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ショックのRRS対応

投稿者プロフィール
かんぱち

神戸市立医療センター中央市民病院

17,716

81

投稿した先生からのメッセージ

病棟急変のうち、発熱・血圧低下のためcallがかかることは多く、敗血症の対応はすべての医師に求められます。本資料を活用して、当直医が楽に対応できるようになればと思っています。

概要

発熱・血圧低下からショックが認識されることは多いです。

そこで、敗血症の対応についてRRSが必要となったときの講義資料です。

参考文献

  • 日本版 敗血症診療ガイドライン 2020

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テキスト全文

RRS症候別セミナーと目的の説明

#1.
#2.

院内迅速対応システムRRS(Rapid Response System)  目的:重症化や急変を未然に防ぐ 対象:入院患者 「RRS起動基準」に当てはまる 初期対応 院内急変コール 窒息・CPAなど 直ちに救命処置が必要なとき CPAコール

#3.

CONTENTS 症例 観察項目:RRS起動基準 鑑別診断 対処方法 検査 フローチャート 主治医への連絡 解散

症例紹介と観察項目の基準

#4.

1.症例 76歳男性 大腿骨頸部骨折術後day4 昼からしんどそう、夕方のバイタル測定で38℃あり。 23時ごろ本人より「寒い」とナースコール 発熱+血圧低下のため23時頃にRRT看護師をcall ショック状態と判断され、 RRT医師(外科系当直医)もcallされた 【バイタルサイン】 HR 135/min BP 87/45(59)mmHg SpO2 92% 室内気 RR 23/min BT 39.8℃ 意識GCS14:E3V5M6

#5.

1.症例 A M P L E アレルギー Allergy 薬剤歴 Medication 既往歴 Past Medical History 摂食歴 Last Meal 現病歴 Event 薬剤・食べ物なし カロナール、ユリーフ 前立腺肥大、尿管結石 最終食事18時 大腿骨頸部骨折術後day4、発熱あったがその後悪寒訴え、血圧低下みられた

#6.

呼吸 2.観察項目RRS起動基準 RRS起動基準(一例) 5分以上SpO2 90%以下(酸素なし) 5L/min以上の増量が目標SpO2の維持に必要 呼吸数8回/minまたは24回/min以上(15秒カウントで2回以下または6回以上) 収縮期血圧90mmHg未満 心拍数40回/min以下または130回/min以上 新たな意識レベルの変化 何かおかしい 循環 意識 その他

敗血症性ショックの鑑別診断

#7.

呼吸 2.観察項目RRS起動基準 RRS起動基準(今回の症例) 5分以上SpO2 90%以下(酸素なし) 5L/min以上の増量が目標SpO2の維持に必要 呼吸数8回/minまたは24回/min以上(15秒カウントで2回以下または6回以上) 収縮期血圧90mmHg未満 心拍数40回/min以下または130回/min以上 新たな意識レベルの変化 何かおかしい 循環 意識 その他

#8.

3.鑑別診断 敗血症性ショック の対応を抑えましょう Septic shock 何はともあれ ※ベッドサイド診断のためのqSOFAはSIRSと比較して「特異度は高いが感度が低い」とされていて「スクリーニングとして単独では用いない」となっています(SSCG2021) !! 注意 !! 「無熱性」「低体温」でも敗血症のことがあり 予後が悪いことが知られています

#9.

敗血症性ショック 3.鑑別診断 の中でもガイドラインの中で 「感染源のコントロールが重要」とされるもの 腹腔内感染症 感染性膵壊死 尿路閉塞を原因とする急性腎盂腎炎 壊死性軟部組織感染症 カテーテル関連血流感染 膿胸 日本集中治療医学会 敗血症診療ガイドライン2020:https://www.jsicm.org/pdf/jjsicm28Suppl.pdf  CQ3:画像診断と感染源のコントロール

対処方法と1-Hour Bundleの重要性

#10.

