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Osalepsy@小児科・てんかん専門医

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テキスト全文

  • #1.

    女性とてんかん @Osalepsy Osalepsy@小児科・てんかん専門医

  • #2.

    Osalepsy@小児科・てんかん専門医 ・アラフォーの中堅の医師 ・所属 西日本の総合病院 ・専門 小児神経(主にてんかん診療,たまに発達診療) ・2022年10月~ Twitter始めてます!  主に小児のてんかんやけいれんについて  患者さんなど一般の方や  非専門の先生,若手の先生へ  診療時のpointやコツ, 病気の説明などを発信してます。  テーマは  『日本一わかりやすい説明と解説を目指して!』  です。よろしければご登録ください(^^)/      https://twitter.com/osalepsy      @Osalepsy 自己紹介   新参者につき, ややビジーなスライドである事はご了承ください(;’∀’)

  • #3.

    女性の妊娠・出産に関する基本的対応 女性のてんかん患者には、女性のライフサイクルを考慮した 包括的な妊娠・出産についてのカウンセリングを十分な時間をかけて行うべき ①思春期を目処に結婚・妊娠・出産について基礎知識に対する助言・指導 ②生活面、てんかんの病態や治療の重要性についての理解の促し ③リスクの少ない妊娠・出産の実現のための計画的妊娠・出産の勧め ④抗発作薬内服している場合、非妊娠時からの催奇形性リスクの少ない薬剤の選択  発作抑制の重要性、発赤抑制のための適切な用量調整を行う ●妊娠の可能性のあるすべての女性に対し行う(中学生あたりから) ●妊娠・出産時の抗発作薬(ASM)として  A.原則単剤投与  B.必要最低限の投与量  C.できるだけ催奇形性の少ないASMの選択  D.妊娠期間中の薬剤血中濃度の変動への注意 →発作抑制(頻度)と妊娠・出産リスク減少とバランスを考慮した治療 ●妊娠・出産各時期の発作頻度の変化に注意 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018より引用・改変 @Osalepsy

  • #4.

    妊娠前 ①十分な時間をかけた妊娠カウンセリングの実施  本人および家族とのアドヒアランス構築  ・てんかんの重篤度,生活能力などから妊娠・出産が   現実的かどうか討議   →可否判断は患者本人とその家族に委ねる  ・出産と妊娠の基礎知識について説明   例)妊娠中の発作に対する説明・指導、胎児への影響     胎児・新生児への抗発作薬(ASM)の影響     妊娠・出産・産褥の経過     遺伝性や児の発達などについて  ・生活および服薬指導  ・計画的妊娠・出産の推奨   (経口避妊薬に対するASMの作用についても含めて)  ・必要に応じた心理的専門サポートの考慮 ②妊娠前のてんかん発作の抑制の試み・内服調整  ・抗発作薬(ASM)の減量・中止や整理を行う  ・妊娠成立まで服用継続の場合   できるかぎり単剤および必要最低限用量に調整  ・バルプロ酸(VPA)投与は極力避ける   VPA投与が必須の場合には   徐放剤、600m/日以下、血中濃度70μg/ml以下を目指す  ・ASMの多剤併用の際の組み合わせに注意   例)VPA+カルバマゼピン(CBZ)     フェニトイン(PHT)+プリミドン(PRM)+フェノバルビタール(PB)  ・葉酸の補充   (非妊娠時0.4mg/日, 妊娠時0.6mg/日, 授乳期0.5mg/日) 兼子 直, 他:てんかん研 2007;25:27-31 てんかんのある妊娠年齢可能女性に対する治療ガイドライン 妊娠可能年齢女性てんかん患者に対する対応 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 より引用・改変 妊娠中 ①定期的な通院の推奨、服薬の指導  ・ASM投与量増量は服薬が規則的にもかかわらず   発作が抑制できないor悪化した時のみ検討  ・妊娠前に1回はαフェトプロテイン(AFP), 葉酸濃度測定  ・(特にVPA, CBZ内服患者で)妊娠16週でAFP測定  ・妊娠18週で超音波検査等で胎児モニタリング  ・強直間代発作を起こす症例では切迫流産・早産に注意 出産時および産褥期  ・基本的に自然分娩可能  ・分娩前後の不規則服薬による発作の増悪に注意  ・出産時には児にビタミンK投与 出産後  ・産後にASMの血中濃度変動(上昇)する場合は投与量調整を  ・睡眠不足を避けるため, 育児で家族の協力を要請

  • #5.

    月経周期とてんかん発作 ●正確な統計やメカニズムは明らかになってはいないが,  てんかん発作が月経周期に関連する患者さんはしばしば出くわす ●エストロゲン(卵胞ホルモン)は発作を起きやすくし,  プロゲステロン(黄体ホルモン)は発作を起きにくくする作用があるとされる ●月経前 ⇒プロゲステロンの低下に伴い発作が起きやすい  排卵前後⇒エストロゲン>>プロゲステロンとなり,発作が起きやすいとされる Reddy et al,2001 周産期医学; 41増刊号: 3, 2011より引用 @Osalepsy

  • #6.

