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上原 拓樹

2021/01/18
(2021/01/19 更新)

上原 拓樹

勤医協中央病院

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循環器薬の選び方・使い方を循環器内科医目線で解説するシリーズ。

今回は心不全の利尿薬について、機序別に具体的かつ感覚的に解説します。

<本スライドの目次>
心不全とは
フロセミド(ラシックス)
アゾセミド(ダイアート)
スピロノラクトン(アルダクトン)
エプレレノン(セララ)
トリクロルメチアジド(トリスメン)
トルバプタン(サムスカ)
カルペリチド(ハンプ)
強心薬の利尿作用
利尿剤の指標
急性期の利尿薬の選び方
利尿薬の内服と注射の違い
利尿剤多剤併用の力!
フロセミドは何mgまで使える?
最後の砦、マンニトール~まとめ

音声つきの解説動画は、以下のYouTubeで視聴できます
https://youtu.be/-BowXM4Wvos

「循環器薬の選び方・使い方」シリーズ一覧
https://slide.antaa.jp/tagsearch/844

「ペースメーカー丸わかり」シリーズ一覧
https://slide.antaa.jp/tagsearch/751

「循環器疾患解説」シリーズ一覧
https://slide.antaa.jp/tagsearch/688

「心不全診療ワンポイントレッスン」シリーズ一覧
https://slide.antaa.jp/tagsearch/710

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様々な新薬が使用できるようになりCOVID治療の選択肢が増えました。 2022.1.11時点におけるCOVIDの標準治療をまとめました。 参照される際は最新の情報をもとにご活用いただきますようお願い致します。