ただし、その院内死亡率への影響は明らかではなく、不要な広域抗菌薬の使用が耐性菌の増加につながる懸念もある 4.対処方法 1-Hour Bundle 日本の敗血症ガイドライン(J-SSCG2020)CQ4-6では、 Q:経験的抗菌薬は,敗血症認知後1時間以内を目標に投与開始するか? A:敗血症あるいは敗血症性ショックと認知した後,抗菌薬は可及的早期に開始するが,必ずしも 1 時間以内という目標は用いないことを弱く推奨する (GRADE 2C:エビデンスの確実性 =「低」)。 JJAAM. 2020; 31: 2402-8 SSCG2012(Sepsis-2)、 SSCG2016(Sepsis-3)で 「敗血症認知後3時間以内に抗菌薬投与」すべき、と記載 もともとは「敗血症3時間Bundle」 これをもとに、SSCで「1-Hour Bundle」が提唱された

#11.

ただし、その院内死亡率への影響は明らかではなく、不要な広域抗菌薬の使用が耐性菌の増加につながる懸念もある 4.対処方法 1-Hour Bundle 日本の敗血症ガイドライン(J-SSCG2020)CQ4-6では、 Q:経験的抗菌薬は,敗血症認知後1時間以内を目標に投与開始するか? A:敗血症あるいは敗血症性ショックと認知した後,抗菌薬は可及的早期に開始するが,必ずしも 1 時間以内という目標は用いないことを弱く推奨する (GRADE 2C:エビデンスの確実性 =「低」)。 JJAAM. 2020; 31: 2402-8 SSCG2012(Sepsis-2)、 SSCG2016(Sepsis-3)で 「敗血症認知後3時間以内に抗菌薬投与」すべき、と記載 もともとは「敗血症3時間Bundle」 これをもとに、SSCで「1-Hour Bundle」が提唱された 必ずしも1時間以内の投与を目標としない としたとしても、このBundleの考え方は有用!

#12.

4.対処方法 5つのポイント

Lactate測定と血液培養の手順

#13.

4.対処方法 Lacを測定する 2mmol/L以上で上昇

#14.

4.対処方法 Lacを測定する 血液培養2セット 尿検査・尿培養も提出!

#15.

4.対処方法 Lacを測定する 血液培養2セット 広域抗菌薬 投与済みの抗菌薬 検出菌歴を確認して 感染巣を考えながら CTRX or P/T or MEPM ± VCM

血圧低下時の対応と薬剤使用

#16.

4.対処方法 Lacを測定する 血液培養2セット 広域抗菌薬 血圧低下 or lac 4mmol/L→30ml/kg 細胞外液 IV 50kgの患者で1500ml(3本)

#17.

4.対処方法 補液でも血圧が低い→血管収縮薬を用いる※目標MAP≧65mmHg 血管収縮は早期に開始! ノルアドレナリン 1st ショット:1A(1mg/1ml)+生食100ml →1回あたり1-2mlを2-5分毎 持続:5A(5mg/5ml)+生食45ml →2-10ml/hが目安 ピトレシン 2nd(NADに併用) 持続:1A(20U/1ml)+生食19ml →2ml/hを超えない

#18.

4.対処方法 補液でも血圧が低い→血管収縮薬を用いる※目標MAP≧65mmHg 血管収縮は早期に開始! ノルアドレナリン 1st(001) ショット:1A(1mg/1ml)+生食100ml →1回あたり1-2mlを2-5分毎 持続:5A(5mg/5ml)+生食45ml →2-10ml/hが目安 ピトレシン 2nd(NADに併用)(007) 持続:1A(20U/1ml)+生食19ml →2ml/hを超えない セット → オーダ → 病院タブ 010:注射: 希釈・投与量に注意が必要なもの から展開

#19.

4.対処方法 Lacを測定する 血液培養2セット 広域抗菌薬 血圧低下 or lac 4mmol/L→30ml/kg 細胞外液 IV 補液でも血圧が低い→血管収縮薬を用いる※目標MAP≧65mmHg 培養とって抗菌薬!

#20.