    月経周期とてんかん発作 ●焦点てんかんの方が, 全般てんかんより起こりやすいとの報告もあるが,  発作型やてんかん症候群等に関係なく起こりうるとされる ●発作を起こりにくくする方法  月経前に発作が明らかな増加を認める場合には, 下記の方法を考慮しうる  ①抗発作薬(ASM)   ・アセタゾラミド(AZA), クロバザム(CLB)等の間欠的な投与が有効な場合もある  Foldvary-Schaefer N, Falcone T:Catamenial epilepsy.Neurology 61(Suppl2):S2-S15,2003  ②ホルモン投与   プロゲステロン⇒月経15-28日目に100-200mg/日投与が有効だったとの報告も Herzog, 1995,Bauxer et al, 1992 @Osalepsy

  • #7.

    妊娠前カウンセリング ●てんかんの重篤度,生活能力などから妊娠・出産が現実的かどうか討議   →可否判断は患者本人とその家族に委ねる ●出産と妊娠の基礎知識について説明  例)妊娠中の発作に対する説明・指導, 胎児への影響    胎児・新生児への抗発作薬(ASM)の影響    妊娠・出産・産褥の経過    遺伝性や児の発達などについて ●生活および服薬指導  計画的妊娠・出産の推奨  (経口避妊薬に対するASMの作用についても含めて)   ●必要に応じた心理的専門サポートの考慮 兼子 直, 他:てんかん研 2007;25:27-31 てんかんのある妊娠年齢可能女性に対する治療ガイドライン 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 より引用・改変 @Osalepsy

  • #8.

    てんかんと遺伝 ●てんかんにはいろいろな種類があるが、多くは遺伝するものではない ●親がてんかんの場合, その子どもにてんかんが発症する頻度は4~6%で  一般の2~3倍であるが, てんかんの成因によって頻度は異なる  母親がてんかんである場合および両親の一方が欠神発作を持つ場合の  子孫における発症率は8-9%とやや高くなる  てんかん患者の同胞には比較的高い頻度でてんかんが認められ,  発端者の発症年齢が15歳未満の場合は, その同胞の20歳までのてんかん発症率は3~5% ●てんかんの家系調査から明確な遺伝形式を示す家系(てんかん症候群)も存在するも,  てんかん全体として明確な遺伝形式はない  (てんかんを引き起こす多くの遺伝子が重なって発症する多要因遺伝形式をとると推定) 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 より引用・改変 90%以上は良好な帰結を示すことを強調する事が大事!! @Osalepsy

  • #9.

    てんかん発作自体による妊婦・胎児への影響 妊娠によるてんかん発作への影響 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●意識消失を伴う  全身のけいれん発作(全般運動発作, 焦点起始両側間代発作 etc…)は,  胎児が低酸素状態になりうる  切迫流産や早産の原因になりうる ●けいれん発作以外でも  焦点起始意識減損発作(複雑部分発作)や発作後もうろう状態の際には  母体が発作間に事故にあう危険性あり ●妊娠中におけるてんかん発作の頻度は変化なし70%, 増加23%, 減少7%との報告がある Otani K:Folia Psychiat Neueo Jpn 1985;39:33-41 ●全般発作に比して焦点発作では発作頻度が変わる可能性がある 兼子 直.他:てんかん研究2007;25:27-31 ●妊娠前に発作が消失してASM服薬が規則正しければ  妊娠中も発作が起きにくい(84-92%)可能性が高いとされる Harden CL,et al.:Neurolosy 2009;73:126-132 @Osalepsy

  • #10.

    抗発作薬(ASM)の催奇形性 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●健康女性における先天奇形の発生率(2-5%)と比較し,  ASM内服患者における発生率は高い(4-10%)とされるが, ASMの種類や量により異なる ●報告された奇形は多彩だが, 口唇裂, 口蓋裂, 心奇形の頻度が高い  バルプロ酸(VPA)とカルバマゼピン(CBZ)は二分脊椎(神経管欠損)の関連の報告あり  フェニトイン(PHT)による指末端の発育不全の報告があるが,  ASMに曝露した児の小奇形は共通しているものが多く,薬剤特異性は否定的 ●妊娠前からできるかぎり単剤+催奇形性の低い薬剤服用を目指す ●奇形発現率  低い:レベチラセタム(LEV), ラモトリギン(LTG)  比較的低い:CBZ, ゾニサミド(ZNS)  やや高い:PHT, フェノバルビタール(PB), トピラマート(TPM)  高い:VPA, エトサクシミド(ESM)  不明(データ不十分):ラコサミド(LCM), ペランパネル(PER) ●多剤併用の場合には組み合わせによって催奇形性のリスクが高まる  (例)VPA+CBZ, PHT+プリミドン(PRM)+PB 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #11.

