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Dr. KOTATSU

2021/12/27

Dr. KOTATSU

総合病院

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糖尿病性ケトアシドーシスの治療についてまとめました。

◎目次
・【糖尿病に起因する合併症】
・【糖尿病と合併症発症のリスク】
・【糖尿性ケトアシドーシスをイメージさせる症例】
・【糖尿性ケトアシドーシス性昏睡】
・【病態生理(①糖質・②蛋白質・③脂質代謝)】
・【病態生理(体液・電解質異常と代謝性アシドーシス)】
・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(1/3)】
・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(2/3)】
・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(3/3)】
・【糖尿病性ケトアシドーシスの合併症と対策】
・【糖尿病性ケトアシドーシスのまとめ】

- Featured Contents -

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様々な新薬が使用できるようになりCOVID治療の選択肢が増えました。 2022.1.11時点におけるCOVIDの標準治療をまとめました。 参照される際は最新の情報をもとにご活用いただきますようお願い致します。

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「脊髄損傷」コレだけは 〜基本的な初期対応〜

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糖尿病性ケトアシドーシスの治療

1. 糖尿病性ケトアシドーシスの 治療 Dr.KOTATSU@内分泌・糖尿病内科 Twitter ID:@drkotatsu
2. 【糖尿病に起因する合併症】 1. 急性合併症 1) 糖尿病性ケトアシドーシス (ケトアシドーシス性昏睡) 2) 高血糖高浸透圧性昏睡 3) 乳酸アシドーシス 4) 低血糖昏睡 5) その他(感染症 etc.) 2. 慢性合併症 1) 糖尿病網膜症 2) 糖尿病腎症 3) 糖尿病神経障害 4) 脳血管障害(脳梗塞、脳出血) 5) 心疾患(虚血性心疾患、心筋症) 6) 閉塞性動脈硬化症
3. 【糖尿病と合併症発症のリスク】 高 血 糖 神経障害 網膜症 腎症 感染症 糖尿病昏睡 大血管障害 低 血 糖 急性期 慢性期
4. 【糖尿性ケトアシドーシスをイメージさせる症例】 67歳、男性。 生来健康で既往歴なし。167cm、60㎏ 1週間ほど前より動悸があり、気分不良を主訴に来院。 来院時、意識傾眠傾向。呼吸 22/分、脈拍 102/分、 血圧 93/79 mmHg、SpO2 98%(room air)、体温 37.0 ℃。 現 症:舌乾燥。胸腹部、神経学的所見に特記事項無し。 心電図:Sinus tachycardia 尿所見:蛋白(-) 糖(3+) ケトン体(2+) Labo : WBC 9100 /mL, Hb 13.4 g/dL, CRP 0.2 mg/dL BUN 37.0 mg/dL, Cre 0.6 mg/dL, Na 138 mEq/L K 5.0 mEq/L, T.Chol 207 mg/dL, TG 153 mg/dL Glu 635 mg/dL, HbA1c 10.7%
5. 【糖尿性ケトアシドーシス性昏睡】  特に1型糖尿病患者の代表的な急性合併症  インスリン作用不足による高血糖、高ケトン血症、酸血症  ヨーロッパの大規模スタディ(EURODIAB)では、 3250人のインスリン依存型糖尿病患者の1年間の追跡で 8.6%の発症率(1994年)  致死率は先進国で 2~5%、発展途上国では 6~24% 糖尿病性ケトアシドーシスの対策は臨床上の重要な課題
6. 【病態生理(①糖質・②蛋白質・③脂質代謝)】 インスリンの生理作用 ・肝では糖放出抑制 ・末梢組織では糖利用促進 ①糖質代謝 Liver Muscle インスリン欠乏状態 ・肝からの糖の放出 ・末梢組織での糖利用阻害 ・糖新生系の酵素活性亢進 → 高血糖 → 血漿浸透圧亢進・浸透圧利尿 ②蛋白質代謝 ・アミノ酸の細胞内への取り込み ・細胞内での蛋白合成を促進 ・細胞内での蛋白分解を抑制 ・筋肉での蛋白分解の促進 ・筋肉での蛋白合成の阻害 → 糖新生の基質の増加 ③脂質代謝 ・脂肪組織での中性脂肪の分解 を抑制 ・脂肪分解が持続的に亢進 → 遊離脂肪酸が増加 → ケトン体産生亢進
