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救急エコーはまず肺より始めよ 簡単ですぐに使えて コスパ最高
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最終更新:2023年1月5日
肺エコーとBLUEプロトコル
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苦手を得意に変える!! ポータブル単純X線写真の読影法
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【ここだけは押さえる】ICUポータブルX-pのまとめ
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最終更新:2022年1月28日
呼吸器外科疾患 小型肺癌 -肺癌の手術適応はどう考えるの?-
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最終更新:2021年12月23日
膿胸と診断した君へ 〜これだけは知っておいてほしい治療方法と外科コンサルのタイミング〜
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最終更新:2022年3月10日
図解 Screw と Plate Part3 よくある質問 編
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最終更新:2023年3月2日
臨床病期1期(ステージ1)の非小細胞肺癌のガイドライン
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最終更新:2023年1月23日
肺がん手術の今までとこれから
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最終更新:2023年1月20日
救急エコーはまず肺より始めよ 簡単ですぐに使えて コスパ最高
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最終更新:2023年1月5日
呼吸器内科医のキャリアプラン~呼吸器内科医の実際のところ~
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最終更新:2022年12月15日
みんなの救命救急科出版記念!SNSから始まる新たなキャリア
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最終更新:2022年11月11日
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胸腔穿刺・ドレナージとは? 外科的胸腔ドレナージとは胸腔に外科用ドレーンを挿入し,空気または 液体を排出する手技。 適応 •気胸など •症状を伴うまたは繰り返す大量の胸水 •膿胸または肺炎随伴性胸水 •血胸 •乳び胸など
胸腔穿刺・ドレナージの適応と部位 それぞれの病態によって穿刺する場所(貯留しやすい部位) が異なることを把握しよう 膿胸 胸水、血胸 気胸 ・気胸 空気なので頭側(立位)、腹側(仰臥位)に貯留しやすい。 緊急脱気は第2,3肋間鎖骨中線上で行う。 ドレナージは仰臥位にて第4,5肋間中腋窩線上が多い。ただし、繰り返す気胸 などで胸壁と肺が癒着していることがあり、CTでチェックして癒着していない穿 刺ルートを探すこともある。 ・膿胸 尾側、背側に多いが原因となる肺炎の部位などによって異なる。 すべてが一つの腔となることは少なく、それぞれ隔壁を伴いいくつかの膿瘍腔 に分かれて存在することも多いため、CTなどで位置を把握し適切な部位に穿刺。 ・胸水、血胸 尾側・横隔膜上(立位)、背側(仰臥位)に貯留しやすい。 座位にて第6,7肋間中腋窩線上で行うことが多い。
4.
胸腔穿刺・ドレナージに必要な解剖の知識 頭側 尾側 抵抗感 皮膚(表皮+真皮) 皮下組織 前鋸筋 硬い構造は膜組織(皮膚、胸膜) 痛覚が存在するのも同じ部位。 皮膚と壁側胸膜に局所麻酔を しっかりと行う。 皮膚はメスでしっかり切開し、壁側 胸膜は必要であれば鈍的に開放 しておく。 そうすることで勢いで胸腔内臓器 を誤穿刺するリスクが低下する。※ 肋間神経 肋間筋、肋骨 肋骨 肋間静脈 肋間静脈 胸横筋 壁側胸膜 肋骨 肋間動静脈神経は肋骨下縁に 存在するため、穿刺は肋骨上縁で 行う。 抵抗感 胸腔 ポイント!! ※ 特に膿胸などの症例では、壁側胸膜が炎症により肥厚していることが多い。 通常よりさらに硬くなっているため、抵抗を感じたら無理せず時間をかけても鈍的に解放してドレーンを入れよう。
5.
胸腔穿刺・ドレナージの流れ 1, 物品の用意、エコー、CTで胸腔内の状態を把握 2, 局所麻酔を穿刺部位に行う。胸壁に達したら空気や排液が 引けるため、その深さを把握してゆっくりと引きながら局所麻酔 を行う。 何を対象として、どこに 穿刺するか事前に把握 することが重要。 人によって胸壁までの距離は大きく違う。 表皮と壁側胸膜へ局所麻酔をしっかり。 胸腔内に到達した深さを覚えておこう。 3, 穿刺の際に抵抗を感じる場所(真皮、壁側胸膜)を 穿刺前にしっかりと切開、開放 ドレーンの太さの1.7倍は開いておこう。 真皮(硬い組織)は切れていることを確認。 真皮までの出血はドレーンを留置して圧迫 するとほとんど止血されるから気にしない! 4, 左手をしっかりと添えて、試験穿刺の時に確認した深さを 超えて穿刺しないようにゆっくりと穿刺する。 万が一勢いがついてもドレーンが挿入した い長さで止まるように左手を固定する。決し て勢いをつけてはいけない。 挿入した際に壁側胸膜はある程度抵抗を 感じるため、その部位を超えたら内筒を抜い てドレーン(柔らかい)ものだけで進めていく
6.
