医療法人社団三志会 藤本循環器科・内科
長引く咳(遷延性・慢性咳嗽)の対処法
#呼吸器内科 #咳嗽 #慢性咳嗽 #感染性咳嗽 #鎮咳薬
190
32,228
最終更新:2022年2月1日
呼吸困難感の診療
#呼吸器内科 #呼吸困難感
34
27,730
最終更新:2021年6月7日
医師の誰もが知っておくべき結核患者の陰圧隔離/検査の考え方
#結核 #呼吸器内科 #陰圧管理 #T-SPOT #QFT #IGRA
93
39,854
最終更新:2017年11月4日
フローサイトメトリーの読み方 ~研修医からジェネラリストまで~
#初期研修医向け #呼吸器内科 #診断 #悪性リンパ腫 #リンパ節生検 #総合内科 #白血病 #リンパ腫 #骨髄腫 #内科 #内科専門医 #胸水 #臨床実習 #検査 #医学生向け #消化器内科 #血液内科 #腹水
180
110,714
最終更新:2022年2月16日
聴診のシカタ!~聴診器を当てるまで~
#プライマリケア #医学生 #呼吸器内科 #総合診療 #家庭医療 #研修医 #呼吸器 #聴診 #循環器 #ベッドサイド診療 #フィジカルクラブ
198
51,971
最終更新:2021年2月5日
プライマリ・ケアにおけるCOPD
#呼吸器内科 #COPD
76
49,044
最終更新:2020年8月18日
5類感染症となるCOVID-19への対応 - 5類化への対応・院内感染対策・早期治療の重要性 -
#新型コロナウイルス感染症 #COVID-19 #感染対策 #5類感染症 #マスク
210
328,790
最終更新:2023年3月25日
呼吸器と病理と僕
#器質化肺炎 #肺病理
5
4,745
最終更新:2023年3月22日
重症COVID-19で注目されている自発呼吸関連肺傷害(P-SILI)をご存じですか?
#PEEP #自発呼吸関連肺傷害 #努力呼吸 #呼気終末陽圧 #ΔPes #P-SILI #吸気努力 #エラスタンス法 #Pmus #PMI #ΔPocc #P0.1 #陰圧性肺水腫 #Pendelluft現象
53
8,089
最終更新:2023年2月21日
臨床病期1期(ステージ1)の非小細胞肺癌のガイドライン
#オシメルチニブ #肺葉切除 #非小細胞肺癌 #外科切除 #テガフール・ウラシル #開胸 #アテゾリズマブ #胸腔鏡下手術 #標準手術 #術後補助療法 #PET
37
5,336
最終更新:2023年1月23日
肺がん手術の今までとこれから
#肺切除 #リンパ節郭清 #拡大手術 #低侵襲手術 #気管支形成術 #JCOG0802試験
36
5,711
最終更新:2023年1月20日
救急エコーはまず肺より始めよ 簡単ですぐに使えて コスパ最高
#エコー #救急外来 #医学生 #研修医 #救急科 #気胸 #肺エコー #初期研修医 #POCUS #B line #Lung slidingの消失 #A line #Lung sliding
639
70,143
最終更新:2023年1月5日
内科(364)
消化器内科(55)
循環器内科(77)
呼吸器内科(78)
血液内科(32)
糖尿病内分泌代謝内科(46)
腎臓内科(29)
アレ膠リウマチ内科(28)
脳神経内科(93)
総合診療科(149)
救急科(342)
外科(33)
消化器外科(2)
呼吸器外科(3)
乳腺外科(0)
整形外科(81)
脳神経外科(16)
泌尿器科(21)
形成外科(19)
皮膚科(25)
眼科(19)
耳鼻咽喉科(13)
歯科口腔外科(8)
リハビリテーション科(8)
心臓血管外科(5)
小児科(48)
産婦人科(47)
精神科(61)
放射線科(51)
麻酔科(12)
緩和ケア科(23)
感染症科(200)
産業医(8)
初期研修医(330)
医学生(4)
その他(298)
間質性肺炎のバイオマーカー 藤本 和志 (医療法人社団三志会 藤本循環器科・内科) 5分で学ぶ! KL-6/SP-A/SP-Dの使い分け
はじめに… 「胸部単純X線ですりガラス陰影(間質影)が出現しているけれど、何をしたらいいか分からない……」 と思ったことはありませんか? 本スライドでは、間質性肺炎(ILD)を疑ったときに提出する血液検査(バイオマーカー)であるKL-6、SP-A、SP-Dの使い分けについて解説します。 2 ※本スライドは、Antaaウェブサイト上に掲載された「Antaa×中外医学社」の共同企画記事を再編集して作成されました。
プロフィール 藤本 和志 (ふじもと かずゆき) 3 日本呼吸器学会 呼吸器専門医日本内科学会 総合内科専門医 東京医療センターで呼吸サポートチーム(RST)を立ち上げ、人工呼吸器ケアなどに積極的に関わり、セミナーなどを開催。 現在は、コロナ流行を契機に山口県に帰省し、岩国医療センターに従事しながら、呼吸器疾患を中心としたクリニック外来、在宅診療を行う他、地域で福祉事業会社を運営。 医師として“地域コミュニティ×医療”を模索しながら奮闘。
4.
① 間質影を見た際、 提出すべきマーカーとは? ② 間質性肺炎のマーカーを 提出するべきタイミングは? 4 ③ KL-6値の判定と SP-A/SP-Dとの使い分けは?
