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医師の誰もが知っておくべき結核患者の陰圧隔離/検査の考え方

  • 内科

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  • 呼吸器内科
  • 陰圧管理
  • T-SPOT
  • QFT
  • IGRA

25,405

63

2017/11/4
次富亮輔

がん研有明病院

アメリカの5倍以上の罹患率のある結核蔓延国日本。日本で働く医師として知っておくべき結核の段階的な考え方(感染/発病/排菌の概念)とその病歴(ホームレス、高齢者施設、海外渡航などのリスクファクター含)、検査(結核三連痰、IGRA(QFT/T-SPOT))、陰圧管理の判断基準について学べます。また画像的特徴を理由をつけてわかりやすく説明しています。


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医師の誰もが知っておくべき結核患者の陰圧隔離/検査の考え方

  1. Antaa Night Mini Lecture敵は味方のフリをする。小さな巨人 -結核- 聖路加国際病院 呼吸器センター 呼吸器内科 次富亮輔

  2. 本日の内容     ■ Overview     ■ 結核に関する検査     ■ 結核の画像診断     ■ Case presentation     ■ 医師国家試験の過去問題     ■ Q and A

  3. Overview 結核菌の “立ち位置”   Ziehl-Neelsen 染色ではすべての菌が陽性になる

  4. Overview 日本における結核の罹患率 (2013年)  16.1 人/10万人 アメリカにおける罹患率 (2013年)  3.0 人/10万人 『日本は結核蔓延国である』 !

  5. Overview 『感染』と『発病』と『排菌』  ■排菌者から出た結核菌を肺内に吸入することで   感染が成立 =初感染  → マクロファージに貪食され免疫応答によって    初期変化群という病巣を形成 →増殖を停止  → 宿主の免疫低下などで再度増殖し病変を呈する    =発病

  6. Overview 『感染』と『発病』と『排菌』  一次結核:初感染に引き続いて発病すること  二次結核:初感染から一定時間が経過した後に       細胞性免疫の低下などで発病すること

  7. Overview 『感染』と『発病』と『排菌』 排菌あり=喀痰抗酸菌塗抹(Z-N染色)で陽性

  8. Overview 『感染』と『発病』と『排菌』 感染 発病 排菌あり

  9. Overview 『排菌』?『感染力』?『陰圧隔離』? 排菌あり=喀痰抗酸菌塗抹(Z-N染色)で陽性    =感染力あり =陰圧隔離を行わなければならない 結核予防法における勧告入院

  10. Overview 『排菌なし』『感染力なし』『隔離解除』 排菌なし=喀痰抗酸菌塗抹(Z-N染色)で陰性 が3回 いわゆる3連痰陰性の確認   =感染力なし   =陰圧隔離を解除してよい

  11. 本日の内容     ■ Overview     ■ 結核に関する検査     ■ 結核の画像診断     ■ Case presentation     ■ 医師国家試験の過去問題     ■ Q and A 最大のポイントは   疑うこと!!!!

  12. Risk Factor  ■既感染率の高いPopulation   ・高齢者施設入所者やデイケア通院者   ・ホームレスや特定結核高度蔓延地域の住民   ・入国3年以内の外国人や日本語学校通学者  ■発病しやすく重症化しやすいPopulation   ・HIV感染者   ・悪性腫瘍や人工透析患者 , 糖尿病, 低栄養   ・ステロイドやTNF-α阻害薬,抗癌剤で治療中   ・BCG接種歴のない0-4歳時

  13. Risk Factor              発病の相対リスク  ・AIDS          170  ・HIV           110  ・免疫抑制治療       12  ・血液透析         10-15  ・糖尿病          3  ・頭頚部悪性腫瘍      16 Epidemiol Rev 1989;11:79-98

  14. 典型的な症状     ・喀痰や咳嗽, 血痰     ・胸痛     ・発熱や倦怠感     ・体重減少     ・寝汗 ただし リスクはなくても症状が乏しくても 結核は存在しうる

  15. 喀痰検査  塗抹:排菌の有無を評価  PCR:3-5日でTb or MACの結果が判明  培養:菌名の同定・薬剤感受性 1日目 3日目 2日目

  16. 結核菌特異的全血IFN-γ遊離測定法 (IGRA) QFT-Tb, T-SPOT        → 感染の有無を評価できる            しかし     既感染 or 現在の感染 は判別できない

  17. 結核菌特異的全血IFN-γ遊離測定法 (IGRA)

  18. 感染 発病 排菌あり 喀痰抗酸菌塗 抹 IGRA

  19. 本日の内容     ■ Overview     ■ 結核に関する検査     ■ 結核の画像診断     ■ Case presentation     ■ 医師国家試験の過去問題     ■ Q and A

  20. 二次小葉 肺動脈 細気管支 肺胞 肺静脈・リンパ管 胸壁 臓側胸膜 壁側胸膜

  21. 肺動脈 細気管支 ハイコントラストな分枝状陰影 Tree in bud appearance

  22. 小葉中心性の粒状影

  23. 結節影+娘病巣

  24. 肺静脈・リンパ管 小葉辺縁性の粒状影

  25. 小葉中心性+小葉辺縁性 ランダムパターンの粒状影

  26. 小葉中心性+小葉辺縁性 ランダムパターンの粒状影 粟粒結核

  27. 本日の内容     ■ Overview     ■ 結核に関する検査     ■ 結核の画像診断     ■ Case presentation     ■ 医師国家試験の過去問題     ■ Q and A