    単剤服用における抗発作薬(ASM)の大奇形発現率 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 EURAP:ヨーロッパおよび国際的調査 NAAPR:北米での調査 Uklre:英国およびアイルランドでの調査  AUS:オーストラリアでの調査 NMBR:ノルウェー出生登録の調査 SMBR:スウェーデンでの調査 @Osalepsy  レベチラセタム(LEV), ラモトリギン(LTG)は奇形発現率が少なく,  バルプロ酸(VPA)は他剤と比較し, 奇形発現率が高い

  • #12.

    抗発作薬(ASM)の用量と奇形発生率の関係 Tomson T et al. Comparative risk of major congenital malformatlons with eight different antiepileptic drugs:a prospective cohort study of the EURAP registry. Lancet Neurol 2018;17:530-8.doi:10.1016/Sl474-4422(18)30107-8.Epub 2018Apr 18. @Osalepsy ・バルプロ酸(VPA)に関しては高容量で奇形発生率が著明に上昇する ・比較的安全と言われている薬でも用量依存性に奇形の発生率が上がる可能性あり  ⇒内服は必要最低限にとどめるに越したことない!! LTG:ラモトリギン CBZ:カルバマゼピン VPA:バルプロ酸 PB:フェノバルビタール

  • #13.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●児のIQへの影響  妊娠中に母体が  カルバマゼピン(CBZ), フェニトイン(PHT), ラモトリギン(LTG), バルプロ酸(VPA)の  どれかを内服していた児の3歳時点でのIQを調査した研究では,  ①VPA以外の3剤と比較し, 高容量VPAを内服していた児のIQが有意に低かった  ②VPA以外の3剤に関しては, 児のIQと母親のIQと相関性があったが,   VPAに関しては児のIQと母親のIQとの相関性がなかった  ③内服量がVPA1000mg/日未満であった母親から出生した児のIQは   他剤内服の児のIQと有意な差はなかった Meador KJ ,et al. : N Engl J Med 2009;360:1597-1605    その後の追跡調査においても, 6歳時点のIQはVPA服用児は他剤と比較し有意に低かった Meador KJ ,et al. : Lancet Neurol 2013;12:244-252   日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #14.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 Meador KJ ,et al. : Lancet Neurol 2013;12:244-252 ●妊娠中にASM服用していた女性から出生した児のIQ(上段総数, 下段6歳)  MeanIQ(平均IQ)は,母体のIQ, ASMの用量, 葉酸内服有無, 児の出生時の在胎期間を考慮し調整されている   カルバマゼピン ラモトリギン フェニトイン バルプロ酸 (参加者数) (平均IQ) @Osalepsy バルプロ酸内服母体より出生した児は有意差をもってIQが低かった

  • #15.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 Meador KJ ,et al. : Lancet Neurol 2013;12:244-252 ●ASM服用下母体より出生した児の6歳時のIQ 【母体の(妊娠初期の)葉酸内服有無での比較】   @Osalepsy カルバマゼピン ラモトリギン フェニトイン バルプロ酸 すべてのASMの 総数 6歳時のIQスコア 実線:葉酸内服あり 点線:葉酸内服なし  母体が妊娠初期に葉酸を内服されていた場合, 児の6歳時点でのIQが高い

  • #16.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 ●児の自閉スペクトラム症(ASD)発症リスク  ASM (特にバルプロ酸)内服下母体より出生した児はASD発症リスクが高くなる可能性有 Chritensen J,JAMA 2013;309(16):1696-1703 @Osalepsy @Osalepsy バルプロ酸 オクスカルバマゼピン ラモトリギン クロナゼパム カルバマゼピン ※Childhood autism:小児自閉症(古典的自閉症)  Autism spectrum disorder:自閉スペクトラム症

  • #17.

    抗発作薬(ASM)の児への影響を最小限にするために てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●妊娠前  ①ASMの減量・中止や整理ができるかどうかまず検討    ②妊娠成立まで服用継続の場合   できるかぎり単剤および必要最低限用量に調整   比較的安全と言われているASMも少ないに越したことはない!!     ③バルプロ酸(VPA)投与は極力避ける   VPA投与が必須の場合には, 徐放剤, 600m/日以下, 血中濃度70μg/ml以下を目指す    ④カルバマゼピン(CBZ):400mg/日以下   フェニトイン(PHT):200mg/日以下   プリミドン(PRM):400mg/日以下 を目指す  ⑤ASMの多剤併用の際の組み合わせに注意   例)VPA+CBZ, PHT+PRM+PB    ⑥葉酸の補充 (非妊娠時0.4mg/日, 妊娠時0.6mg/日, 授乳期0.5mg/日)   妊娠初期の葉酸低値は,二分脊椎(神経管閉鎖障害)や先天性心疾患等奇形発生率に関連   一部のASMは葉酸血中濃度低下や葉酸代謝過程に影響があるとされる 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #18.

    抗発作薬(ASM)服用中の授乳 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●原則的に授乳は可能  ただ, ASMは母体の血中から種々の割合で移行するので  服用中のASMの母乳内移行率や, 児のASM半減期などに注意する  新生児の症状として, 離脱発作, 傾眠, 低緊張, 哺乳力低下などに注意  ⇒このような症状の場合には授乳を控えたり, 児の血中濃度測定など臨機応変に対応を ●実際に授乳するかどうかは  児の心身の発達面や母親の希望を重視しながら, 総合的な視点から判断 ●授乳期間中の母親の睡眠不足や育児による疲労などについても生活指導やケアが必要 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #19.

