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肺がん診療のリアル~診断編(後編)

  • 呼吸器内科

  • 肺がん
  • 組織型
  • 進行度
  • TNM分類
  • ドライバー遺伝子変異
  • PD-L1発現
  • 持病
  • 臓器機能
  • 年齢
  • PS

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2020/12/29
野口 哲男

市立長浜病院

肺がんの診断がついた後、時間的余裕があるようなら、確認しておきたいことがあります。ここでは、組織型、進行度、ドライバー遺伝子変異、PD-L1発現の状況、患者さん側の因子について解説します。

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肺がん診療のリアル~診断編(前編)

#診断 #肺がん #健診異常 #有症状 #腫瘍マーカー #気管支鏡 #CTガイド下肺生検 #肺がん診療のリアル #呼吸器ドクターN

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肺がん診療のリアル~診断編(後編)

  1. 肺がん診療のリアル    診断編(後編) 市立長浜病院呼吸器内科 野口 哲男 現役呼吸器専門医 呼吸器ドクターN

  2. はじめに このスライドは、肺がん疑いで外来を受診する患者さんを対象にしたものです。 私(呼吸器専門医)がどのように考え、検査、診断、治療をしているのかをわかりやすく説明したものです。 YouTube動画「肺がん診療のリアル」シリーズをまとめたものになります。 今回は診断編 後編になります。 研修医や非専門医の先生の参考になれば幸いです。

  3. 肺がんと診断がついた では、次はすぐに治療でしょうか?? 治療に入る前に 確認しておきたいことがあります。 進行が早い場合は、検査結果が出そろわなくても 治療を先行することもあります。

  4. 肺がんの治療前に確認すること 組織型 小細胞肺がんか、それ以外(非小細胞肺がん)か? 非小細胞肺がんの場合、  扁平上皮がんかそれ以外(非扁平上皮がん)か? がんの進行度合い TNM分類 早期がん、進行がん ドライバー遺伝子変異(分子標的薬の治療の可否) PD-L1発現の状況(免疫チェックポイント阻害薬の使用の可否) 患者さん側の因子(持病、臓器機能、元気さ(PS))

  5. 肺がんの治療前に確認すること 組織型 小細胞肺がんか、それ以外(非小細胞肺がん)か? 非小細胞肺がんの場合、  扁平上皮がんかそれ以外(非扁平上皮がん)か? がんの進行度合い TNM分類 早期がん、進行がん ドライバー遺伝子変異(分子標的薬の治療の可否) PD-L1発現の状況(免疫チェックポイント阻害薬の使用の可否) 患者さん側の因子(持病、臓器機能、元気さ(PS))

  6. 組織型で治療法が異なる 特に小細胞肺がんとそれ以外とは、分けて考える必要がある。 何で判断するのか? もちろん病理検査(顕微鏡)だが、組織型に特徴的な特殊染色を行うこともある。 腫瘍マーカーの値が参考になることも。

  7. 小細胞がん 病理コア画像 http://pathology.or.jp/corepictures2010/05/c18/03.html

  8. 扁平上皮がん 病理コア画像 http://pathology.or.jp/corepictures2010/05/c17/04.html

  9. 腺がん 病理コア画像 http://pathology.or.jp/corepictures2010/05/c17/08.html

  10. 大細胞がん 病理コア画像 http://pathology.or.jp/corepictures2010/05/c17/14.html

  11. 小括6 肺がんと一口にいっても数種類あり、治療方針が異なる。 まずは、小細胞肺がんか非小細胞肺がんかを確認する。 非小細胞肺がんの場合、扁平上皮がんか非扁平上皮がんかを確認する。 あわせて全身検索を行い、進行度を評価する。

  12. 肺がんの治療前に確認すること 組織型 小細胞肺がんか、それ以外(非小細胞肺がん)か? 非小細胞肺がんの場合、  扁平上皮がんかそれ以外(非扁平上皮がん)か? がんの進行度合い TNM分類 早期がん、進行がん ドライバー遺伝子変異(分子標的薬の治療の可否) PD-L1発現の状況(免疫チェックポイント阻害薬の使用の可否) 患者さん側の因子(持病、臓器機能、元気さ(PS))

  13. TNM分類とは 肺がんの進展度を決める因子として次の3つがある。 腫瘍の大きさ、できた場所(T) リンパ節転移の有無(N) 遠隔転移(M) T、N、Mを組み合わせて進行度(ステージ)を決める。

  14. T因子 T因子は 原発巣の大きさ・できた場所で決まる。 臓側胸膜への浸潤(T2) 気管支への浸潤(T1, T2) 無気肺・閉塞性肺炎(T2) 壁側胸膜、胸壁、横隔神経、心膜への浸潤(T3) 同一葉内の副結節(T3) 横隔膜,縦隔,心臓,大血管,気管,反回神経,食道,椎体,気管分岐部への浸潤,あるいは同側の異なった肺葉内の副腫瘍結節(T4) によって、TX, T0, Tis, T1mi, T1a, T1b, T1c, T2a, T2b, T3, T4を判定。 日本肺癌学会編:肺癌取扱い規約第8版(p4,6,2017).金原出版

