#3. 『危機管理』を構成する4要素 インテリジェンス(情報収集)
セキュリティ(発生と拡大の防止, 国民生活・経済の安定)
ロジスティックス(物資・資源の調整, 国民生活・経済の安定)
リスクコミュニケーション
社会教育を通じて意識を共有し, 議論しながら, リスクに対する政策について合意形成を行う過程全体を指す。
危機を防ぐために,様々なメディアを用いて実践するもの。
※ クライシスコミュニケーション
危機が発生した状況において,人命を守ために必要な情報を様々な
メディアを通じて伝達すること。 『リスクコミュニケーション
多様化する危機を乗り越える』
(福田充 著, 平凡社)より
#4.
COVID-19パンデミックに対する日本の危機管理について ① インテリジェンス
COVID-19発生当初,武漢に外交官・企業関係者など多数が滞在していた筈だが…
内閣官房・外務省etc.:諜報担当だが,感染症までカバーしていない
厚労省:感染症対策のノウハウはあるが,海外の情勢をカバーしていない
セキュリティ
出入国制限はあくまで「時間稼ぎ」
休業要請, 休校措置 etc.; 海外ではロックダウンも実施。
私権制限の要素もある
ロジスティックス
医薬品, 医療機器, PPE, 病床等の逼迫
政府, 自治体, 企業, 各家庭で備えが出来ていたか…??
#5.
COVID-19パンデミックに対する日本の危機管理について ② リスクコミュニケーション
日本の場合,基本的に国民へ『要請・お願い』する手法だけだった
「効果あり」?
説得コミュニケーションの側面を持つ
※ 説得コミュニケーションとは:相手にお願いして行動変容等を図るための
コミュニケーション方略
説得コミュニケーションの分類
報酬説得:インセンティブを与えて行動変容を促す
恐怖説得:ex)「何も対策せねば死者40万人」, 「人との接触を8割減らさねば
ならない」(西浦博教授)
譲歩的説得:大きな要求を断られた場合,少しずつ条件を下げて受け入れてもらう
段階的説得:最初は小さい条件でお願いし受け入れてもらい,その後要求を大きく
していく
ex) 2020年1月〜3月までの安倍政権のやり方(世論や医師会などが緊急事態宣言を
支持・要請するまで発出せず)
#6.
日本のCOVID-19対策の問題点 インテリジェンス
感染症が対象になっていなかった
日本は第2次世界大戦中,インテリジェンスを軽視し失敗
ロジスティックス
社会全体として準備が出来ていなかった
これも戦時中に失敗
その他
何か問題が生じる度に『特別措置法』を制定
「違法建築のよう」(次から次に制定する様について)
感染症については,『感染症対策基本法』が必要
「日本に戦術はあるが,戦略が存在しない」
#7.
補足:「戦略・戦術って何?」という人へ 『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』(戸部良一, 寺本義也ほか
著; 中公文庫)
『戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ』(著者同上,
日経ビジネス人文庫)
『知略の本質 戦史に学ぶ逆転と勝利』(著者同上, 日本経済新聞
出版社)
#8.
ディスカッション Q1. 今勤務している医療機関で『オールハザードアプローチ』は
採用されていますか?
(i.e., 自然災害だけでなく,パンデミック・CBRNE・戦争・サイバー攻撃等も想定されていますか?)
Q2. リスクコミュニケーションとは本来,平時に議論・合意形成を
行う過程ですが,当院内・各家庭で実践できていますか?
自然災害・戦争・パンデミックに限った話ではない
e.g.) 個人・家庭次元で
疾病 or 外傷の予防や, 当事者になった場合の対応
自分や家族が死んだ場合:遺産相続, 臓器移植 etc.
“Advanced Care Planning”
#9.
最後に 『リスクコミュニケーション
多様化する危機を乗り越える』
福田充 著, 平凡社, 2022年
Kindle(電子書籍)で827円でした
皆様も是非!