    各抗発作薬(ASM)母乳移行率および児のASM半減期 @Osalepsy てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 注意を要する薬剤 ①母乳移行率が高い  エトサクシミド, ゾニサミド,  フェノバルビタール, トピラマート  ラモトリギン ②半減期が長い薬  フェノバルビタール, ゾニサミド ③鎮静作用の強い  フェノバルビタール,プリミドン  

  • #20.

    各抗発作薬(ASM)のRIDと新生児の半減期 ※RID(relative infant dose)=相対的乳児摂取量 @Osalepsy 加藤昌明:抗てんかん薬.薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳改訂3版.南山堂,東京,p.529-548,2020より引用 RIDは10%以下ならおおむね安全とされ, 図の原点に近いほど母乳から摂取される量が少なく, 乳児に蓄積されにくい 産婦人科診療ガイドライン-産科編2020では, フェノバルビタール,エトスクシミド, プリミドン, ラモトリギンでは RIDが10%あるいはそれ以上に達するため, 他剤への変更を考慮する と記載あり PB:フェノバルビタール ESM:エトスクシミド TPM:トピラマート ZNS:ゾニサミド LTG:ラモトリギン DZP:ジアゼパム CZP:クロナゼパム PHT:フェニトイン VPA:バルプロ酸 CBZ:カルバマゼピン PRM:プリミドン GBP:ガバペンチン LEV:レベチラセタム OXC:オクスカルバマゼピン

  • #21.

    避妊とてんかん ●経口避妊薬と抗発作薬(ASM)  ①酵素誘導作用(薬剤の肝臓での分解を促進する作用)のある   フェノバルビタール(PB), フェニトイン(PHT), カルバマゼピン(CBZ),プリミドン(PRM)は   経口避妊薬の作用が弱まるので注意が必要  ②ペランパネル(PER), トピラマート(TPM), ラモトリギン(LTG), ルフィナミド(RUF)は   酵素誘導とは別の機序で経口避妊薬の濃度を低下させる場合がある  ③経口避妊薬はラモトリギン(LTG)の肝臓での分解を促進   ⇒LTGの血中濃度を低下させ, 発作を増悪させる可能性があるので注意  ④50μg以上のエストロゲン含有ピルあるいはその他の避妊手段については   産婦人科専門医の適切な指導を受けるように勧める ●経口避妊薬と影響するASM内服中の場合には, 子宮内避妊具(IUD)等の避妊方法を推奨 @Osalepsy てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018

  • #22.

    その他 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●自然分娩可能か?  ⇒一般には自然分娩可能. 併存症状によっては帝王切開も考慮. 吸引分娩は避けるべき ●分娩中の発作への対応  ⇒一般的な発作への治療法で対応可能   必要に応じてベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム, ミダゾラム等)使用を   その際には新生児の離脱症状出現に注意! ●妊娠による抗発作薬(ASM)の血中濃度変化  妊娠中はASMの血中濃度が変化する場合があるので,  非妊娠時と妊娠時に必要に応じて血中濃度モニタリングを行うのが望ましい  従来のASMは服用が規則的であれば, 妊娠時による発作頻度の変動は少ない  ⇒服薬アドヒアランス良好なのに発作増悪した時のみ当該薬剤の増量を考慮検討  ※ラモトリギン(LTG)とレベチラセタム(LEV)は,   妊娠中に非妊娠時に比べ血中濃度低下しやすい為   非妊娠時との同容量では, 発作抑制効果が減弱する可能性あり注意! 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #23.

    まとめ ●女性のてんかん患者には  ライフスタイルやライフステージにそった対応・カウンセリングが重要 ●妊娠可能年齢となった中学生前後より  将来の妊娠・出産を考慮した治療や説明を心がける ●催奇形性の低い&児への影響の少ない抗発作薬(ASM)の選択  ・(できるだけ)単剤&必要最低量での処方をこころがける  ・バルプロ酸(VPA)は極力避け, やむを得ず使用する場合には   ①徐放剤②600m/日以下③血中濃度70μg/ml以下を心がける ●妊娠前より葉酸の補充を! ●何より, 患者さんを尊重した治療や選択を行っていく!!     @Osalepsy

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Osalepsy@小児科・てんかん専門医

総合病院(西日本)

投稿した先生からのメッセージ

女性てんかん患者さんの重要なライフイベントの一つである

月経・結婚・妊娠・出産について

注意すべき点や診療において重要となる点についてまとめてみました。

下記のTweetの返信欄に

全スライドの簡単な解説文を追加しましたので

もしよろしければご覧ください↓

https://twitter.com/osalepsy/status/1626174560608583681?s=20

概要

てんかんは100人に約1人の病気。

約100万人弱の患者さんが日本にはいるとされています。

当然、女性てんかん患者さんにとって

月経・結婚・妊娠・出産は

重要なライフイベントの一つであります。

妊娠・出産などにおいて重要なポイントをまとめてみました。

よければご参考にしてください

(なにぶん、投稿初心者のためビジーなスライドなのはご了承ください(;'∀'))

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

参考文献

  • てんかん診療ガイドライン2018

  • てんかん専門医ガイドブック 改訂第2版

テキスト全文

  • #1.

