#4.
特に全例での介入が望ましい骨粗鬆症が今日のトピックです ステロイドに関連する主な副作用 代謝および内分泌系
視床下部‐下垂体‐副腎軸(HPA軸)の抑制
高血糖
皮膚および外見
クッシング様徴候
体重増加
皮膚の菲薄化と皮下出血
ニキビ、多毛症、顔面紅斑
心血管系
体液貯留
高血圧
動脈硬化性疾患および重大な心血管イベント(例:心筋梗塞、脳卒中)
不整脈
肺塞栓症および深部静脈血栓症
脂質異常症
消化器系
胃炎、消化性潰瘍、上部消化管出血
脂肪肝炎
腸管穿孔
骨および筋肉系
骨粗鬆症
骨壊死(特に無菌性壊死)
筋症状(筋力低下)
神経精神系
不眠症
うつ病
精神病
記憶障害
眼科系
白内障
眼圧上昇/緑内障
免疫系
感染症のリスク増加
ワクチン接種に対する免疫応答の低下
その他
歯の過敏症
鼻出血
小児における成長障害
UpToDate “Major adverse effects associated with systemic glucocorticoid therapy”
(Last updated: Jan 08, 2024.) より訳出
#5.
学習目標 Learning Objectives 研修医/専攻医
GIOPのマネジメントの概略を説明できる
骨粗鬆症のスクリーニングと骨折リスク評価を行えるようになる
骨粗鬆症治療薬の概略を把握する
専攻医
GIOPと閉経後骨粗鬆症の病的機序の違いを理解する
骨粗鬆症薬による非定形骨折や顎骨壊死について説明できる
骨密度のモニタリングとdrug holiday/逐次療法について理解する
#6.
Outline 1. GIOPの疫学
2. GIOPの病態生理
3. リスク評価と層別化
4. 治療と予防
5. まとめ Nature Reviews Endocrinology volume 14, pages383–384 (2018)
#7.
ステロイドを長期使用する患者の骨折リスクはどれくらいでしょうか? A. 5%
B. 15%
C. 30%
D. 50%
#8.
ステロイドを長期使用する患者の骨折リスクはどれくらいでしょうか? A. 5%
B. 15%
C. 30%
D. 50%
#9.
ステロイド長期内服患者のうち…
10%以上 骨折の新規診断
Arthritis Rheum 2006;55:420–6.
30-40% 椎体骨折あり
Bone 2006;39:253–9.
#10.
投与開始後3-6ヶ月のうちに骨密度の低下は急激に進む 骨折リスクの上昇は
骨密度の低下よりも
さらに早く起きる
(骨質にも影響) Ann Intern Med 1993;119:963–8.
#11.
高用量・高積算量がハイリスク
Incidence of nonvertebral fractures stratified by daily corticosteroid dose, age, and gender. J Bone Miner Res 2015;30:1667–75. ステロイドの用量が抑えられるように
背景疾患の治療を工夫することも重要
#12.
Outline 1. GIOPの疫学
2. GIOPの病態生理
3. リスク評価と層別化
4. 治療と予防
5. まとめ Nature Reviews Endocrinology volume 14, pages383–384 (2018)
#13.
正常の骨リモデリング – 骨形成と骨吸収 Nature Reviews Endocrinology, 2020, 16.8: 437-447. 破骨細胞の骨吸収はRANKLとオステオプロテジェリンのバランスによって影響
骨芽細胞の形成と活性は、スクレロスチンなどのWNT阻害物質の産生によって影響
#14.
GIOPの初期 – 骨吸収が増加 Nature Reviews Endocrinology, 2020, 16.8: 437-447. RANKLとMCSFの増加により、破骨細胞数と活性が二次的に刺激され、骨吸収が増加
#15.
GIOPの慢性期 - 骨形成の低下 骨芽細胞数の減少により、骨吸収と骨形成の両方が減少 結果としては骨形成が低下 Nature Reviews Endocrinology, 2020, 16.8: 437-447.
#16.
