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5分で学ぶ!間質性肺炎のバイオマーカー【KL-6/SP-A/SP-Dの使い分け】

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藤本 和志

2020/12/10

藤本 和志

医療法人社団三志会 藤本循環器科・内科

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「胸部単純X線ですりガラス陰影(間質影)が出現しているけれど、何をしたらいいか分からない……」 と思ったことはありませんか?

本スライドでは、間質性肺炎(ILD)を疑ったときに提出する血液検査(バイオマーカー)である、KL-6、SP-A、SP-Dの使い分けについて解説します。

・間質影を見た際、提出すべきマーカーとは?
・ 間質性肺炎のマーカーを提出するべきタイミングは?
・ KL-6値の判定とSP-A/SP-Dとの使い分けは?

※本スライドは、Antaaウェブサイト上に掲載されたバックナンバー記事を再編集して作成されました。

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5分で学ぶ!間質性肺炎のバイオマーカー【KL-6/SP-A/SP-Dの使い分け】

1. 間質性肺炎のバイオマーカー 藤本 和志 (医療法人社団三志会 藤本循環器科・内科) 5分で学ぶ! KL-6/SP-A/SP-Dの使い分け
2. はじめに… 「胸部単純X線ですりガラス陰影(間質影)が出現しているけれど、何をしたらいいか分からない……」 と思ったことはありませんか? 本スライドでは、間質性肺炎(ILD)を疑ったときに提出する血液検査(バイオマーカー)であるKL-6、SP-A、SP-Dの使い分けについて解説します。 2 ※本スライドは、Antaaウェブサイト上に掲載された「Antaa×中外医学社」の共同企画記事を再編集して作成されました。
3. プロフィール 藤本 和志 (ふじもと かずゆき) 3 日本呼吸器学会 呼吸器専門医日本内科学会 総合内科専門医 東京医療センターで呼吸サポートチーム(RST)を立ち上げ、人工呼吸器ケアなどに積極的に関わり、セミナーなどを開催。 現在は、コロナ流行を契機に山口県に帰省し、岩国医療センターに従事しながら、呼吸器疾患を中心としたクリニック外来、在宅診療を行う他、地域で福祉事業会社を運営。 医師として“地域コミュニティ×医療”を模索しながら奮闘。
4. ① 間質影を見た際、   提出すべきマーカーとは? ② 間質性肺炎のマーカーを   提出するべきタイミングは? 4 ③ KL-6値の判定と   SP-A/SP-Dとの使い分けは?
5. ① 間質影を見た際、提出すべきマーカー 間質性肺炎(ILD)を疑うケースでは「KL-6を提出しよう」。 KL-6はILD合併の有無の評価に有用とされる。 ただし、ILDのバイオマーカーとして提出されるのはKL-6だけではない。 他にも有名なものでは、SP-A、SP-Dサーファクタント特異的蛋白質などがある。 5
6. 注:本データの基準値は参考文献内のものであり、日常診療での基準値とは異なる。 6 表1 間質性肺炎のバイオマーカーの感度・特異度1) KL-6 SP-A SP-D
7. ILDの急性増悪ではLDHの上昇を伴うことも多いので、疑う場合にはLDHも必ず提出しましょう。 7 間質性肺炎 急性増悪 その他のバイオマーカーは? SP-A LDH KL-6 SP-D ? 忘れずに!
8. ① 間質影を見た際、   提出すべきマーカーとは? ② 間質性肺炎のマーカーを   提出するべきタイミングは? 8 ③ KL-6値の判定と   SP-A/SP-Dとの使い分けは?
