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パーキンソン症候群を見逃してはいませんか?

投稿者プロフィール
エスディー@脳神経内科

総合病院

49,437

176

概要

パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを理解し、鑑別の注意点を理解することを目標をしています。

①パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できる。

②パーキンソン症候群を診断するポイントとなる問診ができる。

③歩行をみて、鑑別に結び付けることができる。

④脳神経内科に紹介する前に、撮っておくべき頭部MRIの撮像方法がわかる。

◎目次

・パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できますか?

・主なパーキンソン症候群

・パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のための3つのTips

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のためのTips1

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のためのTips2

・パーキンソン病とパーキンソン症候群鑑別のためのTips3

・脳神経内科医が鑑別のためにしていること

・Take Home Messages

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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テキスト全文

  • #1.

    パーキンソン症候群 を見逃してはいませんか? エスディー@脳神経内科 日本神経学会専門医・指導医 総合内科専門医 日本認知症学会専門医

  • #2.

    本スライドの目標 パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを理解し、 鑑別の注意点を理解することです。 ① パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できる。 ② パーキンソン症候群を診断するポイントとなる問診ができる。 ③ 歩行をみて、鑑別に結び付けることができる。 ④ 脳神経内科に紹介する前に、撮っておくべき頭部MRIの撮像方法が わかる。

  • #3.

    パーキンソン病と パーキンソン症候群の違い まず、基本的な違いをおさらいしておきましょう!

  • #4.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 の違いを説明できますか? パーキンソン症候群 パーキンソン 病など変性疾 患・代謝異常 脳血管性など 非変性疾患 (症候性) • パーキンソン症状を呈する疾患、すべてひっくるめて、 パーキンソン症候群と呼びます。 • さらに、変性疾患・代謝異常によるものと、非変性疾患に よるものとに分けられます。 • パーキンソン病(PD)は変性疾患のひとつであり、パー キンソン症状を呈する疾患の代表格です。 • PDはドパミン欠乏により起こるため、ドパミン系をター ゲットにした薬剤が効果を発揮します。 • PD以外の疾患は2次的にパーキンソン症状を呈するため、 ドパミン系の薬剤の効果に乏しいです。 • PDとそれ以外では治療方針が異なります。動きが悪いだ けで、パーキンソンと何となく病名をつけられている人が たくさんいます。 • 重要なのは、PDかそれ以外かを正確に鑑別することです。

  • #5.

    主なパーキンソン症候群 とりあえず赤字の疾患だけでも覚えておこう! 変性疾患・代謝異常 非変性疾患 脳血管障害性パーキンソ ニズム パーキンソン病(PD) Pick病 レビー小体型認知症 (DLB) ユビキチン封入体を伴う 正常圧水頭症(NPH) 前頭側頭型認知症 外傷性パーキンソニズム 多系統萎縮症(MSA) アルツハイマー病 心因性パーキンソニズム 薬剤性パーキンソニズム 進行性核上性麻痺(PSP) ハンチントン病 中毒性パーキンソニズム 大脳皮質基底核変性症 (CBD/CBS) Wilson病 脳炎後パーキンソニズム 淡蒼球ルイ体黒質変性症 Gaucher病 Creutzfeldt-Jakob病 FTDP-17 PKAN(パントテン酸キ 傍腫瘍性パーキンソニズ ナーゼ関連神経変性症) ム 腫瘍性パーキンソニズム *パーキンソニズムとは、「振戦、動作緩慢、筋固縮、姿勢反射障害を主体とする運動症状」を指します。 PD以外の変性疾患(DLB, MSA, PSP, CBD)は非定型パーキンソニズムとも呼ばれます。

  • #6.

    パーキンソン病と パーキンソン症候群の鑑別 次のスライドからは、両疾患を鑑別するための3つのTipsをご紹介します!

  • #7.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のための3つのTips 問診を 正確にとる 歩行を 丁寧に診る MRIを適切に オーダーする

  • #8.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 パーキンソンらしい患者さんを診たときに 問診すべき3つのポイント 1. 既往歴;脳血管障害の既往とリスク因子 問診を 正確にとる 2. 内服歴;薬剤性を念頭に入れて聞く 3. 生活歴;PDに伴う非運動徴候を聞く

  • #9.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 1. 既往歴;脳血管障害の既往とリスク因子 • 基本的に普通の内科の問診と同じです。 問診を 正確にとる • 脳血管障害の既往+高血圧、高脂血症、糖尿病、 喫煙歴は最低聴取しましょう。 • 脳血管障害のリスクがある人には頭部MRIを考慮 しましょう。

  • #10.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 2. 内服歴;薬剤性を念頭に入れて聞く • 薬剤性パーキンソニズムの可能性を考え、抗精神薬、抗制吐薬 などの内服歴を聞く必要があります。 • 代表的な起こしやすい薬剤 ①ドパミン受容体遮断薬 問診を 正確にとる フェノチアジン系(クロルプロマジンなど) ブチロフェノン系(ハロペリドールなど) ②ドパミンを枯渇させる薬剤 ベンザミド系(メトクロプラミド、スルピリド) レセルピン(降圧薬)

