#4.
災害とは 医療における 医療の需要と供給のアンバランス l l l l 災害が起こる前(平時)は、医療の需要と供給がマッチしている状態 災害によって、「医療需要が上昇」(患者の増加など) 災害によって、「医療供給が減少」(医療リソースの減少) バランスが崩れることによって、平時の医療が提供できなくなる
#5.
⽇本の災害医療の歴史 奥尻島での地震 広域搬送の必要性が指摘された 1993年 北海道南⻄沖地震 1995年 阪神・淡路⼤震災、地下鉄サリン事件 2007年 中越沖地震 2011年 東⽇本⼤震災 2016年 熊本地震 防ぎえた災害死500⼈ ⽇本の災害医療の基礎を作る学会設⽴ 703隊のDMAT⽀援 組織化された災害⽀援 初めての広域搬送の実施 2018年 ⼤阪府北部地震、北海道胆振東部地震、7⽉豪⾬ 2024年 能登半島地震 医療⽀援に加えて インフラ⽀援の重要性が顕著に 災害の⻑期化 東⽇本⼤震災を超える⽀援⼈数 5年に⼀回は、規模の⼤きな⾃然災害が起こっている
#6.
我が国の災害医療の4つの柱(阪神⼤震災後の災害⽀援) l 現場の情報が途絶していた 広域災害救急医療情報システム EMIS l 被災地内では標準レベルの医療ができなかった。 ➡重症患者の救命ができなかった 災害拠点病院 l 発災直後に被災地へ医療者が赴いて医療活動をすることがな かった。 DMAT隊 ➡被災現場にすぐに駆けつけられる部隊 l 航空機による患者搬送が早期には実施されなかった。 ➡重症患者の優先搬送 広域搬送
#7.
我が国の災害医療の4つの柱の変化(東⽇本⼤震災後の災害⽀援) l インフラ⽀援の重要性。縦割りの部署からの情報を統合する ➡EMIS+JSPEED→ D24Hへ 広域災害救急医療情報システムEMIS ※1 ※2 l 災害拠点病院へのサポートが重要(BCPと耐震性) ➡復興の拠点となるように、機能を強化 ※3 災害拠点病院 l 被災現場よりも被災地医療需要の安定化 ➡被災地の医療資源の安定化を重視 ➡被災現場よりも、被災病院⽀援へ l 重症患者のみを搬送 ➡被災地の医療需要減を⽬標(中等症以下の積極搬出) ※1 医療⽀援チーム(全医療⽀援チーム)で共有するための、災害診療録の標準様式 ※2 災害時の保健福祉情報統合プラットフォーム ※3 Business Continuity Plan︓災害時の普及プランを災害前から準備する DMAT隊 広域搬送
#8.
EMIS(Emergency Medical Information System) 被災地内の病院の被災情報を収集する DMATの活動状況を把握する 「医療の需給バランス」を把握するツール
#9.
病院EMIS緊急時⼊⼒ 被災地内の病院の被災情報を収集する 「医療の需要」を把握するために、 被災病院がどのくらいの損傷かを記載する
#10.
DMATの状況を把握 DMATの派遣状況を収集する 「医療の供給」を把握するために、 どの程度のDMAT⽀援を⾏えるか判断する
#11.
「医療の需要」=被災病院 「医療の供給」=DMAT隊 を地図で俯瞰して把握する。
#12.
災害時の指揮命令系統図(DMATを例に) 都道府県庁 調整本部 エリア別 活動拠点本部 病院 診療所 エリア別 活動拠点本部 避難所 エリア別 活動拠点本部 SCU 参集本部など 施設 l DMATは災害の超急性期に、上記組織図のように被災地で指揮命令系統を整える l それぞれの本部ごとに情報を集約、所属本部よりミッションを与えられる。 l 派遣されたチームはどの本部に所属して、どのような命令系統にいるかの把握が⼤事 l 情報の重複を避けるため、DMAT以外の災害⽀援チームも同じ指揮命令系統で情報共有する
#13.
超急性期の⽀援の順番(1から優先して⽀援する) 1 2 災害拠点病院 3 有床病院 患者 搬送 現場にある医療資源を 維持しながら⽀援する 4 施設 患者 搬送 避難所 1.5次避難所 2次避難所 l 能登地震︓災害拠点病院の安定化(避難や、現状維持のため の負担減マネージメント)に約1週間かかった
#14.
災害⽀援チーム活動・被災者の流れ l 医療⽀援チームの活動の流れ 1.情報収集・各病院のEMISの⼊⼒状況を調査 2.災害拠点病院の強化(DMAT重点投⼊し、病院のダウンサイジング︓稼働病床の 削減と、スタッフの再分配) 3.病院の機能を評価し、分類(能登半島地震では、発災から1週間かかった) 4.有床診療所、施設への評価と⽀援 5.避難所のスクリーニングと安定化、必要に応じて施設避難などを実⾏ l 被災者の避難の流れ 1.被災現場近くの1次避難所(被災地内、体育館や公⺠館など) 2.被災現場から離れた1.5次避難所(体育館や公⺠館など) 3.被災現場から離れた2次避難所(ホテルや、知り合いの家など個別性の確保) 4.仮設住宅などへ
#15.
