#4.
読影手順例:ABCDEFGH A Airway 気管 : 閉塞の有無、気管の偏位、傍気管線の確認
B Bone 骨: 骨折、脱臼、浸食像の有無
C Cardiac 心臓 : 右第1、2弓 左1~4弓、下降大動脈、シルエットサインは?
D Diaphragm 横隔膜 : 横隔膜全長に渡り黙認出来るか?、シルエットサインは?
E Effusion 胸水 : CPAはシャープか?、気胸や気胸の有無は?
F Lung Field 肺野 : 結節影、線状影、浸潤影、スリガラス陰影、斑状陰影など
G Gastric 胃泡 : 胃泡内・胃泡から横隔膜までの確認、Free airは?
H Hardware デバイス : 気管チューブ、中心静脈ライン、胃管などのデバイス確認 総合内科マニュアル第2版(編集亀田総合病院)より抜粋し改変
#5.
胸部レントゲン読影の基本 左右の比較
過去との比較
正常で見えるべき線を理解する 5
#6.
左右の比較 6
#7.
過去との比較 7 4年前の写真 今回の写真
#8.
リンパ節
腫脹 肺癌 8
#9.
正常で見えるべき線を理解する 9
#10.
見えるべき線、輪郭
上大静脈/傍気管線
下行大動脈辺縁
横隔膜上縁
CP Angle
大動脈弓
心辺縁
肺血管影、肺門構造
AP window
経時的変化にも注目 10 1 2 3 3 4 4 5 6 6 7 7 8
#11.
横隔膜の陰影(しっかりシルエットがある?) 11 経時的に横隔膜の陰影が不明瞭になっている
#12.
IPF
(特発性肺線維症) 12
#13.
異常所見とは
正常では見えないものが見えている。
正常では見えるべきものが見えない。 13
#14.
傍気管線 14 気管右側の線。
通常は1~2mm。
5mmを超えると明らかな異常所見。
腫瘤病変、
リンパ節腫脹(#2R)
#15.
傍気管線の異常 15 ここで切れてる。
#16.
16
#17.
下降大動脈の陰影 17 追える!
#18.
下降大動脈の陰影 18 追える?
#19.
下降大動脈の陰影 19 無気肺
#20.
縦隔陰影 20 右1弓:上大静脈
右2弓:右房 左1弓 大動脈弓
左2弓 肺動脈
左3弓 左房
左4弓 左室 1 2 1 2 3 4
#21.
左第1弓消失 21 腫瘤影が大動脈弓と接している。
➡シルエットサイン陽性
#22.
シルエットサイン 22 A B A B シルエットサイン 陽性 シルエットサイン 陰性
#23.
シルエットサイン
陰性 23
#24.
24
#25.
横隔膜陰影が不明瞭。
下降大動脈追えない。 正常(別患者) 25
#26.
26 やさしイイ呼吸器教室より
#27.
・下降大動脈の陰影追えない
・左横隔膜陰影不明瞭
⇨左下葉肺癌(S10)
27
#28.
A-P window 28 A-P
window やさしイイ呼吸器教室より
#29.
A-P window 29
#30.
30 胸膜炎で入院時のXp 入院5日後のXp AP window
消失
#31.
31 胸膜炎から膿胸への進展
#32.
AP window 消失 32 AP window 正常(別患者)
#33.
読影、、、その前に確認する事。 撮影体位
撮影条件 (撮影室、ポータブル)
正中性 33
#34.
PA撮影の理由 ~立位PAが基本~ 34 心陰影の拡大防止。
APだとCTRが10%程、過大評価となる フィルム面 フィルム面 PA方向 AP方向
#35.
正中性 35 棘突起 気管 脳梗塞で左半側空間無視
常に右を向いている患者
#36.
正中性が取れているレントゲン 36 気管
#37.
気管 ~押されているのか引っ張られているのか~ 37 肺の収縮・線維化で
気管が引っ張られている 消化管穿孔!
#38.
腫瘍 38
#39.
胸部レントゲン読影手順例 骨・軟部組織
縦隔
心陰影
横隔膜
肺門
肺野 39 病歴や身体診察の情報も加味する。
#40.
症例
・18歳 男性
・授業中に急な胸痛、呼吸困難あり、嚥下時の違和感もあり来院。
・特記既往なし。
・呼吸音、清、左右差なし
・頚部に握雪感あり。 40
#41.
