#4.
ICIの注意を要する副作用(irAE) ICIは、癌細胞によって抑えられていた免疫機能を再び活性化させるため、免疫がはたらき過ぎることによる副作用があらわれる可能性があります。
これを免疫関連有害事象(irAE:immune related Adverse Events)と呼びます。
症状のあらわれ方には個人差がありますが、あらかじめ副作用の種類や症状を知っておくことは、副作用の早期発見と対処につながります。
患者さんが安心して治療を続けていくためにも、次に挙げるICIの注意を要する副作用と症状について、患者さんへ十分ご指導ください。 ICIの注意を要する副作用 間質性肺疾患
大腸炎・重度の下痢
重度の皮膚障害
神経障害
ギラン・バレー症候群等
肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎
内分泌障害
甲状腺機能障害
下垂体機能障害
副腎機能障害 1型糖尿病
腎機能障害
膵炎
筋炎・横紋筋融解症
重症筋無力症
心筋炎
脳炎・髄膜炎
免疫性血小板減少性紫斑病
#5.
ICIのリスクマネジメント irAE!? なじみのない有害事象のため
何らかの対策が必須 連携体制の構築
実用的なマニュアル
患者教育 研修医での検証
外来化学療法室への展開
#6.
irAEの連携体制づくり irAEはあらゆる臓器で起こる可能性があり、1つの科、1人の医師だけでカバーできるものではない。
ICI処方する科だけでなく、irAEに関連するすべての科の連携体制を整えておくことが重要。
看護師、薬剤師といったメディカルスタッフの関与も非常に重要。
当院では2016年1月にニボルマブを初回投与するにあたって前もって連携体制(多科連携、多職種連携)をマニュアル化。
Nagahama irAE Cooperation Enhancement (NiCE)と呼称。
その後、近隣病院、開業医の先生との病病連携、病診連携に広がりをみせている。
#7.
irAEに対する医師のチェック漏れを防ぐ 電子カルテの検査のページに「ICI セット」を作成。
項目は、末梢血, KL-6, FT3, FT4, TSH, AST, ALT, LDH, γGTP, ALP, T-BIL, GLU, BUN, Cre, Na, K, Cl。
ICI投与中は毎月採血する(KL-6は月に1回までのため注意) ICIを使用する医師は、irAEの可能性を
常に考慮した検査をする習慣をつけるべし!
#8.
各科連携体制の構築 irAEにつき、投与前に呼吸器科、消化器内科、内分泌科、神経内科などに事前了承を得ておく
ILD: CTで間質性陰影を認めたら、呼吸器Drコンサルト
下痢・大腸炎:必要に応じて消化器内科でCF施行
糖尿病:1型糖尿病の場合、内分泌科コンサルト
甲状腺・副腎・下垂体機能異常:内分泌科コンサルト
神経障害・重症筋無力症:神経内科コンサルト
心筋炎:循環器内科コンサルト
#9.