  15. N因子 N因子はリンパ節転移の状態。 NX: 所属リンパ節評価不能 N0: 所属リンパ節転移なし N1: 同側の気管支周囲かつ/または同側肺門,肺内リンパ節への転移で原発腫瘍の直接浸潤を含める N2: 同側縦隔かつ/または気管分岐下リンパ節への転移 N3: 対側縦隔,対側肺門,同側あるいは対側の前斜角筋,鎖骨上窩リンパ節への転移 日本肺癌学会編:肺癌取扱い規約第8版(p4,6,2017).金原出版

  16. M因子 M因子は遠隔転移。 M0: 遠隔転移なし M1: 遠隔転移がある M1a:対側肺内の副腫瘍結節,胸膜または心膜の結節, 悪性胸水(同側・対側),悪性心嚢水 M1b:肺以外の一臓器への単発遠隔転移がある M1c:肺以外の一臓器または多臓器への多発遠隔転移がある 日本肺癌学会編:肺癌取扱い規約第8版(p4,6,2017).金原出版

  17. TNM臨床病期分類(UICC-8版) 日本肺癌学会編:肺癌取扱い規約第8版(p4,6,2017).金原出版 T, N, Mを組み合わせて、ステージⅠ~Ⅳに分類する。 通常、ステージⅠ、Ⅱは早期肺がん、Ⅲ、Ⅳは進行肺がんと分類する。

  18. 小括7 肺がんの進行度の判定にはTNM分類を用いる。 T因子はがんの大きさ、できた場所で分類する。 N因子はリンパ節転移の程度で分類する。 M因子は遠隔転移の有無で分類する。 TNM因子の組み合わせで進行度(ステージ)が決まる。

  19. 肺がんの治療前に確認すること 組織型 小細胞肺がんか、それ以外(非小細胞肺がん)か? 非小細胞肺がんの場合、  扁平上皮がんかそれ以外(非扁平上皮がん)か? がんの進行度合い TNM分類 早期がん、進行がん ドライバー遺伝子変異(分子標的薬の治療の可否) PD-L1発現の状況(免疫チェックポイント阻害薬の使用の可否) 患者さん側の因子(持病、臓器機能、元気さ(PS))

  20. ドライバー遺伝子とは? 『がん遺伝子・がん抑制遺伝子といった、がんの発生・進展において直接的に重要な役割を果たす遺伝子をドライバー遺伝子と呼ぶ。 がんの発生過程においては、ゲノム変異が起こりやすい状態(いわゆるゲノム不安定性)となるため、がんの発生には無関係な遺伝子にもランダムに変異が起こることが知られている(背景変異、あるいはパッセンジャー遺伝子と呼ばれる)。 従って、統計的解析によって、本物の異常(ドライバー遺伝子)と背景異常(パッセンジャー遺伝子)を区別する必要がある。 ドライバー遺伝子は低分子阻害剤や抗体医薬などさまざまな分子治療の標的として有望である。この目的で作られたのが分子標的薬。 国立がん研究センターのサイトからhttp://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20141103_02.html

  21. ドライバー遺伝子変異のイメージ http://www.wanpug.com/illust166.html がん化 ドライバー パッセンジャー 行先を決めるのはパッセンジャーではなく、 ドライバー 変異

  22. 肺腺がんのドライバー遺伝子変異の頻度 日本医療研究開発機構https://www.amed.go.jp/news/release_20160809.html

  23. 肺腺がんのドライバー遺伝子変異と治療薬 ゲフィチニブ、エルロチニブ、 アファチニブ、ダコミチニブ、   オシメルチニブ アレクチニブ、ロルラチニブ、 ブリグチニブ、セリチニブ   クリゾチニブ、エヌトレクチニブ ダブラフェニブ+トラメチニブ テポチニブ、カプマチニブ 日本肺癌学会編:肺癌診療ガイドライン 2020年版 EGFR遺伝子変異 ALK融合遺伝子 ROS-1融合遺伝子 BRAF遺伝子変異 MET遺伝子変異

  24. 小括8 がんの発生・進展において直接的に重要な役割を果たす遺伝子をドライバー遺伝子と呼ぶ。 ドライバー遺伝子の変異により、がん化が起こることがある。 ここを標的とした分子標的薬が開発されている。 現在、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS-1融合遺伝子、BRAF遺伝子変異、MET遺伝子変異に対する治療薬が使用可能である。

  25. 肺がんの治療前に確認すること 組織型 小細胞肺がんか、それ以外(非小細胞肺がん)か? 非小細胞肺がんの場合、  扁平上皮がんかそれ以外(非扁平上皮がん)か? がんの進行度合い TNM分類 早期がん、進行がん ドライバー遺伝子変異(分子標的薬の治療の可否) PD-L1発現の状況(免疫チェックポイント阻害薬の使用の可否) 患者さん側の因子(持病、臓器機能、年齢、元気さ(PS))

