#4.
01 緑内障の基本と分類 5 02 急性緑内障発作の病態と診断 17 ⽬次 Agenda 4
#5.
緑内障の基本と分類
#6.
緑内障の定義 定義 視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を⼗分に下降させることによ り視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする 疾患である。 ︖︖︖︖ 定義を読んでもよくわかりませんよね… 緑内障ガイドライン第5版(https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/glaucoma5th.pdf) 6
#7.
緑内障とは 簡単に説明すると緑内障とは眼 圧によって視神経が圧迫されて 視野障害が起こる病気だよ 眼圧 7
#8.
緑内障の分類 緑内障 開放隅⾓緑内障 原発開放隅⾓緑内障 閉塞隅⾓緑内障 続発緑内障 正常眼圧緑内障 8
#9.
緑内障の分類 開放隅⾓緑内障 閉塞隅⾓緑内障 緑内障では隅⾓が開放か閉塞かが最も重要だよ。 同じ緑内障でも病態が全く違うのでこの2つの疾患の 違いがわかるように⼀緒に勉強していきましょう︕ 9
#10.
眼圧の⽣まれる仕組み 隅⾓ ⽑様体で作られた房⽔は⽔晶体前⾯、瞳 孔を通って線維柱帯〜シュレム管で吸収 される。 この房⽔産⽣と吸収のバランスによって 眼圧が⽣じている。 また⾓膜と虹彩で形成される⾓度のこと を隅⾓と呼ぶ。 10
#11.
開放隅⾓緑内障と閉塞隅⾓緑内障 線維柱帯が⽬詰まり を起こして房⽔が排 出されにくい 開放隅⾓緑内障 隅⾓が狭くなって 物理的に房⽔の経路 が阻害されている 閉塞隅⾓緑内障 11
#12.
開放隅⾓緑内障と閉塞隅⾓緑内障 開放隅⾓緑内障 慢性的な線維柱帯の⽬詰まりによって徐々に眼圧が上昇し、それに伴い視野 障害が起こる。視野障害は数年〜数⼗年の経過で起こり⾃覚症状に乏しい。 また、視神経が耐えられる眼圧には個⼈差があり正常眼圧であっても視野障 害が起こる正常眼圧緑内障も存在する。 閉塞隅⾓緑内障 隅⾓が閉塞することによって、房⽔が吸収されなくなるため急激な眼圧上昇 を引き起こす。これを急性緑内障発作と呼ぶ。正常眼圧は10〜20mmHg程 度だが発作時には40〜60mmHgの⾼眼圧となり、数時間〜数⽇で視野障害 をきたす。 12
#13.
つまり… 同じ緑内障でも開放隅⾓緑内障と閉塞隅 ⾓緑内障は全く別の病気である︕ 13
#14.
緑内障の疫学 ⽇本における疫学調査では緑内障の 有病率は40歳以上で5%と報告され ている。 続発緑内障 10% 閉塞隅⾓緑内障 12% 開放隅⾓緑内障 78% 中でも開放隅⾓緑内障が約80%と 多数を占めており、急性緑内障発作 を起こす閉塞隅⾓緑内障は10%程 度にすぎない The Prevalence of Primary Open-Angle Glaucoma in Japanese.: The Tajimi Study Ophthalmology 2004; 111: 1641-1648 14
#15.
緑内障の治療 開放隅⾓緑内障 眼圧による慢性的な視神経への影響が視野障害の原因となっていると考えら れているため、眼圧下降が最もエビデンスのある治療である。まずは点眼で 治療開始し、点眼でもコントロールが困難な場合は⼿術加療を考慮する。 閉塞隅⾓緑内障 ピロカルピン点眼や⾼浸透圧利尿薬点滴で発作の解除および眼圧下降を⽬指 す。その上で発作予防のためにレーザー虹彩切開術や⽩内障⼿術を⾏う。 迅速な眼圧下降が望ましいため可能な限り早期に眼科医へのコンサルトが必 要である。 15
#16.
Question1(緑内障患者にブスコパンを使⽤できるか)の解答 ブスコパン等の緑内障に対して禁忌と記載されているほとんどの薬剤は閉塞 隅⾓緑内障に対して禁忌であり、開放隅⾓緑内障であれば問題なく使⽤可能。 緑内障の既往があるという患者は開放隅⾓緑内障のことがほとんど。逆に急 性緑内障発作リスクの⾼い患者はすでに眼科で発作予防処置がとられている か未診断のことが多い。 不明な場合は眼科に対して開放隅⾓か閉塞隅⾓かを確認、もしくは後述のリ スク評価を⾏う。 16
#17.