  28. 84歳男性 高齢者施設入所中 胸部異常影

  29. 24歳女性 フィリピン国籍 胸部異常影

  30. 57歳 男性 胸部異常影 (肺癌疑いで紹介)

  31. 57歳 男性 胸部異常影 (肺癌疑いで紹介)

  32. 57歳 男性 胸部異常影 (肺癌疑いで紹介) TBLB → 悪性所見なし → 胸腔鏡下肺部分切除 → 手術検体の組織培養でTb

  33. 57歳 男性 胸部異常影 (肺癌疑いで紹介)   手術検体の組織培養でTb ミャンマーへ頻回の渡航歴あり ちなみにT-SPOTは陰性, 抗MAC抗体は陽性

  34. 38歳 男性 2015/8頃より咳嗽の自覚症状あり →近医(呼吸器内科)で気管支喘息としてICS/LABA  (実は緑色の喀痰を長期的に認めていた) 2016/6 咳嗽の増悪あり近医でCXR →異常なしとの判断で喘息の治療強化  (しかし咳嗽は持続) その後も改善なく2017/9 紹介受診

  35. ハイコントラストな分枝状陰影 =Tree in bud

  36. !!! 左右主気管支の 内径に差がある

  37. 診断:気管支結核            +肺結核

  38. 38歳 男性

  39. 38歳 男性

  40. 本日の内容     ■ Overview     ■ 結核に関する検査     ■ 結核の画像診断     ■ Case presentation     ■ 医師国家試験の過去問題     ■ Q and A

  41. 109 C20 40歳の男性。喀痰・咳嗽・微熱を主訴に来院。2か月前から喀痰と咳嗽を自覚し徐々に増悪した。微熱が出現し寝汗をかくようになったため受診した。5年前に糖尿病を指摘されたがそのままにしていた。 身長174cm, 体重90kg, 体温37.1℃, 脈拍72/分, 血圧138/88mmHg, 呼吸数18/分, SpO2 98% (room air) 【血液検査】赤血球532万, Hb 16.0g/dL, Ht 46%, 白血球7,300, 血小板24万, 血糖320mg/dL, HbA1c 13.0% (基準4.6〜6.2%), CRP 2.1mg/dL 胸部エックス線写真を別に示す。 次に行うべき検査はどれか。    a. 胸部MRI    b. FDG-PET    c. 呼吸機能検査    d. 喀痰塗抹検査    e. 気管支内視鏡検査

  42. 109 C20 40歳の男性。喀痰・咳嗽・微熱を主訴に来院。2か月前から喀痰と咳嗽を自覚し徐々に増悪した。微熱が出現し寝汗をかくようになったため受診した。5年前に糖尿病を指摘されたがそのままにしていた。 身長174cm, 体重90kg, 体温37.1℃, 脈拍72/分, 血圧138/88mmHg, 呼吸数18/分, SpO2 98% (room air) 【血液検査】赤血球532万, Hb 16.0g/dL, Ht 46%, 白血球7,300, 血小板24万, 血糖320mg/dL, HbA1c 13.0% (基準4.6〜6.2%), CRP 2.1mg/dL 胸部エックス線写真を別に示す。 次に行うべき検査はどれか。    a. 胸部MRI    b. FDG-PET    c. 呼吸機能検査    d. 喀痰塗抹検査    e. 気管支内視鏡検査

  43. 108 A37 78歳の男性。微熱・血痰を主訴に来院。2か月前から咳嗽と喀痰、1か月前から微熱と全身倦怠感、1週前から血痰が出現したため近医を受診。CTで異常陰影を指摘された。カルバペネム系抗菌薬で治療されたが改善せず紹介されて受診した。既往歴:特になし 体温37.6℃, 脈拍72/分・整, 血圧112/68mmHg, 呼吸数16/分, SpO2 97% (room air) 心音と呼吸音に異常なし 【血液検査】白血球9,300, Hb 14.5g/dL, 血小板34万, CRP 5.0mg/dL 胸部単純CTを別に示す。診断に有用な検査はどれか。 a. 結核菌特異的全血IFN-γ   遊離測定法 (IGRA) b. 喀痰抗酸菌PCR c. 喀痰塗抹検査 d. 喀痰嫌気培養 e. PET-CT

  44. 108 A37 78歳の男性。微熱・血痰を主訴に来院。2か月前から咳嗽と喀痰、1か月前から微熱と全身倦怠感、1週前から血痰が出現したため近医を受診。CTで異常陰影を指摘された。カルバペネム系抗菌薬で治療されたが改善せず紹介されて受診した。既往歴:特になし 体温37.6℃, 脈拍72/分・整, 血圧112/68mmHg, 呼吸数16/分, SpO2 97% (room air) 心音と呼吸音に異常なし 【血液検査】白血球9,300, Hb 14.5g/dL, 血小板34万, CRP 5.0mg/dL 胸部単純CTを別に示す。診断に有用な検査はどれか。 a. 結核菌特異的全血IFN-γ   遊離測定法 (IGRA) b. 喀痰抗酸菌PCR c. 喀痰塗抹検査 d. 喀痰嫌気培養 e. PET-CT

  45. Take Home Message  ■日本は結核蔓延国   リスクがなくても鑑別に  ■まずは排菌の有無を確認  ■検査の適応とその限界 (特にIGRA)  ■『ハイコントラストな分枝状影』

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