなど) ②ドパミンを枯渇させる薬剤 ベンザミド系(メトクロプラミド、スルピリド) レセルピン(降圧薬)

  11. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 3. 生活歴;PDに伴う非運動徴候を聞く PDを疑うべき、非運動徴候を知っておきましょう。 (赤字は特に聞くべき症状です) 問診を 正確にとる • 嗅覚低下 • 自律神経障害* (便秘、起立性低血圧、頻尿) • レム期睡眠異常行動*、むずむず脚症候群 • 衝動抑制障害(病的賭博、買い物) • 他に、鮮明な幻覚、認知機能障害、感覚障害など (*は多系統萎縮症でも認められる)

  12. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 必ず診察室内を歩かせてみよう! 歩行を見る時の3つのポイント 歩行を 丁寧に診る 1. 左右差 2. 歩隔とつぎ足歩行 3. 姿勢

  13. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 1. まず診るべきは左右差があるかどうか です。 ・腕の振り方 ・足の出し方 に左右差はありませんか? 歩行を 丁寧に診る • 麻痺がないにもかかわらず、左右差がある場合、 PDの可能性を考えます。 • 歩行時に振戦が顕著になる患者さんがいるので、 注意深く観察しましょう。

  14. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 2. 歩隔とつぎ足歩行を見てみよう。 • 歩隔とは両足の横幅のことです。 歩行を 丁寧に診る • 脳血管障害性や進行性核上性麻痺、正常圧水頭 症、小脳疾患では開脚歩行といって、歩隔が広 がりやすい傾向があります。 • つぎ足歩行をさせると、中等度までのPDでは できますが、上記の歩隔の大きい疾患ではでき ないケースが多いです。

  15. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 3. 姿勢を観察してみよう。 • 腰折れや左右差の強い姿勢の傾き(ピサ症候 群)はPDの可能性を考えましょう。 歩行を 丁寧に診る • 首下がり、特に顎が胸につくような首下がりは 多系統萎縮症のことが多いです。 • 比較的病初期から、姿勢保持が難しく転倒を繰 り返すのは進行性核上性麻痺の可能性を考えま す。

  16. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips3 脳神経内科に紹介する前にMRIを撮る場 合、T1矢状断と冠状断も加えよう* T1矢状断;進行性核上性麻痺、小脳疾患 に有用 MRIを適切に オーダーする T1冠状断;正常圧水頭症の診断に有用 (*CTの再構築画像でも代用可能ですが、他疾患除外の ためにMRIの方がベターです)

  17. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips3 T1矢状断;進行性核上性麻痺、小脳疾患 に有用 MRIを適切に オーダーする 進行性核上性麻 痺に特徴的なハ ミングバードサ インを見るため です。中脳の萎 縮を確認します。 小脳疾患(多系統 萎縮症の一部含 む)では、小脳の 萎縮を認めます。 (これは正常画像です)

  18. パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips3 T1冠状断;正常圧水頭症の診断に有用 高位円蓋部脳溝の狭小化をみる MRIを適切に オーダーする (これは正常画像です) 正常圧水頭症は外科的治療が可能な疾患です。 3徴(歩行障害、認知機能障害、尿失禁)にも注意し、 脳神経内科か脳神経外科に紹介する必要があります。

  19. 脳神経内科医が鑑別のためにしていること パーキンソン症状で紹介されてきた患者さんには3つのTipsに加え、 以下のことを行います。 1. さらに詳しい神経学的診察 4大運動症状(振戦、無動、固縮、姿勢反射障害)の確認 2. 核医学検査 MIBG心筋シンチ 心筋における自律神経障害を評価する。早期PDでも障害を認めることが多いが、そ の他のパーキンソン症候群では正常のことが多い。 DATスキャン 線条体におけるドパミントランスポーターを定量することで、ドパミン神経脱落を 評価する。PDでは左右差をもって低下する。一部のパーキンソン症候群でも低下す るので注意が必要。 3. レボドパ製剤の内服をさせる PDの治療的診断のために行う。ドパミン欠乏でおこるPDでは顕著に運動症状が改善する。

  20. Take Home Messages まず、パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できるようになろう 問診を正確にする 既往歴→脳血管障害とリスク因子の有無 内服歴→薬剤性を念頭に聴取を 生活歴→PDに特徴的な非運動性徴候を知っておく 歩行を丁寧に診る 左右差を診る➡PDの可能性を考える 歩隔が大きい➡脳血管障害性, 進行性核上性麻痺(PSP), 正常圧水頭症 (NPH), 小脳疾患など つぎ足歩行➡PD患者は意外とできる 姿勢➡左右差の確認、首下がりは多系統萎縮症 MRIを適切にオーダーする 頭部MRIを撮るなら、T1矢状断、冠状断も撮影するとGood! PSP, NPHに特徴的な所見を知っておく

  21. 参考文献; ・パーキンソン病診療ガイドライン2018 ・パーキンソン病の診かた、治療の進めかた 水野美邦著 ・アクチュアル脳・神経疾患の臨床 パーキンソン病と運動異常

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