免疫チェックポイント阻害薬の副作用として予測される症状 頭痛(下垂体機能障害、脳炎・髄膜炎、心筋炎、点滴時の過敏症反応)
意識障害(1型糖尿病、脳炎・髄膜炎) 口の中や喉が渇きやすい・多飲(1型糖尿病、下垂体機能障害)
歯ぐきや口内の出血(免疫性血小板減少性紫斑病)
くしゃみ(点滴時の過敏症反応)
声のかすれ(甲状腺機能障害)
くちびるのただれ(重度の皮膚障害) 咳(間質性肺疾患、心筋炎)
呼吸困難(間質性肺疾患、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、点滴時の過敏症反応、心筋炎、溶血性貧血、赤芽球癆など)
胸の痛み(心筋炎) 吐き気やおう吐(大腸炎、肝機能障害、肝炎、副腎機能障害、点滴時の過敏症反応、膵炎、脳炎・髄膜炎、1型糖尿病、心筋炎)
食欲低下(大腸炎、肝機能障害、肝炎、副腎機能障害) 手足の筋力低下(ギラン・バレー症候群、重症筋無力症)
手指のふるえ(甲状腺機能障害など) 眼の動きが悪い(ギラン・バレー症候群、重症筋無力症)
まぶたのむくみ(甲状腺機能障害)
見え方の異常(下垂体機能障害、ぶどう膜炎)
まぶたが重い・顔の筋肉が動きにくくなる(重症筋無力症) 全 身
発熱(間質性肺疾患、腎機能障害、1型糖尿病、重度の皮膚障害、心筋炎など)
疲れやすい・だるい(肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、甲状腺機能障害、副腎機能障害、溶血性貧血、赤芽球癆など)
黄疸(肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、膵炎、溶血性貧血)
発疹などの皮膚症状(点滴時の過敏症反応、重度の皮膚障害、腎機能障害、免疫性血小板減少性紫斑病、硬化性胆管炎など)
体重の減少(副腎機能障害、1型糖尿病など)
体重の増加(甲状腺機能障害)
むくみ(腎機能障害)
しびれ(ギラン・バレー症候群)
けいれん(脳炎・髄膜炎)
月経がない・乳汁分泌(下垂体機能障害) 下痢(大腸炎、副腎機能障害など)
ネバネバした便・血便(大腸炎)
便秘(甲状腺機能障害、副腎機能障害)
腹痛(大腸炎、膵炎、1型糖尿病、副腎機能障害、硬化性胆管炎)
トイレが近い(下垂体機能障害、1型糖尿病)
尿量の減少(腎機能障害) 全部覚えきれますか??
#10.
頭痛(下垂体機能障害、脳炎・髄膜炎、心筋炎、点滴時の過敏症反応)
意識障害(1型糖尿病、脳炎・髄膜炎) 口の中や喉が渇きやすい・多飲(1型糖尿病、下垂体機能障害)
歯ぐきや口内の出血(免疫性血小板減少性紫斑病)
くしゃみ(点滴時の過敏症反応)
声のかすれ(甲状腺機能障害)
くちびるのただれ(重度の皮膚障害) 咳(間質性肺疾患、心筋炎)
呼吸困難(間質性肺疾患、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、点滴時の過敏症反応、心筋炎、溶血性貧血、赤芽球癆など)
胸の痛み(心筋炎) 吐き気やおう吐(大腸炎、肝機能障害、肝炎、副腎機能障害、点滴時の過敏症反応、膵炎、脳炎・髄膜炎、1型糖尿病、心筋炎)
食欲低下(大腸炎、肝機能障害、肝炎、副腎機能障害) 手足の筋力低下(ギラン・バレー症候群、重症筋無力症)
手指のふるえ(甲状腺機能障害など) 眼の動きが悪い(ギラン・バレー症候群、重症筋無力症)
まぶたのむくみ(甲状腺機能障害)
見え方の異常(下垂体機能障害、ぶどう膜炎)
まぶたが重い・顔の筋肉が動きにくくなる(重症筋無力症) 全 身
発熱(間質性肺疾患、腎機能障害、1型糖尿病、重度の皮膚障害、心筋炎など)
疲れやすい・だるい(肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、甲状腺機能障害、副腎機能障害、溶血性貧血、赤芽球癆など)
黄疸(肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎、膵炎、溶血性貧血)
発疹などの皮膚症状(点滴時の過敏症反応、重度の皮膚障害、腎機能障害、免疫性血小板減少性紫斑病、硬化性胆管炎など)
体重の減少(副腎機能障害、1型糖尿病など)
体重の増加(甲状腺機能障害)
むくみ(腎機能障害)
しびれ(ギラン・バレー症候群)
けいれん(脳炎・髄膜炎)
月経がない・乳汁分泌(下垂体機能障害) 下痢(大腸炎、副腎機能障害など)
ネバネバした便・血便(大腸炎)
便秘(甲状腺機能障害、副腎機能障害)
腹痛(大腸炎、膵炎、1型糖尿病、副腎機能障害、硬化性胆管炎)
トイレが近い(下垂体機能障害、1型糖尿病)
尿量の減少(腎機能障害) 免疫チェックポイント阻害薬の副作用として予測される症状 全部覚えきれますか?? 実際に使えるツールが
絶対必要
#11.