  26. がん免疫療法 肺がんの治療方法として、手術、放射線、抗がん剤(さらに分子標的薬)が   3本柱と言われてきた。 最近、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が第4の治療方法として確立してきた。

  27. 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の作用点 がん細胞 T細胞 細胞障害活性↓ PD-L1 PD-1 攻撃ストップ指令 がん細胞 T細胞 PD-L1 PD-1 × 攻撃指令 抗PD-L1抗体 抗PD-1抗体 細胞障害活性↑

  28. いろいろながん免疫療法 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)  ⇒保険治療。臨床試験で効果が証明。 免疫ががん細胞を攻撃する力を強め、免疫にアクセルをかける方法としては以下のものがあるが、効果が証明されておらず、原則自由診療。 エフェクターT細胞療法(がん細胞への攻撃力を強めるために、患者自身のT細胞を体の外に取り出し、T細胞にがん細胞の目印を見分ける遺伝子を組み入れて増やしてから、再び体の中に戻します。攻撃力が強まったT細胞を使う方法で、エフェクターT細胞療法といいます。) その他のがんペプチドワクチン、活性化自己リンパ球療法、NK細胞療法も臨床試験で効果は証明されていない。 https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html

  29. PD-L1発現による生存期間の差(KEYNOTE 189試験) 承認時評価資料:国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-189試験) Gandhi L et al. N Engl J Med 2018; 378: 2078-2092 Gandhi L et al. N Engl J Med 2018; 378: 2078-2092 Supplementary Data(Protocol) Gadgeel S et al. J Clin Oncol 2020; 38: 1505-1517

  30. 小括9 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はがん免疫のブレーキを外すことで抗がん効果を発揮する。 PD-L1はがん細胞の表面に発現している、PD-1受容体である。 PD-L1とPD-1の結合がICIで阻害されることで、  細胞障害性Tリンパ球による抗がん作用が期待される。 PD-L1の発現が多いほど、ICIの効果が期待される。

  31. 肺がんの治療前に確認すること 組織型 小細胞肺がんか、それ以外(非小細胞肺がん)か? 非小細胞肺がんの場合、  扁平上皮がんかそれ以外(非扁平上皮がん)か? がんの進行度合い TNM分類 早期がん、進行がん ドライバー遺伝子変異(分子標的薬の治療の可否) PD-L1発現の状況(免疫チェックポイント阻害薬の使用の可否) 患者さん側の因子(持病、臓器機能、年齢、元気さ(PS))

  32. 持病 B型肝炎キャリア 抗がん剤治療により、B型肝炎ウイルスが再活性化する可能性。 ⇒治療開始前にB型肝炎検査をしておく必要。 慢性呼吸器疾患(COPD、間質性肺疾患、など) ⇒手術適応に関係。 心臓病 ⇒手術適応に関係。 自己免疫性疾患 ⇒免疫チェックポイント阻害薬を使用する際に注意。   などなど

  33. 臓器機能 腎機能 抗がん薬の使用量の決定(カルボプラチン) あまり低いと使えない薬もある 肝機能 肝機能が悪いと抗がん薬の用量調整が必要 間質性肺炎 抗がん薬が使いづらいことがある。

  34. 年齢 手術に対して 基本的に高齢になると手術のリスクが増す 日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2020年版

  35. PS(Performance Status) 手術に対して PSが悪いと手術の対象外。 日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2020年版

  36. PS(Performance Status) 出典 Common Toxicity Criteria, Version2.0 Publish Date April 30, 1999 http://ctep.cancer.gov/protocolDevelopment/electronic_applications/docs/ctcv20_4-30-992.pdf JCOGホームページhttp://www.jcog.jp/

  37. 小括10 肺がんの治療に際して、患者さん側の因子も考慮する。 持病は、B型肝炎キャリア、慢性呼吸器疾患(COPD、間質性肺疾患)、心臓病、自己免疫性疾患などをチェック。 臓器機能は、腎機能、肝機能、間質性肺炎などをチェック。 年齢は、75歳以上かどうかで治療方針が異なることがある。 PSは、抗がん薬の選択に重要である。

  38. 今回のまとめ 健診で「胸部異常陰影」、「肺がんの疑い」で呼吸器内科を受診した場合、 医師はまず胸部CT(単純)を撮影する。 胸部X線では重なり合いで腫瘍のように見えても、CTを撮ってみると異常がないことも多い。 肺がんの疑いというCT所見があれば、肺がんの診断をつける検査を考えていく。 ホームページ https://resdoctorn.jimdofree.com/ ブログ https://ameblo.jp/resdoctorn 今回で、診断編はいったん終了です。治療編にご期待ください。

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