    女性とてんかん @Osalepsy Osalepsy@小児科・てんかん専門医

  • #2.

    Osalepsy@小児科・てんかん専門医 ・アラフォーの中堅の医師 ・所属 西日本の総合病院 ・専門 小児神経(主にてんかん診療,たまに発達診療) ・2022年10月~ Twitter始めてます!  主に小児のてんかんやけいれんについて  患者さんなど一般の方や  非専門の先生,若手の先生へ  診療時のpointやコツ, 病気の説明などを発信してます。  テーマは  『日本一わかりやすい説明と解説を目指して!』  です。よろしければご登録ください(^^)/      https://twitter.com/osalepsy      @Osalepsy 自己紹介   新参者につき, ややビジーなスライドである事はご了承ください(;’∀’)

  • #3.

    女性の妊娠・出産に関する基本的対応 女性のてんかん患者には、女性のライフサイクルを考慮した 包括的な妊娠・出産についてのカウンセリングを十分な時間をかけて行うべき ①思春期を目処に結婚・妊娠・出産について基礎知識に対する助言・指導 ②生活面、てんかんの病態や治療の重要性についての理解の促し ③リスクの少ない妊娠・出産の実現のための計画的妊娠・出産の勧め ④抗発作薬内服している場合、非妊娠時からの催奇形性リスクの少ない薬剤の選択  発作抑制の重要性、発赤抑制のための適切な用量調整を行う ●妊娠の可能性のあるすべての女性に対し行う(中学生あたりから) ●妊娠・出産時の抗発作薬(ASM)として  A.原則単剤投与  B.必要最低限の投与量  C.できるだけ催奇形性の少ないASMの選択  D.妊娠期間中の薬剤血中濃度の変動への注意 →発作抑制(頻度)と妊娠・出産リスク減少とバランスを考慮した治療 ●妊娠・出産各時期の発作頻度の変化に注意 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018より引用・改変 @Osalepsy

  • #4.

    妊娠前 ①十分な時間をかけた妊娠カウンセリングの実施  本人および家族とのアドヒアランス構築  ・てんかんの重篤度,生活能力などから妊娠・出産が   現実的かどうか討議   →可否判断は患者本人とその家族に委ねる  ・出産と妊娠の基礎知識について説明   例)妊娠中の発作に対する説明・指導、胎児への影響     胎児・新生児への抗発作薬(ASM)の影響     妊娠・出産・産褥の経過     遺伝性や児の発達などについて  ・生活および服薬指導  ・計画的妊娠・出産の推奨   (経口避妊薬に対するASMの作用についても含めて)  ・必要に応じた心理的専門サポートの考慮 ②妊娠前のてんかん発作の抑制の試み・内服調整  ・抗発作薬(ASM)の減量・中止や整理を行う  ・妊娠成立まで服用継続の場合   できるかぎり単剤および必要最低限用量に調整  ・バルプロ酸(VPA)投与は極力避ける   VPA投与が必須の場合には   徐放剤、600m/日以下、血中濃度70μg/ml以下を目指す  ・ASMの多剤併用の際の組み合わせに注意   例)VPA+カルバマゼピン(CBZ)     フェニトイン(PHT)+プリミドン(PRM)+フェノバルビタール(PB)  ・葉酸の補充   (非妊娠時0.4mg/日, 妊娠時0.6mg/日, 授乳期0.5mg/日) 兼子 直, 他:てんかん研 2007;25:27-31 てんかんのある妊娠年齢可能女性に対する治療ガイドライン 妊娠可能年齢女性てんかん患者に対する対応 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 より引用・改変 妊娠中 ①定期的な通院の推奨、服薬の指導  ・ASM投与量増量は服薬が規則的にもかかわらず   発作が抑制できないor悪化した時のみ検討  ・妊娠前に1回はαフェトプロテイン(AFP), 葉酸濃度測定  ・(特にVPA, CBZ内服患者で)妊娠16週でAFP測定  ・妊娠18週で超音波検査等で胎児モニタリング  ・強直間代発作を起こす症例では切迫流産・早産に注意 出産時および産褥期  ・基本的に自然分娩可能  ・分娩前後の不規則服薬による発作の増悪に注意  ・出産時には児にビタミンK投与 出産後  ・産後にASMの血中濃度変動(上昇)する場合は投与量調整を  ・睡眠不足を避けるため, 育児で家族の協力を要請

  • #5.