患者は症状があって時間外受診する! 医師が患者に問診し、病名を疑う必要がある。
患者から診断に結びつく症状を申告するとは限らない。
夜間・救急外来に受診した場合には、必ずしもICIに精通した医師が対応するとは限らない。
実際には、研修医が初診で対応することもあるため、
「実際に即したマニュアル作成」が重要。
そこで
「症状から病態を推定する逆引きマニュアル」を作成。
#12.
irAE逆引きマニュアルの特徴 発熱、吐き気、意識レベル低下、倦怠感(だるさ)、呼吸困難、腹痛、頭痛、手足の脱力の8項目を、 重要な内臓関連の症状とした。
いずれかの症状を主訴として受診された場合、他の症状を若干追加することで、疑われるirAE病名を推定できるようにした(ver4.2まで)。
マニュアルには、疑われる病名に対して行う検査、その後の対応についても具体的に明示(ver5.0)。
#13.
一貫して対応できるのが優秀なマニュアル よくあるマニュアル 診断(病名) 検査 治療 irAE逆引きマニュアル ver5.0 ここがわからないことが多い
#14.
irAE逆引きマニュアルのバージョンアップ履歴 2018.9.12 初版(ver1.0)。
2019.1.1 「セカンドキーワード」を青色示し、さらに時短を図りました(ver2.0)。
2019.1.1 重症筋無力症の症状に「複視」を追加しました(ver2.1)。
2019.12.15 irAE病名の順番を見直しました(ver2.2)。
2020.3.4 硬化性胆管炎、結核、血球貪食症候群、無顆粒球症を追加しました(ver2.3)。
2020.7.26 COVID-19を鑑別に入れました(ver3.0)。
2020.12.13 患者向けのわかりやすい用語を採用。レイアウトも見直し(ver4.0)。
2023.7.7 COVID-19が5類になり鑑別診断から除外。また「つたわる君」掲載(ver4.1)。
2024.1.10 CRSを追加しました(ver4.2)。
2024.9.18 検査やその後の治療についても追加(ver5.0)。
#15.
発熱 以下の症状がないかをチェックしてください。 ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#16.
吐き気 ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 以下の症状がないかをチェックしてください。 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#17.
意識レベル低下 ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 以下の症状がないかをチェックしてください。 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#18.
だるさ ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 以下の症状がないかをチェックしてください。 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#19.
息苦しさ ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 以下の症状がないかをチェックしてください。 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#20.
腹痛 ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 以下の症状がないかをチェックしてください。 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#21.
頭痛 ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 以下の症状がないかをチェックしてください。 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#22.
手足の脱力 ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男 以下の症状がないかをチェックしてください。 irAE逆引きマニュアル ver5.0は、私のホームページ
「呼吸器ドクターNのHP」から無料ダウンロード可能です。 irAE逆引きマニュアル ver5.0
#23.
ICI投与前/投与中の検査セット例 共通項目:白血球および分画, 赤血球, Hb, Ht, 血小板,T-Bil, AST, ALT, ALP, LDH, CK, γ-GTP, UA, TP, ALB, BUN, Cre, Na, K, Cl, Ca, グルコース, CRP, 尿一般検査, 尿沈渣
投与開始前:共通項目に加えてHBsAg, HBsAb, HBcAb, HCVAb, HbA1c, TSH, FT4, コルチゾール, ACTH, KL-6, RF, 抗核抗体, ECG
投与中:共通項目に加えてTSH, FT4, KL-6, コルチゾール(各月1回)、および開始前に異常値だった項目のフォロー
#24.
