#4.
PROGRAM 本日の流れ 1 Case 1:緩和ケア病棟 山口 健也 先生 ・JCHO九州病院での症例
・緩和ケアの目的と手段
・在宅と病棟の役割 2 Case 2:大学病院 白石 朝子 先生
進谷 憲亮 ・産業医大での症例
・地域に送り出す
構造的ハードル 3 QA & ディスカッション 全員 4 Closing:
在宅医の視点から 進谷 憲亮 ・共に支える緩和ケア
・戻れる安心と
セーフティネット
・明日からの3つの問い
#5.
CASE 1 緩和ケア病棟の視点 山口 健也 先生 JCHO九州病院 総合診療科 / 緩和ケア科 緩和ケア病棟を持つ基幹病院の立場から、
在宅との連携における病棟の役割と、
患者のQOLを手段として考える視点についてお話しします。 症例提示
緩和ケアの目的と手段
在宅と緩和ケア病棟、それぞれの役割
#6.
Case1 九州病院 総合診療科/緩和ケア科 山口健也 Japan Community Health care Organization 2026.4.17 緩和ケアの病診連携
#7.
JCHO九州病院 地域の基幹病院(575床)
地域がん診療連携拠点病院
地域医療支援病院
災害拠点病院 など 緩和ケア病棟あり(14床)
#8.
73歳男性 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL) 1年前にATLLと診断、未治療で経過観察の方針となっていた。
約1ヵ月前に呼吸状態の増悪で当院へ救急搬送され、血液内科へ入院。
肺病変を認め、化学療法・抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬等で加療を行ったが、呼吸状態は増悪していった。
緩和治療に専念する方針となり、
緩和ケア病棟へ転棟となった。
#9.
73歳男性 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL) ECOG-PS(Performance Status) 3程度
酸素6L/分前後
週単位の予後予測 タバコを吸いたい!
#10.
在宅医へ相談 自宅
退院へ
#11.
その後 自宅で1週間を過ごされた。 症状増悪や介護負担等のため
緩和ケア病棟へ再入院。 入院翌日より緩和的鎮静を行い
入院5日目に逝去された。
#12.
(全人的な)苦痛の緩和を通じて
QOLを向上させる 目的=QOLの向上
手段=苦痛の緩和 緩和ケアとは
#13.
緩和ケア 目的:QOLの向上
手段:(全人的な)苦痛の緩和
医療の目的
#14.
緩和ケア 目的:QOLの向上
手段:(全人的な)苦痛の緩和
急性期医療 目的:
手段: 医療の目的 (救急・集中治療など)
#15.
緩和ケア 目的:QOLの向上
手段:(全人的な)苦痛の緩和
急性期医療 目的:
手段:救命、生存期間の延長 医療の目的 (救急・集中治療など)
#16.
緩和ケア 目的:QOLの向上
手段:(全人的な)苦痛の緩和
急性期医療 目的:QOLの向上
手段:救命、生存期間の延長 医療の目的 (救急・集中治療など)
#17.
疾患(disease)と病い(illness)
#18.
在宅医療・緩和ケア病棟 それぞれの特徴・イメージ 緩和ケア病棟 在宅医療 希望を叶える 丸くおさめる ●「家」
● 自由
● 介護負担 ●「安心感」
● 密な対応
● ルールがある
#19.
在宅医療も緩和ケア病棟も
患者・家族のQOLに貢献するための 在宅医療?緩和ケア病棟? 手段である
#20.
●相互理解が鍵 在宅医療と病院(緩和ケア病棟) 連携強化の上で ●(必要に応じ)双方の意識の変容 ●患者のQOLへの貢献が共通の目標
#21.
CASE 2 大学病院からの視点 白石 朝子 先生 産業医科大学病院 大学病院での緩和ケアの経験から、
患者を地域に送り出す際に直面する構造上のハードルと、
連携チームの役割についてお話しします。 症例提示
大学病院が抱える構造上のハードル
地域に送り出すために必要なこと
#22.
#23.
#24.
#25.
#26.
#27.
#28.
#29.
