#4.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 Agenda Agenda 1.地域包括ケアシステムと認知症 2.包括的支援のフレームワーク
#5.
地 域 包 括 ケ アシ ス テム と 認知症
#6.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 認知症診療 なぜ今、認知症診療が重要か ①地域包括ケアの成否は認知症対応にかかっている 高齢化の進展により認知症患者の在宅率が向上しており、医療者の 適切な関与が地域ケアシステム全体の機能を左右する重要な要因と なっている。 ②BPSDや介護負担による入院の予防 行動・心理症状や家族の介護疲れが原因で不要な入院に至るケース を防ぎ、住み慣れた環境での生活継を支援することが求められてい る。
#7.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 生活起点の医療 認知症を"生活の病"として捉える 認知症は単なる記憶障害ではなく、生活全 体に影響する病気。 記憶障害よりも生活障害が困りごと 医療だけでは支えきれない領域であり、だから こそ「生活起点の医療」が求められる。
#8.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 認知症の主な病型 アルツハイマー型認知症(AD) 血管性認知症(VD) レビー小体型認知症(DLB) 前頭側頭型認知症(FTD) 最も一般的な徐々に他の認知機能も低下病 型 。 記 憶 障 害 か ら 始 ま り、。 病 識 の 低 下 が 特徴的である。 幻 視 、 パ ー キン ソ ン 症 状 、 認 知 機 能 の 変 動 が 特 徴 。 薬 剤 過 敏 性 が あ り、 慎 重 な 薬 物 選 択が必要。 脳 血 管 障 害 に よる 認 知 症 。 段 階 的 な 悪 化 を 示し、病識は比較的保たれる傾向がある。 人格変化や社会性の障害が前景。易怒性が 強く、コリンエステラーゼ阻害薬は禁忌の 場合がある。
#9.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 高齢者の認知症の捉え方 高齢者のアルツハイマー型認知症は血管性認知症と合併(併存)している ことが多い AD(神経変性) ・神経細胞の変性・脱落 ・アミロイドβ蓄積 ・進行性の認知機能低下 VD(動脈硬化) ・脳血管の動脈硬化 ・脳血流の低下 ・段階的な機能低下 進行すると幻視やレビー様症状を呈することもあり、病型の境界は 必ずしも明確ではない。 混合型として捉えた包括的な治療戦略が重要である。
#10.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 認知機能の簡易評価 プライマリケア医に推奨される定性検査 指模倣テスト(キツネテスト・鳩テスト) 視空間認知機能の評価 ADの早期から異常が現れる 時計描写テスト(CDT) 視空間認知・前頭葉機能を評価 実行機能の低下を検出
#11.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 認知機能と生活機能(ADL/IADL) IADL(手術的日常生活動作)の低下 金銭管理、服薬管理、買い物、外出、電話使用などの複雑な活動が最初に障害される 基本的ADLの維持期 食事、排泄、入浴、更衣などの基本的な生活動作はしばらく保たれる ADL(基本的日常生活動作)の低下 認知機能低下の進行とともに、最終的に基本的な生活動作も障害される IADLの自立度は基本的ADLよりも認知機能の影響を強く受ける。
#12.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 IADL低下が意味するもの IADLは本人の役割に直結するため、できなくなることは尊厳にかかわる 料理・家事 金銭管理 家庭内での役割、達成感の源泉 自立性の象徴、社会参加の基盤 電話・交流 社会とのつながり、関係性の維持 IADLの評価は、自立度だけでなく、その行為が本人にとってどのような意味合いを持つか を把握することが重要である。 単なる機能評価を超えて、その人らしさや生きがいの観点から支援を考える必要がある。
#13.