5.
① 間質影を見た際、提出すべきマーカー 間質性肺炎(ILD)を疑うケースでは「KL-6を提出しよう」。 KL-6はILD合併の有無の評価に有用とされる。 ただし、ILDのバイオマーカーとして提出されるのはKL-6だけではない。 他にも有名なものでは、SP-A、SP-Dサーファクタント特異的蛋白質などがある。 5
6.
注:本データの基準値は参考文献内のものであり、日常診療での基準値とは異なる。 6 表1 間質性肺炎のバイオマーカーの感度・特異度1) KL-6 SP-A SP-D
7.
ILDの急性増悪ではLDHの上昇を伴うことも多いので、疑う場合にはLDHも必ず提出しましょう。 7 間質性肺炎 急性増悪 その他のバイオマーカーは? SP-A LDH KL-6 SP-D ? 忘れずに!
8.
① 間質影を見た際、 提出すべきマーカーとは? ② 間質性肺炎のマーカーを 提出するべきタイミングは? 8 ③ KL-6値の判定と SP-A/SP-Dとの使い分けは?
9.
日常診療で、呼吸器内科医がこれらのマーカーを用いるのはどのような場合か? ② マーカーを提出するべきタイミング 9 病棟や外来の患者さんが肺炎症状を呈している際に 間質性肺炎を含めた他疾患との鑑別が必要とされる時 間質性肺炎の外来経過中に病勢を把握したい時 間質性肺炎に対し治療中に、治療の反応性を見る時
10.
補足:膠原病に伴うILDにおける主な血清バイオマーカーの有用性2) バイオマーカーは客観的に測定、評価され、診断、進行・予後予測や治療介入うに対する反応の指標となる。 10
11.
① 間質影を見た際、 提出すべきマーカーとは? ② 間質性肺炎のマーカーを 提出するべきタイミングは? 11 ③ KL-6値の判定と SP-A/SP-Dとの使い分けは?
12.
1. KL-6値の判定 KL-6のカットオフ値は 500 U/mL程度と設定されるが、実臨床では 少し高くとも有意とは捉えないことがある。 500〜 700 U/mL 程度 であれば、「少し上がっているなぁ…」という印象で、 1,000 U/mLを超えるようであれば、「間違いなく上がっている!」というイメージ 12
13.
細菌性肺炎、薬剤性肺障害、ARDSなどの症例でも、KL-6の上昇を経験することは多い。 非小細胞肺癌、乳癌、膵臓癌でも上昇するとされ、癌を合併した間質性肺炎のKL-6の解釈には注意を要する3) 。 これらの疾患においては、SP-A(基準値43.8 ng/mL)、SP-D(基準値110 ng/mL)も同様に上昇することがある! 13 2. 間質性肺炎以外でKL-6上昇を来すのは?
14.
3. KL-6とSP-A/SP-Dの使い分けは? 感度・特異度の観点からKL-6が基本だが、SP-A/SP-Dを同時に提出することもある(次スライド参照)。 ただし「KL-6を提出せず、SP-AやSP-Dだけを提出する」ことは少ない。 14
15.
これらのバイオマーカーの特徴としては、KL-6より早期にSP-A/SP-Dが上昇することが多いとされる4)。 間質性肺炎急性増悪などの急性疾患では早期にはKL-6が上昇していないケースもあり、SP-A/SP-Dの提出が有効となりえる。 15 経過観察のためにKL-6をフォローする場合も、SP-A/SP-Dを同時に提出しておくことで、予後予測に寄与したり、今後病態が変化した際の参考値となったりすることもある。
16.
補足:間質性肺炎を疑った場合の特殊採血項目 間質性肺炎の原因として膠原病のスクリーニングは必須。 皮膚所見などの身体所見や採血検査などにより、できる限り膠原病の可能性を探る。 16 間質性肺炎 膠原病スクリーニング! ?
17.
私が提出している項目の一例 膠原病の診断は自己抗体だけでつくことは決してない。 ただし保険算定上、同時の検査項目数には制約があり、医療機関において、診療状況に配慮し提出することが求められる。 17 RF 抗CCP抗体 抗核抗体 抗dsDNA抗体 抗Sm抗体 SS-A 抗U1RNP抗体 抗Scl-70抗体 抗ARS抗体 抗ARS抗体 PR3-ANCA MPO-ANCA 抗セントロメア抗体 間質性肺炎を疑った場合の特殊採血項目の例 抗RNPポリメラーゼ抗体 *赤字は最初のスクリーニングにおけるおススメ
18.
18 最後に、KL-6の歴史のお話を。 KL-6は、河野修興先生が肺癌関連抗原を探すなかで、間質性肺炎患者に高く検出されるモノクローナル抗体として発見されました。 日本で有名なKL-6。海外でも用いられるようになってきていますが、やはり特に日本において最も検査されているようです。 COLUMN 「世界で日本が一番検査している“KL-6”」
19.
参考文献 Am J Respir Crit Care Med. 2002 Feb 1; 165(3):378-381 膠原病に伴う間質性肺疾患診断・治療指針2020 広島大学医学雑誌, 33(6), 971-997, 1985 日呼吸会誌 2001;39(4):p298-302 さらに学びたい人のために 膠原病に伴う間質性肺疾患診断・治療指針2020 19