CASE 2 在宅医の視点から 進谷 憲亮 ファミリーヘルスクリニック北九州
家庭医・在宅医 バトンを受け取った後
自宅退院後の経過についてお話します。
自宅に帰ったその後
医学的なリスクと患者さんの想い
家族と共に支える時間
#30.
#31.
#32.
#33.
#34.
#35.
#36.
#37.
#38.
#39.
#40.
#41.
#42.
Q&A
ディスカッション
#43.
Q & A いただいた質問に回答します ご提示いただいた症例のように、在宅に出す際に「何かあれば戻れる」という前提が大事だと思っています。実際にはどのような状態で再入院を受けるかなど、連携において明確な基準や取り決めなどはされているのでしょうか? Q. A. 「当院ではですね、在宅にご紹介した患者さんに関しては、基本的には最優先で緩和ケア病棟で受け入れるようにしています。ただ、実際問題として夜間休日にそのまま緩和ケア病棟に入れるかというと難しいので、一旦一般病棟に入っていただいて、平日日勤帯で移っていただく、という運用にしています。やっぱりバックベッドがあるからこそ家に帰れる、というのはあると思っています。」 「私たちは結構、連携部門とがっつりやっていて、いわゆる“片道切符”にならないように、バックベッドはあらかじめ決めておくことが多いです。ただ、明確にここを超えたら戻す、みたいな線引きがあるわけではなくて、本人やご家族が『やっぱり無理』ってなったタイミングで戻せるように、事前に話をしておく、という感じですね。」 ご質問ありがとうございます。現時点では具体的な取り決めはなく、状況に応じて、必要時に直接医師-医師間で電話で相談させて頂いております。
#44.
Q & A いただいた質問に回答します 途中から参加しました81歳の引退した医師です。30年前8呼吸器医師でしたが、在宅酸素療法患者がアパートの寝床で喫煙し、火事を起こし命は失われなかったが、退院できず病院送りとなりました。私は禁煙を厳しく指導していましたが、警察からその方のことを伝えられて文句は言われて、申し訳なく思った体験があります。20年前頃緩和ケア病棟ではニコチンパッチを数人使用しました。その他酸素吸入中の患者さんの喫煙に関しては多くの悩ましい体験をしました。懐かしいです。 Q. A. 「そういうケースってやっぱりありますよね…。病院でも実際、ルールを守れない患者さんというのは一定数いらっしゃいますし、それを前提にどうするか、という視点はすごく大事だと思っています。」 「本当に悩ましい問題で、完全にリスクをゼロにすることは難しいですよね。現場としても『どう折り合いをつけるか』で悩むことが多いテーマだと思います。」 とても貴重な実体験を共有頂きありがとうございます。とても悩ましい課題だと思います。喫煙者の終末期ケアにあたっては、身体的苦痛としての離脱症状も考慮しなければいけないと思っています。終末期患者さんでは「喫煙制限、移動困難、購入困難」によって突然ニコチン摂取が途絶え、焦燥・不眠・不穏が出現し得るため、喫煙歴の聴取は実務上非常に重要だと考えています。禁煙ができないのは、端に患者さん自身の意思の弱さではなく、ニコチン離脱という適切な医療的介入が必要な病態だと考えています。それも踏まえて、どこでどの様にケアを行うのがいいかケースバイケースで考える必要があると思っています。
#45.
Q & A いただいた質問に回答します この患者さんは本当は在宅に出した方がいいかもしれないと思いながらも、最終的に病院で支え続ける判断をしたケースはありますか?そのとき、何が一番引っかかっていたのでしょうか? Q. A. 「そうですね、やっぱり安全面とか、調整が難しいケースでは病院で支える判断になることもありますね。」 「ありますね、めちゃくちゃあります。やっぱり一番多いのは、本人は帰りたいけどご家族がちょっと無理、っていうケースで、そこがどうしてもネックになりますね。」
#46.
Q & A いただいた質問に回答します 大学病院で気管切開も呼吸器装着もしない方針になったALSの患者さんが呼吸不全で初診の当院に搬送されて、気が変わって呼吸器つけたいという意向に変わったのですが、元の大学病院に相談したら「うちではBSCの方針なので受け入れできません」と断られた経験があります 片道切符という言葉で思い出しました Q. A. 「大学病院だとどうしても、方針が決まってしまうとそこから戻せない、というケースはありますね。だからこそ“片道切符”にならないようにする設計はすごく大事だと思っています。」
#47.