各irAE疾患別の検査、重症度グレード、対処を追加 心筋炎 CRSサイトカイン放出症候群 HLH血球貪食症候群 MG重症筋無力症 Infusionreaction 重度の皮膚障害 1型糖尿病 ILD間質性肺疾患 神経障害 脳炎・髄膜炎 甲状腺中毒症 甲状腺機能低下症 副腎機能障害 下垂体障害 大腸炎小腸炎・重度の下痢 肝炎硬化性胆管炎 腎障害 膵炎 筋炎横紋筋融解症 赤芽球ろう 溶血性貧血 血小板減少 ぶどう膜炎 結核 重度の胃炎
#25.
心筋炎 超緊急 心筋梗塞などの否定のため、心臓MRIや心臓カテーテル検査(心筋生検含む)も検討。
重症筋無力症、筋炎などの併発も疑う。
#26.
ILD間質性肺疾患 緊急
#27.
甲状腺機能低下症 準緊急
#28.
irAE逆引きマニュアルが有効か、検証
#29.
前期研修医にシナリオから病名を問診で推定してもらう マニュアルあり マニュアルなし (分)
#30.
前期研修医にシナリオから病名を問診で推定してもらう マニュアルあり マニュアルなし (分) (分) (分) (分)
#31.
全部の副作用を覚える必要は、ない! 患者さんの症状から、疑わしい病名をリストアップ(資料参照)
重大な副作用、緊急性の高い副作用を最初に検査。
具体的には、間質性肺疾患(ILD)、劇症1型糖尿病ファースト。
症状の中でも、臓器特異的なものをより重視。
空咳ならILD、血便なら大腸炎、眼瞼下垂なら重症筋無力症など。
だるさ、発熱といった非特異的症状は病名特定につながりにくい。
重要なことは、その患者さんにICIが投与されていることを
事前に把握できているかどうか?
⇒カルテにわかりやすく表示することを徹底。
#32.
irAE逆引きマニュアルの限界 すべての症状を羅列してあるが、症状が
少ない症例を早期に発見することは困難。
(ex:発熱、咳、息苦しさがILDの症状だが、咳だけの症状ではILDなのか風邪なのか咳喘息なのか、鑑別困難)
逆にすべての症状がないとそのirAE病名でないわけではない。(ex:副腎障害の症状として、意識レベル低下、吐き気、無気力感、不安、性格変化、脱力感、おう吐、腹痛、だるさ、食欲不振、血圧低下、色素沈着が挙げられているが、だるさだけを訴えるかもしれない)
あくまでirAE対策の1つの参考ツールであり、検査データ、診察、画像データなども含めて総合的に診断を。
#33.
症例1
#34.
50代女性、PS 0。専業主婦。 関節痛、抗核抗体320倍で当院リウマチ科に紹介。
胸部X線で異常陰影。肺扁平上皮がん ステージⅣA(胸膜播種)と診断。PD-L1高発現。ドライバー遺伝子変異陰性。
縦隔への放射線治療とプラチナ製剤+nab-PTX 5クールでPRの判定。
しかし、うつ、食欲不振のため休薬。
少量ステロイド、アルプラゾラムなどで症状軽快。
PD-L1高発現でもあり、ICIを投与することにした。
#35.
SVCが腫瘍で圧排。
胸膜病変もある。 初診時、胸部造影CT
#36.
ICIを投与する前にどのような検査をしておくといいでしょうか?
#37.
ICI投与前に検査しておくべきもの 末梢血、血液像
生化学
尿一般検査に加え、
HBsAg, HBsAb, HBcAb, HCVAb,
HbA1c, TSH, FT4, コルチゾール, ACTH,
KL-6,
RF, 抗核抗体,
ECG
などをベースラインの値の把握でしておくとよい。
演者による私見です。
#38.
