テキスト全文
大動脈解離の基礎知識と目的
#1. 全職種向け
基礎から新旧の見分け方まで
循環器医が説明します 大動脈解離 循環器内科医“うし先生”の
疾患解説シリーズ
#2. 注釈 【自己紹介】
某市中病院勤務の循環器内科医師のうしです。
だいたい中堅くらいです。
【動画のモットー】
細かいデータ<わかりやすさ
【ペット】
オカメインコ
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お願いします!
#3. このシリーズでは
全職種向けに
疾患ごとの病態など解説します!
(実臨床を元に不要な所は解説しません)
医師・看護師国家試験! 内科病棟患者対応! 看護実習の病態生理! 生理検査・臨床検査技師のスキルアップ
急性大動脈解離の病態と原因
#5. 急性大動脈解離(DAA) 【どんな病気か】
動脈が突然裂ける病気
#6. 急性大動脈解離(DAA) 【原因】
はっきりしない
(動脈硬化や血管炎・血管脆弱性)
急性大動脈解離の症状と検査方法
#7. 大動脈解離(DAA) 【症状】
突然の移動性の胸背部痛
+α
心筋梗塞→胸痛 腎梗塞→背部痛
血尿 末梢動脈
→チアノーゼ 脳脳梗塞→麻痺
意識障害 裂けた臓器の虚血など 心タンポナーデ→ショック状態 血管破裂→死亡、ショック状態
#8. 急性大動脈解離(DAA) 【検査】
①エコー検査
②採血検査(D-ダイマーが高感度)
③造影CT検査
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④頭部単純MRI
⑤心電図
⑥心エコー
合併症検査 診断
#9. 急性大動脈解離(DAA) 【造影CT】 前 後
#10. 急性大動脈解離(DAA) 【分類と治療】
Stanford A型
緊急手術
--大動脈弓部--------
Stanford B型
保存的加療(降圧、鎮痛)
造影CTによる解離の評価と分類
#11. 壁在血栓か解離かわかりません 石灰化(内膜)が外側 石灰化(内膜)の外に解離あり 石灰化の内側は壁在血栓
外側は本物の解離 【造影CT】
#12. 解離の新旧がわかりません 膜が比較的厚い(古そう) 単純CTで偽腔が高吸収 周囲に水(炎症)あり 膜が薄い、周囲の炎症(水)、単純CTでの偽腔高吸収
→新規のサイン 【造影CT】
Stanford A型解離の治療方針と合併症
#13. Stanford A型解離は全例手術? ・偽腔閉鎖型でかつ以下なら保存的加療を考慮
上行大動脈径 50mm
偽腔11mm以下
心タンポナーデなし
・広範な脳梗塞などあれば保存的加療を考慮 形や全身状態、背景をみて個別に相談
#14. 大動脈解離で注意することは? 【主な合併症】
心タンポナーデ
血管破裂
解離増悪(心筋梗塞や新規臓器虚血)
【その他】
胸水、低酸素血症
肝障害
発熱 過度な降圧? 血管→全身の炎症? よくある! ULP(潰瘍)あれば要注意
急性大動脈解離の診療フローとまとめ
#15. 急性大動脈解離の診療の流れ ・突然の胸背部痛で来院し大動脈解離を疑い緊急造影CT
→Stanford B型解離あり、臓器虚血なく保存的加療
(フェンタニル+ニカルジピン持続静注で血圧 120mmHg目標にICU入室)
・入院翌日から飲水と内服、翌々日から食事開始
・経過良好で数日でICU退出
・発熱と低酸素、胸水あり血液培養や肺CT評価し、慎重に経過観察
・自然に改善
・2-4週間血圧見ながらゆっくりリハビリ→退院
・最初は3-6か月ごとに外来で画像フォロー 例)突然の胸背部痛
#16. まとめ(最低限これだけ) ・大動脈解離を疑ったらすぐに造影CT
・A型かB型と形や臓器虚血をみて手術 or 保存
・入院中いろいろあるが全身加療で乗り切る
・単純CTも診断と新旧評価に有用