テキスト全文
グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の概要と副作用
#1.
グルココルチコイド
誘発性骨粗鬆症 2025
Glucocorticoid induced osteoporosis: GIOP 小澤廣記 Nature Reviews Endocrinology volume 14, pages383–384 (2018)
#2. ステロイドの副作用 最低10個、言えますか? どんな副作用があるんですか? 73歳男性 数週間前からの両肩の痛み
・数日前から起き上がるのも困難な痛みが四肢に生じたため入院
・両肩の筋骨格エコーでは肩峰下滑液包炎の所見
・感染症や巨細胞性動脈炎を除外のうえリウマチ性多発筋痛症の診断
・プレドニン 15mg での治療を開始する方針となった
#3. 予防/治療が可能なものはどれですか? ステロイドに関連する主な副作用 代謝および内分泌系
視床下部‐下垂体‐副腎軸(HPA軸)の抑制
高血糖
皮膚および外見
クッシング様徴候
体重増加
皮膚の菲薄化と皮下出血
ニキビ、多毛症、顔面紅斑
心血管系
体液貯留
高血圧
動脈硬化性疾患および重大な心血管イベント(例:心筋梗塞、脳卒中)
不整脈
肺塞栓症および深部静脈血栓症
脂質異常症
消化器系
胃炎、消化性潰瘍、上部消化管出血
脂肪肝炎
内臓穿孔
骨および筋肉系
骨粗鬆症
骨壊死(特に無菌性壊死)
筋症状(筋力低下)
神経精神系
不眠症
うつ病
精神病
記憶障害
眼科系
白内障
眼圧上昇/緑内障
免疫系
感染症のリスク増加
ワクチン接種に対する免疫応答の低下
その他
歯の過敏症
鼻出血
小児における成長障害
UpToDate “Major adverse effects associated with systemic glucocorticoid therapy”
(Last updated: Jan 08, 2024.) より訳出
GIOPのマネジメントと学習目標
ステロイド長期使用による骨折リスクと影響
GIOPの病態生理と骨吸収のメカニズム
GIOPのリスク評価と診断方法
GIOPの治療と予防に関する考え方
参考文献と重要なメッセージ