目の見えにくさで臨時受診 1コース目を施行し、14日後に目の見えにくさ、複視を主訴に臨時受診。
胸部CTでは、原発巣は著明に縮小。
肺野条件では、放射線照射部位に一致した放射線肺臓炎を示唆するすりガラス陰影(GGO)を認めた。SPO2は98%と正常。
眼症状について、眼科を当日対診したが、異常なしとの返事。
脳MRIでも異常所見を認めなかった。
筋力低下を認めなかった。
#39.
腫瘍は縮小 放射線肺臓炎 臨時受診時のCT
#40.
この時点でどのような対応をすべきでしょうか?
#41.
この時点での対応は? 1.症状(目の見えにくさ)に対し眼科受診や脳MRIで問題なしのため、経過観察で帰宅させる。
2.他のirAEを疑い、臨時で採血を追加する。
3.神経内科に相談する。
#42.
採血の結果、著明な肝機能障害が判明。
(AST 700台、ALT 300台、CPK 12000台、LDH 1700台)。
irAE肝炎+筋炎と診断し、入院となった。
mPSL 80mg/日 divを開始した。肝機能は徐々に改善傾向。
入院4日目、不安症状に対してアルプラゾラムを内服したところ、10分後に呼吸停止。
その後の経過
#43.
この時点でどのような対応をすべきでしょうか?
#44.
この時点での対応は? 血圧は100/70、HR90、自発呼吸なし。
呼びかけに反応なし。SpO2 95%
1.ただちに酸素投与
2.ただちに心マッサージ
3.ただちに挿管
4.ただちにNPPVを装着
5.ただちに応援を呼ぶ
#45.
その後の経過 たまたま医師が病棟におり、NPPV装着で意識回復。ICU入室となった。
呼吸筋、首の筋肉の筋力低下を認めたが、四肢麻痺は認めなかった。
まぶたの垂れ下がりは認めなかった。
#46.
#47.
どのような病態でしょうか? 1.呼吸性アシドーシス
2.呼吸性アルカローシス
3.代謝性アシドーシス
4.代謝性アルカローシス
#48.
その後の経過 ・呼吸は弱く、NPPV装着2日後に舌根沈下をきたし、挿管下人工呼吸管理となった。
・経過から重症筋無力症と診断し、mPSL 250mg/日に増量、血漿交換、IVIGなど施行し、10日後に抜管できた。
#49.
ポイント irAEは、1つ診断してもそれで油断してはいけない。この症例では肝炎、筋炎と診断し、ステロイド投与で様子をみていたが、さらに重症筋無力症を発症した。
irAEの重症筋無力症は、まぶたの垂れ下がりなど典型的症状はないこともある。この症例では目の見えにくさ→呼吸筋・首の筋力低下と進んだが手足の麻痺は遅くまで起こらなかった。
重症筋無力症を疑っておれば、アルプラゾラムなどの抗不安薬、睡眠薬は禁忌である。 演者による私見です。
#50.
症例2
#51.
この時点でどのような対応をすべきでしょうか? 肺腺癌:(wild type、 TPS 95%)。Stage IVb
1st line:X年2月~Bev(15)+CBDCA(6)+PEM(500)を施行。
間質性肺疾患(ILD)合併(Grade2)のため、4サイクルで化学療法を変更。
2nd line:X年5月~ICI単剤を開始した。
X年8月、ICI 7サイクル目投与日に外来化学療法室看護師が当日体調の聞き取りを行ったところ、だるさ、食欲不振という自覚症状を認めた。
身の回り以外の日常生活に制限がある状態。 70代女性、PS 1。専業主婦。
#52.
だるさをきたすirAEにはどのようなものがあるでしょうか?
#53.
#54.
