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ここから始めるスパイロメトリーの見方~フローボリューム曲線を中心に~

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2020/12/1
2021/6/11 更新
森川

市立奈良病院

スパイロメトリー(肺機能検査)の結果について、その項目数の多さから「どこを見ていいか分からない...」と思ったことのある先生も少なくないかと思います。

本スライドでは、スパイロメトリーの見方に苦手意識をお持ちの方に向けて、特にフローボリューム曲線に着目してそのポイントを解説します。

<スパイロメトリーで見るところ(私見)>

VC

- VC(肺活量)

- %VC

FVC

- FVC(努力肺活量)

- FEV1(1秒量)

- FEV1%-G (一秒率)

- %FEV1

- ピークフロー

- V25、V50

波形

- (S)VC 波形

- フローボリューム曲線(←このレクチャーの主題)

※本スライドは、2020年10月16日のAntaaオンライン配信「ここから始めるスパイロメトリーの見方」で使用したスライドです。配信アーカイブは以下よりご覧いただけます。

https://qa.antaa.jp/stream/contents/75


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ここから始めるスパイロメトリーの見方~フローボリューム曲線を中心に~

  1. ここから始めるスパイロメトリーの見方~フローボリューム曲線を中心に~ 市立奈良病院呼吸器内科 森川昇

  2. どこ見ていいかわからない、、、 ここだけ見ているなんて事ありませんよね?

  3. 基本事項の確認 閉塞性換気障害      FEV1%(1秒量/努力性肺活量FVC×100)=70%以下   代表疾患:COPD、気管支喘息 拘束性換気障害      %VC(実測肺活量/予測肺活量×100)=80%以下   代表疾患:間質性肺炎、神経筋疾患、結核後遺症など

  4. ちなみに、、、 1秒率(FEV1%)の表記には2種類あります。  ・ FEV1%-G ・ FEV1%-T 違いは、 FEV1%-G =FEV1/FVC   FEV1%-T=FEV1/VC G : Gaensler  (アメリカ人)  T : Tiffeneau  (フランス人) FEV1%-Gが国際規格であり、Gのみで良いです。

  5. スパイロメトリーで見るところ(私見) VC  - VC(肺活量)  - %VC FVC  - FVC(努力肺活量)  - FEV1(1秒量)  - FEV1%-G (一秒率)  - %FEV1  - ピークフロー  - V25、V50 波形  - (S)VC 波形  - フローボリューム曲線

  6. フローボリュームカーブを理解しよう!

  7. フローボリューム曲線の成り立ち(FVC手技) 時間軸の無いグラフ Volume

  8. フローボリューム曲線の測定 Volume Flow 楽に息を吸って吐いてして下さい。 安静換気を意味する。

  9. フローボリューム曲線の測定 Volume Flow 大きく息を吸って! 吸えなくなるまで頑張って吸って! 最大吸気位

  10. 吸気 呼気 最大吸気量(IC) 予備吸気量(IRV) 最大吸気位 一回換気量(TV)

  11. Volume 一気に吐き切って!!! 吐いて、吐ききれるまで吐いて!! Flow 楽にして下さい。 お疲れ様でした。 まだ吐ける。 最後まで! ピークフロー  (PEF)

  12. ちなみに、、、

  13. SVC波形はフローボリューム曲線とどう関係するか?

  14. 吸気 呼気 予備吸気量(IRV) 1回換気量(TV) 予備呼気量(ERV) 機能的残気量 (FRC) 残気量(RV) 最大吸気量(IC) 肺活量(VC) 全肺気量 (TLC)

  15. 最大吸気位 最大吸気位

  16. -

  17. 一回換気量 (Tidal volume) Volume は1つの分画だけの量。

  18. 最大吸気量 (inspiratory capacity) Capacity は2つ以上の分画を含んだ量。

  19. 予備吸気量 (inspiratory reserve volume) 予備呼気量 (exspiratory reserve volume)

  20. 努力性肺活量 (Forced vital capasity) 肺活量 (Slow vital capasity)

  21.  残気量 (Residual volume) 残気量はスパイロでは測れません!

  22. 残気量を測るには? 1、ガス希釈法   閉鎖回路法 (ヘリウムガス法)  開放回路法 (窒素法)   2、body box 法 何れもFRC(機能的残気量)を測定する。 DLCO測定時に4種混合ガスで測定する。 (CO、He、O2、N2)

  23. スパイロを見る時にまず確認する事は?

  24. 1秒率 肺活量 ピークフロー フローボリューム曲線

  25. 1秒率 肺活量 ピークフロー フローボリューム曲線

  26. フローボリューム曲線(FVC手技) まずはフローボリューム曲線で検査の妥当性を確認する!