包括的支援の フ レ ーム ワ ー ク
#14.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 認 知 症 対 応 フ レ ーム ワ ー ク 身体状況 内科的評価・併存疾患、脱水・感染・便秘等の管理 精神症状 BPSD(行動・心理症状))、 うつ・不安・幻覚等の評価 家族関係 介護負担の評価、家族支援・レスパイトケア 環境調整 生活環境の整備、安全性・利便性の向上 意思決定 ACP(人生会議)、本人の価値観・希望の尊重
#15.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 BPSD(行動・心理症状)の定義 認知症があることが前提 基盤となる認知機能の低下 行動と心理に異常がある状態 医学用語として治療・ケアの対象 中核症状と別物ではない 一つのものを別の視点から捉えたもの 例えば幻視は、DLBの診断基準では中核的臨床症状であると同時に、BPSDの一症状でも ある。これらは同じ現象を認知機能の視点と行動・心理の視点から捉えたものである。
#16.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 BPSDの多角的な要因:氷山モデル 介入困難な背景因子 介入可能な背景因子 ・脳病変(器質的変化) ・生活歴(過去の体験) ・性格(元来の特性) ・体調(便秘、脱水、疼痛) ・薬剤(副作用、相互作用) ・居住環境(照明、音響) ・誘因(きっかけ、ストレス)
#17.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 BPSDの定量的評価指標 NPI(Neuropsychiatri Inventory) BPSD+Q(25項目版・13項目版) 12項目の行動・心理症状を頻度と重症度で評価 日本で開発された簡便な評価尺度 介護者負担度も同時に測定可能 短時間での評価が可能
#18.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 BPSDは「助けてほしい」というメッセージ 絡まった糸をほどくがごとし 要因の探索 身体的・環境的・心理的要因の分析 個別的対応 患者に合わせた解決策の検討 包括的支援 多職種チームでの継続的ケア BPSDに対しては、焦らず丁寧に解決できる要因を見つけることが重要である。 表面的な症状に対症的に対応するのではなく、その背景にある患者の困りごとや不 安、身体的不快感を理解し、根本的な解決策を探ることが求められる。
#19.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 BPSDの原因や誘因を知るためのチェックリスト いつから出現したのか? 起こる時間帯は?(夕方なら夕暮れ症候群、夜間なら夜間せん妄やレム睡眠行動異常と 鑑別) 起こるきっかけは?(大きな物音、排泄の失敗、ある特定の人など) 薬剤の変更はなかったか? 身体の異常はないか?(便秘、発熱、疼痛など) 本人のそのときの表情は?(不安、わくわく、起こっている) 観察者はその行為の意味・目的をどのように考えているのか?(本人は何をしたいと思 っている?) 症状が治まるのはどんなときか?
#20.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 ケアの基本:視点取得 従来のアプローチ 介護者の都合や効率性を優先 認知症の人に理解を求める 古い問い: 「なぜこんなに厄介なん だろう?」 ケアの基本 認知症の人には、介護者の視点を理解することが 難しくなっている。 そのため、私たちが認知症の人の視点に合わせて いくことが求められる 新しい問い: 「どんなニーズと伝えようと しているのだろう? 視点取得によるケア 認知症の人の視点に合わせる その人の世界観を理解し尊重する 例 : 財 布 が 見 え な い と い う こ と は 、 そ の 人 に とっては そ こ に 財 布 が な い の と 同 じ 状 況である。 「ここにあるでしょう」と説明するより、一緒に探すことが大切。
#21.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 コミュニケーションの工夫 「待つ」とは時間を差し上げること — 長谷川和夫先生 急がば回れのケア 認知機能低下のある人には、情報処理に時間がかかる。 短い言葉で具体的に話し、十分な時間的余裕を持つことが 重要である。 非言語コミュニケーションの活用 マスクを外し笑顔を見せる、許可を得てから話しかける、 優しい口調を心がける。 ユマニチュードの理念に基づいた関わりが効果的である。
