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糖尿病性ケトアシドーシスの治療

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Dr.KOTATSU

総合病院

内容

糖尿病性ケトアシドーシスの治療についてまとめました。

◎目次

・【糖尿病に起因する合併症】

・【糖尿病と合併症発症のリスク】

・【糖尿性ケトアシドーシスをイメージさせる症例】

・【糖尿性ケトアシドーシス性昏睡】

・【病態生理(①糖質・②蛋白質・③脂質代謝)】

・【病態生理(体液・電解質異常と代謝性アシドーシス)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(1/3)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(2/3)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(3/3)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの合併症と対策】

・【糖尿病性ケトアシドーシスのまとめ】

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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内容

糖尿病性ケトアシドーシスの治療についてまとめました。

◎目次

・【糖尿病に起因する合併症】

・【糖尿病と合併症発症のリスク】

・【糖尿性ケトアシドーシスをイメージさせる症例】

・【糖尿性ケトアシドーシス性昏睡】

・【病態生理(①糖質・②蛋白質・③脂質代謝)】

・【病態生理(体液・電解質異常と代謝性アシドーシス)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(1/3)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(2/3)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(3/3)】

・【糖尿病性ケトアシドーシスの合併症と対策】

・【糖尿病性ケトアシドーシスのまとめ】

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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糖尿病性ケトアシドーシスの治療

  • 1.

    糖尿病性ケトアシドーシスの 治療 Dr.KOTATSU@内分泌・糖尿病内科 Twitter ID:@drkotatsu

  • 2.

    【糖尿病に起因する合併症】 1. 急性合併症 1) 糖尿病性ケトアシドーシス (ケトアシドーシス性昏睡) 2) 高血糖高浸透圧性昏睡 3) 乳酸アシドーシス 4) 低血糖昏睡 5) その他(感染症 etc.) 2. 慢性合併症 1) 糖尿病網膜症 2) 糖尿病腎症 3) 糖尿病神経障害 4) 脳血管障害(脳梗塞、脳出血) 5) 心疾患(虚血性心疾患、心筋症) 6) 閉塞性動脈硬化症

  • 3.

    【糖尿病と合併症発症のリスク】 高 血 糖 神経障害 網膜症 腎症 感染症 糖尿病昏睡 大血管障害 低 血 糖 急性期 慢性期

  • 4.

    【糖尿性ケトアシドーシスをイメージさせる症例】 67歳、男性。 生来健康で既往歴なし。167cm、60㎏ 1週間ほど前より動悸があり、気分不良を主訴に来院。 来院時、意識傾眠傾向。呼吸 22/分、脈拍 102/分、 血圧 93/79 mmHg、SpO2 98%(room air)、体温 37.0 ℃。 現 症:舌乾燥。胸腹部、神経学的所見に特記事項無し。 心電図:Sinus tachycardia 尿所見:蛋白(-) 糖(3+) ケトン体(2+) Labo : WBC 9100 /mL, Hb 13.4 g/dL, CRP 0.2 mg/dL BUN 37.0 mg/dL, Cre 0.6 mg/dL, Na 138 mEq/L K 5.0 mEq/L, T.Chol 207 mg/dL, TG 153 mg/dL Glu 635 mg/dL, HbA1c 10.7%

  • 5.

    【糖尿性ケトアシドーシス性昏睡】  特に1型糖尿病患者の代表的な急性合併症  インスリン作用不足による高血糖、高ケトン血症、酸血症  ヨーロッパの大規模スタディ(EURODIAB)では、 3250人のインスリン依存型糖尿病患者の1年間の追跡で 8.6%の発症率(1994年)  致死率は先進国で 2~5%、発展途上国では 6~24% 糖尿病性ケトアシドーシスの対策は臨床上の重要な課題

  • 6.

    【病態生理(①糖質・②蛋白質・③脂質代謝)】 インスリンの生理作用 ・肝では糖放出抑制 ・末梢組織では糖利用促進 ①糖質代謝 Liver Muscle インスリン欠乏状態 ・肝からの糖の放出 ・末梢組織での糖利用阻害 ・糖新生系の酵素活性亢進 → 高血糖 → 血漿浸透圧亢進・浸透圧利尿 ②蛋白質代謝 ・アミノ酸の細胞内への取り込み ・細胞内での蛋白合成を促進 ・細胞内での蛋白分解を抑制 ・筋肉での蛋白分解の促進 ・筋肉での蛋白合成の阻害 → 糖新生の基質の増加 ③脂質代謝 ・脂肪組織での中性脂肪の分解 を抑制 ・脂肪分解が持続的に亢進 → 遊離脂肪酸が増加 → ケトン体産生亢進

  • 7.

