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大学病院
ヒステリーと麻痺の見分け方を学べるスライドです。
・ヒステリーとは
・ヒステリーのパターン
・ヒステリーを見分けよう
・Arm drop試験
・カロリックテスト
・ヒステリー性筋力低下(麻痺)を見分けよう!
・評価前に知っておきたい「協働運動」とは?
・Hoover試験①~麻痺ありversion~
・Hoover試験②~ヒステリーversion~
・Sonoo外転試験①~麻痺ありversion~
・Sonoo外転試験②~ヒステリーversion~
・麻痺を見分ける他の方法は??
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イラストで学ぶ! その麻痺、ホント?? ~ヒステリーとの見分け方~ produced by puruco 脳神経内科医
ヒステリーとは ヒステリー≒身体表現性障害、転換性障害、解離性障害 30歳以前に発症 女性に多い 複数の身体領域+変動+慢性的 無意識の葛藤が身体の訴えに変換される 限局した症候 数週間程度の経過内に治癒する例も多い 用語のわかりにくさもあって、脳神経内科では「ヒステリー」という 言葉を使い続ける傾向がある。 ヒステリー≠詐病 ヒステリー≠虚偽性障害
ヒステリーのパターン ヒステリーの徴候 神経学的な分類 症候 意識 混迷(意識障害) 脳神経系 運動系 視力障害 、輻輳痙攣、嗅覚障害 、 味覚障害、ヒステリー聾、ヒステリー球(嚥下 障害)、 失声、 めまい感 、痙攣発作 筋力低下、不随意運動、歩行障害、 感覚系 感覚鈍麻 その他 過呼吸 、健忘、遁走 ここでは意識障害と筋力低下についてご紹介します!
ヒステリーを見分けよう 意識障害のある麻痺はどう見分けるの? AIUEO TIPSで 意識障害の 鑑別は済んでる? 脳幹障害? 脱力している みたい だけど・・・ ここでは2種類紹介します
Arm drop試験 ①被検者の腕を顔の前に 持ち上げる。 腕を離す 腕を離す ②‐1 顔にそのまま落ちる 意識障害 ヒステリー ②‐2 顔を避けて落ちる ➢Arm drop試験 陽性 ※頻繁に救急搬送される転換性障害の患者はすでに知識を習得済みで、あえて顔に落とすこともある。 文献①を参考に作成
カロリックテスト <原理> 外耳道に注水することによって三半規管に生じた温度差による対流が半器 官とその求心路を刺激して眼振を生じさせる。 <方法> ①冷水(30℃)あるいは温水(44℃)を外耳道に0.2 mL注入する。 ②約20秒後に眼振が 80~120秒間程度生じる。 正常はCOWS(Cold Opposite, Warm Same) Or 恋の駆け引き(暑苦しいアプローチは逃げたくなる、冷たくされると気になる)と覚える。 正常を確認できれば代謝性脳症や器質的疾患による意識障害は除外できる。 文献②を参考に作成
ヒステリー性筋力低下(麻痺)を見分けよう! <筋力低下の様式> ・拮抗筋の収縮 ・遠方の近位筋の収縮 ・しかめっ面や喚声 ・Giving-way weakness (検者の抵抗に負けてカクカクっと力が抜ける症候。 Guillain Barre症候群でもみられるので注意!) ・麻痺の程度の変動・不連続な回復 <筋力低下の分布> ・屈伸筋同程度の麻痺分布 ・錐体路性と逆の麻痺分布 ・指や手関節などの表現しやすい筋の麻痺 文献③、④を参考に作成
評価前に知っておきたい「協働運動」とは? 片方の足を挙げると もう片方が下がる ➢協働運動! 協働運動:関節運動をするときには、 主に動かす筋肉以外に関連する筋肉が 同時に協働して動いている。 例)肩関節の外転 主働筋:三角筋 協働筋:前鋸筋、僧帽筋 (三角筋の起始・停止を固定する) ≒連合運動:筋作用としての協働に必然性は ないが、遠隔の筋に関連同期した運動 例)歩行時の腕を振る運動 文献③を参考に作成