GIOPと閉経後骨粗鬆症は異なる病態 GIOPでは骨吸収の増加により、急速に骨密度が低下する
#17.
Outline 1. GIOPの疫学
2. GIOPの病態生理
3. リスク評価と層別化
4. 治療と予防
5. まとめ Nature Reviews Endocrinology volume 14, pages383–384 (2018)
#18.
3. GIOP リスク評価と診断 DEXAスキャンと腰椎X線 骨密度(BMD)測定でリスクを定量化
40歳未満ではZスコアで評価
腰椎X線で圧迫骨折をスクリーニング FRAX®スコア 骨密度と背景因子から骨折リスクを算出
ステロイド用量によりリスク調整 ステロイド用量によるリスク調整
PSL >7.5mg/dayの場合
major osteoporotic fracture → ×1.15
hip fracture → ×1.2
#19.
ガイドラインごとにリスク評価・治療推奨は異なる 日本骨代謝学会 2023 米国リウマチ学会 2022 日本の疫学データをもとにスコアリング(FRAXは不使用)
薬物療法か経過観察の2択
治療薬ごとにエビデンスレベルを詳説
薬物療法での優先順位はなし 重症例などは個別記載 骨折既往の有無、FRAXから層別化した治療推奨
逐次療法についても記載
#20.
4. GIOP 治療と予防の考え方
#21.
主な骨粗鬆薬とGIOP 青字: GIOPでのエビデンスのある薬剤
#22.
骨粗鬆症治療中の注意点 長期使用リスク ビスホスフォネートの非定型骨折
特に長期使用(5年以上)で大腿骨の非定型骨折リスクが増加する
アジア人女性は高リスク
休薬後にリスクは低下
N Engl J Med. 2020 Aug 20;383(8):743-753.
対策:
ドラッグホリデー(休薬)を適切なタイミングで検討 J Bone Miner Metab 2017;35:209-214.
#23.
骨粗鬆症治療中の注意点 長期使用リスク モニタリング 骨密度の定期評価
DEXAスキャンを1~2年ごとに実施し、治療効果と骨折リスクを評価
骨密度の変化率に基づき治療を調整
治療薬の副作用モニタリング
非定型骨折の兆候(股関節痛など)を見逃さない
股関節痛が生じたら画像評価
ビスホスフォネートの非定型骨折
特に長期使用(5年以上)で大腿骨の非定型骨折リスクが増加する
アジア人女性は高リスク
休薬後にリスクは低下
N Engl J Med. 2020 Aug 20;383(8):743-753.
対策:
ドラッグホリデー(休薬)を適切なタイミングで検討
#24.
Outline 1. GIOPの疫学
2. GIOPの病態生理
3. リスク評価と層別化
4. 治療と予防
5. まとめ Nature Reviews Endocrinology volume 14, pages383–384 (2018)
#25.
学習目標 Learning Objectives 研修医/専攻医
GIOPのマネジメントの概略を説明できる
骨粗鬆症のスクリーニングと骨折リスク評価を行えるようになる
骨粗鬆症治療薬の概略を把握する
専攻医
GIOPと閉経後骨粗鬆症の病的機序の違いを理解する
骨粗鬆症薬による非定形骨折や顎骨壊死について説明できる
骨密度のモニタリングとdrug holiday/逐次療法について理解する 今回扱えなかった部分も参考文献などで復習してください
#26.
参考文献 Key References グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2023
2022 American College of Rheumatology Guideline for the Prevention and Treatment of Glucocorticoid-Induced Osteoporosis
medicina(メディチーナ) 2024年8月号特集
リウマチ膠原病疾患 Up To Date!
押さえておきたい最新の診断と治療 日米の最新ガイドラインをベースにGIOP管理のQ&Aをまとめました
#27.
Take Home Message
ステロイドによる副作用のうち, GIOPは予防/治療が可能
ステロイド治療時にDEXA・腰椎X線とFRAXスコア計算
リスクに基づいて生活指導と適切な治療を選択する
第一線から、患者さんの未来を守ってください! 27