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臨床病期1期のガイドライン概要
#1. Dr. 白浜 @胸部外科 臨床病期1期(ステージ1)の非小細胞肺癌のガイドライン 局所療法にて根治を目指す〜 専攻医向け〜
#2. このスライドの対象者 呼吸器内科専門医を目指す医師 呼吸器外科専門医を目指す医師 呼吸器内科、呼吸器外科の専攻を考えている初期研修医
ガイドラインの定義と重要性
#4. そもそもガイドラインとは? 診断・治療の際に参考にする指標 過去の研究結果(論文)に基づいている 患者さんの個々の状況に、一律に当てはめるべきではない
#5. 世界の肺癌のガイドラインには
どのようなものがあるか? 以下のガイドライン等が使われているが、概ね内容は類似 日本のガイドライン(日本肺癌学会)
アメリカのガイドライン(NCCN)
ヨーロッパのガイドライン(ESMO)
#6. 日本のガイドライン 2021 年度版 日本肺癌学会 内容を整理する上でのポイント 病期(ステージ)による推奨 を大切に → 特に臨床病期 1〜4 に分けて整理する 非小細胞肺癌と小細胞癌は別に考える → まずは非小細胞癌を押さえる
臨床病期と病理病期の違い
#7. 病期(ステージ)には
臨床病期と病理病期がある 臨床病期
(≒ 術前病期) 主として
生検結果や画像検査結果に基づく 病理病期
(≒ 術後病期) 主として
病理検査結果に基づく
#8. 臨床病期(ステージ)1 期とは? CT、PET、MRI 等の画像検査で病期を決める 腫瘍の大きさが 4 cm 以内
リンパ節転移がない
遠隔転移がない
#9. 局所療法として
手術と根治的放射線治療の選択 ※原則は標準治療である肺葉切除であるが、腫瘍最大径 2 cm 以下では縮小手術も考慮可能 手術 手術可能で心肺機能が良い 縮小手術 または
根治的放射線治療 手術可能であるが、
心肺機能不良 根治的放射線治療 手術不可能や
手術拒否の場合
手術方法とその選択基準
#10. 肺葉切除 定位体幹放射線治療 Hamaji et al. 2015
The Annals of Thoracic Surgery 縮小手術 定位体幹放射線治療 手術と根治的放射線治療の比較は難しい 生存率の比較研究の例 SurgeryMatsuo et al. 2014
European Journal of Cancer
#12. アプローチは、皮膚切開や道具がポイント 開胸、胸腔鏡下手術、ロボット支援下手術 がある 原則、胸腔鏡下手術を推奨 ロボット支援下手術はデータが少なく推奨不能
手術アプローチと切除範囲の考慮
#13. 開胸・胸腔鏡下手術・ロボット支援下手術 さまざまな比較
#14. 開胸・胸腔鏡下手術・ロボット支援下手術 術中の画像 腹腔鏡下手術 開胸 ロボット支援下手術
#15. 切除範囲のポイント 肺組織をどれだけ切除するか 肺葉切除
区域切除
楔状切除 縮小手術 と呼ぶ
2cm 以下なら 根治可能性が高い
#16. 縮小手術には、
積極的縮小手術と消極的縮小手術がある 腫瘍を完全切除することが大前提 → 周囲の肺組織を多く取れば安全(肺葉切除)だが、 その一方で正常肺組織は温存したい(縮小手術) 腫瘍が小さければ周囲への浸潤も考えにくく、肺葉切除する必要がない → 積極的 縮小手術と呼ぶ 腫瘍の大きさにかかわらず、呼吸機能不良のため、肺葉切除ができない → 消極的 縮小手術と呼ぶ 2 cm 以下
再発予防と術後補助療法の重要性
#17. 肺癌登録合同委員会による
後ろ向き観察研究 切除後も再発があるため、
再発予防に術後補助療法を行うことがある
#18. 完全切除をしたにもかかわらずなぜ再発? 手術とは目に見える癌組織を切除する治療 手術で切除しても 微小病変が残存している可能性 あり(リンパ節や血液中に) そのような微小残存病変が、術後に増大してくると考えられる
病理病期に基づく治療戦略
#21. 病理(術後)病期に基づいて
術後補助療法を決定 切除
#22. 病理病期 2 期または 3 期の
術後補助療法に関する補足 切除
Doctor’s Englishの重要性と活用法
#24. Doctor’s Englishのススメ
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