7. 【病態生理(体液・電解質異常と代謝性アシドーシス)】 1. 体液の喪失(体重 1kg あたり 100 ml) 1) グルコース利用の低下 → 細胞外グルコースの増加 → 血漿浸透圧の亢進 → 水の細胞外への移行(細胞内脱水) 2) グルコースの尿中排泄の増加 → 浸透圧利尿(細胞外脱水) 2. NaとKの喪失(体重1kgあたり、Na 7-10mEq、K 5-7mEq) 1) 血漿高浸透圧、アシドーシス、細胞内蛋白の分解 → Kの細胞外への移行 2) インスリン作用不足 → 細胞内へのKの流入阻害 → 浸透圧利尿 → NaClとKの排泄 3. 代謝性アシドーシス ・インスリン欠乏 → ケトン体産生の律速酵素(Carnitine palmitoyltransrerase 1)の活性化 → アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸の産生 → 過剰蓄積による緩衝機能の破綻(アシドーシス)
8. 【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(1/3)】 I. 来院時/入院時の病態把握 1) 糖尿病性ケトアシドーシスの疑い →血糖、血中・尿中ケトン体測定により確認 2) 脱水、高浸透圧、アシドーシスの初期評価 →生化学、血液ガス 血漿浸透圧= 2(Na + K) + 血糖 /18 + BUN/2.8 3) 血清Kおよび腎機能の初期評価 4) 敗血症その他の誘因がないかを確認 実際の流れのイメージ
9. 【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(2/3)】 実際の流れのイメージ II. 0~4時間目の対応 時間 0~1時間目 1~4時間目 カリウム補正 5) 脱水の補正のため0.9%生食を 1000ml/2時間で投与を開始。1~ 2時間ごとに血糖値を測定。 速効型 5-10 単位/時 [体重 1kg あたり 0.1-0.2 単位/時] →静脈内持続注入※1 インスリン投与 開始時に 10-20mEq/時※2 6) 血糖の補正のため速攻型インス リン0.1U/kg/時で開始。60kgであ り、ヒューマリンRを6単位静注後 に6単位/時の持続静注を開始。 血糖値の低下が 毎時 50~80 mg/dL 以内 になるよう調節 血清Kを 4.0-5.0mEq/L に保つ 補液 インスリン 生食 500-1000 mL/時 生食 500 mL/時 7) 電解質の補正のため、4時間ご とに血清K値を測定し調整。 ※1:最初に10-20単位、1時間毎に5単位ずつ筋注しても可 ※2:血清Kが5mEq/L以下で腎機能も正常の場合 注意点: pHが7.0以下で循環動態が破綻しているときを除いてはNaHCO3は投与しない。 (酸素解離曲線が左方移動、中枢神経系のアシドーシス悪化の可能性) (K値0時間値 5.1 →4時間値3.5mEq/Lのため、 生食1000ml当たり30mEq/LのKCL混注) ※当直であれば、初期治療の開始 4時間目までは、血糖低下の具合 とKチェックのため寝られないか もしれません、患者の意識レベル に注意しましょう。
10. 【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(3/3)】 実際の流れのイメージ III. 4~24時間目の対応 時間 補液 4~8時間目 生食 250 mL/時※1 8~24時間目 2.5-5.0% グルコースを含む 輸液 インスリン カリウム補正 pH>7.35かつ 血清ケトン体が陰性になるまで継続 [ケトアシドーシスが改善されるまで] ケトアシドーシスが 完全に改善されれば 皮下注射に ※1:血糖 ≦ 270 mg/dL → 5%グルコースを加える 注意点:4~8時間目は血清リン ≦ 2.0 mg/dL なら補正する。 (K、Pはグルコースの流入に伴って細胞内に移行する) - 8) 治療開始後、6時間後には血液 ガス、電解質所見も快方に向かい 、アシドーシスは緩やかに改善し 本人の自覚症状は軽快した 9) 血糖値が250mg/dLとなった時 点で、維持液に変更し約3000ml/ 日の補液を行った。この時点で1 単位/時の持続静注で血糖値も 180mg/dL前後となり、持続静注 offとしスライディングへ。 10)治療開始後、20時間後には食 事開始し、維持インスリンの皮下 注射および、食事量に合わせた超 即効型のインスリン使用を開始。
11. 【糖尿病性ケトアシドーシスの合併症と対策】 ・糖尿病性ケトアシドーシスによる死亡率 65歳以上は20%をこえる : 敗血症、心血管系合併症 若年者は2% : 脳浮腫 1. 血栓塞栓性疾患 著しい脱水は凝固系を活性化し、心筋、腸管、脳の梗塞を引き起こす。 ケトアシドーシスの早期発見と早期治療開始が重要。少量のへパリン投与も試みられる場合もある。 2. 脳浮腫 若年者に多く、脳幹部のヘルニアをおこす。 治療による血漿浸透圧の低下が脳-血液間の浸透圧勾配を生み、脳内への水分移行を引き起こす (血糖値が250mg/dl以下になると、この現象がおこる)。急激な血糖降下にならないよう注意する。 3. 感染症(敗血症) 糖尿病による免疫力低下を考慮し、感染があれば抗生剤を投与する。
12. 【糖尿病性ケトアシドーシスのまとめ】  糖尿病の急性合併症の代表例で、死亡率が高い。  インスリン欠乏状態からくる体液・電解質異常と 代謝性アシドーシスが病態の根幹である。  原因検索とともに、初期治療の流れのイメージをもつことが 大事である。