縦隔気腫
皮下気腫 41
#42.
比較 42 保存加療後
#43.
鎖骨骨折 43 交通外傷
左肩痛あり
#44.
立位 44
#45.
過去との比較 45
#46.
今回の胸部レントゲン 2ヶ月前の胸部レントゲン 46
#47.
84歳 男性
リウマチ既往がありプレドニゾロン10㎎とMTX内服中
発熱、咳嗽、呼吸困難
痰は出ない
ST合剤予防内服なし 47
#48.
48
#49.
49
#50.
50
#51.
51
#52.
ステロイド長期内服患者に生じた
上葉優位のびまん性スリガラス陰影
→βDグルカン陽転化して、BAL液PCP-PCR(+)
→診断:PCP(ニューモシスチスカリニ肺炎) 52 過去との比較、病歴や身体診察の情報から鑑別を考慮した上で
胸部レントゲンを読影する事も重要。
#53.
側面像 53
#54.
特発性肺線維症 54 側面像で見るとにより、
蜂巣肺が明確になる。
#55.
IPF
(特発性肺線維症) 55
#56.
心陰影裏の腫瘤 56 Acad Radiol. 2010 Dec;17(12):1560-6.
doi: 10.1016/j.acra.2010.07.004.
#57.
肺門構造 57 正常 COPD 左肺動脈 右肺動脈 Acad Radiol. 2010 Dec;17(12):1560-6.
#58.
胸水の側面像 58 正面像ではわからない少量胸水がわかる
#59.
COPDの側面像 59 2cm< 90°< COPDで肺の過膨張が生じている。
#60.
縦隔腫瘍 60 胸骨裏などの縦隔腫瘍は側面像でないとわからない
#61.
61 実は、胸水だけで無く、
気胸もあります。
#62.
側面像 62
#63.
側面像はルーチンに必要か 側面像のみで描出される病変は4/652例。
肺がんや孤立性腫瘤陰影に絞った時でも側面像のみで観察されるのは3%。
入院や予定手術で撮影された胸部Xpで側面像でしか異常がないのは34/6063例。
451人の肺炎疑いの小児患者。正面のみで20.8%、側面像加えて、24.2%の診断率。
胸水に対して、正面のみの感度67.3%、側面を加えた感度83.9%。
日医放雑誌,43 : 893-896, 1983. Radiol Clin North Am, 16 : 347-366,1978. IMAJ ,Volume 20, Number 1, January 2018 Am J Emerg Med. 2016 Dec;34(12):2402-2407 N Engl J Med 1974; 291:1001-1004
#64.
側面像の意味 肺底部の評価(間質性肺炎など)
腫瘤評価 (胸骨後方、心背部、横隔膜ドーム背部、肺門)
少量胸水
COPD
縦隔腫瘍
ドレーンの向き(腹側か背側か?)
肺門構造の確認 など 64
#65.
見逃しを減らすために、、、 65
#66.
見逃しを減らすためには、、、 読影手順を決める。
病歴や身体診察から考えられる疾患を想定して読影する。
過去の画像と比較する。
見逃しやすい場所をしる。 66
#67.
見逃しやすい場所 67 ① 鎖骨の裏
② 心陰影の裏
③ 横隔膜の裏
④ 縦隔陰影の裏
⑤ 肺門部
#68.
腫瘤性病変 68
#69.
69
#70.
70
#71.
71 右鎖骨裏に認めた空洞性病変
#72.
72
#73.
右肺門部肺癌
閉塞性肺炎 73
#74.
74
#75.
心陰影裏の腫瘤病変 75
#76.
見逃しやすい場所 76 ① 鎖骨の裏
② 心陰影の裏
③ 横隔膜の裏
④ 縦隔陰影の裏
⑤ 肺門部
#77.
「小」 気管の透亮と左右肺尖
(中央陰影に注目ー左右の同じ高さを比較)
「三」 上肺野、肺門、下肺野
(左右肺門の濃度差)
「J」 上縦隔ー下行大動脈に沿って心陰影の裏の肺野 胸部写真の読み方と楽しみ方 (佐藤雅史)より 見逃しを減らすための読影法の例 77
#78.
肺野陰影 腫瘤(結節)陰影
浸潤性陰影
胸膜疾患
両側びまん性陰影
78
#79.