この中で「だるさ」と「食欲不振」の両方あるものに
しぼると、
・肝障害/硬化性胆管炎
・副腎障害 が挙げられています。
肝障害/硬化性胆管炎では通常の血液検査(肝機能)で診断が可能ですが、副腎障害ではコルチゾール、ACTHといった特殊検査が必要になります。
演者による私見です。
#55.
#56.
#57.
コルチゾール低値、低Na血症、好酸球増多、ACTH高値でした。診断はどれでしょう? 1.原発性副腎機能低下症
2.原発性副腎機能亢進症
3.続発性副腎機能低下症
4.続発性副腎機能亢進症
#58.
次はどうするのが適切でしょうか?
#59.
次はどうするのが適切でしょうか? 1.甲状腺ホルモンを測定
2.内分泌内科に対診
3.デキサメタゾンを投与
4.ヒドロコルチゾンを投与
#60.
この症例では ・甲状腺ホルモンは
TSH高値、FT4低値、FT3低値でした。
→甲状腺機能低下症合併と判断。
・まずヒドロコルチゾンで副腎機能を正常化させた後で、甲状腺ホルモンを補充。 演者による私見です。
#61.
ポイント irAEの中でも、だるさは非特異的症状であり、非常に多くの鑑別診断が挙げられている(肝障害、副腎障害、下垂体障害、甲状腺機能低下症、Ⅰ型糖尿病、心筋炎、皮膚障害、溶血性貧血、赤芽球ろう、血球貪食症候群、結核、CRS、大腸炎)。
副腎障害は原発性と続発性があり、ACTHが鑑別ポイントとなる。
副腎障害は甲状腺機能低下症と合併することが多い。その場合、まずはヒドロコルチゾンで副腎機能を正常化させた後で甲状腺ホルモンを補充する。
演者による私見です。
#62.
連携体制の構築
irAEはさまざまな科で対処しないと対応しきれない
病院として連携体制を構築しておく必要がある
メディカルスタッフとの連携
院外のかかりつけ医との連携
実用的なマニュアルの普及
メーカーの提供する適正使用ガイド
時間外で使用できるマニュアル(irAE逆引きマニュアル)
患者教育の徹底
患者自身が症状を軽視しないように(つたわる君の活用)
症状がでた際のアクションプランを複数回指導 irAEに対する3つの柱
#63.
いろいろと呼吸器関連の情報発信しております。
ぜひご訪問ください。
■YouTube
呼吸器ドクターNの肺がんチャンネル
https://www.youtube.com/@resdoctorn
■ホームページ
呼吸器ドクターNのHP
https://resdoctorn.jimdofree.com/
■アメブロ
呼吸器ドクターNのブログ
https://ameblo.jp/resdoctorn
■X (twitter)
@resdoctorn
■Facebook
https://www.facebook.com/Tetsuo.Noguchi.56
■E-mail
resdoctorn@gmail.com
#64.
irAE逆引きマニュアルv5.0
AI版をリリース!!!
#65.
irAE逆引きマニュアルv5.0(AI版) GoogleのNotebookLMにirAE逆引きマニュアルv5.0を登録。
訪問者が、チャットの入力欄に質問をすると、AIが回答を返すチャットボットを作成しました。
【メリット】
通常の検索では、web上の多くのサイト(玉石混交)を参考にして回答を返す。
場合により、ハルシネーション(嘘回答)が問題になる。
NotebookLMでは、参照するデータベースを指定できるため、質の高い回答が期待できる。
#66.
irAE逆引きマニュアルv5.0(AI版)
#67.
irAE逆引きマニュアルv5.0(AI版)
#68.
irAE逆引きマニュアルv5.0(AI版)
#69.
irAE逆引きマニュアルv5.0(AI版)
#70.
irAE逆引きマニュアルv5.0(AI版) https://notebooklm.google.com/notebook/90228ac5-0ee3-458d-b68c-148b54e61cb3 irAE逆引きマニュアルv5.0(AI版)
2025.12.5 公開