#4.
関節リウマチの間質性肺炎 急性〜亜急性なら? ➢ 早急な治療が必要:ILD の安定化 を目標とする 器質化肺炎(OP):グルココルチコイド(GC) びまん性肺胞障害(DAD):高用量 GC ± 免疫抑制剤 ➢ 感染症(ニューモシスチス肺炎・ウイルス性など)や薬剤性肺炎も鑑別にあげる 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#5.
関節リウマチの間質性肺炎 慢性なら? ➢ ILD が進行性かどうか を評価 ✓ 進行が明らかなら、ILD の安定化を目標に治療する 炎症が主病態 線維化が主病態 GC や免疫抑制剤、Bio、JAKなど 抗線維化薬を検討 実際にはクリアカットに決められない場合が多く、治療反応や経過をみながら判断、呼吸器内科とも相談が必要 ✓ 進行が明らかでなければ関節炎の治療を行う 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#6.
全身性硬化症(強皮症)の間質性肺炎 間質性肺炎がないとき ➢ 評価初期では肺病変がなくても後から出現することも → 定期的にフォロー 間質性肺炎があるとき ➢ 重症度の評価 を行う Extensive Disease Limited Disease (5 年以内の死亡リスクおよそ 50%) (5 年以内の死亡リスク 20% 以下) 胸部 HRCT 5 スライスで病変の範囲>20% 左記以外 呼吸機能検査で FVC<70% 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#7.
全身性硬化症(強皮症)の間質性肺炎 Extensive Disease Limited Disease 複数の ILD 進展リスク因子(以下) or 肺病変進行がある? 高度呼吸機能低下はある? (%FVC<50%、%DLCO<40%、酸素療法が必要) あり 支持療法 適応があれば肺移植を考慮 なし あり なし 定期フォロー 治療 進行あれば治療 項目 ILD 進展リスク因子 病期 SSc発症からの罹病期間が短い 臨床像 dcSSc、広範な皮膚硬化、関節炎、Spo₂低下(6MWT時) バイオマーカー 炎症マーカー上昇(CRP↑、血沈↑、血小板↑)、KL-6高値、抗Scl-70抗体陽性 呼吸機能検査 %FVC低値、%DLCO低値 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#8.
全身性硬化症(強皮症)の間質性肺炎 ➢ 一次治療として推奨されているのは以下の 5 つ シクロホスファミド(CY):蓄積毒性があるため長期使用は避ける ミコフェノール酸モフェチル(MMF) ニンテダニブ トシリズマブ リツキシマブ(RTX) ➢ グルココルチコイドは、基本的に推奨されない! → 否定的な報告が多い(感染リスク上昇、大量使用で腎クリーゼリスク) 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#9.
多発性筋炎/皮膚筋炎の間質性肺炎 ➢ 多発性筋炎/皮膚筋炎に伴う間質性肺炎を疑ったら、 まずは 抗 MDA-5 抗体 と 抗 ARS 抗体 を測定する!!! 頻度 特徴的な症状 予後 抗 MDA-5 抗体 抗 ARS 抗体 PM/DM-ILD の約 50% DM-ILD の 30〜50% mechanic's hand(機械工の手) レイノー現象 筋炎 多関節炎 発熱 など 比較的良好だがしばしば再燃あり 逆ゴットロン徴候、皮膚潰瘍などの皮膚症状 (筋症状には乏しい) 急速進行性間質性肺炎を呈しやすい 1 年生存率 60〜70%、 致死的転帰の大部分は診断〜6 ヶ月 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#10.
多発性筋炎/皮膚筋炎の間質性肺炎 急性〜亜急性 ILD、かつ RP-ILD(進行の早いタイプ)の場合 ➢ 抗体結果を待たずに mPSL パルス療法 → 3 剤併用療法(GC + カルシニューリン阻害薬 + IVCY) ➢ 抗 MDA-5 抗体陽性例 では、さらに PE(血漿交換)を併用することも → 治療継続しても効果がない場合や、予後不良例では以下を考慮する 治療選択肢:JAK阻害薬、RTX、MMF、IVIG、エンドトキシン吸着療法 最終手段:ECMO、肺移植 ➢ 抗 MDA-5 抗体陰性例 では、経過が良ければ、IVCY は早期終了して 2 剤でもよい → 無効・進行する場合は上記と同様の強化療法へ 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#11.
多発性筋炎/皮膚筋炎の間質性肺炎 急性〜亜急性 ILD、かつ非 RP-ILD(比較的緩やかな進行)の場合 ➢ 抗 MDA-5 抗体陽性例 では、mPSL パルス + 初期 3 剤併用療法 ※ 3剤=GC・エンドキサンパルス療法 IVCY・カルシニューリン阻害薬 → 無効な場合は 強化療法も検討 ➢ 抗 MDA-5 抗体陰性例 では、高用量 PSL + カルシニューリン阻害薬 ± IVCY → 無効な場合は 強化療法も検討 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#12.
多発性筋炎/皮膚筋炎の間質性肺炎 慢性 ILD の場合 ➢ 進行性の場合、PSL + 免疫抑制剤 ± 抗線維化薬(ニンテダニブ) → 無効な場合は肺移植も考慮 ➢ 非進行性の場合、基本的には経過観察 → 経過で進行を認めたら「進行性 ILD」と同様の治療を考慮 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#13.
CTD-ILDに対するニンテダニブの適応 ➢ 膠原病に伴う間質性肺炎に関しては、以下に保険適用がある 全身性硬化症による間質性肺炎(SSc-ILD) 治療にも関わらず進行性の線維化を示す病態(PF-ILD) エビデンスの要点 ✓ SENSCIS 試験:SSc-ILD 対象、FVC 低下を有意に抑制 ✓ INBUILD 試験:PF-ILD 対象、FVC 低下を有意に抑制 Distler O. et al.: N Engl J Med 2019; 380(26): 2518-2528. Flaherty KR. et al.: N Engl J Med 2019; 381(18): 1718-1727. 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#14.
どんな症例でニンテダニブを使用する? ➢ 呼吸器症状・QOL・画像初見・呼吸機能検査・KL-6 などを確認し、 最終的には個々の症例で適応を判断をする 参考:INBUILD 試験の PF-ILD の定義 特発性肺線維症以外の ILD と診断され、胸部 CT で線維化の広がりが肺の 10% 以上で確認され、 適切な疾病管理を行ったにも関わらず、24 ヶ月以内において以下のいずれかを満たした場合 %FVC の 10% 以上の減少 %FVC の 5% 以上 10% 未満の減少&呼吸器症状が悪化 %FVC の 5% 以上 10% 未満の減少&画像上で線維化変化の増加 呼吸器症状の悪化&画像上で線維化変化の増加 Flaherty KR. et al.: N Engl J Med 2019; 381(18): 1718-1727. 日本呼吸器学会・日本リウマチ学会. 膠原病に伴う間質性肺炎 診断・治療指針2025
#15.
まとめ ➢ 膠原病において、間質性肺炎は生命予後・QOLに大きく影響するため、 早期診断・評価・治療介入が重要 ➢ 疾患ごとにアプローチが異なるが、どの疾患でも最初に行うことは 病勢・重症度の評価! 必要に応じて関係各科とも相談しながら対応する ➢ 免疫抑制療法をはじめとした適切な管理を行っても進行する場合、抗線維化薬を考慮 (保険適用があるのはニンテダニブ)