急性緑内障発作の病態と診断 17
#18.
急性緑内障発作が起こる機序 正常では隅⾓に⼗分なスペースがあ るが、体質的に隅⾓が狭い⼈が存在 し、狭隅⾓と呼ぶ。 狭隅⾓患者が何らかの原因で散瞳す ると虹彩根部が分厚くなり、隅⾓が 完全閉塞を起こしてしまう。 これにより房⽔が溜まり続けて⾼眼 圧となるのが急性緑内障発作である。 18
#19.
そもそもなぜ隅⾓が狭いのか ⼈間の眼は屈折状態により正視・近視・遠視に 分けられる。これは⽔晶体を通った像の焦点が 網膜より⼿前か奥かによって分類される。 左図のように眼球のサイズによって近視や遠視 に違いが⽣じ、⽔晶体のサイズにはあまり違い がない。 遠視患者では眼球が⼩さく、その分隅⾓も狭い。 特に⼥性にその傾向が強い。 19
#20.
⽩内障も狭隅⾓の原因になる 加齢とともに⽩内障が進⾏すると、混濁 するだけでなく分厚くなる。 →⽩内障の進⾏とともに隅⾓は狭くなる 眼内レンズ 眼内レンズは⽔晶体と⽐べて薄いため、 ⽩内障⼿術を⾏うと隅⾓は広がる。 →⽩内障⼿術後に急性緑内障発作を起こ す可能性は⾮常に低い。 20
#21.
つまり… 遠視の⾼齢⼥性が急性緑内障発作のリス ク因⼦である︕ 21
#22.
急性緑内障発作の症状と検査所⾒ 症状 視⼒低下、眼痛、頭痛、嘔気・嘔吐 所⾒ ⾼眼圧、⾓膜浮腫、充⾎(結膜充⾎+⽑様充⾎)、対光反射の消失、 瞳孔中等度散⼤ 22
#23.
問診のコツ 遠視かどうかは通常の診察ではわからないため問診が重要である。 眼が悪くて眼鏡やコンタクトを装⽤しているかどうかを確認するとよい。 ⾼齢化してから⽼眼鏡や遠近両⽤眼鏡を装⽤している場合もあるので、 若い時に眼鏡を使っていたかどうかを確認する。 ⽩内障⼿術歴があれば、緑内障発作が起こる可能性は低くなる。 23
#24.
診察のコツ 急性緑内障発作であれば患眼が⾼眼圧となっているため、瞼の上か ら眼球を触診すると左右差を感じることが出来る。しかしこれには 習熟が必要なため、急性緑内障発作症例を経験した際に瞼の触診の 経験を重ねておくべきである。 発作中は瞳孔が中等度散瞳状態で固定されるため、瞳孔の左右差を 確認する。 また、対光反射が消失していることも診断の参考となる。 24
#25.
充⾎の⾒分け⽅ 結膜充⾎ ⽑様充⾎ 結膜下出⾎ アレルギー性結膜炎などの⼀般的な充⾎をきたす疾患では結膜充⾎をきたす。 結膜充⾎は⾓膜に近づくにつれて先細るのが普通である。 急性緑内障発作のような重篤な眼疾患では結膜充⾎に加えて⾓膜周辺部に⽑様 充⾎と呼ばれる所⾒を認めるので、こちらも参考となる。 25
#26.
Question2(急性緑内障発作の診断について)の解答 他の内科疾患の診断と同じくリスクを評価して検査前確率を考え るのが重要。遠視の⾼齢⼥性で特にリスクが⾼い。 昔から眼鏡をかけていたか、⽩内障⼿術歴があるかなどの問診を ⾏う。 眼科的診察が出来ない状況でも触診や、瞳孔評価、⽑様充⾎の有 無などから診断に近づくことが可能。 26
#27.
Take Home Message ✔ 同じ緑内障でも開放隅⾓と閉塞隅⾓は全く別の疾患である。 緑内障禁忌の薬剤のほとんどは閉塞隅⾓緑内障に対して禁忌である。必要なときには 眼科医に隅⾓の状態を確認する。 ✔ 急性緑内障発作を疑うときはリスク因⼦から検査前確率を評価する。 遠視の⾼齢⼥性が発作リスクである。 ✔ ⽩内障術後患者では急性緑内障発作はほぼ無いと考えてよい。 ⽩内障⼿術を⾏えば隅⾓が開⼤するので急性緑内障発作が起こる可能性は下がる。 27
#28.
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