4.対処方法 Lacを測定する 血液培養2セット 広域抗菌薬 血圧低下 or lac 4mmol/L→30ml/kg 細胞外液 IV 補液でも血圧が低い→血管収縮薬を用いる※目標MAP≧65mmHg 培養とって抗菌薬! 補液して昇圧薬!

検査の実施と感染源の特定

#21.

4.対処方法 Lacを測定する 血液培養2セット 広域抗菌薬 血圧低下 or lac 4mmol/L→30ml/kg 細胞外液 IV 補液でも血圧が低い→血管収縮薬を用いる※目標MAP≧65mmHg +αで…

#22.

4.対処方法 “尿検査・尿培養、及び必要に応じて喀痰培養を提出する” “原因検索目的の画像検査を行う” Fever work upとしてRRSセットには胸部Xpが含まれますが、 「感染源のコントロールが重要とされる疾患」の検索に造影CTが必要な場合が多いです

#23.

4.対処方法 Ns「先生、検査何出しますか?」 Dr「検査一般と培養で!」

フローチャートによる対応手順

#24.

5.検査 一般血液検査 + 各種培養・尿検査 + 造影CT検査

#25.

6.フローチャート 発熱・血圧低下 RRSセット + 尿検査 + 血液・尿(±喀痰)培養 同時に蘇生 身体診察 全身造影CT検査 3つの対応 ICU入室の判断 治療のための 関連科コンサルト 家族への病状説明 CODE確認 敗血症性ショックを想起 1-Hour Bundle 培養とって抗菌薬! 補液して昇圧薬!

#26.

7.主治医への連絡 Rapid RTの活動範囲 患者情報収集 トリアージ 診察・検査 初期治療 現状評価 治療方針確認および調整(コーディネート) 将来重症化した際の対応 CODE(Full or DNAR or DNIなど)の確認 ICU入室の必要性を判断 関連科オンコール医師介入 他職種・医療チーム介入 病状によっては家族対応 ※注意※ Rapid RTが継続して診療を行うものではない 日中 速やかに主治医へ 情報共有する

主治医への連絡と解散の流れ

#27.

7.主治医への連絡 Rapid RTの活動範囲 患者情報収集 トリアージ 診察・検査 初期治療 現状評価 治療方針確認および調整(コーディネート) 将来重症化した際の対応 CODE(Full or DNAR or DNIなど)の確認 ICU入室の必要性を判断 関連科オンコール医師介入 他職種・医療チーム介入 病状によっては家族対応 夜間 ここに関して主治医(or オンコール当番医)対応が必要であれば相談 必須ではない

#28.

8.解散 上記3つの対応が完了すれば解散

#29.

+α.流れ 実際の流れ:はじめの症例で RRT医師接触時、静脈路2本あり輸液前回投与中でBP75/39(51) 希釈ノルアドレナリン(NAD)(1mg/100ml)を5分おきに2ml投与しつつ、 持続NADの準備・2ml/hで開始(後押し生食100ml/h)を指示 希釈NAD計2回bolus投与、持続NAD開始するが 輸液1500ml投与後(BW50kg)もBP80/56(64)とまだNAD増量が必要 尿管結石の既往あり、診察(超音波検査)で右水腎症を認めた 複雑性尿路感染症の可能性が高いとしてタゾピペ4.5g投与 熱源検索目的の造影CTを施行し右尿管結石あり、NADは8ml/hまで増量 ・ICU入室 必要 ・関連科コンサルト 尿管ステント留置のため泌尿器科オンコールへ ・家族への病状説明 増悪傾向が続くならば連絡 部屋移動の後に解散

#30.

Take Home Message 「発熱・血圧低下」ではまず敗血症性ショックを想起する 無熱性・低体温の敗血症にも注意! Hour-1 Bundleの「5つのポイント」「目標MAP65mmHg」 培養とって抗菌薬!補液して昇圧薬! オーダーは一般検査 + 各種培養 ±(造影)CT 「ICUかどうか」「治療介入」「病状説明とCODE」確認

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