    月経周期とてんかん発作 ●正確な統計やメカニズムは明らかになってはいないが,  てんかん発作が月経周期に関連する患者さんはしばしば出くわす ●エストロゲン(卵胞ホルモン)は発作を起きやすくし,  プロゲステロン(黄体ホルモン)は発作を起きにくくする作用があるとされる ●月経前 ⇒プロゲステロンの低下に伴い発作が起きやすい  排卵前後⇒エストロゲン>>プロゲステロンとなり,発作が起きやすいとされる Reddy et al,2001 周産期医学; 41増刊号: 3, 2011より引用 @Osalepsy

  • #6.

    月経周期とてんかん発作 ●焦点てんかんの方が, 全般てんかんより起こりやすいとの報告もあるが,  発作型やてんかん症候群等に関係なく起こりうるとされる ●発作を起こりにくくする方法  月経前に発作が明らかな増加を認める場合には, 下記の方法を考慮しうる  ①抗発作薬(ASM)   ・アセタゾラミド(AZA), クロバザム(CLB)等の間欠的な投与が有効な場合もある  Foldvary-Schaefer N, Falcone T:Catamenial epilepsy.Neurology 61(Suppl2):S2-S15,2003  ②ホルモン投与   プロゲステロン⇒月経15-28日目に100-200mg/日投与が有効だったとの報告も Herzog, 1995,Bauxer et al, 1992 @Osalepsy

  • #7.

    妊娠前カウンセリング ●てんかんの重篤度,生活能力などから妊娠・出産が現実的かどうか討議   →可否判断は患者本人とその家族に委ねる ●出産と妊娠の基礎知識について説明  例)妊娠中の発作に対する説明・指導, 胎児への影響    胎児・新生児への抗発作薬(ASM)の影響    妊娠・出産・産褥の経過    遺伝性や児の発達などについて ●生活および服薬指導  計画的妊娠・出産の推奨  (経口避妊薬に対するASMの作用についても含めて)   ●必要に応じた心理的専門サポートの考慮 兼子 直, 他:てんかん研 2007;25:27-31 てんかんのある妊娠年齢可能女性に対する治療ガイドライン 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 より引用・改変 @Osalepsy

  • #8.

    てんかんと遺伝 ●てんかんにはいろいろな種類があるが、多くは遺伝するものではない ●親がてんかんの場合, その子どもにてんかんが発症する頻度は4~6%で  一般の2~3倍であるが, てんかんの成因によって頻度は異なる  母親がてんかんである場合および両親の一方が欠神発作を持つ場合の  子孫における発症率は8-9%とやや高くなる  てんかん患者の同胞には比較的高い頻度でてんかんが認められ,  発端者の発症年齢が15歳未満の場合は, その同胞の20歳までのてんかん発症率は3~5% ●てんかんの家系調査から明確な遺伝形式を示す家系(てんかん症候群)も存在するも,  てんかん全体として明確な遺伝形式はない  (てんかんを引き起こす多くの遺伝子が重なって発症する多要因遺伝形式をとると推定) 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 より引用・改変 90%以上は良好な帰結を示すことを強調する事が大事!! @Osalepsy

  • #9.

    てんかん発作自体による妊婦・胎児への影響 妊娠によるてんかん発作への影響 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●意識消失を伴う  全身のけいれん発作(全般運動発作, 焦点起始両側間代発作 etc…)は,  胎児が低酸素状態になりうる  切迫流産や早産の原因になりうる ●けいれん発作以外でも  焦点起始意識減損発作(複雑部分発作)や発作後もうろう状態の際には  母体が発作間に事故にあう危険性あり ●妊娠中におけるてんかん発作の頻度は変化なし70%, 増加23%, 減少7%との報告がある Otani K:Folia Psychiat Neueo Jpn 1985;39:33-41 ●全般発作に比して焦点発作では発作頻度が変わる可能性がある 兼子 直.他:てんかん研究2007;25:27-31 ●妊娠前に発作が消失してASM服薬が規則正しければ  妊娠中も発作が起きにくい(84-92%)可能性が高いとされる Harden CL,et al.:Neurolosy 2009;73:126-132 @Osalepsy

  • #10.

    抗発作薬(ASM)の催奇形性 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●健康女性における先天奇形の発生率(2-5%)と比較し,  ASM内服患者における発生率は高い(4-10%)とされるが, ASMの種類や量により異なる ●報告された奇形は多彩だが, 口唇裂, 口蓋裂, 心奇形の頻度が高い  バルプロ酸(VPA)とカルバマゼピン(CBZ)は二分脊椎(神経管欠損)の関連の報告あり  フェニトイン(PHT)による指末端の発育不全の報告があるが,  ASMに曝露した児の小奇形は共通しているものが多く,薬剤特異性は否定的 ●妊娠前からできるかぎり単剤+催奇形性の低い薬剤服用を目指す ●奇形発現率  低い:レベチラセタム(LEV), ラモトリギン(LTG)  比較的低い:CBZ, ゾニサミド(ZNS)  やや高い:PHT, フェノバルビタール(PB), トピラマート(TPM)  高い:VPA, エトサクシミド(ESM)  不明(データ不十分):ラコサミド(LCM), ペランパネル(PER) ●多剤併用の場合には組み合わせによって催奇形性のリスクが高まる  (例)VPA+CBZ, PHT+プリミドン(PRM)+PB 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #11.