  • #11.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips1 3. 生活歴;PDに伴う非運動徴候を聞く PDを疑うべき、非運動徴候を知っておきましょう。 (赤字は特に聞くべき症状です) 問診を 正確にとる • 嗅覚低下 • 自律神経障害* (便秘、起立性低血圧、頻尿) • レム期睡眠異常行動*、むずむず脚症候群 • 衝動抑制障害(病的賭博、買い物) • 他に、鮮明な幻覚、認知機能障害、感覚障害など (*は多系統萎縮症でも認められる)

  • #12.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 必ず診察室内を歩かせてみよう! 歩行を見る時の3つのポイント 歩行を 丁寧に診る 1. 左右差 2. 歩隔とつぎ足歩行 3. 姿勢

  • #13.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 1. まず診るべきは左右差があるかどうか です。 ・腕の振り方 ・足の出し方 に左右差はありませんか? 歩行を 丁寧に診る • 麻痺がないにもかかわらず、左右差がある場合、 PDの可能性を考えます。 • 歩行時に振戦が顕著になる患者さんがいるので、 注意深く観察しましょう。

  • #14.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 2. 歩隔とつぎ足歩行を見てみよう。 • 歩隔とは両足の横幅のことです。 歩行を 丁寧に診る • 脳血管障害性や進行性核上性麻痺、正常圧水頭 症、小脳疾患では開脚歩行といって、歩隔が広 がりやすい傾向があります。 • つぎ足歩行をさせると、中等度までのPDでは できますが、上記の歩隔の大きい疾患ではでき ないケースが多いです。

  • #15.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips2 3. 姿勢を観察してみよう。 • 腰折れや左右差の強い姿勢の傾き(ピサ症候 群)はPDの可能性を考えましょう。 歩行を 丁寧に診る • 首下がり、特に顎が胸につくような首下がりは 多系統萎縮症のことが多いです。 • 比較的病初期から、姿勢保持が難しく転倒を繰 り返すのは進行性核上性麻痺の可能性を考えま す。

  • #16.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips3 脳神経内科に紹介する前にMRIを撮る場 合、T1矢状断と冠状断も加えよう* T1矢状断;進行性核上性麻痺、小脳疾患 に有用 MRIを適切に オーダーする T1冠状断;正常圧水頭症の診断に有用 (*CTの再構築画像でも代用可能ですが、他疾患除外の ためにMRIの方がベターです)

  • #17.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips3 T1矢状断;進行性核上性麻痺、小脳疾患 に有用 MRIを適切に オーダーする 進行性核上性麻 痺に特徴的なハ ミングバードサ インを見るため です。中脳の萎 縮を確認します。 小脳疾患(多系統 萎縮症の一部含 む)では、小脳の 萎縮を認めます。 (これは正常画像です)

  • #18.

    パーキンソン病とパーキンソン症候群 鑑別のためのTips3 T1冠状断;正常圧水頭症の診断に有用 高位円蓋部脳溝の狭小化をみる MRIを適切に オーダーする (これは正常画像です) 正常圧水頭症は外科的治療が可能な疾患です。 3徴(歩行障害、認知機能障害、尿失禁)にも注意し、 脳神経内科か脳神経外科に紹介する必要があります。

  • #19.

    脳神経内科医が鑑別のためにしていること パーキンソン症状で紹介されてきた患者さんには3つのTipsに加え、 以下のことを行います。 1. さらに詳しい神経学的診察 4大運動症状(振戦、無動、固縮、姿勢反射障害)の確認 2. 核医学検査 MIBG心筋シンチ 心筋における自律神経障害を評価する。早期PDでも障害を認めることが多いが、そ の他のパーキンソン症候群では正常のことが多い。 DATスキャン 線条体におけるドパミントランスポーターを定量することで、ドパミン神経脱落を 評価する。PDでは左右差をもって低下する。一部のパーキンソン症候群でも低下す るので注意が必要。 3. レボドパ製剤の内服をさせる PDの治療的診断のために行う。ドパミン欠乏でおこるPDでは顕著に運動症状が改善する。

  • #20.

    Take Home Messages まず、パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを説明できるようになろう 問診を正確にする 既往歴→脳血管障害とリスク因子の有無 内服歴→薬剤性を念頭に聴取を 生活歴→PDに特徴的な非運動性徴候を知っておく 歩行を丁寧に診る 左右差を診る➡PDの可能性を考える 歩隔が大きい➡脳血管障害性, 進行性核上性麻痺(PSP), 正常圧水頭症 (NPH), 小脳疾患など つぎ足歩行➡PD患者は意外とできる 姿勢➡左右差の確認、首下がりは多系統萎縮症 MRIを適切にオーダーする 頭部MRIを撮るなら、T1矢状断、冠状断も撮影するとGood! PSP, NPHに特徴的な所見を知っておく

  • #21.

    参考文献; ・パーキンソン病診療ガイドライン2018 ・パーキンソン病の診かた、治療の進めかた 水野美邦著 ・アクチュアル脳・神経疾患の臨床 パーキンソン病と運動異常

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