  27. 不適当なフローボリューム曲線の例 呼出開始時に息が漏れた。 もしくは、息こらえした。 呼気努力不足 呼出途中で息継ぎした。 咳が途中で出てしまった。

  28. 伝えたい事 ・呼吸機能検査を取る前に、検査可能か(検査して意味があるか)どうかを考える。  - 認知症  - ADL低下した高齢者  - 急性の疼痛がある(肋骨骨折、胸膜炎、急性腹症など)   - 気道に異常がある  - 伝染性を有する感染症がある  など

  29. 疾患毎のフローボリューム曲線

  30. 重症COPDのフローボリューム曲線は? ① ② ③

  31. 重症COPDのフローボリューム曲線は? ① ③ ②

  32. 重症COPDのフローボリューム曲線は? 気管支喘息 重症 COPD 拘束性換気障害 (間質性肺炎) 上気道閉塞

  33. COPDの病態生理 肺胞 肺胞壁 肺胞壁で気管を引っ張ている 気管 正常 COPD ・肺胞壁の断裂で、気管の牽引が出来なくなる。 ・粘液貯留で、気管内腔が狭小化する。 ・慢性炎症に伴う気管支周囲の線維化。

  34. COPDのレントゲン 横隔膜平定化 滴状心 正常 COPD

  35. COPDの呼吸機能の変化 TLC FRC 正常 TLC FRC COPD 重症COPD FRC TLC COPDが重症になると、 残気率が増える。 残気率=残気量/全肺気量 ICが減少に転じて、混合性換気障害になる事もある。 ただRVは増えるので、予測値に比べてTLCは→もしくは↑している。

  36. 重症COPDのフローボリューム曲線 気道抵抗が強く、ピークフローが落ちる Air trappingがあり、呼気流速が急激に落ちる。 呼気延長 呼気の下降脚がtidal loopよりも下を 通っている。 重症COPD のサイン

  37. 重症COPDのフローボリューム曲線 ICが低下すればここが短くなる。 ICの低下はCOPDの身体活動性低下 につながる!

  38. COPDと身体活動性 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 2016年 第26巻 第 1 号 33- 38

  39. 軽症閉塞性換気障害のフローボリューム曲線(気管支喘息など) 呼気の下降脚が下に凸となっている。 軽度の末梢気道閉塞や エアトラッピングを反映する。

  40. 数字で理解する末梢気道閉塞 ・ V25、V50 ・ %1秒量 ・ Air-trapping index ・ ・

  41. V25、V50 50%FVC V50 V25 25%FVC ・ ・ ・ ・ PEF

  42. V50 V25 V25 V50 末梢気道閉塞では、V25・V50は低下する。 V50/V25 > 4 ⇒ 末梢気道閉塞の指標 ・ ・ ・ ・ 下に凸となっている。

  43. %1秒量(%FEV1) ・ %1秒量(% FEV1)=FEV1実測値÷FEV1予測値×100 ・ GOLD(COPDガイドライン)では、気流制限の評価に用いられる。 予測値は、年齢、性別、身長から算出される。

  44. GOLDガイドライン(2020年版) 呼吸機能検査での診断 気流制限の評価 %1秒量(% FEV1)=FEV1実測値÷FEV1予測値×100 症状/増悪リスクの評価 A B C D mMRC:0-1 CAT10未満 mMRC:≧2 CAT≧10 入院を要する増悪 1回以上 or 軽症増悪2回以上 なし or 入院不要な増悪が 1回 1秒率:70%以下

  45. ちなみに質問です。 1秒率:FEV1%-G ( 1秒量/FVC ) が低い程COPDの重症度が高い。○か×か? COPDが進行すると残気量が増加し、FVCが減少する。 ⇒ FEV1/FVC は増加に転じる。

  46. Air-trapping index ・ Air-trapping index(%) = [(VC-FVC) /VC ]×100   健常者では5%以下になる。  ※通常はVCとFVCはほぼ等しくなるが、Air trappingがあると、VC > FVC となる。

  47. 拘束性換気障害(%VC:80%以下)のフローボリューム曲線

  48. 拘束性換気障害(間質性肺炎など)のフローボリューム曲線 比較的PFEは保たれる。 呼気が短く、下降脚はすぐに終了する。 最終的には釣り鐘型のフローボリューム曲線 (VCの低下)

  49. 間質性肺炎 酸素 二酸化 炭素 気管支 肺胞 間質 血管 酸素 二酸化 炭素 ・肺の線維化により肺が広がりにくくなる。 (コンプライアンス低下)  ⇒ 肺の拡張が制限されるので、    肺活量(VC)が低下する。 血液への酸素の取り込みが 障害される。 (二酸化炭素は、比較的 影響を受けにくい。)

  50. 間質性肺炎 正常 間質性肺炎 間質性変化で気管が牽引され、虚脱しにくい

  51. 拘束性換気障害(間質性肺炎)のフローボリューム曲線 比較的PFEは保たれる。 ①間質性肺炎で肺のコンプライアンス低下   ⇒ 肺活量低下 ②牽引性気管支拡張により呼気終末でも、  気管が閉塞しない。 この様なフローボリューム曲線になる!!