    単剤服用における抗発作薬(ASM)の大奇形発現率 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 EURAP:ヨーロッパおよび国際的調査 NAAPR:北米での調査 Uklre:英国およびアイルランドでの調査  AUS:オーストラリアでの調査 NMBR:ノルウェー出生登録の調査 SMBR:スウェーデンでの調査 @Osalepsy  レベチラセタム(LEV), ラモトリギン(LTG)は奇形発現率が少なく,  バルプロ酸(VPA)は他剤と比較し, 奇形発現率が高い

  • #12.

    抗発作薬(ASM)の用量と奇形発生率の関係 Tomson T et al. Comparative risk of major congenital malformatlons with eight different antiepileptic drugs:a prospective cohort study of the EURAP registry. Lancet Neurol 2018;17:530-8.doi:10.1016/Sl474-4422(18)30107-8.Epub 2018Apr 18. @Osalepsy ・バルプロ酸(VPA)に関しては高容量で奇形発生率が著明に上昇する ・比較的安全と言われている薬でも用量依存性に奇形の発生率が上がる可能性あり  ⇒内服は必要最低限にとどめるに越したことない!! LTG:ラモトリギン CBZ:カルバマゼピン VPA:バルプロ酸 PB:フェノバルビタール

  • #13.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●児のIQへの影響  妊娠中に母体が  カルバマゼピン(CBZ), フェニトイン(PHT), ラモトリギン(LTG), バルプロ酸(VPA)の  どれかを内服していた児の3歳時点でのIQを調査した研究では,  ①VPA以外の3剤と比較し, 高容量VPAを内服していた児のIQが有意に低かった  ②VPA以外の3剤に関しては, 児のIQと母親のIQと相関性があったが,   VPAに関しては児のIQと母親のIQとの相関性がなかった  ③内服量がVPA1000mg/日未満であった母親から出生した児のIQは   他剤内服の児のIQと有意な差はなかった Meador KJ ,et al. : N Engl J Med 2009;360:1597-1605    その後の追跡調査においても, 6歳時点のIQはVPA服用児は他剤と比較し有意に低かった Meador KJ ,et al. : Lancet Neurol 2013;12:244-252   日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #14.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 Meador KJ ,et al. : Lancet Neurol 2013;12:244-252 ●妊娠中にASM服用していた女性から出生した児のIQ(上段総数, 下段6歳)  MeanIQ(平均IQ)は,母体のIQ, ASMの用量, 葉酸内服有無, 児の出生時の在胎期間を考慮し調整されている   カルバマゼピン ラモトリギン フェニトイン バルプロ酸 (参加者数) (平均IQ) @Osalepsy バルプロ酸内服母体より出生した児は有意差をもってIQが低かった

  • #15.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 Meador KJ ,et al. : Lancet Neurol 2013;12:244-252 ●ASM服用下母体より出生した児の6歳時のIQ 【母体の(妊娠初期の)葉酸内服有無での比較】   @Osalepsy カルバマゼピン ラモトリギン フェニトイン バルプロ酸 すべてのASMの 総数 6歳時のIQスコア 実線:葉酸内服あり 点線:葉酸内服なし  母体が妊娠初期に葉酸を内服されていた場合, 児の6歳時点でのIQが高い

  • #16.

    抗発作薬(ASM)が児へ与える影響 ●児の自閉スペクトラム症(ASD)発症リスク  ASM (特にバルプロ酸)内服下母体より出生した児はASD発症リスクが高くなる可能性有 Chritensen J,JAMA 2013;309(16):1696-1703 @Osalepsy @Osalepsy バルプロ酸 オクスカルバマゼピン ラモトリギン クロナゼパム カルバマゼピン ※Childhood autism:小児自閉症(古典的自閉症)  Autism spectrum disorder:自閉スペクトラム症

  • #17.

    抗発作薬(ASM)の児への影響を最小限にするために てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●妊娠前  ①ASMの減量・中止や整理ができるかどうかまず検討    ②妊娠成立まで服用継続の場合   できるかぎり単剤および必要最低限用量に調整   比較的安全と言われているASMも少ないに越したことはない!!     ③バルプロ酸(VPA)投与は極力避ける   VPA投与が必須の場合には, 徐放剤, 600m/日以下, 血中濃度70μg/ml以下を目指す    ④カルバマゼピン(CBZ):400mg/日以下   フェニトイン(PHT):200mg/日以下   プリミドン(PRM):400mg/日以下 を目指す  ⑤ASMの多剤併用の際の組み合わせに注意   例)VPA+CBZ, PHT+PRM+PB    ⑥葉酸の補充 (非妊娠時0.4mg/日, 妊娠時0.6mg/日, 授乳期0.5mg/日)   妊娠初期の葉酸低値は,二分脊椎(神経管閉鎖障害)や先天性心疾患等奇形発生率に関連   一部のASMは葉酸血中濃度低下や葉酸代謝過程に影響があるとされる 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #18.