    【病態生理(体液・電解質異常と代謝性アシドーシス)】 1. 体液の喪失(体重 1kg あたり 100 ml) 1) グルコース利用の低下 → 細胞外グルコースの増加 → 血漿浸透圧の亢進 → 水の細胞外への移行(細胞内脱水) 2) グルコースの尿中排泄の増加 → 浸透圧利尿(細胞外脱水) 2. NaとKの喪失(体重1kgあたり、Na 7-10mEq、K 5-7mEq) 1) 血漿高浸透圧、アシドーシス、細胞内蛋白の分解 → Kの細胞外への移行 2) インスリン作用不足 → 細胞内へのKの流入阻害 → 浸透圧利尿 → NaClとKの排泄 3. 代謝性アシドーシス ・インスリン欠乏 → ケトン体産生の律速酵素(Carnitine palmitoyltransrerase 1)の活性化 → アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸の産生 → 過剰蓄積による緩衝機能の破綻(アシドーシス)

  • 8.

    【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(1/3)】 I. 来院時/入院時の病態把握 1) 糖尿病性ケトアシドーシスの疑い →血糖、血中・尿中ケトン体測定により確認 2) 脱水、高浸透圧、アシドーシスの初期評価 →生化学、血液ガス 血漿浸透圧= 2(Na + K) + 血糖 /18 + BUN/2.8 3) 血清Kおよび腎機能の初期評価 4) 敗血症その他の誘因がないかを確認 実際の流れのイメージ

  • 9.

    【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(2/3)】 実際の流れのイメージ II. 0~4時間目の対応 時間 0~1時間目 1~4時間目 カリウム補正 5) 脱水の補正のため0.9%生食を 1000ml/2時間で投与を開始。1~ 2時間ごとに血糖値を測定。 速効型 5-10 単位/時 [体重 1kg あたり 0.1-0.2 単位/時] →静脈内持続注入※1 インスリン投与 開始時に 10-20mEq/時※2 6) 血糖の補正のため速攻型インス リン0.1U/kg/時で開始。60kgであ り、ヒューマリンRを6単位静注後 に6単位/時の持続静注を開始。 血糖値の低下が 毎時 50~80 mg/dL 以内 になるよう調節 血清Kを 4.0-5.0mEq/L に保つ 補液 インスリン 生食 500-1000 mL/時 生食 500 mL/時 7) 電解質の補正のため、4時間ご とに血清K値を測定し調整。 ※1:最初に10-20単位、1時間毎に5単位ずつ筋注しても可 ※2:血清Kが5mEq/L以下で腎機能も正常の場合 注意点: pHが7.0以下で循環動態が破綻しているときを除いてはNaHCO3は投与しない。 (酸素解離曲線が左方移動、中枢神経系のアシドーシス悪化の可能性) (K値0時間値 5.1 →4時間値3.5mEq/Lのため、 生食1000ml当たり30mEq/LのKCL混注) ※当直であれば、初期治療の開始 4時間目までは、血糖低下の具合 とKチェックのため寝られないか もしれません、患者の意識レベル に注意しましょう。

  • 10.

    【糖尿病性ケトアシドーシスの治療(3/3)】 実際の流れのイメージ III. 4~24時間目の対応 時間 補液 4~8時間目 生食 250 mL/時※1 8~24時間目 2.5-5.0% グルコースを含む 輸液 インスリン カリウム補正 pH>7.35かつ 血清ケトン体が陰性になるまで継続 [ケトアシドーシスが改善されるまで] ケトアシドーシスが 完全に改善されれば 皮下注射に ※1:血糖 ≦ 270 mg/dL → 5%グルコースを加える 注意点:4~8時間目は血清リン ≦ 2.0 mg/dL なら補正する。 (K、Pはグルコースの流入に伴って細胞内に移行する) - 8) 治療開始後、6時間後には血液 ガス、電解質所見も快方に向かい 、アシドーシスは緩やかに改善し 本人の自覚症状は軽快した 9) 血糖値が250mg/dLとなった時 点で、維持液に変更し約3000ml/ 日の補液を行った。この時点で1 単位/時の持続静注で血糖値も 180mg/dL前後となり、持続静注 offとしスライディングへ。 10)治療開始後、20時間後には食 事開始し、維持インスリンの皮下 注射および、食事量に合わせた超 即効型のインスリン使用を開始。

  • 11.

    【糖尿病性ケトアシドーシスの合併症と対策】 ・糖尿病性ケトアシドーシスによる死亡率 65歳以上は20%をこえる : 敗血症、心血管系合併症 若年者は2% : 脳浮腫 1. 血栓塞栓性疾患 著しい脱水は凝固系を活性化し、心筋、腸管、脳の梗塞を引き起こす。 ケトアシドーシスの早期発見と早期治療開始が重要。少量のへパリン投与も試みられる場合もある。 2. 脳浮腫 若年者に多く、脳幹部のヘルニアをおこす。 治療による血漿浸透圧の低下が脳-血液間の浸透圧勾配を生み、脳内への水分移行を引き起こす (血糖値が250mg/dl以下になると、この現象がおこる)。急激な血糖降下にならないよう注意する。 3. 感染症(敗血症) 糖尿病による免疫力低下を考慮し、感染があれば抗生剤を投与する。

  • 12.

    【糖尿病性ケトアシドーシスのまとめ】  糖尿病の急性合併症の代表例で、死亡率が高い。  インスリン欠乏状態からくる体液・電解質異常と 代謝性アシドーシスが病態の根幹である。  原因検索とともに、初期治療の流れのイメージをもつことが 大事である。

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