クイズ 形式 Hoover試験①~麻痺ありversion~ <1>(私たちは)どちらの足に注目する? A.健側 B.病側 文献③を参考に作成
クイズ 形式 Hoover試験①~麻痺ありversion~ <1>(私たちは)どちらの足に注目する? A.健側 B.病側 <2>どちらの足を持ち上げてもらう? A.健側 B.病側 文献③を参考に作成
Hoover試験①~麻痺ありversion~ クイズ 形式 <1>(私たちは)どちらの足に注目する? A.健側 B.病側 <2>どちらの足を持ち上げてもらう? A.健側 B.病側 ➢ヒステリーだとどうなるか考えて次のスライドに進んでください。 健側を重たいと感じれば 協働運動あり=訴えは本当! 文献③を参考に作成
Hoover試験②~ヒステリーversion~ 麻痺の訴えがある側を持ち上げるように 指示しても上げない ↓ 健側に協働運動は生じない ↓ 健肢を感じる重さは変わらない 文献③を参考に作成
Sonoo外転試験①~麻痺ありversion~ Hoover試験=圧だけ Sonoo外転試験=圧と肢位 <1>検者は被検者の両下肢を外側から内転方向に力を加える( <2>片足の外転を指示して対側の協働運動の有無を観察する。 ①患脚の外転を指示 (健側に注目) 健肢は協働運動で 検者の外力をうち消す ➢健肢の外転への圧 ➢健肢は正中位 ) ②健脚の外転を指示 (患側に注目) 患肢は協働運動の 力が弱く検者の外に 負ける ➢患肢の圧なし ➢患肢は内転位 文献③を参考に作成
Sonoo外転試験②~ヒステリーversion~ Hoover試験=圧だけ Sonoo外転試験=圧と肢位 <1>検者は被検者の両下肢を外側から内転方向に力を加える( <2>片足の外転を指示して対側の協働運動の有無を観察する。 ①患脚の外転を指示 (健側に注目) 健肢は協働運動が ないので 検者の圧に負ける ➢健肢は圧なし ➢健肢は内転位 ) ②健脚の外転を指示 (患側に注目) 患肢は無意識に 協働運動をしてしまい 検者の圧に抗う ➢患肢の外転圧あり ➢患肢は正中位 文献③を参考に作成
麻痺を見分ける他の方法は?? <1>診察 先述の内容に加え、 ・四肢の腱反射 ・Babinski徴候 (・単純に診察室を出た後の動きをこっそり見てみるのもアリ) <2>検査 ・脳波(意識障害がある場合) ・神経伝導検査(①伝導遅延、②CMAP・SNAPの低下の有無(軸索変性) ③temporal dispersionの有無(脱髄病変)など) ・針筋電図検査(中枢性筋力低下の所見) ※CMAP:複数の運動神経の刺激で得られる、神経の興奮の波形すべての足し算でみられる波形のこと。 SNAP:複数の感覚神経の刺激で得られる、神経の興奮の波形すべての足し算でみられる波形のこと。 temporal dispersion:末梢の運動神経の障害で伝導速度の遅い神経があることでCMAPの持続時間が大きくなる。 興奮する時間のばらつきのことを言う。 文献④、⑤を参考に作成
1. 一番簡単なヒステリー性の意識障害・麻痺の 見分け方はArm drop試験。(顔を「意図的」に避ける) Take Home Message 2. ヒステリー性の意識障害はカロリックテストの 正常を確認しよう。 3. 難しいヒステリー性の麻痺は協働運動を利用して 見分けよう。 ヒステリーだとHoover試験、Sonoo外転試験で 協働運動がみられない。 参考文献 ①じほう(45857ebook.pdf (jiho.co.jp)) ②杉田麟也.臨床検査.1982 ③園生雅弘.BRAIN and NERVE.2014 ④園生雅弘.臨床神経生理学.2019 ⑤園生雅弘.脊髄外科.2011