    抗発作薬(ASM)服用中の授乳 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●原則的に授乳は可能  ただ, ASMは母体の血中から種々の割合で移行するので  服用中のASMの母乳内移行率や, 児のASM半減期などに注意する  新生児の症状として, 離脱発作, 傾眠, 低緊張, 哺乳力低下などに注意  ⇒このような症状の場合には授乳を控えたり, 児の血中濃度測定など臨機応変に対応を ●実際に授乳するかどうかは  児の心身の発達面や母親の希望を重視しながら, 総合的な視点から判断 ●授乳期間中の母親の睡眠不足や育児による疲労などについても生活指導やケアが必要 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #19.

    各抗発作薬(ASM)母乳移行率および児のASM半減期 @Osalepsy てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 注意を要する薬剤 ①母乳移行率が高い  エトサクシミド, ゾニサミド,  フェノバルビタール, トピラマート  ラモトリギン ②半減期が長い薬  フェノバルビタール, ゾニサミド ③鎮静作用の強い  フェノバルビタール,プリミドン  

  • #20.

    各抗発作薬(ASM)のRIDと新生児の半減期 ※RID(relative infant dose)=相対的乳児摂取量 @Osalepsy 加藤昌明:抗てんかん薬.薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳改訂3版.南山堂,東京,p.529-548,2020より引用 RIDは10%以下ならおおむね安全とされ, 図の原点に近いほど母乳から摂取される量が少なく, 乳児に蓄積されにくい 産婦人科診療ガイドライン-産科編2020では, フェノバルビタール,エトスクシミド, プリミドン, ラモトリギンでは RIDが10%あるいはそれ以上に達するため, 他剤への変更を考慮する と記載あり PB:フェノバルビタール ESM:エトスクシミド TPM:トピラマート ZNS:ゾニサミド LTG:ラモトリギン DZP:ジアゼパム CZP:クロナゼパム PHT:フェニトイン VPA:バルプロ酸 CBZ:カルバマゼピン PRM:プリミドン GBP:ガバペンチン LEV:レベチラセタム OXC:オクスカルバマゼピン

  • #21.

    避妊とてんかん ●経口避妊薬と抗発作薬(ASM)  ①酵素誘導作用(薬剤の肝臓での分解を促進する作用)のある   フェノバルビタール(PB), フェニトイン(PHT), カルバマゼピン(CBZ),プリミドン(PRM)は   経口避妊薬の作用が弱まるので注意が必要  ②ペランパネル(PER), トピラマート(TPM), ラモトリギン(LTG), ルフィナミド(RUF)は   酵素誘導とは別の機序で経口避妊薬の濃度を低下させる場合がある  ③経口避妊薬はラモトリギン(LTG)の肝臓での分解を促進   ⇒LTGの血中濃度を低下させ, 発作を増悪させる可能性があるので注意  ④50μg以上のエストロゲン含有ピルあるいはその他の避妊手段については   産婦人科専門医の適切な指導を受けるように勧める ●経口避妊薬と影響するASM内服中の場合には, 子宮内避妊具(IUD)等の避妊方法を推奨 @Osalepsy てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018

  • #22.

    その他 てんかん専門医ガイドブック 第5章てんかんの治療より引用・改変 ●自然分娩可能か?  ⇒一般には自然分娩可能. 併存症状によっては帝王切開も考慮. 吸引分娩は避けるべき ●分娩中の発作への対応  ⇒一般的な発作への治療法で対応可能   必要に応じてベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム, ミダゾラム等)使用を   その際には新生児の離脱症状出現に注意! ●妊娠による抗発作薬(ASM)の血中濃度変化  妊娠中はASMの血中濃度が変化する場合があるので,  非妊娠時と妊娠時に必要に応じて血中濃度モニタリングを行うのが望ましい  従来のASMは服用が規則的であれば, 妊娠時による発作頻度の変動は少ない  ⇒服薬アドヒアランス良好なのに発作増悪した時のみ当該薬剤の増量を考慮検討  ※ラモトリギン(LTG)とレベチラセタム(LEV)は,   妊娠中に非妊娠時に比べ血中濃度低下しやすい為   非妊娠時との同容量では, 発作抑制効果が減弱する可能性あり注意! 日本神経学会 てんかん診療ガイドライン2018 @Osalepsy

  • #23.

    まとめ ●女性のてんかん患者には  ライフスタイルやライフステージにそった対応・カウンセリングが重要 ●妊娠可能年齢となった中学生前後より  将来の妊娠・出産を考慮した治療や説明を心がける ●催奇形性の低い&児への影響の少ない抗発作薬(ASM)の選択  ・(できるだけ)単剤&必要最低量での処方をこころがける  ・バルプロ酸(VPA)は極力避け, やむを得ず使用する場合には   ①徐放剤②600m/日以下③血中濃度70μg/ml以下を心がける ●妊娠前より葉酸の補充を! ●何より, 患者さんを尊重した治療や選択を行っていく!!     @Osalepsy

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