  52. 拘束性換気障害の呼吸機能の変化 TLC FRC 正常 TLC FRC 間質性肺炎 神経筋疾患 FRC TLC 拘束性換気障害ではTLCは低下 する。  間質性肺炎ではRV低下するが、 神経筋疾患ではRVが増加する。

  53. スパイロメトリーで見るところ(私見) VC  - VC(肺活量)  - %VC FVC  - FVC(努力肺活量)  - FEV1(1秒量)  - FEV1%-G (一秒率)  - %FEV1  - ピークフロー  - V25、V50 波形  - (S)VC 波形  - フローボリューム曲線

  54. 事例紹介

  55. 70歳台前半の男性。脊柱管狭窄症の術前に呼吸機能検査を行ったものの、低肺機能がある事から紹介となった。  既往歴:  “喘息”(無治療)   心房細動 アブレーション後 常用薬:なし アレルギー:なし 喫煙:10本/日×50年。1ヶ月前に禁煙 職業:ガソリンスタンド勤務(現役)

  56. スパイロメトリー

  57. 呼吸機能検査抜粋

  58. 1、フローボリューム曲線の妥当性確認

  59. 不適当なフローボリューム曲線の例 呼出開始時に息が漏れた。 もしくは、息こらえした。 呼気努力不足 呼出途中で息継ぎした。 咳が途中で出てしまった。

  60. フローボリューム曲線 ・検査の妥当性はあり。

  61. 2、閉塞性換気障害有無の確認

  62. 呼吸機能検査抜粋

  63. 2-1、閉塞性換気障害があれば、その   重症度の確認。

  64. 呼吸機能検査抜粋

  65. GOLDガイドライン(2020年版) 呼吸機能検査での診断 気流制限の評価 %1秒量(% FEV1)=FEV1実測値÷FEV1予測値×100 症状/増悪リスクの評価 A B C D mMRC:0-1 CAT10未満 mMRC:≧2 CAT≧10 入院を要する増悪 1回以上 or 軽症増悪2回以上 なし or 入院不要な増悪が 1回 1秒率:70%以下 (本症例では) CAT:20点

  66. 2-2 フローボリューム曲線の評価

  67. フローボリューム曲線 ・検査の妥当性はあり。 ・急速に呼気流速が低下。

  68. フローボリューム曲線 ・検査の妥当性はあり。 ・呼気の下降脚がtidal loopより下。 ・tidal loop が右肩下がり。  ⇒重症COPDのサイン。 ・急速に呼気流速が低下。

  69. フローボリューム曲線 ・検査の妥当性はあり。 ・急速に呼気流速が低下。 ・呼気延長あり。 ・呼気の下降脚がtidal loopより下。 ・tidal loop が右肩下がり。  ⇒重症COPDのサイン。

  70. 呼吸機能検査抜粋

  71. 別患者の事例。

  72. 一見正常に見えます。 フローボリューム曲線では下降脚が、下に凸に見える。 V25の低下、 V50/V25>4 ⇒末梢気道閉塞あり

  73. CPFE(Combined pulmonary fibrosis with emphysema) 上葉の気腫肺 下葉の線維性病変、蜂巣肺

  74. 3、拘束性換気障害のチェック

  75. 呼吸機能検査抜粋

  76. 3-1 (拘束性換気障害があれば)その    原因を考える。

  77. 拘束性換気障害の原因 1、間質性肺炎 2、胸郭異常 (結核後遺症、高度肥満、胸部術後など) 3、神経筋疾患 4、重症COPDで肺過膨張があり横隔膜の運動制限がある 5、(石綿関連など)胸膜疾患 など ・病歴や身体診察 ・画像所見 ・TLC(全肺気量)、RV(残気量) ・DLCO  などで総合的に評価する。

  78. -

  79. 本症例での拘束性換気障害の原因 1、間質性肺炎 2、胸郭異常 (結核後遺症、高度肥満、胸部術後など) 3、神経筋疾患 4、重症COPDで肺過膨張があり横隔膜の運動制限がある 5、(石綿関連など)胸膜疾患 など

  80. 本症例での呼吸機能検査の結論 重症COPDに伴う混合性換気障害! (GOLDⅣ、D)

  81. ちなみに 重症の閉塞性換気障害ではFVCが低下する。 Air-trapping index(%) =[(VC-FVC) /VC ]×100 = 16.24 >5

  82. 整形外科の先生から 「この患者さん全身麻酔で手術出来ますか?」 A. 参考にしますが、スパイロだけでは判断出来ません。

  83. 参考

  84. スパイロメトリーでは、病態を意識してフローボリューム曲線も見える様にしましょう! ご清聴ありがとうございました。

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