現在の災害派遣組織︓背景組織 超急性期は、医療資源・被災地⽣活 ともに、「⾃⼰完結」 l 超急性期 DMAT︓都道府県 TMAT︓NGO(⽀援背景に徳洲会グループ) ⽇⾚救護班︓⽇本⾚⼗字グループ ⺠間︓PWJ(ピースウィンズジャパン)等 l 急性期から亜急性期 TMAT、⽇⾚救護班 JMAT ︓⽇本医師会 亜急性期以降は、被災地の 医療を継続するための⽀援
#16.
災害のフェーズによる⽀援チームの推移 ⽇⾚ TMAT PWJ 超急性期︓「⾃⼰完結」⽀援と組織を作る⽀援 亜急性期︓「⾃⼰完結」が難しい組織にバトンタッチ+⻑期⽀援
#17.
災害派遣に⾏きたい︕どうすればいいのか︖ ⾏きたい︕ ⽀援したい︕ 現場では、あなたは誰︖となる 保証や治療はどうする︖ ⼀⼈では何もできない︕ ⽀援チームに所属しよう︕ 組織として活動 あなたが誰かを保証してもらう必要がある →何らかの災害⽀援組織に登録する JMAT︓亜急性期以降⽀援 DMAT、⽇⾚、TMAT︓超急性期⽀援
#18.
DMAT⽀援要請から派遣まで ①被災都道府県が県内DMAT指定医療機関に ⽀援要請 被災地内DMAT 出動可能 ②被災都道府県が⾮被災都道府県に⽀援要請 ③⾮被災都道府県が⾃都道府県内DMAT指定医 療機関に⽀援要請 DMATの出動は、所属都道府県の指⽰により 出動できる ⾮被災地内 DMAT出動可能
#19.
JMAT⽀援要請から、派遣まで ①被災地医師会が都道府県医師会に ⽀援要請 被災地内 JMAT出動可能 ②都道府県医師会が⽇本医師会に⽀援要請 ③⽇本医師会が⾮被災地都道府県医師会 に⽀援要請 ③⾮被災地都道府県医師会が群市区医師会 に⽀援要請 JMATの出動は、所属医師会が 要請・指⽰をして出動できる ⾮被災地内 JMAT出動可能
#20.
DMATになるにはどうしたらいい︖ 1)災害拠点病院(or DMAT指定医療機関)に勤務 2)隊員養成研修を受講する (JATECを受講しておくとより良い) 隊員養成研修は⼆つ(得られる資格が2種類) 地⽅ブロックごとの隊員養成研修(1.5⽇) →地⽅(都道府県)DMAT隊員 地⽅養成研修+DMAT事務局が運営する隊員養成研修(2.5⽇) →⽇本DMAT隊員
#21.
DMATにどうしてもなりたい︕ l 都会の救急が強い病院は、DMAT隊員は充⾜していることが 多いので、候補になりずらい l 地⽅では、災害拠点病院すら医師不⾜で、DMAT隊員のなり ⼿が少なくて困っている l 救急医の少ない地⽅の災害拠点病院に就職すると、早く DMAT隊員になれるかもしれない!? 資格があるから出動できるかというと・・・ ⽇本DMAT(資格所得)になっても、 災害拠点病院に所属していないと出動できません︕
#22.
D24H(Disaster/Digital information system for Health and well-being) l D24H : 災害時保健医療福祉活動 ⽀援システム l ALL JAPAN 保健・医療・福祉⽀ 援チームを情報システムで⽀援 l 今までバラバラだった各組織の災 害情報を⼀元管理 l ⼀箇所を⾒れば、全ての被災地の 情報にアクセスが可能に 縦割りだった被災地情報を⼀箇所に集めて管理するシステム
#23.
複数の情報を⼀元管理可能に 全て統合され、情報が集約 →情報が多すぎて利⽤するとき、不便になることも多い その部署に合わせた情報のクレンジングが必要
#24.
「遠隔被災地⽀援」未来の災害派遣の新しい形 l デジタル⽀援は、被災地にいなくてもできる災害⽀援 → D24Hや現地写真を被災地外でAI⽀援して整理、現場に返す l 被災地本部毎に必要な情報を、⼿元に提供できる D24H 本部状況 クラウドから情報収集 現地⽀援チーム 被災地本部 求める情報の定型化 →フレキシブルに欲しい! 現地データ クラウド上 で情報を集積 クラウドから情報収集 現地で簡単に利⽤しやすいように、 加⼯する︕ 被災地本部が必要な情報を解析して提供 遠隔被災地⽀援 情報収集+ AI解析
#25.
災害とは 医療における 医療の需要と供給のアンバランス 求められるものは 現地の医療資源を維持 サステナブルな災害⽀援
#26.
災害⽀援のゴール 医療における災害⽀援のゴール 地元の医療資源で、需給バランスが保てるようにすること 地元医療が⾃⾛できるまでサポートする
#27.
まとめ l 災害医療とは「医療の需要と供給、アンバランスの是正」 l ⽇本の災害医療のキーポイント「EMIS」「災害拠点病院」「DMAT」「広域搬送」 l 災害のフェーズによって、災害⽀援の形は変わる l 災害⽀援に⾏くには、まずは⽀援団体に⼊ろう。DMAT隊員になるための具体的な⽅法 を提⽰ l 災害⽀援のゴールは、地元医療機関のみで地域医療を完結できる姿に戻すこと。
#28.
おまけ︓海外⽀援に⾏きたい︕ l JICA(国際緊急援助隊︓JDR)に参加したい →HPから導⼊研修を申し込む l 国境なき医師団に参加したい →オンライン説明会が豊富なので、⼀度参加してみる 「求める⼈物像」⾮常に重要 「英語・フランス語」必須