#22.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 BPSDの予測と予防:予兆に気づく 認知症の人は「どのようにしたらよいかわからない不安」を 抱えており、安心できる環境づくりが重要である ➊ 服従 やりたくないことをやらせられる 転嫁 ❸ ❺ 失敗を他人や物事のせいにする 憤慨 ➋ 謝罪 できないことが露呈したときに謝る 遮断 ❹ 聞こえないふり、寝たふり ぶつぶつと独語で怒る これらの予兆を早期に発見し、褒める・優しく接するなどの対応で回避することが可能である。
#23.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 環 境 調 整 の 最 重 要 要 素 :「 光 」 と 「 色 」 光の工夫 色の工夫 ・影を「穴」と誤認し足がすくむリスク ・影を「穴」と誤認し足がすくむリスク ・照明を明るくし、カーテンで日光を調整 ・照明を明るくし、カーテンで日光を調整 ・影が映らないよう光源の位置を工夫 ・影が映らないよう光源の位置を工夫 認知症による視知覚の変化を理解し、生活環境を調整することで、BPSDの発生を 予防し、日常生活の安全性と快適性を向上させることができる。 これらの環境調整は、薬物療法以上に効果的な場合が多い。
#24.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 環境調整の実際:徘徊・無断外出対策 ドア対策 外に出たがる患者に対する従来の「鍵をかけ る」発想から転換し、「見えると混乱する物 は見えにくくする」というアイデアに基づく 環境調整が注目されている。 ・ドアの色を壁と同系色にして認識を困難にする ・ドア全面を本棚に見えるようラミネート加工 ・視覚的な混乱を軽減する工夫 これらの手法は、物理的な拘束ではなく、認知的な混乱を軽減すること で徘徊行動を自然に抑制する効果が報告されている。
#25.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 食事拒否の原因探索とケア 先行期障害の理解 1 食 事 へ の 認 識 ( 先 行 期 ) が 障 害 さ れ る と、 拒 否 や 暴 言 に つ な が る 。 食 物 を 食 べ 物 と して 認 識 で き な い 状 態 を 把 握 す る ことが重要である。 認識を高める工夫 2 好物の提供、馴染みのある食器の使用、五感で楽しめる食 事環境の整備が有効である。視覚・嗅覚・触覚を刺激する 工夫を取り入れる。 提供方法の調整 3 複数の皿が並ぶと混乱するため、一品ずつ提供する方法が 推奨される。シンプルな食事環境が認知負荷を軽減する。
#26.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 レビー小体型認知症(DLB)の食事ケア 幻視・錯視への対応 DLB 患 者 は 、 お 皿 の 模 様 や ふ り か け を 虫 と 見 間 違 える こ と が あ る 。 こ れ は 幻 視 や 錯 視 の 症 状 で あ り、 食 事 拒 否 の 重 要 な原因となる。 シ ンプ ル な 食 器 の 選 択 : 模 様 の な い 白 い 食 器 を 使 用 し 、 視 覚 的 な 混 乱 を 最 小 限 に 抑 える 工 夫 が 重 要 であ る。 パーキンソン症状への配慮 ・手の震えによる食事困難への対応 ・食器の位置調整と安全性の確保 ・提供ペースを急かさない環境づくり
#27.
やまとのチーム医療|物語をつむぐ「在宅医療PA®」 IADL支援の実際的アプローチ 金銭管理支援 紛失防止対策 詐欺被害予防 本人の納得と意向を基本と し、段階的な支援を提供す る。成年後見制度の活用も 検討し、詐欺被害予防とし て録画機能付きインターホ ンの設置が有効。 探し物が多い場合は、紛失 防止タグの活用が効果的で ある。タグから音が鳴るこ とで、 物 を 探 す と い う 行 為 より も 「 な く す 不 安 」 の 解 消に役立つ。 録画機能付きインターホン の 設 置 に より、 不 審 な 訪 問 者を記録し、家族や支援者 が 後 か ら 確 認 で きる 体 制 を 整える。
#28.
在宅医療から学ぶ総合診療スキル 在宅医療の専門性は、疾患ではなく「人」を診る 複合疾患・生活背景を読む力にある 臓器ごとの治療を超えて、「人の生き方」を支える。 在宅医療は、総合診療に限らず医療者に必須の専門分野です。
#29.
本コンテンツは、やまと診療所(東京・板橋区)が運営する 在 宅 医 教 育 プ ロ グ ラム A H C の 講 義 よ り 抜 粋 してお 届 け し ま す Q A 医師がAHC(Academy of Home Care)で学べる内容は? 在宅医療のいろはから実践、運営スキルが身に付きます。 【得られるスキルの例】 ♢在宅におけるプライマリケアの基礎から実践 ♢施設間・職種間連携の実際とチーム運用 ♢今後の社会に必要な新しい仕組みや価値の作り方
#30.
限定特典のお知らせ \特典その1/ \特典その2/ やまと診療所見学のご案内 2/10の特別セミナーに応募 概要欄にもURLがございます。 お問合せは“ymt.bizdev@teamblue.jp”にご連絡ください。