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「脊髄損傷」コレだけは 〜基本的な初期対応〜

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#3 心不全の利尿薬の使い方

1. 具体的・感覚的に 循環器医が解説します 心不全の利尿薬の 使い方 循環器内科医 “うし先生”の 循環器薬の選び方・使い方シリーズ
2. 注釈 【自己紹介】 某市中病院勤務の循環器内科医師のうしです。 だいたい中堅くらいです。 【動画のモットー】 細かいデータ<フィーリング 【ペット】 オカメインコ いいねやチャンネル登録お願いします!
3. 今回は研修医・内科医師だけでなく 全職種向けに 利尿剤の実際の使い方を 説明します! 薬剤ごと+質問
4. 心不全とは 心臓のポンプ機能がうまく働かず 全身の血液の循環が滞ってしまう状態! 体液は少なからず貯留し、利尿剤が必要 尿量を増加させる薬
5. フロセミド(ラシックス) ・ヘンレ上行脚を阻害(Na,K再吸収阻害) ・利尿薬(体液貯留時)の基本 ・安定時は1T(20mg)/日で内服開始  入院時は1A(20mg)/日で注射開始 ・心不全の予後改善効果はなし  (だいたい腎前性?腎不全になる) 体液貯留ある場合は最小量で随時使用 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管 低Na,低Kに注意 症状みて調整 尿量みて調整 ループ利尿薬 Last six (6時間作用続く)
6. アゾセミド(ダイアート) 腸管浮腫やゆっくり利尿させたいときなど! 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管 ・ヘンレ上行脚を阻害(Na,K再吸収阻害) ・フロセミドの長期作用型 ・安定時は1T(30mg)/日で内服開始 ・腸管浮腫でも吸収されやすい? HOCM、高齢者など ループ利尿薬 低Na,低Kに注意 症状みて調整
7. スピロノラクトン(アルダクトン) ・遠位尿細管に作動する(別名抗アルドステロン薬) ・1T(25mg)/日から開始 ・心不全の予後改善効果(EF 35%以下は特に) ・女性化乳房に注意 ・K保持性で高K血症気味になる(腎不全に注意) 高度腎不全や高Kなければ 心不全にはとりあえず導入が無難 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管 カリウム保持性利尿薬 原発性アルドステロン症にも これのみ高K血症になる 利尿作用は弱め
8. エプレレノン(セララ) スピロノラクトンで副作用出たときに使用? 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管 ・遠位尿細管に作動する(別名抗アルドステロン薬) ・0.5T(25mg)/日で開始 ・心不全の予後改善効果(EF 35%以下は特に) ・スピロノラクトンより選択性高い ・添付文章が厳しい 副作用出にくい 腎不全やK製剤併用で禁忌 利尿作用は弱め 原発性アルドステロン症にも カリウム保持性利尿薬 これのみ高K血症になる
9. トリクロルメチアジド(トリスメン) 降圧目的でないなら利尿剤としては後の方 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管 サイアザイド系利尿薬 ・遠位尿細管を阻害(Na,K再吸収阻害) ・降圧剤の第一選択の1つ(塩分感受性に良い) ・0.5T(1mg)/日から開始 ・心不全の予後改善効果はなし  (だいたい腎前性?腎不全になる) スピロノラクトンと阻害する輸送体が違う
10. トルバプタン(サムスカ) ・集合管(水の再吸収)に作用・阻害 ・新しい薬、薬価が高い(1000-2000円/1T) ・1T(7.5mg)/日から使用 ・尿崩症や高Na血症リスクあり(1週間ほど入院) ・心不全予後改善効果はない  (長期/高容量フロセミドよりは併用がいいらしい) 低Na血症、全身性浮腫、フロセミド反応✗には併用◎ 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管 これのみ高Na血症になる その後割りと安定 使用はフロセミドと併用が基本 内服のみ
11. カルペリチド(ハンプ) ・心房筋からのhANPで利尿作用 ・腎保護作用?心保護作用? ・降圧+利尿というイメージ  (フロセミド+ニトログリセリンみたい) ・0.025γくらいで使うことが多い  (2V(2000)+注射水10ml+5%ブドウ糖40ml 2ml/hr) 使用はフロセミド反応✗+内服不可±血圧高値くらい? 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管 注射薬のみ 日本で発明 あまり量変えない? 1V 1700円くらいと高め
12. ここからはコラム的な!
13. 強心薬の利尿作用 ・強心薬単剤でも利尿作用! ・血圧upしたら利尿薬も使用しやすい ・ドブタミン 2γくらい~  (100mg 3A + ブドウ糖35ml 1ml/hr) ・オルプリノン(コアテック) 0.1γ~  (5mg 2A + ブドウ糖40ml 1.5ml/hr) 低心機能の利尿には強心薬も検討を! β阻害薬使用していると効きにくい 腎不全あると使用しにくい
14. 利尿剤の指標 ・左心不全→肺うっ血(肺が湿る感じ)  →レントゲンでのうっ血、酸素化、呼吸数が指標 ・右心不全→胸水(肺が水に浮いてる感じ)  →レントゲンでの胸水、体重、下腿浮腫       + 急性期は-バランスに!(2000ml/日も尿あると安心) 尿量に加え、その人の指標がどれか確認を!
15. 急性期の利尿薬の選び方 ・基本はフロセミド(ラシックス) ・フロセミド40mgで×なら100mg or トルバプタン ・低Na血症あればトルバプタン併用  低K血症あればソルダクトン併用(+K補充) 初期治療はとりあえずフロセミド スピロノラクトンの静注薬
16. 利尿薬の内服と注射の違い ・フロセミドは1T(20mg) ≒ 0.5A(10mg) ・スピロノラクトンは換算表ないらしい ・急性期は腸管浮腫あり吸収悪い ・注射の方が効果判定は当然早い 入院した急性期はとりあえず注射がよい 元々の内服は一旦止めて調整しても、 注射と併用しながらでもどちらでも良い
17. 利尿剤多剤併用の力! ・利尿薬の導入順としてはだいたい以下  スピロノラクトン  →フロセミド  →トルバプタン  →トリクロルメチアジド(サイアザイド系)            めちゃくちゃ利尿することがある! 全ての受容体blockすると最後の利尿に期待!? 糸球体 遠位尿細管 ヘンレ上行脚 ヘンレ下行脚 集合管
18. フロセミドは何mgまで使える? ・腎不全あれば特に高容量必要 ・500mg/日(原液を持続投与)までしたことある ・200mg/日超えるのは少しイマイチ ・往診で100mg静注も見たことがある 高容量は使用できるが他剤も考慮を!
19. 最後の砦、マンニトール 【内服薬】 フロセミド、スピロノラクトン トリクロルメチアジド、トルバプタン 【注射薬】 フロセミド、スピロノラクトン、カルペリチド マンニトールという注射薬もある 挿管中は胃管から? 注射開発中 ただし適応外使用 それならCHDF(持続透析の方がよさそうだ)
20. まとめ ・心不全急性期はフロセミド(ラシックス)だが とりあえず尿が安全に出ればよい ・スピロノラクトンはない理由はない ・トルバプタン(サムスカ)やSGLT2阻害薬に期待 ・質問あればコメント欄にお願いします! いいねやチャンネル登録も…