医療事故の再発防止に向けた提言 第12号 「胸腔穿刺に係る死亡事例の分析」 死亡事例9例を解析すると 1.死亡事例のほとんどは出血性ショック 2.損傷部は大血管・心臓(5例)、肋間動脈(3例)、他呼吸不全死亡1例 3.胸腔ドレーンはまっすぐ穿刺すると大血管などは想像以上に近く、容易に到達する 引用 https://www.medsafe.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=60 どういう手技を確立すれば防げるか?それを考えておこう。
7.
医療事故から考える、胸腔ドレナージの注意点 ・大血管損傷を防ぐためには 1.内筒を入れたままの穿刺はしっかり距離を把握して、違和感があればすぐに中止。 2.胸腔穿刺の前には、穿刺部位や角度、深さなどを検討する。 CT画像やエコーなどで、事前に臓器と胸水貯留部位などの位置関係を確認する ・肋間動脈損傷を防ぐためには 1.解剖を理解し、胸腔ドレーンを肋骨の上縁に沿うように穿刺する 引用 https://www.medsafe.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=60 臓器損傷を避ける方法として、皮膚切開をチェストチューブの太さより大きめにあけ、肋間筋 を鈍的に分けて開胸してスムーズにチューブを胸腔内に進めることが推奨されている 引用 呼吸器外科テキスト 南江堂 p286 胸部外傷、ドレナージより
8.
胸腔穿刺・ドレナージの流れ(細かい注意点) 1, 物品の用意、エコー、CTで胸腔内の状態を把握 チェック項目 ✓ 物品をすべて用意する 2, 局所麻酔を穿刺部位に行う。胸壁に達したら空気や排液が 引けるため、その深さを把握してゆっくりと引きながら局所麻酔 を行う。 チェック項目 ✓ 皮膚と壁側胸膜にしっかり局所麻酔したか? ✓ 胸壁までの実際の深さは? ✓ 胸腔内から返ってきた空気や胸水は予定通りか? (焦る要素をなくす) ✓ 穿刺部位チェック (癒着はないか?膿胸の部位は?) ✓ 胸壁までの深さのチェック ✓ 胸腔内臓器の位置のチェック 3, 穿刺の際に抵抗を感じる場所(真皮、壁側胸膜)を 穿刺前にしっかりと切開、開放 チェック項目 ✓ 穿刺部位の皮膚切開は十分か? ドレーンの直径と同じ長さではいけない。抵抗を感じるために危険な手技となる。 外周を考えるとドレーンの直径x1.7倍以上の皮膚切開が必要。 また、表皮だけではなく、真皮までしっかりと切開しなくては抵抗になってしまう。 ✓ アスピレーション以外の穿刺では先に鈍的に皮下組織〜壁 側胸膜までを剥離したか? 4, 左手をしっかりと添えて、試験穿刺の時に確認した深さを 超えて穿刺しないようにゆっくりと穿刺する。 チェック ✓ 穿刺時に無理やりドレーンを押す状況になっていないか? ✓ 左手はしっかりとドレーンと胸壁を固定しているか? 3で行った皮膚および壁側胸膜の開放が甘いと途中で強い抵抗を感じる。ここ で無理をすると穿刺で勢いがついてしまい、胸腔内臓器の誤穿刺のリスクが高く なる。必要とあれば躊躇せず再度3に戻ろう。
9.
論文をチェック 超音波ガイダンスでの胸腔穿刺は気胸発生率を低下させる エコーを使用した場合の気胸発生率は0.4%、使用しない場合は9.3% OR : 0.3 (0.2-0.7) 気胸は診断目的の穿刺より、治療のための穿刺の後に発生しやすい OR : 2.6 (1.8-3.8) Pneumothorax Following Thoracentesis ;A Systematic Review and Meta-analysis. Craig E. Gordon, MD, MS; David Feller-Kopman, MD; Ethan M. Balk, MD, MPH; et al. Arch Intern Med. 2010;170(4):332-339. 特に少量の胸水や肺虚脱が弱い症例では、エコーの使用を考慮したほうが良い
10.
やってしまった?! 胸腔穿刺・ドレナージのリスクマネジメント 結果として想定以上に深く進んでいる場合もある。予定した深さに達しても排液がない場合、 いったん手を止め、穿刺部位や角度、距離などを再検討する。 もし排液が血性で、病状による血性排液か臓器損傷によるものかの判断に迷う場合は、 まずカテーテルをクランプしそのまま固定し(抜去すると大出血になる)、心臓・大血管損傷を 念頭に置いて対応する。 引用 https://www.medsafe.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=60 バイタルチェック、画像チェック! 上級医コール、呼吸器外科呼び出し!!
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Take Home Messages 1.肋骨上縁で穿刺しよう 2.誤穿刺をしないように、しっかり左手を添えて深く刺さらないようにしよう 3.皮膚切開を躊躇せずに、抵抗をできるだけ減らすために大きめにしよう