9. 日常診療で、呼吸器内科医がこれらのマーカーを用いるのはどのような場合か? ② マーカーを提出するべきタイミング 9 病棟や外来の患者さんが肺炎症状を呈している際に 間質性肺炎を含めた他疾患との鑑別が必要とされる時 間質性肺炎の外来経過中に病勢を把握したい時 間質性肺炎に対し治療中に、治療の反応性を見る時
10. 補足:膠原病に伴うILDにおける主な血清バイオマーカーの有用性2) バイオマーカーは客観的に測定、評価され、診断、進行・予後予測や治療介入うに対する反応の指標となる。 10
11. ① 間質影を見た際、   提出すべきマーカーとは? ② 間質性肺炎のマーカーを   提出するべきタイミングは? 11 ③ KL-6値の判定と   SP-A/SP-Dとの使い分けは?
12. 1. KL-6値の判定 KL-6のカットオフ値は 500 U/mL程度と設定されるが、実臨床では 少し高くとも有意とは捉えないことがある。 500〜 700 U/mL 程度 であれば、「少し上がっているなぁ…」という印象で、 1,000 U/mLを超えるようであれば、「間違いなく上がっている!」というイメージ 12
13. 細菌性肺炎、薬剤性肺障害、ARDSなどの症例でも、KL-6の上昇を経験することは多い。 非小細胞肺癌、乳癌、膵臓癌でも上昇するとされ、癌を合併した間質性肺炎のKL-6の解釈には注意を要する3) 。 これらの疾患においては、SP-A(基準値43.8 ng/mL)、SP-D(基準値110 ng/mL)も同様に上昇することがある! 13 2. 間質性肺炎以外でKL-6上昇を来すのは?
14. 3. KL-6とSP-A/SP-Dの使い分けは? 感度・特異度の観点からKL-6が基本だが、SP-A/SP-Dを同時に提出することもある(次スライド参照)。 ただし「KL-6を提出せず、SP-AやSP-Dだけを提出する」ことは少ない。 14
15. これらのバイオマーカーの特徴としては、KL-6より早期にSP-A/SP-Dが上昇することが多いとされる4)。 間質性肺炎急性増悪などの急性疾患では早期にはKL-6が上昇していないケースもあり、SP-A/SP-Dの提出が有効となりえる。 15 経過観察のためにKL-6をフォローする場合も、SP-A/SP-Dを同時に提出しておくことで、予後予測に寄与したり、今後病態が変化した際の参考値となったりすることもある。
16. 補足:間質性肺炎を疑った場合の特殊採血項目 間質性肺炎の原因として膠原病のスクリーニングは必須。 皮膚所見などの身体所見や採血検査などにより、できる限り膠原病の可能性を探る。  16 間質性肺炎 膠原病スクリーニング! ?
17. 私が提出している項目の一例 膠原病の診断は自己抗体だけでつくことは決してない。 ただし保険算定上、同時の検査項目数には制約があり、医療機関において、診療状況に配慮し提出することが求められる。  17 RF 抗CCP抗体 抗核抗体 抗dsDNA抗体 抗Sm抗体 SS-A 抗U1RNP抗体 抗Scl-70抗体 抗ARS抗体 抗ARS抗体 PR3-ANCA MPO-ANCA 抗セントロメア抗体 間質性肺炎を疑った場合の特殊採血項目の例 抗RNPポリメラーゼ抗体 *赤字は最初のスクリーニングにおけるおススメ
18. 18 最後に、KL-6の歴史のお話を。 KL-6は、河野修興先生が肺癌関連抗原を探すなかで、間質性肺炎患者に高く検出されるモノクローナル抗体として発見されました。 日本で有名なKL-6。海外でも用いられるようになってきていますが、やはり特に日本において最も検査されているようです。 COLUMN 「世界で日本が一番検査している“KL-6”」
19. 参考文献 Am J Respir Crit Care Med. 2002 Feb 1; 165(3):378-381 膠原病に伴う間質性肺疾患診断・治療指針2020 広島大学医学雑誌, 33(6), 971-997, 1985 日呼吸会誌 2001;39(4):p298-302 さらに学びたい人のために 膠原病に伴う間質性肺疾患診断・治療指針2020 19