Q & A いただいた質問に回答します 患者さん本人は在宅希望でも、ご家族が「自宅では看られない」と強く不安を示すケースがよくあります。こういった場合では実際にはどのように在宅移行の可否を判断されていますか?また、家族の不安を解消するために具体的にされている工夫などがあれば教えてください。 Q. A. 「やっぱり最終的にはその患者さんにとってのQOLがどうか、というところで考えることになりますが、家族の状況はかなり重要な要素になりますね。」 「結局そこはご家族の許容度にかなり依存するので、明確にここまでならOKという基準はないですね。ケースごとに話し合いながら決めていくことが多いです。」 ご質問ありがとうございます。患者さん自身が自宅退院希望で、病院側も自宅退院可能と判断するも、御家族様の不安が強い場合には、一旦、事前に当院に面談に来て頂き、心情の傾聴や在宅のケアのあり方などをお話させて頂くようにしています。もちろん、在宅の良さだけを強く推すということはせずに、できること、できないこと、メリット、デメリットをきちんと説明させて頂いた上で、御家族様に選択をして頂くことが大切だと思います。
#48.
Q & A いただいた質問に回答します 地域の在宅医や訪問看護にお願いしたいと思っても、どこまで対応してもらえるのか分からず躊躇することがあります。先生方は、実際に信頼できる連携先をどのように見つけて連携を構築してきたのか、他の地域でも活かせるようなアドバイスがあれば教えて欲しいです Q. A. 「退院前カンファレンスに積極的に参加したり、院内の連携部門のキーとなる人と気軽に話ができるようにしておくと、自然に情報を得られることも多いです。病院でずっと勤務していると自宅という療養の場の想像がつきにくいところがあるので自ら情報を仕入れるには、まず院内の誰に相談するかというところを考えても良いのではないでしょうか。」 在宅側にも知って頂く努力をすることが必要だと思っています。北九州市でもそれは課題だと感じておりまして、退院前カンファレンスに積極的に参加して、病院主治医やその他の関係者様に知って頂くことや自宅退院後及びお看取りさせて頂いた後の報告書などをもって、信頼して頂ける様に心がけています。また、在宅で受けさせて頂いた後も、不明点などは積極的に病院主治医に電話でご相談させて頂くようにしています。
#49.
Q & A いただいた質問に回答します もしよければ、今後さらにどのように連携を深めていくといったお話はされていらっしゃるのでしょうか?差し支えない範囲でご教示ください。 Q. A. それぞれ別の場所、別の時間で働いていますが、地域の緩和ケアの質を良くしたい、という気持ちは一緒だと思っています。背景は違えど、同世代だからという点でも気兼ねなく話せるというのは強みかな、と思います。個々の症例での連携はもちろんなのですが、地域の緩和ケアをどうしていきたいかというところも日々ざっくばらんに話していければと思います。 お二人との関係性の中で個別で臨機応変に連携することはすでにできていますので、それを個々の関係性に依存するものではなく、どうすれば地域の緩和ケア体制として構築できるかを一緒に考えていきたいと思っています。
#50.
CLOSING 在宅医の視点から 進谷 憲亮 ファミリーヘルスクリニック北九州
家庭医・在宅医 2つの症例に在宅医として関わる中で感じた、
病診連携で本当に大切なこと。
整えてから送り出すのではなく、
揺れる状態をともに支える覚悟について、お話しします。
#51.
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#53.
#54.
#55.
#56.
NEXT STEP 次の一歩へ まずは、身近な緩和ケアの連携先に
「一緒に支えたい」と一言伝えてみてください。
その一言が、地域の病診連携の始まりになります。
見学のご希望があれば、お気軽にご連絡ください。
#57.
APPENDIX 付録:診療情報提供書について 以下のスライドでは、緩和ケアにおける
診療情報提供書の在り方についてまとめています。
興味のある方はぜひご覧ください。
#58.
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#61.
#62.