両側びまん性陰影~病変の分布からの鑑別~ 肺門周囲 肺水腫、肺胞蛋白症など
末梢優位 好酸球性肺炎、COP、薬剤性肺炎など
上肺野優位 CASSET-P
下肺野優位 肺線維症などの間質性肺炎、石綿肺
全肺野 過敏性肺炎、肺胞微石症、癌性リンパ管腫症など様々 79
#80.
上肺野優位 CASSET-P C cystic fibrosis , chronic HP
A Amitani disease (PPFE)
S Silicosis (塵肺)
S sarcoidosis
E eosinophilic granuloma (→LCH)
T tuberculosis
P PCP 80
#81.
肺水腫 バタフライシャドウ 81
#82.
82
#83.
83 好酸球性肺炎 末梢優位の
陰影 Air Bronchogram
+
浸潤影
#84.
さらに勉強するために 84
#85.
症例 85
#86.
立位 86
#87.
左下葉肺炎 87 ・下降大動脈の陰影追えない
・左下肺野の透過性低下
・左横隔膜陰影不明瞭
#88.
43歳女性 呼吸困難、嘔気、嘔吐 88 ・肺血管陰影が末梢まで
追える。
上に行く血管が太い。
・右2弓やや不明瞭
・胃泡から横隔膜までの
厚い(2cm以上)
⇒胸水あり! HR:119/min
BP:207/122mmHg
#89.
肺血管陰影の太さと左房圧 下向きが太い ≦ 10 mmHg
上下同じ = 15 mmHg
上が太い = 20 mmHg
肺水腫 ≧ 30 mmHg
89 Turner, AJR 116:97, 1972
#90.
腹部CT 90 胸水 胃泡と横隔膜上縁までが太い
#91.
胃泡を使う 胃泡と横隔膜までの距離が1cmまでが正常
2cmを超えると異常
➡胸水貯留や腫瘤など考慮する。 91
#92.
ここが2cm以上が異常 92
#93.
参考 93 褐色細胞腫による心不全 胸水貯留
#94.
94
#95.
95
#96.
96
#97.
左鎖骨裏の腫瘤病変 97
#98.
所見は?
#99.
条件 立位P⇒A
正中性 OK
骨軟部 特記なし
縦隔 傍気管線あり、右1弓拡大あり。大動脈弓~A-P window 特記なし、下降大動脈追える。
気管 気管分岐角やや拡大あり。
心陰影 右2弓の最後はやや不明瞭
肺門部 右肺門部陰影増強あり。
横隔膜 横隔膜陰影特記なし、胃胞からの距離は厚くない。CPA sharp
肺野 右下肺野に空洞を伴う陰影あり。
#100.
胸部CT
#101.
・空洞性病変
・縦隔・肺門リンパ節腫脹
・心嚢液貯留
#102.
鎖骨上窩リンパ節腫脹もあり、そこからリンパ節穿刺を行い、
⇒ 肺扁平上皮癌の診断 ・原発性肺癌のうち、2~16%に空洞形成あり。
・空洞形成を伴う肺癌のうち45~63%が扁平上皮癌、30~53%が腺癌との報告もある。 日呼吸会誌 45(6),2007
#103.
空洞陰影 結核
肺化膿症
肺真菌症(アスペルギルス)
肺癌
ただし、否定できるまでは常に結核を疑う。
結核で空洞を作る時は排菌している可能性が高いです。
#104.
所見は?
#105.
右2弓が見えない 左4弓の輪郭が
不明瞭 網状陰影
#106.
参考 病変が中葉・舌区にある事
が示唆される。
#107.
胸部CT
#108.
Tree in bud
(小葉中心性陰影) 気管支拡張像 中葉舌区の気管支拡張
を伴う浸潤陰影
#109.
喀痰検査(抗酸菌) 塗抹 : 陰性
PCR : アビウム陽性
培養 : Mycobacterium avium
別日の喀痰検査でもMycobacterium avium が培養陽性。
#110.
診断非結核性抗酸菌症(肺MAC症) 診断の要件
NTMに矛盾しない画像所見と
① 喀痰抗酸菌検査で同一の菌が2回以上陽性
② 気管支鏡検査で菌の同定あり
#111.
以上で終了です。
明日からレントゲンを読影する時の参考になれば幸いです。
111